とのこい

tonokoi

とのこい
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神72
  • 萌×213
  • 萌9
  • 中立7
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
20
得点
446
評価数
105
平均
4.4 / 5
神率
68.6%
著者
朝丘戻 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
丹地陽子 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784866576756

あらすじ

あなたとふたりでごめんをしたい――。

28歳のサラリーマン・世は、恋愛が苦手なゲイ。会社の呑み会の翌日、目が覚めると明らかに「事後」の様子で、
記憶が無い世は誰と一晩を過ごしたのか全く分からない状況に。
詮索しないでおこうと考えるも、隣人の大学院生・真人からは「必ず犯人を捜してこい」と言われてしまう。
思い当たる人物を辿っていく世だが、その行動が後輩の戸川、上司の柳瀬との関係まで変えていくことになり――!?

表題作とのこい

世の隣人の大学院生,22歳
生活雑貨を扱う会社員,28歳

その他の収録作品

  • 城島世との恋
  • ―――との恋
  • あとがき

レビュー投稿数20

愛され男の最初で最後の恋

うあ゛ーーー…なにこれなにこれすごく好き。
大好きな現代ものってだけで読む前からテンション上がってたんですけど、しっとりと綴られた世界が甘くて甘すぎて虜になりました。
滑らかで優しい文章、ウィットの効いた理知的なセリフ、蕩けるほどの熱くて深い愛情が心に響く大人のラブストーリーです。

城島世という1人の男を取り巻く3人の男たちの恋愛模様が1つの事件をきっかけに複雑に絡み合っていきます。それぞれのキャラの視点からもストーリーが描かれており、ちょっとした群像劇テイスト。きめ細やかな物語の構築と設定により、細部までこの世界観に浸ることができました。
先を行き過ぎない丁寧な展開と登場人物たちの心理描写がとにかく巧み。腹の探り合いをしているような心理戦はドキドしました。


この物語の見どころは、主人公のモテモテ愛されっぷりっていうところと、恋愛しない主義の彼がたった1つの大事な愛を見つけていくってところでしょうか。大人の上司、優秀な後輩、世話焼き隣人…ジャンルもタイプも違うイケメンたちが登場します。

このストーリーにはちょっとした謎解きの要素も入ってまして、それを軸として物語が展開していきます。
世の身に起きた不可解な事件の謎。
その事件とは、世が誰かと身体を交わした痕跡があり、その"犯人"探しを始めることになります。
世は誰とも恋愛をしない主義のゲイですが、この謎解きを経て彼の恋愛観を大きく変えていくことになろうとは、このときはまだ知る由もありません。犯人探しの過程が自分の奥底に眠る真実の愛に辿り着くことになるのです。

あの日、世と身体を繋げたのは誰なのか?
生々しい情事の痕跡の理由とは?

それを探るには簡単じゃない道のりが待ち構えています。"犯人"は分かるけど、理由を教えてくれません。あの日の出来事も教えてくれません。明かせないのはどうやら自分のせいらしい……。ますます謎は深まるばかり。

一方その理由を知るまでの間に、彼に好意を抱く、抱き続けている、または抱いていた男たちとのあれこれがあるのですが、それがすごく面白かったです!

「愛しさと 切なさと 心強さと」てな感じ。
それぞれの男たちが"世"という1人の男を愛した軌跡…とでもいいましょうか、愛情の深さや慈しみの世界が一面に広がっていました。

幸せで温かい気持ちにもなれば、ものすごく切ない気持ちにもなる。……でも切なさの裏には、愛するが故に愛する人の幸せを思う願いが見え隠れしていて、誰の目線からもどの方向からも胸に沁みました。


世を愛する男たちがみな全て素敵過ぎて困りました。誰を応援したら良いのかと(笑)

誰が犯人なのかも気になりますし、世の一生をかけた恋のお相手は誰なのかも気になるところ。相手が誰かということより、なぜその人を選んだのか、そしてそのお相手はなぜ世を好きになったのかの理由なんかもロマンチックでキュンキュンでした。
甘すぎる言葉や自然体のやりとり、恋の駆け引きはもちろん、ピリッとくるブラックジョークも全部ひっくるめて楽しかったです。


じっくりと丁寧な大人のラブストーリーを心ゆくまで堪能したい方にオススメしたいです。
読後感も多幸感も大満足(*´︶`*)

14

「俺はこうやってあなたの隣に絶対にいるから」

「あなたとふたりでごめんをしたい―。」
会社の飲み会の翌日に明らかに事後なのに記憶がない状況で目が覚めて。
隣人でご飯を作ってくれる仲の真人からは「必ず犯人を探してこい」と言われてしまい、そこから色んな人の想いが交錯していきます。
思い当たる人物を辿っていくうちに世は後輩の戸川と上司の柳瀬に行き着きそれぞれの世への想いを語るパートもよかったです。
犯人の真相もね、読んでいくと世が明らかにこの人の事が好きなのが文面から伝わってくるんです。
でも生い立ちから恋愛に臆病になっていて。
それを知っていてわかっているからこそ犯人はあの夜の真相を世が自ら思い出してもらいたかったんですよね。
世が想い出すきっかけになったワードがあの夜の重要な核の部分だったのもパズルがピタッとハマった感じがして本当に良かったです。
最後の―――とのこいは本当に良くて微笑ましいふたりがこの先も一生共に過ごすんだろうなと思える終わり方でした。

タイトルの『とのこい』の前には相手の名前が入るそうです。一体犯人は誰だったのか、共犯者は誰なのか、一体なぜあの夜の真相を世に思い出してもらおうとしているのか、全てが解けた瞬間に表紙を見返して…この物語の虜になっていました。
またクリスマスに読み返したいですね。

近年の朝丘先生作品の中で1番刺さりました。

8

ふたりで作り上げる関係が愛しい

「ふたりでごめんをしよう」

このセリフを見た時に、あぁ絶対今回の物語も素敵なものなんだろう、と確信していました。

朝丘先生の本はどれも心理描写がとても細かくて、人の弱さ、足りなささえも丁寧に描いてくださいます。かっこいいところだけじゃない、万人受けするようなかっこよさ、優しさだけじゃない。足りない部分があるからからこそ人間味があり、弱さゆえの行動に深く共感ができ、登場人物たちを愛おしく思います。

恋愛って綺麗事だけじゃできないと思います。
それでも自分の弱さに向き合って、相手に向き合って懸命に生きる彼らをひたすら応援したくなります。
そして、それをあますことなく伝えてくださる朝丘先生が大好きです。
どの本にも作者から登場人物たちへの愛が伝わってきて、幸せな気持ちになります。
朝丘先生の深い愛情に包まれた彼らの恋、ふたりで紡ぐ関係ぜひ読んでみてください。

7

たくさんの愛があふれてる作品

恋愛要素だけではなくて、主人公の世さんとともに一夜を共にした相手を推理していく楽しさがありました。

割と序盤で目星はつきますが、その理由を推測していくのがすごくわくわくして、明かされた正解もさすが朝丘先生、ずっとちらちら散りばめられていた伏線が見事に回収されていて!
再読した時にあーー!ってなります(笑)

一回目は柳瀬さんの包容力にめろめろになり、二回目は真人くんの深い愛情に自分まで愛されてるような錯覚になるほどハマり、読み返すたびに違った魅力に気が付きます^^(戸川くんもとっても素敵男子です)

もてもての世さんですが、わかる!!
可愛いんですよ。とっても。
酔っぱらってても絡み方が許せちゃうというか、恋愛が怖い世さんも、いつも上司として部下を大事にしている世さんも、感情が決壊してぐずぐずに甘えてる世さんも、全部ひっくるめて愛おしいです。だいすき^^



サイン会のお土産小冊子「とのこと」は本編とは違った設定が読めるので、とのこい好きな方には絶対読んでいただきたいです!!
Web無料版をダリアさんが作品情報ページにアップして下さっているので是非☆

7

新しいBLのかたち

BLは主人公がはっきりしている場合が圧倒的に多いと思いますが、こちらこ作品はお相手が誰だかわかりません。
この人かな、と想像しながら読み進めるのがラブコメというのもあり楽しいです
お相手がわかってからの仲良しな様子もしっかりと描かれており読み応えもあります。
嫌な人も出てこないので楽しい幸せ!な気分で読めます

7

あちらに見えますのが、好きぴだけに見せる顔でございます(表紙)

煌びやかなイルミネーションの前で両手を広げる世くん。その視線の先にいるのは一体誰なのか...??そんなわくわくから始まる作品です!

過去の恋愛から、「恋愛が苦手」になった主人公のリーマン・世くんが、謎の一夜の相手を探るお話なのですが、
謎解きだけじゃなく、登場する四人すべての愛や恋が詰まった作品になっています。
そこがとっても面白い...!この作品の魅力のひとつです!

【四角関係】って言うと、どうしてもメインのカップルに焦点が当たるので、
残された人たちって雑に描かれたりとか、残されたもの同士でくっついちゃったりとか、なんでやねん!!!って突っ込みたくなることありませんか...私はあります。笑

でも、とのこいは、きちんと4人それぞれを繊細で丁寧に描かれていて、こんなんみんな好きになっちゃうじゃ~~~~~~ん。。ずるいって思わずなってしまうくらい、4人それぞれに魅力溢れて、感情移入してしまう作品です。

なんと言っても!!!
世くんを取り囲む謎の一夜の相手候補の3人の男たち、めちゃくちゃいい男なんです。
毎日ごはんを作ってくれたり、見えるところでも見えないところでも世くんを想って色々(?)していたり、スパダリ100点✨️なエスコートしたり.....
結婚させてくれ...って何度思ったことか.....‍(泣)

そんな3人に想われる世くんも、良い意味で「天然人たらし力」(超褒め言葉)がカンストしてて。まじで愛おしい。愛さずにはいられん!って訳よ。
そして私は【甘え上手な年上】という新しい扉が開きましたありがとうございます。感謝。

そしてそして!
朝丘先生の紡ぐ言葉とラブコメのマッチが大天才。
朝丘先生の作品の中でもいちゃらぶシーンが大好きなので、先生が描く会話のテンポだったり、心情表現だったり、小説読むのが苦手な私でもするする読めて、
朝丘先生の作品ってこんなにもラブコメとぴったりなんだなぁ!と感じました。
もっといっぱいラブコメ書いて欲しい.....。全部読むから!!!!

絶対両思いじゃんーー!!な、もだキュンいちゃらぶも、
相手の幸せを一途に思うが故の切なくも温かな愛も、
ごはんを一緒に食べてただ幸せを感じるようなささやかで愛おしい日常も
かけがえのない幸せがすべて詰まってます!!!✨️
そう、これは\\全人類大好きな//ハッピーセット✨️

明日仕事なのに、こんな長文を書いちまった私とおんなじ気持ちを味わってほしーーーい!
是非!この冬にぴったりな、とのこいと出逢ってください!

7

不思議な作品でした!是非、一読を。

BL小説なんだけど、BLぽくないと、言うか。

あらすじは、もう書かないので。感想だけ。

まず。長いんです。ボリュームがすごい。
だけど、気づくと読み耽ってしまう。 

例の犯人探しは、結構最初から薄っすらわかるし、何なら共犯者もわかる。

じゃあ、何が書かれているかと言うと。
世と、世を取り巻く真人と柳瀬と戸川との会話、気持ちのやり取りがひたすら。
それをひたすら読んでいくうちに、何でこんなことになったのか、が自然と腑に落ちていく、と言うか。

先まわりの遠まわり。言い得て妙だな、と思う。まさに、世を表す言い回しだわ。 

読んでて、世さぁ、ちょっとさぁ、と何度も思う。恵まれ過ぎよ?と。だけど、そんな男達を惹き付けるのは、まさに世自身だし、諦めずに投げずに良かったよ。

何より、真人の忍耐力、胆力。
恐れ入ったわ。22歳!

とにかく、ずーっと世を眺めているような小説。いい歳の私は、若干、世に呆れつつも、世の生活や思考パターンをすっかり把握して、何なら、そこにいるような気分にすらなる。

人生を共有したような不思議な後味。
表紙の意味を知ると、胸熱ですよ。

6

読後も脳内占拠

買ってはいたものの、読む時間がなく飛行機移動のある時にと読みました。
マスクをしていても鼻をすすらなきゃならないし、涙は落ちるしで泣いてることカモフラ全くできなかった。あ、泣かせにくる系ではありません。でもどこかにスイッチがあって泣いちゃう感じです。
私は主人公cpじゃなく、元カレとのエピソードがとにかくギュッときて、出てくるたびに泣いてた。あの選択は間違いじゃなかったってことはわかります。わかりますが辛い。SSでももう終わったんだってことは念押しされてるみたいに書かれていたのでわかるんですが…。絶対無理だろうけど、2人が付き合って別れる所までのお話が読みたい。世って呼び捨てにする場面を、部屋で2人でキスしながら話している場面を読みたい。どんなテレビを見ていていたのか、何を食べていたのか知りたい。本当にお勧めな作品です。

6

城島世には「彼」しかいない

丹地陽子さんの表紙がとても魅力的で、Twitterで見かけてからずっと気になっていました。
ほぼジャケ買い状態です。
ある意味「世くんに一目惚れ」ですね!

あらすじ以上の内容はほぼ知らないまま読み出したので「ミステリーとBLって相性悪くないかな…」と思ってましたが、ほぼ謎解きはありません。
わりと早い段階で「犯人」は分かるし、そもそも君以外いないのでは?!という状況。

登場人物がみんなサッパリとしていて、大人で、他人への慮りがあって優しいので、好感度が高くストレスがありません。
他人への距離感が絶妙な小説でした。
一線越えるだけなら多分簡単にできちゃう世くんは、この3人の中で誰と恋人の距離でいたいのか。
大切な人だった上司、かわいい後輩、優しい隣人……恋人以外の関係を大切にするのか、一歩踏み込むのか。
4人とも真摯に他人と向き合っているのがとても素敵でした。

そしてリズミカルな言葉のラリーが心地良い。
印象的な台詞が多く、特に真人くんとのやりとりは年下の彼がタメ口で返事をすることでテンポが良くなってて、漫才のような雰囲気で読んでいて楽しい。


しかし「彼」が攻めで良かったー!!!
読者からすれば世くんは彼のことがあからさまに好きなのにどうして本人はそこから目を背けているのか?が、この本のミステリー要素かも知れません。
少しずつ時間をかけて、世くんには彼じゃないといけないこと、彼には世くんじゃないといけないこと、を丁寧に描写してくれています。
とにかく会話に品と優しさとユーモアがあって楽しく、変なすれ違いをしないので一気に読めました。

攻めの彼があまりにも愛情深い健気な男なので、最終的には彼のことが登場人物で一番好きでした。
たった1人の大切な人と付き合えて好きっていってもらえて、どうやら添い遂げられそうで…!本当に良かったね!!

挿絵も優しく可愛らしくて、手に取って大正解でした……。
読書中何回も表紙の世くんを見てしまいます。

とても素敵な作品に出会えて良かったです。

5

とのこい

ミステリアスにはじまり その謎を解くため始まった心理戦や探りあい…
一つの真実に向かって絡まり合う人と人…
真実じゃなくても 選んでほしい…そんな希…
真実じゃなくても 大切に思っていた想い…
真実をしっていてあえて知らんふり心に決めた心の内
真実の中のホントの真実は 誰の想い!?
『世さん』それとも 他の誰か?
辿り着いた真実に さらに 踏み込む そしてさらに『愛』をふり注ぎ大切に大切に育てる覚悟(愛)
純愛でした。
本編のあとのショート
私は すっごく好きでした(*´꒳`*)ヨキヨキ

4

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