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shinkan ha ou to ai wo tsumugu
2005年に刊行された『神官は王に愛される』を1作目とする、吉田先生の人気シリーズの一つである「神官シリーズ」の最新刊。サブタイトルに「神官シリーズ番外編集三」とついているところからも推測できるように、SSの詰め合わせです。
が、このSS、上手に繋がっていてですね、短編ではありますがちょっとずつ繋がっているうえに、過去の話ともリンクしていて、さながら「総集編」のような1冊でした。
侈才邏国国王・羅剛の妃であり、虹霓教の最高位の「聖虹使」でもある冴紗は、ある日羅剛にお祭りに連れて行ってもらうことに。かつて、今は亡き両親と一緒に行ってみたいと願っていた祭りに行くことができ喜ぶ冴紗だったが、そこで彼が見たのは、その日に食べることもままならない貧しい人々だった。聖虹使に一目会いたいと願う国の民と出会った冴紗は…。
というところから今巻は始まります。
黒髪・黒い瞳をもって生まれた、というただそれだけで疎まれ続けた子ども時代を過ごした羅剛は、冴紗を愛しそして愛され今は賢王と名をはせるほどになり、そんな彼が、国の民と、そして冴紗の心を痛める姿を見て行った政策はー。と話は続きます。
このエピソードから、羅剛の実父で前国王の敷いた悪政の話につながっていたり、冴紗を助けてくれた娼婦の雪花、羅剛のいとこにあたる伊諒からの冴紗への横恋慕など話が多岐にわたります。今シリーズの序盤で描かれていたような痛い展開は今は皆無で(ここ最近の作品にも言えることですが)終始甘々。しかも羅剛の暑苦しい話し方は健在なので、もうこの作品の持つ世界観はもはや誰にもまねできない独特なものになっていると言えると思います。
新刊が出るとつい手に取ってしまう不思議な魅力を持つ今シリーズ。
もう完結かな…?と思わせつつの、数年おきに出る今作品は、私にとってのボーナスみたいな感じ。甘く優しい作品で、読後心がほっこりしました。