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no sentimental
作家買い。
斑目先生の描かれる繊細で、でもそこはかとなく漂うシリアスな空気感を持つ絵柄とストーリーが大好きなのですが、今作品はシリアスに振り切ったお話ではありません。「覆面係長」ほどのコミカルさはないですが、切なさとコミカルさが絶妙なバランスでミックスされた、そんな1冊だったように思います。
ネタばれ含んでいます。ご注意ください。
主人公は27歳のリーマン・尊。
ごくごく平均的なビジュアルを持つ、どこにでもいそうな青年だ。
そんな彼には腐れ縁とも呼べる友人がいる。高校時代から、なんとなく付き合いの切れなかった公貴だ。公貴はめちゃめちゃイケメン。めちゃめちゃモテる。だがしかし恋人とは長く続かない。
が、ある日公貴が新しい恋人として紹介してきたのは男性でー。
というお話。
よくあるお話と言えばよくあるお話、設定です。
異性関係がだらしのない攻めさんに、そんな攻めさんに呆れつつもバッサリ断ち切れない受けさん。
よくあるお話、に、斑目作品というエッセンスが加わり、あらまあ、これはドシリアス展開なのでは?と思いつつ読み進めましたが。
んー、斑目先生はこういう攻めさんが癖なんですかね。
イケメンゆえに異性関係が途切れることがなく、やや人格に難あり。そんな攻めさんのお話をよく書かれているイメージがありますが。
はい、先生の描かれる攻めさん大好物です。
人として大切な何かを欠損している、そんな感じ。
その「ぽっかり空いた何か」、に受けさんがせっせと水(=愛情)を与え、人として育ちなおしていく、そんな感じの攻めさんが。
今作品は序盤に抱いたイメージとは異なりシリアス展開ではありません。
シリアスになりそう…、でならない。
その大きな理由の一つに公貴という男性の中身があると感じました。
彼はですね、まあクソですね。クソ男ですね。大事なとこなので2回書きました。
「運命の相手」を見つけたいとほざき、いろいろな女性と付き合い、そして「やっぱりなんか違う」とあっさりと捨ててしまう。
クソなのですが、彼が複数の女性(最後は男でしたけれども)と関係を持ち、それでもしっくりこなかったのは、結局のところ公貴がずっと求めていたそのお相手は誰だったのか?という部分がきちんと透けて読み取れるからなんです。
こういうお話の場合、受けさんが攻めさんに男の恋人ができて、そこで初めて自分が攻めさんに恋心を抱いていたと自覚した、みたいなお話ってよくありますが、今作品の受けさん・尊はそんな感情は一切持っていません。公貴にせまられ、なんとなく流されて付き合ってしまう。
からの、二人の感情の流れがめっちゃ良い。
終盤に描き下ろしの「ファーストコンタクト?」が収録されていますが、この小話に、二人の、というか公貴の尊への感情がしっかり描かれていてめっちゃ萌えました。何をしてても、誰といても、公貴の感情のベクトルが誰に向いているのかしっかりわかる。
そして一方の尊も。
尊という男の子は誰彼構わず事なかれ主義ではありません。そんな彼がイライラしつつ、それでも公貴の世話を焼き続けてきた、その理由は。
可愛いの。二人とも。
今作品の受けちゃんは果たしてどちらかな。
と、あらすじを拝見して思っていましたが、受けさんが男気があってカッコいいです。ガタイもそこそこいい男性として描かれていて個人的萌えツボにドンピシャな受けさんでした。
ちょっとしたしぐさ、表情、言葉のかけら。
そういう部分で読み手に彼らの内面をさらりと読み取らせるその手腕に脱帽です。
今作品も最高な1冊でした。
高校生のときからずっと長いこと友達だった同性の人と恋人関係になる。
自分の身に置き換えると結構な事件だと思うのですが、じっくりとリアルに、しかもコミカルに描いた本作。
BLではよくあるといえばよくあるシチュエーション、そしてある意味地味なテーマではありますが、読み応えありました。
当て馬らしい当て馬もないので、本当に二人のことだけです。
レーベルが集英社ガールズコミックスなんですね。
いまはお互い社会人で、会社は別。たぶん業種も別。(大学も別だったらしい)
どこかにいるはずの運命の相手を求めて、恋人をとっかえひっかえするハイスペックな公貴(きみたか)。
その公貴に強引に呼び出されるたびに恋愛遍歴を知ることになる主人公の尊。
いつも振る側だったのに、好きな人から初めて振られて傷ついている公貴を慰めているうちに、酒の勢いもあってそんなことになり、挙げ句、翌朝、「そうか、俺の運命の相手はおまえだったのか」と結論づけられてしまう、というところから始まるわけなのですが、まあ、テンポがいい。
テンポがよくてコミカルで、ページをめくる手が止まらないです。
友達が恋人になることで、途端に相手を意識したり、セックスに溺れる戸惑いやら、尊はぐるぐる悩みまくります。
じっくり考えて一歩ずつ進もうとする尊からすれば、公貴が一足飛び過ぎて驚いてばかり。
尊の側から綴られているため、公貴の発言が突拍子もないものに感じることがあるのですが、公貴は公貴で二人の関係のことを彼なりに考えているからこその急展開というのが分かります。(あけすけ過ぎるとは思いますが)
言葉が不足していたり、話し合いが足りてなかったり、強引過ぎる部分もあったりするのですが、そこは二人の関係性。走り出す公貴と許す尊。時には反対になる時も。
きっと今後もなんだかんだ、おじさんになってもおじいさんになっても、二人はこんな感じでずっと一緒に居るんだろうなと思えました。
斑目ヒロ先生の作品では特に「かわいい悪魔」シリーズが大好きで電子と紙の両方を購入して何度も読み返して来ました。
斑目ヒロ先生のイケメンは下手をすればホラーにも見えるくらいの美形なんです。www
そしてギャグが来たかと思えば、ヒリヒリするようなシリアスな展開が来たりと変幻自在なのが先生の魅力だと思っています。今までの作品でもタイトルは思い出せなくても、凄く印象的でずっと記憶の片隅に残ってるようなお話が沢山あります。
今回の作品もまさに斑目先生らしい癖の強い攻めでした。公貴は美形でハイスペックで恋愛体質で、尊に対してはとても押しが強くて一方的に話すけど尊の話なんか聞いちゃあいないんです。
そんな公貴が尊を「運命の相手」としてロックオンしてからは尊しか見えていなくて、ちょっと前に振られた大好きだった筈の相手さえ尊を奪う敵認定で相手を認識さえしてなかった事に驚愕しました。
そんな公貴なので本当に尊の事が好きなのか心配でしたが、終盤の公貴視点のお話を読んで最初から尊が特別だったと知り凄く萌えました。
お互いに相手をそのまま変わらないで良いと思ってるところが、友人から始まった恋人同士って感じがして凄く良かったです。
個人的に気になってしまったのが尊が公貴のことを「キミ」と呼んでるんですが、「君」と混同してしまって友人を「キミ(君)」って呼ぶとかキザだなぁと思ってました。出来れば違う名前が良かったです。www
作家買い。
腐れ縁からまさかの恋愛に発展というのはときどきBLで読むけど、腐れ縁だと思ってるのは片方のみで、もう片方は想いを秘めつつも友達という形で居続けたいからいる……みたいなパターンが多いと思うんですが、この二人は完全な腐れ縁で、片思いでも両片思いでもなんでもない真性の腐れ縁。
公貴は女を取っ替え引っ替えしては「ぼくの運命の相手はどこにいるんだろ?」が口癖の男で、そんな彼の恋愛の愚痴を長年聞きつづけてきた尊。
ところがある日、尊は公貴から「僕の運命の人」認定されてしまい……。
完全に腐れ縁で圏外だったノンケ×ノンケがくっつくお話だけど、キャラのなせる技っていうんでしょうか。
ハイパー思い込み激しい攻め×流され力&お人好し力が上限突破してる受け。
キラッキライケメンなのに思い込み激しくて残念な攻めの描写が、好きだなぁ。
身近にいたらめんどくさくて絶対に嫌だけど、あれこれ鑑賞する分には最高。
で、「ノーセンチメンタル」ってタイトルがまさに!って感じ。
去ろうとする尊の背広の裾をつまんで「行かないで…」と弱々しげにいう公貴に、あらあら〜かわいいとこあんじゃん!とキュンとさせられたけど、その後の展開にはキュンを返せ!!となります。
公貴は、尊と読者のセンチメンタルをちゃぶ台返ししてくるんですよ。
ほんと、恐ろしい子!
超凸凹コンビだけど予想以上にがっちりハマって、なんだかんだ言って一生安泰カプだなって思います。
斑目先生といえっば登場人物のギャップが
想像の斜め上をはるかに越えていくという印象で大好きな作家さんですが、
親友に運命の人扱いされ、関係が一気に変わる二人の物語も、関係性のギャップ、変形?という予想外の変化に、読者自身も戸惑い
最終的には癒されました。
攻めのキミがイケメンで、クールな見た目に反しておバカなのはお決まりでなのですが、
今作で一番のギャップ保持者は受けの尊です。
高校生の姿のイカツイこと。
悪魔シリーズの連載が再会されたそうなので、楽しみです。