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ruriiro halation
本当に本当に激推しな作品に出会ってしまいました。表紙買いのはじめましての作家様だったのですが、本当に激推しです!!
好きだったものを単純に好きと言えず続けられなくなってしまった二人が隣人として出会い、恋に落ちていくまでの物語です。
セリフもストーリーも表情もすごく優しく丁寧に描かれていて読後心が温かくなります。
なにより2人が紡ぐ言葉が印象的でした。2人ともすごく相手を気遣った言葉選びをしていてちゃんと考えながら話しているのが伝わってきます。その上で自分の思っていること、楽しいこと嬉しいこと悲しいことをまっすぐ伝えているので回りくどくなくそれでいて優しいセリフが多いです。
また嬉しいときや楽しいときの表情が本当に豊かで笑顔がめちゃくちゃ素敵です。何より濱口くんは不愛想設定なのですが、なんやかんや表情豊か、とかではなく、たしかに親しくなるまでは不愛想に捉えられそうで、よく見るととても表情豊かで小さな表情の変化が多い子でした。だからこそ最初からその表情を読み取れる神さんの特別感が出ますし、不愛想設定がめちゃめちゃ活きているなと。またその不愛想にも表情豊かにも見える顔の描き分けがすごいなと思いました。
そして周りの友達、現在過去の仕事仲間、サークルの先輩、弟、部活の後輩、どこにも嫌な奴がいなくて本当に平和で優しい世界の中で、普段の生活で時々つらくなるような自分にとっては辛いトラウマを持っている2人が出会ってそれを互いに助け合って乗り越えていく。その助け合いにも押しつけとか偽善的な感じがなくて、無意識に支えて変化をもたらし合っているような2人の関係性がすごくよかったです。
ストーリー重視で優しい心温まる作品が好きな人は本当に読んでほしい一冊です。最高でした!
大学進学とともにひとり暮らしを始めた濱口はそのお隣さんである神とひょんなことから知り合いになり、興味を持ち始めていたカメラを通じてその距離を縮めていくお話となっていました。
高校時代までバスケをやっていたけれど、怪我をしたことで続けられなくなってしまった濱口。
彼は表情があまり変わらないし騒がしいタイプでもないのでそういう性格だといえばそうなのかもしれませんが、バスケを辞めて抜け殻のようになってしまっていた部分もあったのでしょう。
そんな彼が構内に飾ってあった綺麗な写真に心を奪われ、「写真を撮ってみたい」と思えたことこそが前に進めている証だなと感じて。
それに進み出すきっかけを与えてくれた神が、濱口の中で大きな存在になっていくのは必然的だったように思えました。
神もまた心に傷を負ってカメラを辞めているので、お互いに苦しい日々を知っているからわかり合えるような関係なのも素敵でした。
少しずつ惹かれあってやがて気持ちを伝えるまでの日々はとても穏やかで、自然体なふたりにほっこり。
両想いになった後も変わらずふんわりしていて、すごくあたたかい気持ちになれるお話でした。