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nakanokun to sakagami kun
下巻ははちゃめちゃ感に磨きがかかり、楽しんだもの勝ちな振り切れ感。カーチェイスから爆破事件、ロシアに乗り込んでの鬼退治など、派手にやってくれた。事件解決後は穏やかな日常BLの始まりが見れ、読後感がとても良かった。
中野のピンチか?と思われた始まり、拳銃で撃ちあうシーンがありながら、なんともコミカルな進行。その後も中野の色ボケ度が増していて、語り口のテンションも少しだけ高くなっているように感じた。
メインは坂上含む一行のロシア入りからラスボス退治、中野は留守番組。
画的には、中野とその護衛たちが、ロシアで戦う坂上たちの映像を集まって観ているだけになる。それでも、視点主(中野)が戦闘現場にいなくても、しっかり面白く描写されている。個性的な仲間たちの会話も楽しい。
そして倒したかと思われた敵が現れる、坂上の最後の大ピンチ。この場面での日本語の呟きにはびっくりしたし、特大の萌えに撃ち抜かれた。何度も中野にリダイアルする様子も泣けた。
事件は綺麗に片付き、終章は二人の明るいこれからを想像させてくれる、暖かな雰囲気。殺し屋として生きてきた坂上がこんな結末を迎えられたのがすごいし、微笑ましく思う。締め括り方もおしゃれで好き。
電子特典は二人のなんでもない日常話、というかただの仲良しカップルの休日。なんだかんだで中野ってオヤジなんだよなあと思った。年下を揶揄いながら丸め込む話術が……まあ坂上が幸せならなんでも良いけど。
何度も海外ドラマという単語が出てくるので、そういうイメージで書かれてるのかな。ぶっ飛んだ内容の連続で、笑いながら楽しく読めた。非BLレーベルでありながら、BL的な萌えも摂取できてお得な気分。
ハードボイルドというよりドタバタコメディとして面白かった!
「え!」と驚く展開が多かったです!
カーアクションの表記が多く、読者の私が、車のことが分かっていたらもっと楽しめたかもしれません。(わからないところは飛ばし読みしてしまいました)
危機はとても綺麗に回避されるので、正直、都合が良すぎる感じもしました。
私の場合、脇役の個性の面白さがそれに勝ち、最後まで楽しく読めました。
ラブは相変わらずあっさりです。中野と坂上の性格上、濃厚なものでなくても私は好きです。
厳しいことは起こらないので、心が弱っていても気楽に読めます。
上巻から下巻へ。
BLなのだけれど、BL色が濃いかというとそういうわけでもなく、どちらかというと海外のアクション映画・ドラマを観ているような感覚になりました。
至るところでドンパチと銃が鳴り、カーアクションありのダイナミックでスリリングな展開に。
作中に具体的な地名や駅名が登場するので、これは東京・関東圏に馴染みのある方はもっと楽しめるかもしれませんね。
謎の同居人との奇妙で平穏だったはずの日常が一転し、後継者争いの非日常に巻き込まれていく中野。
今までの全ての物事が「実は…」と、次々にひっくり返っていく図は面白かったです。
なんだか気付けば殺し屋ばっかりじゃないですか?
どのキャラクターも個性が強い人ばかりだというのに、1番個性が強いのは危機迫る中でも自然体だった中野かな。
ド派手な展開と意外な人物が現れる流れは楽しく読めたのですが、後半の中継部分がやや長尺でやはりだれてしまいました。
テンポは良いのに状況が分かりにくく、心地良い流れではなかったです。
肝心のオチ部分もすっきりとはせず…うーん。
書きたいところは分かったというか、途中途中はすごく面白いだけにもったいなく感じます。
はじめにゴールを決めて書かれていたわけではないのかなという印象を受けました。
個人的にはもう少し中野と坂上のあれこれが見たかったなあ。
ドライな中野を唯一熱くさせるのが同居人…なんておいしいじゃないですか。
派手なアクションも良いのですが、もっと2人にフォーカスをあてたエピソードもほしかったです。
下巻でも坂上の健気さと、ちょっぴり分かりにくいいじらしさが見え隠れしていたものですから、もっとグッと掴まれるようなシーンがあればと惜しいです。