穢れのない人

kegare no nai hito

穢れのない人
  • 電子単話
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×21
  • 萌1
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
23
評価数
6
平均
4 / 5
神率
50%
著者
虫飼夏子 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
ふゅーじょんぷろだくと
電子発売日
価格
ISBN

あらすじ

【あなたにとって“愛”とはなんですか?】
子供を犯し殺した罪を着せられ服役していた秋鷹 一郎(あきたか いちろう)。
人生に絶望し自殺を図るも、若く誠実そうな神父の木場(きば)に助けられる。
犯罪者のレッテルを貼られた自分にも慈悲深く親切にしてくれる木場。
ずっと探し求めていた幸せ。誰にも責められない穏やかな日々。
そんな救いが、ここにあるのだろうか?

表題作穢れのない人

神父
元神父で元囚人

レビュー投稿数3

「これで完成だ」と思う自分も居る

【『後日譚 Jam 』の感想】




下巻を読み終えたとき、穏やかで幸せな様子の二人を見て「良かった」と思う一方で、心に重く引っ掛かるものがあった。

それは、失われた生命のこと。子を奪われた親のこと。
「犯人」にどんな理由があったにせよ、罪を認め、服役したにせよ、きっとずっと、彼らの絶望は終わらないのだろうなと。

そう思っていたので、この後日譚はショックは大きかったけれども納得もした。
彼女の苦しみに触れないままでは、この物語は欠けたままだった。
この短編をもって物語は完成したと私は思った。

しかしながら、それは罪や罰や赦しを主軸とした物語の完成度の話であって、
「BL」という恋愛を主軸とした物語にこの後日譚が必要不可欠かというとそうではないと思う。

「二人の幸せあふれる後日譚」を望んで読んだ読者には気の毒であるが、
今後先駆者たちによってどんな読み味の後日譚なのか注意喚起がされるだろうし、
それを踏まえて読むか読まないか、読者自身が決められるようになるといいと思う。


最後に少しだけ自分の考えを述べておく。
人の生命を奪った者は死ななければならないとは思わないし、
家族を殺されたらそいつを殺しても良いとも思わない。
ただ、「殺したいほど憎い」という気持ちは理解できる。

それと、彼の生死については読者の解釈に委ねられたと思っている。色々な可能性があってもいいと思う。

2

穢れのない人後日譚Jam

穢れのない人に後日譚が存在することを知って即購入しました。
罪を償った後、幸せな二人の生活が見られるのかもと期待しました。
、、、が、衝撃的すぎるお話でした。
たった14ページの短編ですが、内容は凝縮しています。そして本編同様、読む人を選ぶ作品です。
闇の腐女子はぶっ刺さること間違いなしです。

小さなアパートで細々と暮らしている2人。
日曜日の朝、優しく攻めを起こす受け。仲良さげにイチャつきながら台所で朝ごはんの用意をしているとピンポーンと来客を知らせる音が。
攻めがドアを開けるとそこには女性が立っていて、、、
この後、とんでもない結末が待っています。

法的に罪を償っても、子供を殺された家族にとっては何も終わっていないのだと言うことをまざまざと見せられたこの作品。
子供の頃に性的虐待を受けたが故に攻めが起こしてしまった蛮行、復讐に走った母親、負の連鎖を“穢れのない人=受け”が断ち切るまでがこの物語なのでしょう。

震えました。
最高オブ最高でした。

1

衝撃過ぎる「その後」( º言º)‼ ※評価はこの後日譚のみへの評価です

電子サイトの新刊をチェックしていたら【穢れのない人 後日譚 Jam】という文字とあの見ているだけで苦しくなる衝撃の表紙が目に飛び込んで来たではないですか!?
しかも副題の「後日譚 Jam」だなんて、、、
なんか色々読みたくなっちゃうタイミングだったので即購入!

そして、、、
これは、、、
絶対にレビューを書いておかねば、、、
と思い今、やや動揺しながら書いております

先ず、先に盛大なネタバレをします
どうぞご理解の元以下は読んで下さい


全部で15ページにも満たない短編です
単話の最新話として配信されています

出所後の2人の穏やかなある朝を切り取ります

あぁ、2人は2人なりに今は生活してるんだな…と思わせてくれるモノローグから始まります
キッチンで仲良くお互いの存在をしっかり確認出来る距離で他愛のない会話をする2人
そんな2人を見ながらどんな1日を送るのかな?何を語るのかな?と思いながらページを進みます

そして転換になる「ピンポーン」というチャイム音
扉を開ける木場
そして、、、

彼らの予定していた映画を観る1日が訪れる事はなく、秋鷹が用意したいちごジャムのパンを2人仲良く食べる時間は訪れない事を知ります
玄関先で朝の眩い日差しに照らされ動かぬ木場

罪を償った身であれどそれを全ての人が赦す訳ではない、という不条理
そしてまた世に1人「穢れのなくなった人」が生まれてしまう
作品タイトルの「ない」の文字に黒く大きく被るしみのようなデザインは「穢れのない人はいない」と言う事の暗示なのでしょうか…?と深読みしたくなってしまう。。。

でも、この作品の中で秋鷹の存在こそがその希望になる筈ではないか、、、と縋る様に思ってしまう

木場は服役した事で広義で言えばキレイな身になったままその命を終えた訳なので穢れのない人として居れたのかな
彼が最後に目にしたものが幸せな2人の写真であり、思った事が後悔ではなかった事が読者の唯一の救い
この最期が秋鷹にどうか伝わる事を願って止まない

どうか秋鷹がこの負の連鎖に巻き込まれず、この鎖を断ち切れますようにと願わずにはいられません


読む人を選ぶ内容です
そもそも本編も選ぶ内容ではありますが、この終わり方は間違いなく選びますし所謂「地雷」の強力な要素のひとつだと思います
私はめちゃくちゃこの流れが苦手なのでさっきから手指から熱が失われたままの落ち着かない気持ちになっています

どうぞ読むか読まないかは自己判断の元進んで下さいね

評価、、、悩みます
自分の好みから言えば「しゅみじゃない」です
後日譚でこれは全く望んでいるものではなかったです(これは自分の好み優先の超個人的読者目線の意見です)

でも、、、このテーマのお話しでのこの終わりは作者さまの伝えたい想いがあるのだろう、という意思はとても感じますしこの描き方も考え抜かれたのだろうという丁寧さを感じます
逆を言えば全く雑な14ページのお話しなんかではありません
削ぎ取って選び抜かれたシーン、セリフなんだろう、と感じます

そしてキレイ事だけではない世の中、人間の業などを描き切っているという作品性は感じます
この流れだからこそ評価出来る、と思われる方も居らっしゃるだろうなと思えるのでそこを汲んでの評価をしています
きっとこの終わり方を以てこそ神評価、という方もいる事と思いますのでそういう方には是非読んでもらいたいな、と思います

1

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