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haruwo daiteita
作家さんの新作発表
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10巻。
この巻は冒頭から趣きが違います。
8巻で登場した香藤の悪友・宮坂がクローズアップの巻…なのですが、はじめは少し可愛げのある横恋慕だったものがいつのまにか危険な欲望へ様変わりしていく。
一方「冬の蝉」の撮影設定はまだ続いていて、火事で喉を痛めた吉澄の代役としてアノ浅野が加わってくる!
とは言っても浅野が当て馬ポジションではありません。
終盤、大きな影、大きな亀裂、大きな不穏として、宮坂が登場してくる。
何が直接の引き金だったんだろう?岩城の強い自衛の言葉?
それが逆に彼をサディスティックに駆り立てた?
ともかく、害のない後輩、香藤の友人という顔のまま、岩城を辱めようという企みを実行してしまう宮坂。
岩城に隙があった…と言ってしまいたくはない。ともかくも、罠に嵌ったていの岩城は襲われて(未遂だけど)、「冬の蝉」にミソをつけたくなければ、と脅される展開へ。
香藤と違って思い詰めるタイプの岩城の危機!
冬の蝉の撮影が続きます。
干され気味の香藤と忙しい岩城、でも大丈夫!何でもお互いわかってるからね!
二人とも役者として補い合い引っ張り合って前に進んで。
共演者の吉澄が怪我で降板。その代役にあの浅野が。
しかも今度は香藤のことが忘れられないとか言い出して…。
岩城は吉澄のことが忘れられず浅野をなかなか受け入れられず。でもすぐ考えを改めますけどね。
そして香藤の同期宮坂が岩城への想いを抑えきれず強行手段に!岩城を脅してこれからいったいどうするつもりなのか?
岩城と香藤はもう安定路線ですね。横槍要員はテコ入れなのかな?
正直だんだん読むのがきつくなってきました。
あと4冊。最後を見届けるために頑張るか?
でもALIVEもあるしなあ。
宮坂がここまで動くとは。香藤と岩城の深い絆で結ばれた関係性を目の当たりにし、岩城みたいな相手が欲しいという妄執に囚われてしまった宮坂。その辺に転がってればいいけれど、そんな都合の良い誰かが現れるはずもなく、やはり岩城が欲しいという気持ちに変わり。彼の面白いところは、本気で香藤から奪えるとも、岩城の気持ちを自分に向けさせられるとも考えてはいないんですよね。2人の絆が絶対に切れないことは理解した上で、自分の妄執を断ち切るために行動を起こしている。捨て身な分、余計タチが悪いのかも。なんとか彼の正気が保たれた上で、最後には2人とも和解して欲しいと思うけれど、さすがに難しいでしょうか。今後の展開にドキドキです。
一方、映画撮影は大詰め。体調の回復しない吉澄の代役として浅野が来てくれますが、彼との確執はさておき、仕事は仕事として切り替え普通に接する香藤はさすがの安定感です。逆に、かつて浅野を可愛がっていた岩城は、吉澄が降板せざるを得なかったのが悔しく、彼の演技を参考にせず己の役の解釈で演じる浅野に冷たく接してしまう。それを見た香藤は痛ましい顔をするけれど、岩城ならいずれ自分で気付けると信じるんですよね。まさに2人が培ってきた絆の成せる業。実際、岩城は自分で気付き、柔軟な視点に切り替えます。でも、必ずしも岩城の吉澄への感傷が悪いことではないのだと、誰かのことをそこまで想う気持ちは押し殺す必要はないのだと、包み込んでくれる香藤に痺れました。そして、この業界で純粋さや誠実さを失わない岩城が美しいなと、改めて感じました。