穢れのない人 下

kegare no nai hito

穢れのない人 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神38
  • 萌×210
  • 萌6
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
19
得点
251
評価数
58
平均
4.4 / 5
神率
65.5%
著者
虫飼夏子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Baby comic
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784865897487

あらすじ

“これは、彼らの罪と罰。”

闇を抱えた神父×人生に絶望した男

好き
あなたの心を楽にしたい
何があっても君の味方だ


▼あらすじ
「私はあなたに左の頬を差し出しましょう。」

15年前、冤罪で逮捕された秋鷹(あきたか)。
自分に罪を着せた真犯人が心を許していた木場(きば)だったとわかり、秋鷹は絶望する。
しかし、嘆き怒り追い詰められた秋鷹は木場と出会った意味を、自分がここに遣わされた意図を朝日の中で見出すのだった。
木場を赦し、受け入れることを決めた秋鷹。
彼の瞳に見えたのは、この悲しい人間を救わなければならないという使命。
それとも或いは共に堕ちる地獄かもしれない。
この感情は慈悲なのか、愛なのか、2人の新しい生活が始まるーー。

狂おしくて切ない愛の物語。

表題作他、セックスにトラウマを抱えた売れっ子役者を描く短編『仮面のなかみ』も収録。

表題作穢れのない人 下

木場恭介,神父
秋鷹一郎,元神父,元受刑者

同時収録作品穢れのない人 下

恭介の実父
木場恭介

同時収録作品仮面のなかみ

今井,劇場のアルバイト
安斉夏希,舞台俳優,30歳

その他の収録作品

  • trust you(描き下ろし)

レビュー投稿数19

いわゆる、恋愛ではない。しかし名作!

幼児に対してや、性行為の強要を許せない方は注意してください。
この作品は、そういう行為を許さない立場で描かれています。
だからこそ、辛い。
キュンキュンと胸がときめくこともないです。
いわゆるBL、恋愛ではないです。博愛から生まれた唯一の結びつき。

萌2評価なのは、胸がときめく話ではなかったから。この作品に必要のないものですが、私が神評価にするポイントだからです。
誰でも読めるわけではないですが、BLの枠を超えて多くの人に読んでほしい素晴らしい作品です!

0

穢れのない人…!

【下巻の感想】
一見穏やかな木場と秋鷹。
恋人同士のような雰囲気も流れるけれども、あのような始まりと因縁の二人なので、いつ秋鷹が手のひらを返すのだろうという不安も感じる…。

昔の写真をきっかけに語られる木場の過去は、本当に胸糞悪くて辛くて悲しかった。酷すぎて読む手が止まりそうになる。

話を聞いた秋鷹の、愛についての言葉がよかった。

その後の展開は、転がるように、流れるように。
いつの間にか、秋鷹にとって木場が庇護の対象になって「この子」と言い表すようになっていたのが印象深かった。

全編通して、秋鷹の心の清さ、圧倒的な光に胸打たれる物語だった。タイトルの『穢れのない人』はそのまま秋鷹のことだった。
どうしてこんなにも穢れなくいられるのか。

どんな理由があっても、どんなに悔いても、失われた子供の生命が戻ってくることはないので、そこだけはずっしりと重く心に引っ掛かった。


収録作の『仮面の内側』はガラリと雰囲気が変わって明るく楽しいお話なので、読後感をだいぶ軽くしてくれる。

上下巻、とても完成度の高い良作だった。

0

下巻まで読んで!文句無しの神作です

上巻では物語の起承までのところで終わってたので、え?!どういうこと?ってすんごくモヤモヤさせられた。しかも、同時収録のお話にもモヤモヤは加速させられた。
下巻は、転結まで描かれています。
ここまで読んでいくと話の全貌がわかるので共感や同情、敬服してしまった。
主人公は、元神父であっただけに[赦す]事が出来る人で、彼がどうして罪を犯してしまったのかを注意深く探っていくの。愛をもって。

心で接していく事で、現実を見つめ直して罪を償う気持ちにさせていくところが、素晴らしい聖職者だなと思いました。職業神父ではなく、本当に神父になるべき人物。
人の罪を被って15年服役した事も恨むのではなく過去の事として[赦す]
とにかく、あの両親は地獄に堕ちてしまえばいい。息子に手を出すペドフィリアの父親ときっと気付いていたのに知らないふりをしていた母親。
あの2人に関しては[許せない]です。

同時収録のお話は愉快で大好きな感じでした。
30歳のイケメン俳優10代からモテモテだったけど実は10代の性体験のトラウマでEDになって以来童貞。王子なんてあだ名つけられているけど、経験ないのがコンプレックスで…ってお話ならこの先どうなるかもうお分かりですよね。
恥ずかしながら流されて感じてしまう王子最高でした。

ちるちるのインタビューで漫画描くの初めてとおっしゃられてましたが、心理描写が巧みで今後も要チェックだなと思いました。
ストーリー重視の方は絶対読んで欲しい。

シーモアで購入
白抜き修正

2

評価が難しい

木場の父親がサイテー最悪ヤロウで、、なぜ木場だけが罪を償うのかと、そこだけがどうしても納得できませんでした。

勧善懲悪主義者のハピエン厨なので、悪人はすべからく捕まってほしい!!

メリバという言葉で済ませていいのか、、最後の最後まで難しい作品です。キンシンソーカンペドなので地雷な方は確実に避けてください。

同時収録は打って変わって明るめの作品でした。劇団で悩むドーテー王子と地味なバイトくん。王子様のドーテーならぬ処女喪失。

0

救済の物語

こちらは下巻のレビューです。
上巻レビューにも書きましたが、特に下巻は前知識少なめで読まれることをおすすめします(とは言えかなり読み手を選ぶ内容なので、人によっては地雷要素があります)。
なるべくネタバレ少なめでレビューします。


上巻ラストで、木場を赦し、愛を与える努力をすると伝えた秋鷹。木場は毎日秋鷹の体を求める。
こんなにクズなのに、秋鷹に甘える木場は可愛いです。年下ワンコになっています。

秋鷹に過剰な執着と独占欲を示す木場に、疑問を持つ秋鷹。 
そして明らかになる木場の過去が壮絶でした。上巻を読んだ時にはちょっと想像できなかった展開でした。木場自身も被害者でした…つらい…。

木場の親と対峙する二人。
秋鷹の父親への発言は、元神父の厳しさと木場への慈愛を感じられて、胸にグッときました。

木場の母親については、実際このような見て見ぬ振りをする親はいるのだろうな、と感じてつらいものがありました…。

最後、木場は秋鷹に二度救われたんだなと思いました。
本編のみですと、ラストに切なくてやるせない気持ちになりましたが、書き下ろしまで読んだら少し救われた気持ちになりました。

上下巻読んで、木場の性格に少し一貫性がない感じを受けました。またストーリーに荒削りな部分も感じました。しかし確実に胸を打つものがありました。読んでよかったです。

デビュー作としては、力強い作品と感じました。今後の作品にも期待しています。


短編『仮面のなかみ』も収録。
年下ヤリチンバイト×トラウマ持ちの童貞イケメン俳優。こちらはコミカルな作風。ギャップのあるイケメンが食べられてしまいます。もうちょっとその先を読んでみたくなるお話でした。


シーモア購入 白抜き修正

2

考え続ける作品

はじめに、「中立」と評価はしましたが普段「神」「萌2」などをつけるときの基準にはあてはまらない作品であり、「良いとも悪いとも言い難い」という意味での「中立」評価であることを書き添えさせてください。
―――――――――――――――――

一体どれだけの人が 道を間違わずに生きていけるんだろうな

下巻の途中にあるこの台詞がこの作品全体を通して問われたことであり、誰でもいつでも間違えうる世界でどう生きていくのか考えさせられました。

木場の境遇を思うと、同情すべき余地はあるのですがそれは殺害された少年やその遺族には一切関係のないことで、また巻き込まれた秋鷹も同様だと思います。

ただ、被害が次の新たな被害を生む憎しみの連鎖の中で、誰か1人でも木場のことを事件が起きる前に救ってあげられていたならと思えてなりません。
被害者が加害者になってしまう虚しさと悲しさで、なんと言えばいいのか…

そうなってくると木場の父親を諸悪の根源として悪役の位置に据え置くのも違和感を覚えます。
上巻に短編の「スケープゴート」が収録されていますが、小児性愛の傾向にある登場人物はその欲が許されるものでないことを理解して子供を傷つけることはしません。

自分の欲望のままに被害を生み出した木場の父親との違いはどこにあるのか、単純に子供を神聖視する価値観の違いだけなのか…

(小児性愛の傾向を持ちながら小学校の養護教諭をするのはよろしくないですし、児童ポルノを見るのもダメなんですかね?の発言には「ダメに決まってるだろ」の一択なので、倫理観のズレた人間であることに違いはないのですが)

考えるほど、必要なのは異常者と呼んで排除することではなく向き合って治療や対処法を探すことだと改めて思わされました。
これは感情論や綺麗事ではなく、現実的により効果的な方を考えて、です。

この作品にはまともに見ていられる人間がほとんどいなかったのですが、読者の私にとっても秋鷹を見ている時だけが呼吸のしやすくなる瞬間でした。

秋鷹には味方をしてくれる友人も家族もおらず、あげく唯一味方をしてくれた相手が真犯人などという惨すぎる境遇に身を置きながら、自ら立ち上がる強さを持っていたことがこの作品の光だったと感じます。

赦しは強さであり、愛であると同時に、自己中心的な自罰を許さず、犯した罪だけでしか語れぬ自己の在り方を許さない厳しさでもあると気付かされました。


もやもやすることや、気付かされたこと、いろいろありますが自分が道を間違えた時や理不尽な苦しみに見舞われた時に、それでも進んでいくにはどうすればいいか?を考える頭の片隅にこの作品がいるだろうと思います。

感想を書くのが非常に難しい作品でしたし、受け取り方も人それぞれだと思うのでいろんな人の感想を聞いてみたいなと思いました。

2

言いたい事が山ほどある…っ‼

先ず上下巻を通して言いたい…!
なぜ同時収録作品入れたのぉーー…⁈(´д`)⁈

上巻のレビューでも上巻の同時収録作品について結構書いたんですけど、、、それでもまだ表題作との作風の親和性もあるかな…?と2万歩位譲って納得出来ます
でも…!下巻の同時収録作品は「ナイ」なって思います。。。
誤解無きように言いたいのは上巻の「スケープゴート」も下巻の「仮面のなかみ」も単純に作品としての完成度は高いんです‼
2つの作風が違い過ぎるのでこの言葉が適切か?は迷いますが表現の便宜上使いますが【楽しめました】なんです!!

ただ単純にこの「穢れのない人」という作品になぜこの同時収録を選んでしまったのか。。。⁇という構成への不満が大きい。。。

デビュー作、という事が恐らく大きく影響しているのかな?とは推察はしますょ?
表題作だけでは作家さまのイメージが固まり過ぎてしまう位のインパクトがあるからの下巻の「仮面のなかみ」だったんだろうなって事は分かります
でも、、、余りにもこの「穢れのない人」の世界観を壊し過ぎちゃうでしょ・・・⁈「コレじゃなかった」んではなかろうか???
せめて表題作と同時収録の間にあとがきを入れるとかして欲しかった。。。

作家さまのお顔が余りにも見え難いこの上下巻を通した構成には理解が追い付かなかったなぁ…(。゚ω゚)
そこまで酷くはないとは思うけれど、私には”違った”なぁ…って印象が強かったデス。。。

そして表題作自体ですね!
こちらは何とも…まぁ…・・・「不幸」なお話しなんでしょうか。。。
誰も結局は「救われていない」気がします
だからこそ彼ら2人だけでも互いが互いを「赦す」しかなかったんだろうと思います

この作品は正直秋鷹が神父でなければ成り立たなかったんじゃないか?と思えてならない

恭介も養父も養母も『自己愛』が強過ぎる…
恭介は勿論そうならざるを得ない背景はあの鬼畜の存在と影響から分かるが、自己肯定感が低いのではなく自己愛が強かったからこその残忍な凶行に走った訳だと思うんですよね

だからこそ『自己愛』とは相容れない『博愛』精神を貫く事に理が通る秋鷹の「神父という存在」が必要だったんだと思うのです
そう考えると秋鷹が神父の道を歩んだ過去や背景の描写が少なかったのが勿体ない……知りたかった…

そして恭介も恐らく施設育ちですよね?
(ちるちるの作品詳細に「実父」と記載されてますがあの鬼畜は養父ですよね?多分間違ってる…と思う…)
だからこそ余計恭介は「愛に執着」したんだと思うんです
この辺の掘り下げもあって良かったのに…と思えてならない

他にも正直めっちゃある‼
そもそも冤罪になった経緯、省き過ぎじゃない?
あんな小さな少女にあの2人の話しは理解出来たの?とか、さ…
色々あるんすょ。。。言いたい事!
でも、あくまでもBLだからさ、、、その根幹に関わらない所は脳内で処理出来る!だからこそ根幹に関わる2人のバックボーンはもっと丁寧に描き切って欲しかった!!!

それ位「知りたい」2人のお話しだったんです…‼

そしてこれだけは感想として言いたい…私はあの母親が1番許せない…!
小さな子供を殺めた息子、そこに至る迄追い込んだ伴侶の愚行を、なかった事、見ぬ振り、気付かぬ振りをした事…
ここにも恭介が実子ではない、という背景が見え隠れしているように思う
と、いうより子供を持つ母親としての感情が感じられない
『無関心』という罪名なき罪があったと思えてならない

マジで同時収録不要論ですょ。。。
いや?作品として読めたのは良かったんです、ほんとに!
なので「上中下巻」が最適解だったんだと思うんだけどなぁ。。。
悔しいなぁーーー…
すっごい読み込みたい作品の感触は確かにあるんだけどなぁ~…
だからこそ…言いたい事が溢れて来ちゃいました

これだけチンタラ言いましたが、これだけ言ってもそれでも『読み応え』のある作品ではありました!

そして絶対に先生の次の作品が出たら買います!!!!!
この想いを評価に上乗せさせていただきました(´ 。•ω•。)

3

タイトルの意味

ちるちるさんの記事で知り、気になっていた作品です。
読んでいる途中で声が漏れてしまうほどいろんな感情が湧いてきます。
それが怒りなのか悲しみなのか悔しさなのかわかりません。
BLという括りなのでしょうが、読む人を選ぶ作品ですね。
私は読んで良かったと思います。

先がまったく読めないという感じではないのですが、それが当たってほしくない。
ああそうか・・・そうだよな・・・みたいな

本を閉じた後は放心状態です
色々と考えさせられる作品でした。

3

許さない

はあぁ~ やっぱそう来たかぁ…

ダメ。ムリ。許さない。

アイツも被害者だった。それは認める。
でもね、だからって小さな子供を強姦して殺す理由にはならない。

じゃあさ、虐待を受けてきた人々は全員アイツと同じなのか?
そうじゃないでしょ。
神とやらから授かった「自由意志」ってもんがあるだろ、神父様よ?

アイツは結局、あのクズ親父と同類って事さ。
他人を平気で傷づけ、自分の事しか考えない虫けら。

あんな過去がなかったら全く異なる道を歩めたかもしれないのに!って―

知らんわ。
じゃあショウタくんの人生を返せよ。

あのセリフを読んだ瞬間、本気でカチンときた。

最後もさ、終身刑とかだったらまだ「中立」にできたかもしれない。
でも後に釈放されて、愛する人とこれから幸せに暮らせるアイツを見たら、
どうしても許せませんでした。

以上。

3

考えさせられるBL

上下2巻まとめてのレビューです。 

まずは上下巻それぞれに同時収録されている作品がありますが、タイトル作品を1冊にまとめて一気に読ませて欲しかったです。
同時収録作品を否定する気はないのですがこのテーマなら2巻巻末に載せてもらったほうがたっぷりメインストーリーを楽しめると思いました。

内容と絵の雰囲気がピッタリで、暗いお話ですが抵抗なく読めました。
受の秋鷹さんの受刑中のエピソードなどを詳しく描いてもらえたら、感情移入がもっと出来たのかなぁ?

うーん。そうなる?人間そう気持ちが整理出来るものなのか?とモヤりますがなぜか読後感はスッキリなんです。
一度読んで勢いですぐレビューしているので勘違いな点があったら申し訳ありません。

独創性の高いストーリーを生み出す作家さんが好きなので虫飼先生のこれからの活動がすごく楽しみです。

0

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