となりの芝生

ほんとに隣に芝生は生えてますか？

人の内側の汚い部分や歪んだ部分を魅せるのがお上手なんですよね

はじめこそその 特徴的な目 に苦手意識があって敬遠してたんだけど
読んでしまえば逆にそこが魅力になってくるし 重すぎず 軽すぎず なのに必ずなにか思うところを残してくださる作家さまで　お気にいってます

で 今回も綺麗なものと汚いものをうまく盛り込んでくださったな と


うううん こんな始まりなのに読まなきゃいけないのが　ガチ兄弟と同棲1年の弟の恋人との歪に絡む三角関係　じゃないから困っちゃうぅ


ストーカーに家族の柵 兄と恋人とのセックス 勃起不全に仲間割れのとばっちり
数えきれないほどのアレコレが ババーンっと詰まってる


繰り返された離婚のせいで必要とされることに飢え 繋ぎ止めなきゃいけないものに敏感になった子
つかみ所はないし 不安定だし 倫理観ぶっとんじゃってるこの子を好きになれるか　この関係を許容できるかで評価が別れるのかな　　　

この関係性がね　 難しいです


どいつもこいつもちょっとずつおかしいです
とにかくどっかが壊れてるというか 傷んでる

我慢を強いられた窮屈な家を飛び出し バックパック１つで自由に生きる兄
兄に置き去りにされたことや 進みたい方向にもケチがつき家を捨てた弟
兄弟の仲を知り 突然目の前に現れた兄と名乗る男を引き留めるため身体を開く恋人


恋人っつってもこの子を拾うところからイカれてるんだけど ちゃんと手順は踏んで事に至ってくれたのが何より救いｯ！


ゆるい股のせいであっちこっちから狙われ それでいて無自覚に男を惑わす恋人に苛立ち 本人ではなく周りに当たり散らす一心(かずみ)


兄も大概我慢をしてきての逃避だろうし イツカの過去にもハッキリわかる表現では無いもののネグレストや幼児虐待が見え隠れ　なのでそんな諸々が匂わせ程度でもあるお話が苦手な方はご注意ください

個人的には兄のポジション好きです　
いきなりお手つきはしちゃったけど 見守り隊ですからね 彼


自由に見える彼も　目を奪われる彼も なんでもないような顔してる彼だってほんとは誰かが羨ましい　誰にだって外見だけではわからない抱えるものはある

その素直さ 一途さ 真面目さには目もくれず 持っているものだけに価値を見つけて羨んで
隣の芝生どころか 勝手に芝生を作り上げて 生えてもいない芝生やっかんで


最後いろんなものに巻き込まれて若干めんどくさいし 詰め込みすぎたせいか全体がぼやけてどこを魅せたいのかがわかりづらくなっちゃったかな？

って感じではあるんですが 兄に見守られふたりが新しく踏み出した先に青く茂る草原があったのがね　渇望の末に見つけた居場所なんだな　って　

てか 読解力ないあたしには少々わかりづらかったよ もぉw