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hikari to kage no ou
一体どうなってしまうのかと上巻を読み終えた勢いそのままに下巻を手に取りましたが、こちらもまた濃厚な1冊でした。
あまりにも切ない恋と、陰謀入り交じる政変の予感。
そして他国をも巻き込んだスケールの大きな物語。
とても壮大なファンタジー作品なのだけれど、根っこにあるのは、まだ幼く穏やかで幸せだったあの頃にした約束なんです。
同じところを見据えながらも、まわり出してしまった運命の歯車と共に簡単には交わることが出来ない2人の生きる道がもどかしくも苦しい。
ベテラン作家さんの上手さが光る上下巻でした。
久しぶりに読み応えのある硬派なファンタジー作品が読めてうれしい気持ちでいっぱいです。
正直なところ、上巻ではリシャールの想いがひたすらに切ない印象が強かったのです。
アーサーのことが好きでたまらないけれど、口には出せない上にあの状態でしたから、読み進めながら早くアーサーに気付いてほしいと何度も思いました。
上巻の終わりも終わりでしたし、やはりタイトル通り下巻では国の奪還がメインに描かれていきます。
水壬先生のあとがきにもありますが、実のところメインCP2人は作中でほとんど顔を合わせていないのです。
だというのに、アーサーが国を奪還するために行動を起こすあちこちでリシャールの痕跡を感じるんですよね。
なので、物足りなさを全く感じませんでした。それどころか想いの強さをひしひしと感じてたまらない気持ちになります。
ただひたすらに先を見て、アーサーにこうあってほしい、こうしてほしいと思いながら7年もの歳月をかけて、リシャールが文字通り身も心も削りながら少しずつ手回しをしていたものがしっかりとアーサーの手によって回収されていくんです。
これを愛と言わずになんと言いましょうか。
アーサーが可能性に気が付いた瞬間なんてもう、気持ちが良いったらなかったです。
作中、終始ピンと張り詰めたように悪に徹するリシャールの姿が苦しいです。
合間合間にアーサーへの想いが見られ、それと同時に自分の引き際もしっかりと分かっているのだからより苦しい。
破滅的とも言える愛し方をする、強く美しい人でした。
その一方で、健気で一途な姿に胸打たれました。
湖畔の別荘でのたった1度のキスで大泣きするリシャールが愛おしくて仕方がなかったです。
立場も状況も大きく変わってしまったけれど、彼は幼い頃のあのリシャールのままなのです。
彼の願いが叶うこととアーサーとの再会を願いつつ、それは同時に別れを意味することでもあり…と、一体どうなってしまうのだろうかとハラハラしながら読み進め、結びの部分では一気にため息が漏れました。
定番通りにはならない結びで、その後のお話も含めてとっても良かった。
ちょっと、その後の2人の設定が魅力的すぎて胸躍ってしまいますね。
未来を想像したくなる終わり方で私はすごく好きです。
元大佐のマヌエルとアーサーとリシャールの繋がりだったり、レイモンとアーサーの親友関係や、リシャールと侍女のニナなど、恋愛面以外の描写も素晴らしかった。
濃厚で重厚。素敵なファンタジー作品でした。
彼らと国の行く末を想像しながら余韻に浸りたいと思います。
シリアスな展開がずっと続いて、面白くて一気読みしました。なので甘々なお話は本編中にはありませんので、ストーリー重視が好きな方には堪らない作品だと思います。
ヒリつくような緊張感が常に漂ってて、アーサーはリシャールの思惑に気が付いたのかとか、リシャールの悲壮な献身に気付いてくれたのかとか、読んでて凄く気になる点が終盤まで明かされないままに進むのがまた秀逸なんですよ。
もうね、リシャールには彼の望む通りに死しか残されてないのではないかと、胃が痛くなりながら読み進めました。実父であるフェルマス国王とも縁を切り、少数精鋭の忠臣だけを周りに置いて着々とその時を待つリシャールの強さと、たまに流す涙の切なさにいつの間にかヤラれていました。
彼が手を血に染めて自らを汚名に堕としてまで成し遂げようとしたことに涙、涙でした。
だからこそ皇女とカイルの挙式前のアーサーによる王位奪還劇に感動して、アーサーがリシャールに対しての思いを貫いた時に拍手喝采でした。
そしてこの作品を最後まで読んだときに、このお話の時系列を知って「コルセーア」シリーズのファンの方は驚くと思います。
「コルセーア」のお話が始まるちょっと前のお話らしいのです。かくいう私はだいぶ前に「コルセーア」を読んでいるので、時間がある時に引き出しからだして再読しようかなと思いました。
アーサーとリシャールが再会後に結ばれたお話は同時収録作の「その後。そして、五年後」の中にあります。そしてアーサーとリシャールがプレヴェーサとどうして関わることになったかもここに書いてあります。
甘さは少ないですがリシャールの思いに気がついたアーサーがリシャールと会った時の彼の一言を覚えていて、リシャールを手に入れる為に周りを動かして2人で生きる為に身近な人たちに理解して貰えるように動いていたことに胸熱でした。
あと、個人的にはリシャールにずっと付いて彼を守り、手脚となって動いていたニナがとてもお気に入りのキャラでした。彼女視点のお話も読んでみたかったです。
最後の最後までどう2人の愛が転ぶのか。
また表面上、大罪を犯してきた受けが、どのように自ら落とし前をつけるのか。
とにかくハラハラドキドキの展開でした。
良かれと思って攻めが受けの妹を助けたあの例の事件からすべては始まった伏線回収が見事すぎて、受けが攻め以外の人と致すのがどうしても許せないと思う人以外には、ぜひ読んでほしいと思えたラストです。
そして受けの側仕えだったニナとのやり取りも、最後の最後に泣かせられました。
ニナも辛かったよね。
いや、一番辛かったのは受けだよね。
だからこそ、あの結末でしか2人が幸せになる道はなかったし、本編完結後の5年後のSSで、悪夢のようなトラウマ公開セッ…事件からやり直しでき、しがらみから解放されて幸せそうな2人に感極まってしまいました。
しばし余韻から抜け出せない、読み応えのある壮大なファンタジーでした。
どうなるのよ、と思うところで終わった上巻。笑うところは微塵もない超どシリアス展開。表紙の儚げ美人はどうなるんじゃと、国の興亡ものは一度読みだしたら、読み止めるのが難しいですね。ただキャラにキュン♡するところが少なかったので、萌にしました。本編200Pほど+後日談というか振り返りというかが40P超+あとがき。
そして。下巻もカラー口絵、モノクロ挿絵、ともにございませんでしたーーーー。
下巻での新しい登場人物は
フェルマス国王(受け父)、オレグ(カイルの側近)ぐらい?最後に見届けてくれたのはレイマスでした、レイマス有難う。
++
上巻最後で国を追われる身になったアーサーが国を取り戻すまで・・・が下巻。頑張りましたよ。頑張って国も取り戻しましたよ。生きて、リシャールにも会えましたよ。そこまでは良かったんだけど。うーん・・・単に好みの問題で、そうきたかーという終わり方だったので。
いやこれ、リシャール死ぬしか無くね?と思っていたので、まあなんとか良い方に舵をきれたというべきか。
国がしっかり立ち直るまで待ってから とかじゃなく、確かに大混乱の中、脱出★ってのがいいんだろうとは思うものの。国を置いていくんかーい。という気持ちになってしまったのでした。
番外編でニナとの別れのシーンは、ぐっと来たんですけど、肝心の国の興亡戦というところで、個人的好みではなかったお話でした。我の強い、お利口美人さんの頑張りは良かったんだけど、それを上回る攻めのカッコよさを見いだせなかったのもあったかな。
アーサー×リシャール
下巻の展開が、『反逆の故国』のまま重いテーマで、
壮大でしっかりとした内容で素晴らしい。
国の政治的な騒動には苦手で、登場人物が多すぎて、
恋愛を主要に楽しめたかっ私にとってはちょっとキツかったけど、
国の重たいシリアスが好きな人には、絶対に大満足できると思う。
時が経つにつれて、どんどん複雑に絡み合っていく感じで、
2人の、変わっていく心と変わらない想いが入り混じってくる。
お互いを想いながらもすれ違ってしまう様子に胸が痛くなる。
苦悩しているアーサー。
彼を試練にさらしているのは、
リシャールとの約束、国王になる決断、
そして、リシャールへの感情。
アーサーへの望みとその矛盾の中にいるリシャール、
自分の気持ちを素直に受け入れられないところとか、
アーサーの変わりとかに、
すごくすごく苦しんでいるから涙なしには読めない。
最後、遠回りしてきた2人の愛、
お互いを確かめ合うようなエッチが本当に良かった。
両想いの立場の違いから生まれる切なさがたくさんで、
揺れる恋心の葛藤が本当に上手に描かれていて心をえぐられた。
個人的に、上巻と下巻の読後感がかなり違って、
上巻は萌えるほどの関係性に驚きまくりで、
下巻は燃えるほどの深刻な展開に圧倒された。
まさに感動的な作品でした。