パパの、ぼくのなかに入れて。

誘春

yushun

誘春
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神35
  • 萌×228
  • 萌20
  • 中立8
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
21
得点
355
評価数
98
平均
3.8 / 5
神率
35.7%
著者
吉田珠姫 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
価格
¥657(税抜)  
ISBN
9784576150215

あらすじ

父・清明へのくるおしい欲望を抑えきれない高校生の暁。清明もまた、ある秘密を隠し続けていて…。

それは、二人だけの秘密の儀式――。人気料理研究家の父・清明に十歳まで施された赤ちゃんごっこが最も幸せな記憶である暁は、
実の息子でありながら清明へのくるおしい欲望を抑えきれず、山奥の全寮制学園で生徒教師を問わず性交を重ねる毎日。
息子の演技にも限界を感じていた誕生日の夜、暁は清明の秘密を暴き、父子の真実を知ることに…。
表題作の後日談等を収録。宿命の禁断愛!

表題作誘春

曾我清明,32歳,料理学校を開く人気料理人
曾我暁,16歳,全寮制高校生生徒

同時収録作品いつの日か、花の下で

征人,神社の宮司
齋藤祈,16歳

その他の収録作品

  • 狂秋

レビュー投稿数21

アブノーマルへの入り口

私はこれ、好きでした。

突き抜けた作品を書く人だなとは思ってましたが、その集大成的な感じで。あらすじを読んで、トンデモナイであろうことは予測していたので、予想を上回る変態ぶりに「そうきたか」とにんまりしてました。(だって、「鬼畜」書いた人だもの)ここまでくると、完全にファンタジーとして何でも来い!と思えるから不思議です。

世界観に挿絵が本当にぴったりで、このお話に笠井さんのイラストを選んだことを神評価したい。

瑛が大好きな清明の本性を知る場面は、圧巻でした。そこを境に、誰もついていけない二人の世界にどんどん飛び立っていく様には、唖然とさせられます。ぽかんとしたあとに、とりあえずなんか幸せそうだからよかった…んだよね?という感じ。毒すぎて、ぞっとすればいいのか笑えばいいのか迷いました。
しかし、これがこの作品の読みどころだとも思うのです。きっとアブノーマルの世界ってこの先にあるんだろうと思うし。
ダーク系と言われるものが匂わせているのは同じものだし、それを隠さずあっけらかんと凝縮するとこうなるのかなぁと思いました。

8

狂気を孕んだ幸福感?

病的な程お互いに恋焦がれる曾我親子の執着愛が描かれた異色作。
端から見れば完全に狂っていて、もはや破天荒すぎてどこから突っ込めばいいのかわからない話だけど、不思議と妙な緊張感と爽快感が生まれる。
ここまでぶっ飛ぶといっそ清々しくて気持ちいい。
後日談『狂秋』の最後、山際先輩と第二の「あきらくん」の話に背筋がゾワッとなる……。こうしてまた新たな悪魔が生み出されたのか……

清明と暁の前世話が描かれた『いつの日か、花の下で』は表題作と打って変わって切ない悲恋物語。
奔放な曾我親子とストイックな齋藤親子の対比がまた面白い。
過酷すぎる運命を背負い親子同士の背徳感に苦しみながらもお互いを必死に守ろうとする征人と祈の美しい絆と禁忌愛に胸が締め付けられる。
温度差に目眩がしつつ作者さんの力量には脱帽!

6

正常な人間を求む

Amazonのkindle storeで購入しました。
Kindle版はフェア用に書き下ろされたSS小冊子が収録されている特別版です。
SSも含め全編受け視点です。
SSでは前半の表題作のその後のお話で、母親のリリーと清明・暁二人の関係がどうなっていくのか分かります。
このSSが一層物語に狂気的な雰囲気を与えていると感じました。
本編の母親の振る舞いから見ると可哀そうとは思いつつ好きになれませんでしたが、このSSを読むことで母親への印象が一変しました。
正常な人間はいないのか!というお話でした。

5

末永く、できれば来世でさえ幸せになって欲しい親子


やばい…
なにそれやばい…

これに尽きると思います。

想像していた内容よりはるかに、親子共々ブッ飛んでいて
こんなに下半身が冷静なままで居られたエロ小説は初めてです(すごく良い意味で)
全然興奮しなかったです、すごすぎて(感服しています)

完全に親子二人だけの世界が広がっていて、読者という存在さえ置いて行かれてしまうような
まるで私はこのご家庭のあらゆるところに設置された無機質なビデオカメラの気分でした…。

拒絶反応を起こしてしまう方もきっといらっしゃるでしょう。
でも強烈なのが欲しい方にはうってつけの作品だと思います!

全く違うお話二つで構成されているのですが、先生があとがきで、この二つの物語の親子は同一と思ってもらっていいとの事でした。
でも二作品目も相変わらず色んな意味で刺激が強かったですし、読んでいるうちに実はこの親子って…一作品目の親子なんじゃない?とあとがきを読まなくても感じられるくらい、イッちゃってました(笑)
むしろ、二作品目から読んだほうがいいのでは?とも思います。

私が二作品目から読んでいたら、熱くなれていたと思います。
どこがとは言いませんが(笑)

5

衝撃のブッチギリ近親モノ!

近親モノが大好物で、ジャンルで探してこちらを見つけたのですが…。

もう吹っ切り方が半端ない。
父子の自分たち<以外>の何を犠牲にしても罪悪感を持たない、むしろ「利用しなきゃいけない僕が可哀想!」くらいの勢いで被害者面しちゃってる。
現在の地位も、バレたら急転直下になるはずなのにTPOを気にせずヤってるし「バレちゃうよ!」とか言いながら遠慮なく喘いでる。
とにかく父子似た者同士の潔さに神!こんな淫乱で腹黒くて潔く「自分たち以外はどーでもいい」方向に完全に振り切ってる近親モノ初めて出会いました。

ただ読んでいてこの作家さんは合わない、とも思いました。
・自分たちがヤってるところを人に見せる。
・バレたらヤバイ状況でヤる(内容、喘ぎ遠慮なし)
自分はこういう露出狂シチュは嫌いなので次買いは無いと思いました。

でもこの2人の吹っ切り方は神!です。

5

前世+今世を貫く純愛は 傍からみたら異常な禁愛 

笠井あゆみさんのイラスト作品を追って読んでます。(表紙から内容がほぼ推測できるのと、面白い内容が多い)
吉田珠姫さんの「近親もの」の、王道の1冊、とレビューにあったのと、紹介内容が高評価の「鬼畜」と比較して割合ソフトなので、電子版で購読。鬼畜は、私にはグロが重すぎる。

★この作品は、三部に分かれています
「誘春」(今世)
「狂秋」(その後)
「いつの日か、花の下で」(過去世の秘密)。
時系列だと「いつの日か」が最初で、「誘春」「狂秋」の順番。
「獣夏」に収録されていた「誘春」の加筆修正、続編、と番外編なのだそう。価格に比較して頁数が多いので、お買い得品かもしれない。

★「いつの日か、花の下で」:曾我親子の過去世
幽霊が登場するホラー。あとがきを読むと、著者のほうがホラー。
呪いの因縁を持つ宮司を継ぐ家。一子相伝の秘密を持つ家で、元服すると、過去世に飛ぶ宿命を持つ短命な家系。
元服の日を過ぎて、秘密を知る祈。
祈は、父の日記を見つけて読む。日記は、祈が元服した日(一昨日)で終わっていた。
父は「充親」という十代の少年武士の体に意識を飛ばして合戦に参加していたらしい。これは代々続いている奇怪な現象。
祖父の計らいで、父は13才で年上の女性と結婚して男子を得る。父が「祈」と命名する。
父が元服した日、祖父が自殺をしていた。
祈は、成長するにつれ、戦場の美しい充親とソックリに育つ。充親似の息子に、父は対して恋慕の情を押さえられなくなり、妻と祈を東京の別宅に離す。
父を探しに行く途中、祈は、藤の花の下で契り合う幻影を見て全てを思い出す。
発狂した父を残して、合戦の招集に応じられ無かった前世の自分。禁断の泥玉の呪の主は、父を愛する前世の祈自身だった。父を救うために・・・
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「誘春」
★父を愛した息子「充親」がかけた呪は消せても、二人の恋慕は消しきれず、受け継いでいました。
父と子は、また親子として再生。前世の執着を宿して二人とも再生しているので、父、清明の息子の曉への執着は、とても深い、ほぼ変態。
父の変愛の洗脳を受けて育った息子は、花が咲く季節に愛を渇望して悶える。祈の藤の花の魂の記憶が蘇ります。

曾我家に生まれた曉は、天使の顔をした異常な精液中毒、曉はミルクと言っている。
(※「ミルク」は秘密の儀式の合言葉みたいなもの。)
寮生のアイドルの曉は、男を食い漁り、萎びるまで貪る。
曉は、たった一人、父の清明だけをしか愛せない。
曉が10才の時、離婚。親権を持つ母の判断で、父から隔離され、電波系の情報を遮断した全寮制の学校へ入れられる。曉と父の交流は、料理番組視聴と手紙だけ、別れた母の措置で、父とは一年に一度しかあえない。
ある日、入室禁止の清明の部屋で、暁の幼い頃からのアルバムを発見、相愛だと知って、「パパ♥」と喜ぶ曉。
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「狂秋」
曉は、離婚した母と父を再婚させ、いい夫&天使の息子を演じる裏で、過去世で果たせなかった想いを果たす。
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再生しても、結婚できない父子・・呪で再生できても、結ばれない愛。メビウスの輪のような因果律。呪いは、何度生れ変っても解けない。
・・この作品は、何世代にも引きずってしまった憐れな「実らない恋」の物語でした。「呪いと再生」を土台にしたBL御伽噺。
前世、今世と、因縁と情念でドロドロ。異常な形を取るしかない純愛、と捉えたら、父子のお互いへの愛を実らせたいと願う執着がとても憐れに感じる物語でした。
面白かった。

2

さっすが吉田珠姫先生!激ヤバ近親モノ2作!

■誘春
とんでもないド変態エロ小説なのですが、吉田珠姫先生の圧倒的な文章力で唯一無二の名作に仕上がってると思いました。
父✕息子というだけではなくて、親子揃って凶悪で変態。2人揃って周りの人間を見下してバカにしているのに、お互いのことだけは病的に愛し合って、赤ちゃん言葉で甘々イチャラブしているという胸焼け設定。
ところが心理描写が巧みで、前半の離れ離れになった父と子が年に1度息子の誕生日だけ過ごす場面で何故かボロボロ泣いてしまいました。
変態だけど愛は深い。それでもやっぱりドン引きの変態小説です。
人にオススメは絶対にできません。


■狂秋
ホラー物、設定はこっているのですが、かなり暗い作品。正直前半の作品がキョーレツ過ぎて、私はあんまり印象に残りませんでした。
あとがきにとんでもないネタバラシがありましたが、個人的には後付感があるなあと思っちゃいました。

■描き下ろしSS
誘春番外編
某超有名テレビ番組のパロディから、とんでもない展開に!?凄まじすぎて鳥肌でした。

1

ぶっちぎりのエロ

初読みの作家さまでしたが、笠井さんが挿絵を描かれているということで、表紙の画像がまだ出ないうちから予約してました。

えっと、まず表紙がすごい。帯の煽りもすごい。ココナッツさまも書かれてますが、これをリアル書店で買うのは私は無理…。と思ってしまった。表紙をめくると見えるカラーの扉絵もぶっ飛んだエロさですので、リアル書店で買われる腐姐さま方でカバーをかけてもらう派の方はご注意あれ、って感じです。

内容も笠井さんの淫靡な雰囲気な挿絵を裏切らないエロさでした。行為自体も激しいですが、暁と清明のお互いへの執着ぶりが常軌を逸していて、圧倒されました。
個人的に近親相姦モノってあんまり好きじゃないんです。何というか、大人の常識というか、固定観念というものがあるので。でもこの作品は嫌悪感は感じませんでした。本人同士が「血のつながった親子である」「男同士である」ということに葛藤を感じていていることと、さらにお互いへの愛情というより執着心がすごかったからかな。ここまで愛せる相手がいるっていうのはある意味羨ましいと思いました。

後半の「いつの日か、花の下で」
怖かった…。こちらも親子モノで、受けの祈が周りの男たちを惹きつけてしまう魅力を持っていたり、「誘春」と重なる部分もあり。どんなふうに話が進んでいくのか、ページをめくる手が止められませんでした。
父親の征人の様々な決断は同じ親として分かる部分もあり、でも最後の征人の出した答えはどうなんだろうとも思ったり。
なんとも趣のあるお話ですごく良かったです。

あとがきで吉田さんが「誘春」と「いつの日か、花の下で」の関係を書いてくださっていたので、暁と清明の狂気じみた執着に納得。全く別の話かと思いきや、1冊読んで初めて話が完結するという心憎い造りに脱帽しました。

それとやっぱり笠井さんは凄かった。
最初のカラーの扉絵は「いつの日か、花の下で」の二人だと思うのだけれど、すごく刹那的な雰囲気が伝わってくるし、「誘春」の清明は綺麗な男なんだけれど、目線で彼の異常性が垣間見えたり、暁は暁で彼の小悪魔的な魅力が存分に引き出されていたり。
ぶっちゃけ、笠井さんが挿絵を描いていなかったら手に取ることはない作品だったと思うのだけれど(失礼!)、内容と挿絵がぴったり合っていて、それぞれ引き立てあっていて非常に良かったです。

12

曾我一家は美しい悪魔

神に近い萌え×2です。
吉田珠姫さんの本は初めて読みました。
なんかすごいのをいつも書かれてるというイメージだったのですが。
突き抜けてました。
ここまで来るともう細かいことはどうでもいいですね(褒め言葉)
父親がそれはもう生まれる前から計画して暁を創りだしたようなもので、いや、創りだしたんですね。
すごいです。
そして同時収録の「いつの日か、花の下で」が彼らの前世として理解してくださいとのあとがき。
あのふたりが生まれ変わってようやく愛し合えたのかと思うと、良かったのかどうか・・・。
いや、自由奔放に我がままに恋に溺れたいと愛にだけ生きたいと願ったのだから良かったのかな。
「いつの日か、花の下で」の最後の祈の様子がなんか少し狂気じみていて、暁があんなにも奔放なのはその名残りなのかなとか思ってしまったり。
そして。本編だけ読んでると、暁の母のリリーさんが可哀想な感じなんですが、コミコミさんの特典小冊子を読むとそれはなくなります、はい。
リリーさん含め曾我一家、美しい悪魔・・・。おそろしい・・・。

5

一旦置いてから。

私はこの作品を純粋に楽しむことができました!

事前にきっちり、ジャンルと傾向を把握していたのが幸いしたのだと思います。
変態・エロ特化のお話だと思って読むと、突き抜けていてすごく良かったと思います。
なので、同時収録で表題の前世だという『いつの日か、花の下で』には少々面食らいました。
こちらは切なく、耽美的な印象です。

この作品を楽しむにあたって、一度常識と理性は置いてきた方が良いかと思います。
あまり真面目に捉えすぎると、アイデンティティが崩壊されるかと思います。(だって吉田先生ですし←)

変態プレイや幼児言葉(?)等続々出てきますので、要所要所突っ込みを入れつつ、笠井先生の美麗イラストに惚れ惚れしながら読ませて頂きました。

父子エロに興味のある方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

4

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