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いまさらお前のいない夜はいやだ
5hungo ni kaeru no wo matteru
同人誌からの商業化作品としてとっても良い塩梅でした。同人誌からの作品は曖昧な完結が多い気がするという勝手な先入観を抱いているのですが、商業でよく見る設定や展開ではない作家さんの描きたいものがストレートに描かれている同人作品の旨味もしっかりあり、かつまとまりが良くすっきりと完結しています。強めの設定(病気)も悲劇的にしすぎず、かといって軽く描くわけでもなく、漫画がうまいなぁ、と。登場人物の描きわけもひっそりと上手だし。派手ではない良さがある。しみじみ。
独特な絵と「場所や時間関係なくどこででも寝落ちてしまう」という特殊な体質を持つため、ひとりでは何もできない受けという新しい設定に惹かれ購入しました。
今作品がチ点日子先生にとってデビュー作だと聞いてびっくりするほどの高クオリティです!
ほとんど植物状態な沙世(受け)。
体質のせいで常に眠たそうな雰囲気を発しているため、勘違いしそうですが、実はかなり男前。思っている事は、はっきりと言える健気な子です。
そんな沙世とは違い、孝己(攻め)は過去のトラウマや沙世に対しての歪んだ感情のせいで、何事も曖昧にしたいタイプのヘタレです。
しかし、沙世の事は何より大切にしたいという事が物語が進むにつれひしひしと伝わります。そして、沙世を大切に思うあまり、自分の「汚い」部分を必死に隠そうとする孝己に泣けてきます。
そんな二人は、性格も経験も『好き』の価値観も全く違いますが、お互いがお互いの側にいたいと強く思うことだけは一緒・・・そんな二人の関係性がどう変わっていくかが描かれる不思議なお話です。
こちらは、何度も読み返すほど大好きな作品なので、ディープな作品をお求めの方は是非読んで見てください!
表紙が可愛くて一目惚れして買いました。買ってよかったです。
"性行為=恋愛のゴール、愛情の表現の最上位"的に描かれることが多くなるのが恋愛漫画の常ですが、これはそんな感じがしなくていいなと思いました。性行為をどうするかが2人の交際においての争点でしたが、それはたいしたことではないというふうに描かれているのが面白かったです。好きでお互い以外ないから一緒にいたい。たとえインプリンティングだとしても。一緒にいる為の手段の1つが性行為であるというのは面白いなと思います。一緒にいる為に価値観を擦り合わせていくのは恋人やパートナーとでなくても必要なことです。性行為の有無についてがそれに該当している話は新鮮でした。
性行為がゴールになるのが悪いとか、不快だとか思っているわけではありませんが私個人の問題としてごく稀に押し付けがましく感じることがあるのでこの作品には救われたような、新しい視点を見せてもらったような気がします。大好きです
幼馴染の距離感ってどういう感じだったっけ…?と、考えてしまうくらいとても距離が近いふたり。でもそれは物理的な近さで、心が微妙にすれ違ってしまう様子はまるで親子のようで…そんな不思議な関係を続けていた孝己とさよが共に気持ちを変化させていく、そんなお話だったなと思います。
ネックになっているのはさよの病気なのだけど、孝己はそれを通してさよを見ているから深く踏み込めない部分があって。
さよをいつまでも子ども扱いしているのはそういうところからきているのだなと感じたし、さよもその施しのような孝己の行動に逆らわないのでいつまでも変わらなかったんだな、と。
病気のことを抜きにして向き合ったときに、さよの心は成長していて感情も変化していることを認めざるを得なくなった孝己の動揺はとても人間くさくて、表面を取り繕っているように見えた彼の素が見えたのが良かったです。
色々なところに少しずつ気持ちのズレがあったり、習慣づけられた生活によって動き出せないもどかしさがあったり。
想像していたよりずっと重いお話でしたが、でも愛情深いふたりのやり取りに温かい気持ちにもなって。
ずっと近くにいたふたりだけれど、同じ場所にたったこれからが本当の始まりなのかもしれないなと思いました。
すごく不思議な魅力があって、他にはあまり無いような独特な世界観を楽しむことができた作品でした。
二人の関係性にしっくりくるオチで読了後の余韻も非常に心地よかった。
二人の布団にくるまれているような安心感とちょっとの痛みがこちらにも伝わってきて最高!
作者さんのTwitterやpixivでイラストを見てて雰可愛いなと思ってたら単行本が出たので購入しました。
解釈が難しかったのですが面白かったです。なにより雰囲気がいい。こういうお話を求めてましたとても好みです。
たかきくんの重さには適わないと思いますがそれでもさよくんもしっかり重いし離れてほしくないと思っているのが可愛かったです。
一見ピュアな感じにも思えるストーリーですが、たかきくんの歪み具合のおかげでダークな雰囲気もあります。そこが更にいい。
たださよくんが卵から孵った状態がどんな状態を指すのかがまだよくわかっていないのでまた読み直して考えてみようと思います。でもそこを抜きにしてもまた読み返したいなと思う素敵な作品でした。
なんとも不思議なんですが、心地よくてあっという間に読み終えました。
相手に愛を感じていてもその気持ちが直接的に行為には
結びつかないこともありますもんね。
大切だからこそ自分の手で汚したくなくて、自らをどんどん縛っていて。
でもお互いへの独占欲も確かにあって。
軽やかな作風と対照的に想いが重い2人でした。
面白かったです。
ただちょっと難しくて、話の内容がすんなりとは理解できなかった。
始めは常識人として見えていた孝巳も読み進めていくと、この人も病んでるというか拗らせてましたね。
子どもの時の体験から、貞操観念が狂ったのか。
その後もセフレを作り続けていたのは、自分を汚したかったから?
さよが無事に大学に通えるのは、孝巳のフォローは勿論、さよ自身も魅力的な人物なんでしょう。蜂須賀も、さよのこと、気に入ってますよね。
さよは結局、卵から孵ったのでしょうか?作者の意図とする卵から孵るというのはどういうことを表すのかわからなかったです。
孝巳が気付いていなかっただけで、さよの思考はずっと卵の中ではなかったような気もします。
卵から孵るのはさよではなく、2人の関係の事だったのかな?
うーん、なんだか理解しきれなかったけど、読後感が良かったので「萌2」としました。
ちょいちょい深酒して寝が浅い日
まだ起きる時間じゃないのに目が覚めて やることもないのに眠れない数時間をもてあまし ぼへーーーーっ と発売カレンダー眺めちゃう
あの「魔の刻」に見つけちゃったんですよね
何気ない優しい時間の中にいて それでも自分一人だけが取り残されたようなその表紙に 彼の抱えた孤独があるのなら その孤独はどんなものか そう思っちゃったんですよ
孝己(たかき)と沙世(さよ)交互の目線ですすむこのお話 正直読みづらかった
互いの気持ちをわかった体で読み進めないと先に進めないような 綴られている文字に思うなにかを探せないというか 読み慣れるまでその文字に流されるしかなかったというか
好きだったから世話をしたいのか? 世話をしていたから好きになったのか?
世話をされていたから好きなのか? 好きだから世話をされていたいのか?
温めている横で名前のつけられない関係 そのやり場のない欲を発散する術
守っているつもりで生かされている事に気づいていないから苦しまなきゃいけないし 悩まなきゃいけない
互いが刷り込み 刷り込まれてきたものでとっくに壊れないものは出来上がっているのに 意識が違いすぎてままならない
ううううううん わからなくはないんです
大事にしたい壊せないと思うものは手を出しちゃいけないもの 孝己のこの思いが強すぎちゃって 沙世の自分に縛りつけている罪悪感と誰かに取られる不安が同じ重さに見えなくなっちゃって このバランスをどう読むかってのがキーなんだろうし
拗らせた欲が 価値観の違いがいつまでたっても揃わない 解けないパズルのようになってて それでいて捨てることもできなきゃ 居ないと互いの道が閉ざされちゃうみたいな なんとも焦ったい幼馴染の距離ってのにじれじれしなきゃいけないんだろうな ってのも
なんだけど ごめんなさい
白黒ハッキリしないものを延々と見てると何が何だかわけがわからなくなってくる質で 何をどう感じればいいのかほんとにわからなくなってきちゃった
ふたりが作り上げてきた巣の中で今まで温めてきたものを孵化させたまとめ方はよかったし
失いたくないと思っていても相手を理解できない孤独 互いの思いの強さや欲 沙世が案外しっかり者だってのも 考己が小心者でビビりん坊だってのも ほんと十分魅せてもらえはしたんだけど
なんでかな スッキリしないものがどっかに残っちゃって
沙世の体質に最後まで振り回されちゃった感じだったからかな あたしの悪いクセだけど
ちるちるさんの作家インタビューを拝見して購入。
今作品がデビュー作がデビュー作なんですね。おめでとうございます!
さて。
絵柄がちょっと独特、というのか。
昨今流行りの綺麗系の絵柄ではないし、あっさりしてるっていうのかな。味のある絵柄を描かれる作家さまだなあ、というのが第一印象(もちろん悪い意味ではないですよ!)。が、この絵柄が、作風とぴったり合ってる感じがしました。
淡々と、訥々と、でも癖があって噛めば噛むほど味がある、みたいな?
主人公は孝己と沙世(さよ)。
幼なじみで、生まれた時期も同じころ。家も隣同士の二人は昔からニコイチ。
さよのほうが5日だけ生まれたのが早くて、子どもの時はさよの方がしっかり者でお兄ちゃん風をふかしていた。
が、さよは「どこでも寝てしまう」という病気に罹患。
それが道端でも、料理を作っている時でも、学校のプールの授業中であっても。
そんなさよのために、孝己はつねにさよの傍にいて、大学生になった今は同居してお世話をしている。
周囲の人たちからはさよのお世話係をしている孝己に同情の目が向けられているが、実は孝己はさよのことが好きで―。
幼なじみで友人で。
一線を越えるのが怖くて自分の想いを知られたくない。
そんな幼馴染のモダモダな青い恋は、王道と言える展開で、多くの腐女子の皆さんの萌えをかっさらう設定かと思われます。が、今作品は、その王道のストーリーに非常に独創的な味わいが加味された1冊。
一つはさよの病気。
そしてもう一つは、孝己が抱える「もの」で…。
設定はドシリアスと言っていいでしょう。
が、ちょっと独特な絵柄が、シリアスなだけではなくってすごく不思議な味わいになっています。これ、読んでみないとこの不可思議さは伝わらないんじゃないかな?と思います。
凄くお上手だなと思ったのは、表情の描き方です。
「顔」っていうのか、「目」っていうのか。
気持ちが通じたとき、想いが繋がった時、お互いを通して見える二人の表情の変化が端的に感情を読者に読ませます。
さよの病気のために、サポートしているのは孝己。
だからしっかりしてるのも大人なのも孝己に、一見みえる。
でも実は、精神的に大人なのはさよなんです。その二人の関係が、まさに割れ鍋に綴じ蓋。上手く噛み合ってる。
すれ違いとか、幼馴染とか、甘酸っぱいワードがてんこ盛りの作品ですが、爽やかさというよりは、うーん何だろうな。どんよりした空気感は常に漂う、そんな斬新な作品でもあります。
その大きな要因の一つとして、孝己には、他に身体の関係がある人物が複数いることがうかがえます。直接的な描写はさほどないのですが、他の人と関係を持っている攻めさんが苦手な方は注意が必要かもしれません。
が、二人の間に流れているのは紛れもなく純愛です。お互いを思うが故のすれ違いにも萌える。タイトルがまた良い。「孵る」のはさちだけではなかったのだと、待っていたのはさちも同じだったのだと、そう思いました。
なんか好きな作品だなあ…、と読後しみじみと思いました。じわじわと染み入ってくる「何か」がある。中毒性があります。
次回作も楽しみに待っていようと思います。