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駅名コンビ2人の、 予測不可能なハードボイルドBL!
nakanokun to sakagami kun
非BLレーベルから出版されていますが、BL作です。
同居もの+ハードボイルドの文字とyocoさんの素敵なイラストに惹かれて購入。
バーで出逢い、気が付けば中野の自宅に転がり込んで棲みついていた青年・坂上。
坂上というのが本名なのかも定かではなく、名前どころか職業も知らない彼との奇妙でスリリングな同居生活が綴られていきます。
ふらっと現れたかと思ったらまたふらっといなくなる、猫のようでいて謎めいた坂上との生活をなんだかんだで自然と受け入れている中野の図を眺めていると…
序盤も序盤。突然の展開にえっ?となってしまうんです。
どういうことなのか。いったい何が起こっているのか?
読みながらこちらは混乱の最中だというのに、主人公である中野は動じていない不可解さ。
命の危険を感じる物事に巻き込まれていても、不思議なほどにあまり感情の起伏がなくて、ちょっと得体の知れないなにかをずっと噛んでいるような変な感覚になるんですよね。
次第に坂上との同居生活がスリルあふれるものになっていくのですが、とにかく謎が多いので疑問を抱いたまま読み進めることになります。
何かに巻き込まれる主人公というのは、一般的にはもっと慌てたり疑問を強くぶつけたりしそうなもの。
ただ、中野はそれをしないんです。
次々と襲い来る危険の謎が分かりそうで分からない+中野の独特な思考もあいまって「なんだかよく分からない」が続く居心地の悪さにもやもやしました。
嫌ではないもやもやというか、変な気持ちにさせられるというか。
妙に気になってしまう独特の味と雰囲気があります。
BL的な萌えどころとしては、甘みは少なくドライ。
恋人関係ではない。でも嫉妬めいたものはある。
この辺りかなと思います。
秘密基地のような住処での同居生活の中で、少しずつ育っていく中野の情緒も見どころでしょうか。
謎多き坂上視点もすごく良くて、ああー…なるほどそうだったのねと頭を抱えました。
これは読んでとしか言えませんが、ぐるぐるとした内面が伝わる文章で私は好きです。
オムライスが良いんですよ…
個人的には、後半の展開は特に面白かったのに、説明の多さとごちゃつきでだれてしまったのがもったいないように感じます。
WEB上で連載されていたそうなので、少しずつ区切っていたものをあわせたらそうなるのも仕方がないのかな。
上巻ラストで失速してしまい、うーん…と思いつつ、彼らの続きを最後まで見届けたいです。
テンポよく読めます!さっぱりとした読み心地なので、サクサク読めました。
サラリーマンの中野の家に、居候となった坂上。
帯で2人の関係はわかっていても、なんで?どうして?こうなっているの?と思うと、次々ページをめくってしまいます。
脇役も面白いです。
でも、1番変わっているのは主人公。さっぱりした性格がよかったです。
濃厚なラブストーリーを読みたい方は物足りないかも。
確実に2人の間に育っていく感情はあります。
戦闘シーンも軽めです。
心を抉られたくない時におすすめです。