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潜入捜査官バディによる、至極のインモラルエロス&バイオレンス。
ryoujoku sennyuu sousakan
その蝶は彼に幸せを運ばなかった
冒頭の刺青の話で「蝶は幸せを運ぶ」と言うのを思い出しました。残されたあの手は、彼から飛び去ってしまった蝶のようでもあります。
Ⅰ巻の頃から比べると主役二人の絆はすっかり深まり、良きバディであり完全に恋人同士。甘々H三昧の日々はそれ単体で見れば、丁寧な愛撫や会話のやり取りも多く描写も上手いのですが、回数が多く1回が長い時もあり少々胸焼けする感は否めない。命を掛けたスリリングなストーリー部分が面白いので、ついついそっちの方を早く先に読み進めたくなってしまうんだよね。
第三者からの陵辱、連続する自爆テロ事件、そして入夢の存在…度重なる二人のHは互いへの気持ちを確認し合う為や、不安に押しつぶされそうな自分達を保つ、精神安定剤のような役割も果たしているのだろうか？なんて思わなくもない。
一見エリートだけれど実は脆くて不安定な部分もある高瀬、恋人の入夢を失いまともな判断も出来なくなるほど絶望していた所に現れ、立ち直らせてくれたのが玲於奈だ。
だからこそ難しい、そこに死んだと思っていた過去の恋人が再び現れたら？かつて高瀬にスパイとして尽くし、捕まった先で耐え難い苦痛を与えられながらも、高瀬が助けに来てくれるのを信じ続けた入夢。ところがそれは叶わず、入夢にしてみれば見捨てられたも同然、その上他の相手と結ばれていたら憎んで当然だよね…。
玲於奈と入夢、高瀬にとってどちらも相応しい恋人であり大切な存在である、なのにどちらとも幸せにする方法が心底解らない…。
組織の体裁にも阻まれ捜査は闇に葬られた、入夢は死んだと言う大き過ぎた間違い、運命のいたずらがこのどうしようもない二者択一の状況を作り出してしまった、としか言い様が無くやるせない。
悪役好きとして今回は悲しき悪役、古庵入夢に着目しました。憎しみが手術を成功させると、拷問の末改造手術を施され洗脳レベルの人格変貌に至る。(悪いのは全部ゾーリンのジジィだよね！)
痛々しくなりそうですが、手術の描写やその組織内でのやり取り、高瀬に対しての想いや嘆きなど、彼が闇に堕ちて行った過去のエピソードはもう少し長く詳しく見知りたかったです。
壮絶で悲しい入夢の最期、BLなので嫌なグロさは無いけれど、出血量が多く衝撃的でした、漫画でも流血は苦手と言う方は少々注意かも。
でも私は好きです、暗転などでも問題無いシーンを敢えてはっきりしっかり描いたからこそ、この入夢と言うキャラクターがより読者の心に強く爪痕を残していくから。可哀想だけれどもそれが良い、悪役の魅力の一つである散り様は◎でした。
その記憶は高瀬の中で呪いとなってずっと残り続ける、これが入夢にとって0.1％程度だとしても唯一の救いかもしれません、同時にそれは入夢を助けられなかった高瀬への罰でもある。
…ところがその後すぐ玲於奈とのHシーンに行っちゃうので(^-^;その前に少し入夢を想い耽るような回想などのシーンが欲しかったな。
もちろん玲於奈の活躍も見所でした！巻を増すごとにHシーンでは可愛くなっていくのと反比例して、公安としては段々強くカッコ良くなっている気がする。
空音が言うように情報を聞き出すのに一役買っている「捕まり」はもはやスキル！何だかんだ高瀬をピンチから救ってくれるのも、強気で前向きな玲於奈の方だったりしますよね。
でもⅢ巻を思い返すとやはり私は入夢の方が印象的だったかな…闇堕ち、変貌、暗躍、散り様…報われないから愛おしい、BLでは珍しい悪役の魅力一連を見届ける事が出来たのがとても良かったです。
ただのエロ作品と侮るなかれ
待望の陵辱！潜入捜査官の3巻目、楽しみにしてました。
個人的、各項目5段階で
エロ 5
痛々しい 4
モブレ 3
甘々 2
な感じだと思います。
前作に引き続き潜入捜査官バディのカプです。前作で宿敵の西門を捕まえ、甘い時間を過ごしていた高瀬さんと玲於奈さん。だけど、死んだと思われていた、高瀬さんのかつての恋人の入夢くんが現れて…。
今作はかなり事件要素が濃いめです。血表現は勿論、脇役キャラなどの生き死にが描かれています。玲於奈さんも相変わらず陵辱に遭ってしまいますが、潜入捜査はちょっとお休みしてますね。刑事として活躍してたりしてなかったり。個人的に室長にSIGを返してもらえなかったり、始末書を書けと言われた時の、なんでー！？とリアクションする玲於奈さんがめっちゃ可愛いです。
高瀬さんに対してのはっきりと好きだと言っていない玲於奈さんですが、徐々に高瀬さんとの行為を受け入れていて、今作は陵辱シーン無しの甘々な絡み描写だけかなと思っていましたが、そんなの考えが甘かったですね。タイトルにありますもんね。陵辱は確定保証でした。
でも、口に出して言ってはいないけど、愛してると独白したり、本編終盤ではっきりと言った玲於奈さんの台詞に萌えました。やっと言ったよ！
しかし、せっかく甘々展開を堪能出来るかと思ったが、高瀬さんの恋人だった入夢くんが登場。高瀬さんと玲於奈さんの仲を壊そうとする存在で描かれていますが、入夢くんのことはちょっと憎めなかったですね。入夢くん被害者じゃん。あのままでも、もう高瀬さんとは結ばれなかったでしょうが、流石に最後のアレは辛過ぎる。なかなかに痛々しい描写もあって、入夢くんがちょっと可哀想です。
絡み描写も勿論ですが、ハラハラする刑事物作品としても充分に堪能出来ますので、読み応えバッチリですので、是非とも読んでほしいです。
エロてんこ盛りだが、ドシリアス。
『陵辱！ 潜入捜査官』の3巻目。
続きものなので前作未読だと理解できません。未読の方はそちらから読まれることをお勧めします。
3巻はシリアスモードでした。
1巻から伏線を張られていた高瀬さんの元恋人の存在が、3巻で明らかになります。
ちょびっとネタバレなので少し下げます。おいやな方はここでストップされてください。
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夜の街で働いていた入夢。
高瀬と出会い、恋をして、彼の役に立ちたいと操作協力員、通称「S」として高瀬のために情報を集めていた彼は、とある組織に拿捕され、そしてそのまま殺められてしまっていたー。
恋人をなくしたあと潜入捜査官としても腑抜けてしまった高瀬だったが、玲於奈と出会ったことで生きる意義を見出して…、と話は続きます。
そんなある日、テロ犯罪が勃発。
そこで高瀬は入夢と再会するがー。
玲於奈と高瀬の濡れ場は、まあいつもの柊先生の通常運行でてんこ盛り。
あんな場所でもこんな場所でも汁っけたっぷりの濡れ場が満喫できます。
が、一方で、「凌辱」というタイトルに嘘偽りもなく、玲於奈ちゃんはあちこちで拿捕され身体をまさぐられる。そのピンチの中で玲於奈が思うのは、いつも高瀬のこと。身体を凌辱（モブからの挿入まではありません）されても、彼は心までは明け渡さない。
そんな男気のある玲於奈はカッコいいんですよ、とっても。
でもねえ、個人的には入夢の方に心を持っていかれました。
高瀬のために危険を顧みることなく情報を集め続けた日々。
敵対する組織につかまり、激しい暴力を受けてなお、最後まで高瀬を信じ、助けに来てくれることを信じていた入夢。
もう、可哀想で可哀想で…。
彼が犯した罪は重いですが、でも、高瀬の情けなさに、がっかりというか残念というか、哀しいというか…。入夢にも幸せになってほしかったなあ…。
ということで、読後のテンションはダダ下がり。
この辺りは完全に好みが分かれるところだと思います。玲於奈派の方は安心して読めると思います。
あと、柊先生の濡れ場が男性向けのエロのような描き方なので、その辺りも好みが分かれるかも。tkbの描き方とか、筋肉の描き方とか。
ちなみに今回のラスボス、そして2巻で死闘を繰り広げたマフィアのボス・西門が再び現れ、彼らとの闘いは次巻へと持ち越されています。
萌えなかったわけでも、面白くなかったわけでもないのですが、とにかく入夢の最期が悲しすぎたので評価も少し下がってしまいました。ごめんなさい。
