もう恋なんてする気はなかった

mou koinante suruki ha nakatta

もう恋なんてする気はなかった
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神28
  • 萌×229
  • 萌16
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
15
得点
306
評価数
75
平均
4.1 / 5
神率
37.3%
著者
月村奎 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
竹美家らら 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
ずっとここできみと
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403525605

あらすじ

中堅小説家・夏川晴樹の作品がTVドラマ化されることになった。しかも主演は推しの若手人気俳優・三島鼓太郎で……? 「ずっとここできみと」スピンオフ、大人のほの甘セカンド・ラブ♡

表題作もう恋なんてする気はなかった

三島鼓太郎,若手人気俳優,27歳
夏川晴樹,小説家,27歳

その他の収録作品

  • 二人の時間はいつも天国
  • 新しい恋はおろしたてのスニーカーみたい
  • あとがき

レビュー投稿数15

恋も友情も持ちつ持たれつ



新進気鋭の俳優と初めての恋に絶望した小説家


年のわりに職歴の長い作家・夏川晴樹(受け)は自分の書籍がドラマ化されることになり、主演俳優が偶然にもその話のモデルにした三島鼓太郎(攻め)になったことに驚きます。
作者とはいえ、ドラマには一切関わりなく一ファンとして作品を楽しみにしていたのですが、思いがけず対談企画がきっかけで親しくなります。
初めての恋が酷い結末だったことで、2度と恋しないと思っていた晴樹は晴樹の作品のファンだったと鼓太郎がぐいぐい友人付き合いしてくるのに戸惑います。
好みど真ん中の鼓太郎に惹かれてしまうのを避けるため嫌われようとするのですがうまくいかず、なんだかんだで仲良くなります。



「ずっとここできみと」の2人の高校の時の部活の友人夏川の話。
スピンオフですが、未読でも大丈夫です。
ただ、あの時のことかーと答え合わせができます。

晴樹は作家としてそこそこのキャリアですが、望んだ職業ではなく、義父との折り合いが悪かったため手っ取り早くお金を稼ぐ手段として作家業を選びました。
子供の時に、甘やかしてくれる相手がいなかったため、なんでも相談に乗ってくれるひと回り年上の担当編集小山田にのめり込み、告白もうまくいってからは依存してしまいます。
実は小山田が知らない間に結婚していて子供もいると知ってからはそれは黒歴史になりました。
また同じことになるのを避けるためもう恋をしないと心に決めるのです。

鼓太郎がまだ深夜ドラマの端役だった時に、きっと売れるだろうと目をつけ、自身の作品のモデルにするくらい推していました。
鼓太郎とはいい感じの距離でいようとしたのですが、鼓太郎から告白されてしまい動揺して自己保身に走ってしまうのです。

初めて甘やかしてくれる相手に全力で甘えて依存してしまった黒歴史。
小山田サイドの話はないのでそれが原因かどうか結局事情はわからなかったけど、依存してしまった認識はあって、また依存してしまって別れた時にあの状態になってしまうのではないかと怖かった晴樹。
告白してくれた鼓太郎に真摯に向き合わず鼓太郎サイドから見たら酷い態度でちょっとイラッとしましだが、ちゃんと自分で気がついて、最終的には甘えたら次は甘やかせばいいんだと開き直れたのはよかった。
鼓太郎が同い年だからということや性格的に人懐こい大型ワンコといった性格もあって、そういう意識に変わったんじゃないかな。

寄りかかりあえる伴侶と言える相手が見つかってよかった。。



1

二人なら相乗効果?元気倍増!

スピン元がまだ積んであるのですが、先にこちらを読んでみました。

春樹は色々あったけど、色々が過去形なので読んでてそこまでダメージがなくて良かったです。陰キャぼっちなのに外では雰囲気イケメンの八方美人ってすごいですね!

辛い初恋に囚われ二度目の恋に素直に飛び込めない春樹。
そこをググッと天然パワーで鼓太郎がぶつかって引き上げてくれて。

こんなふうに一緒にいて楽しくて笑いあえて気を使わなくて、大人になっても気さくな付き合いのできる友達ができて。さらには恋人にもなれて。しかも相手は人気急上昇中のイケメン俳優なんて!

鼓太郎視点ではまるで春樹がキラキラしてて憧れの人で。

読後が爽やかで幸せなお話でした。
ついついひねくれた自分は、こんな美味しいことあるか?と思っちゃいました。

1

こういうのでいい

月村先生の新作は出たら必ず読みます。
また俺様攻め書いて欲しいな。

昨今ファンタジーや異世界ものが流行りですし、好きなのでランキングが埋まるのも全然良いのですが、こういう現代が舞台のリアル(ではないかもしれないけど)な物語を書き続けてくださるのはとてもありがたいです。

ランキングを遡れば現代舞台の作品はいくらでも読めますが、やはりリアルタイムでそういった新作が出ると嬉しい。と同時に時代の流れを感じます。

内容は属性がはまらなかったので萌え×2
わんこ攻めが好きな方はハマると思います。
フラれた=嫌われてるって思ってしまうところが愛おしかったです。
受けもそこそこ強い受けだったし、自分のことは自分で解決してくれたので好感持てました。
月村先生といえば健気受けだと勝手に思っているので、ちょっと可哀想になるくらいの健気な子をまた拝みたい。
次回作も期待しています。

4

会話がコメディ

「ずっとここできみと」スピンオフ、だけど、登場人物は別なので、
読まずに今作を電子版で読了。イラスト入り。
月村先生の作品は地味だけど、テーマが身近なものが多いので好き。
それと、語彙のリズムやテンポが良いので、音声化したら良さが上がると思う。


●夏川春樹:27才
15才から執筆、活動12年の作家 ラノベ➡ライトミステリ
容貌薄口の「雰囲気イケメン」、プライドが高い
過去の恋愛黒歴史から、恋愛にトラウマがある
春樹の作品がドラマ化;主人公のモデルにした俳優;三島鼓太郎に決まる。

●三島鼓太郎:27才
人気上昇中のイケメン俳優。礼儀正しいのに剽軽。
デビュー前から春樹のファン。
椅子が好き。

・・冒頭の背景の解説部分が、わざとらしくなくて、上手い書き方。
春樹の生い立ちと、作家を志願した動機が、気の毒。
今まで自分の居場所を持てず、恋も諦めていた春樹が、
憧れの俳優からグイグイ迫られて慌てる描写が面白い。
・・明るい結末、読後感最高。

5

日常の恋

とはいえ、主人公たちは全く日常の人では無いんですが…
人気俳優と小説家。

職業的にはレアな業種だと思いますが、二人の間に流れている時間は、普通のカップルと大差ないものです。にも関わらず、萌があるのは、受けの晴樹にとって恋愛、恋というものがトラウマになってしまっていたから。
前の彼氏は、当時の編集者だったのですが、なんと付き合っている間にいつのまにか結婚していて、さらに子供までできていたという…
一般的にはクズな奴なのです。

それが故に、落ち込み、自分のことを卑下するようなクセが付いていて、攻めの鼓太郎からの素直な天然の愛情を見せられても引いてしまうというか、受け止められない晴樹。鼓太郎の方も、距離を置きながらどうしていいのか分からず戸惑いつつ。
晴樹はそんな鼓太郎に対してちゃんと向き合おうとするんですよね。
そこが勇気もいるし凄いなと。

元カレや女優とのスキャンダルなんかも出てきますが、ちゃんと二人が愛情を確認しながら、一緒にいようとしているのは微笑ましい。
若いって良いなぁって思いました。

3

ホッとする月村奎先生のストーリー

『ずっとここできみと』のスピンオフ
前作のメイン2人のお友達だった晴樹が大人になって登場です。

育ってきた環境や過去の恋が原因で、自己肯定感が低く恋にも臆病になっている晴樹。表向きの仮面を身につけて、周囲とは上手くやっているけれど、心の中では小説家としても自信がない。
晴樹が小説の登場人物のモデルにしていた俳優の鼓太郎は、天真爛漫で天然で人たらし。言葉もストレートで裏表もない人。
恋に臆病で小説家としての自信もない晴樹が、天真爛漫な鼓太郎と出会ってどう変わっていくのか?

安心の月村奎先生ストーリー。読み終わる頃にはホッと癒されます。

出番は少しだけですが、相変わらず理玖と征矢が仲良しで良かったです…!

3

爽やかで甘くて恋がしたくなる作品

春樹は自分に否定的で自信がなくて、生い立ちや苦い経験もあるんだけど繊細な人だと思った。
春樹の作品のがドラマ化され主演したのが鼓太郎、少し天然でおおらかで大型のわんこのよう。
気が合う2人が惹かれ合ったのは自然だけど、春樹が素直に受け入れられないのも解る。それだけ初恋のショックが大きかったんだろうし、それは認められなかった家族が起因だろうな。
春樹が好意を拒否してギクシャクしてるのは辛かった。鼓太郎が春樹を見に来たのは諦められなかったからだし、それがあったから2人は前に進めたと思う。

自分を認めて背中を押してくれる存在の大きさ、それが愛してくれる人って最高だと思いました。2人で高め合って進んでほしい。

親友だけど恋人であり理解者でありって、互いが最強なパートナーである2人は強いと思う。読んでてとても楽しかった。

6

安心して読める月村節

いつもの月村先生らしく、優しくて救いのある物語でした。
自分のいつもの評価だと萌2ぐらいですが、スピン元の「ずっとここできみと」でのお相手は編集者の方だったので、こっちでの展開を期待してしまった所があり…まさかの相手替えにショックを受けて個人的な評価として一つ下げてます。
月村先生の包容力大人攻めが読みたかった…。

月村節と言えば優しくて包容力のある攻めのイメージですが、先生がたま〜に描くドS攻男(ロマンス不全、秋霖高校、おとなり等々)も大好きなので、そろそろそっちも書いてくれないかな…。

10

新たな恋に踏み出せたのは

今回はドラマの若手俳優と原作小説の小説家のお話です。

受様が攻様との出会い2度目の恋を成就させるまでと
本編後の続編短編2話を収録。

受様は父を早くに亡くし、中学で歯科医師の義父をえます。

義父は息子となった受様に金も口も出すタイプで
進路はもちろん、生活全般にダメだししますが
受様の感覚と全く相いれません。

母も夫の意思が最優先で受様は鬱屈した生活を送る中
友人から借りたラノベを読んで創作に目覚め
新人賞に応募して準グランプリを受賞します。

しかしながら見本誌を発見した義父は大激怒、
その後も義父との諍いは絶えませんでしたが
受様は家庭不和などない快活な子供を演じ続けます。

大学進学で故郷を離れた受様はデビューを果たし
親身になってくれた男性編集担当と付き合うのですが
付き合いから3年過ぎたある日、
彼が1年前にデキ婚した既婚者と知るのです。

深く傷いた受様は編集担当と公私で縁を切り
新たに声をかけてくれた出版社で
ライト文芸作品を書くようになります。

そうして作家業12年目を迎えた受様は
自著のドラマ化の話を受ける事となります。

しかもドラマ主演俳優は
受様が主人公として思い描いた俳優だったのです。

この俳優こそ今回の攻様になるのですが
対談企画で現れた攻様はラノベ時代から受様のファンだと
サインを求めてきて!?

雑誌掲載のタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で
既刊「ずっとここできみと」カプの友人である受様が
若手人気俳優の攻様と恋する物語となります♪

受様は既刊カプの友人で本作で絡みも有りますが
本作単巻読みでも全く問題ありません。

受様は幼い頃から当たりの良い子を演じてきました。
それは受様自身の為というよりも母の為、揉めない為の
処世術であり、世間に解けこむ擬態でもあります。

対する攻様はなかなか目が出なかったものの
天才肌な演技力で人気を博してきた俳優ですが
素の攻様は天然系大型ワンコなのですよ。

攻様は受様と出来た縁を逃さず
仲良くしたいとグイグイ迫るのですが
機会が増すごとにLIKEはがっつりLOVEになっていて
受様にお断りされても押せ押せです。

そしてそんな攻様との付き合いは
受様が封印していた恋心をゆっくりと揺さぶり
受様がそんな自分自身に戸惑う様にニマニマ、
攻様に惹かれてぐるぐるしている様子にドキドキ
とっても面白かったです。

受様が不憫な子供であったことは否定しませんが
初めて愛される事を知った受様が元カレとの恋愛を
"全て"としてしまっただろうことは想像に難くありません。

受様が元編集担当と和解する展開も無理がなく
受様の初恋が哀しみだけで塗りつぶされず
次の恋へのステップにもなっていたのが
良いなと思いました。

8

無自覚天然人タラシ攻

こちらの作品は雑誌で前編は読んでて後編は未読でした。なので読んだことあるようで無いと混乱しながら読んでました。

実は雑誌のレビューにはスピン元の「ずっとここできみと」より好みだと書いていて、「過去の恋愛のトラウマから、頑なな晴樹が後編でどう変わって行くのかが楽しみです。」って書いてるのに、「小説Dear+ Vol.84 2021フユ号」は買ってさえいませんでした。トホホ。

スピン元の方は理玖の意地っ張り具合にイマイチ萌えられなかったんです。こちらの晴樹もだいぶ頑なでしたが、鼓太郎の人柄に助けられていたように思いました。
無自覚天然人タラシの鼓太郎の前では意固地になりようがなかったです。それに交流を持ってからが短かったし仕事の関係者だし、大人になってからなので10代の理玖と征矢とは違ってました。

途中で今の担当編集と元カレである前担当編集が仕事上でやり取りし出した時にコレは一悶着あるのかなぁと思ったんです。
読みは半分当たって大分外れてました。

前担当編集者との関係は現担当編集者は知らないので、晴樹に取ってグサグサ来る事を言っていたのが印象的でした。悪気が無くて知らないって怖いですね。でも彼女のおかげで思わぬ事実を知る事が出来て晴樹の心の枷が一つ外れます。

真っ直ぐで裏表のない鼓太郎の愛情表現が凄く素敵でした。鼓太郎と出会った事で晴樹も変わることが出来たんだと思います。

でも凄くハマったかと言われたらそうでもないので萌2になりました。

7

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