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5fun de kanjiru hatsukoi BL
このアンソロはfujjyossyサイトでのコンテスト受賞6作品と、商業作家さんによる書き下ろし8作品が収録されていて、とても楽しめました。
私は安西さんと砂原さんお目当で買ったけど、どちらも超〜神で萌えまくったー!!
買って良かったー!!
特に砂原さん。
キャラも感情も鮮やかで、多幸感に満ちてて、本当に本当に良かった。
その一方で受賞作品は、全部が全部とはいわないけど、内容以前に文章が気になるものが多かった……。
例えば、ポエムな一人称、文が短くてブツブツしている、やたら行間があいてる、改行しまくりなど商業とは余りにも違いすぎて読みにくい。
(ただこれは私はweb小説を全く読んだことがなく、web小説の作法みたいなものに不慣れなせいだと思いますが……。)
名だたる商業作家さん達の作品がどれもとても良かったので、「神」評価つけていますが、web発作家さんオンリーだったら買わないなと思ってしまいました。
辛口ですみません。
以下敬称略。
受:受賞作品
【あの夏の、きみの名は】樋口美沙緒
それは恋なのか?とも思ったけど、仮死状態だった彼の魂がようやく動き始めたんだろうな。
樋口さんは「パブリックスクール」と「愛の巣へ落ちろ!」と「8年目のキス」しか読んでおらず、こんなお話も書かれるんだーと思ったけど、よく考えたら攻めが酷い、受けが健気というところは同じだな。
これ受け視点だったら地獄のように苦しいだろうな……。
受 /初読み作家【ずっと初恋】悠里
行間空きまくりでスクロールがやたら必要みたいな状況にイライラしてしまいました……。
【レモンスカッシュ・フロート】犬飼のの
おぉ〜、そうきたかー。
令和に書いたBLって感じですごく良かったし、春彦に特大の幸あれ。
【ドラマみたいな始まり】 遠野春日
タイトルと出だしの状況から、カリスマロックミュージシャンSUMITO様との恋かと思いきや……。ふふふ。
【騎士と従者の誓約】釘宮つかさ
主従&幼馴染萌え。短いながらも世界観がギュッと詰まってて楽しめた。
【エンゲージ】安西リカ
安西さんらしさ全開の同級生&再会もの。
安西さん作品では「何度でもリフレイン」が一番な私にとっては、なんか通じるものがあってすごく良かった。
「南朋、と呼ばれるだけで」から始まって「今だからわかる」に至る6行で泣いてしまった。
受/初読み作家【落雁をくれた君へ】雨波身和
脇役が余りにも強烈すぎる。
モラハラDV夫のような沢木の鬼畜編集者ぶりに萎えたし、その沢木と大先生との濃ゆい関係はもはや完全に主役。
彼らが主役達を喰ってしまってるせいで、冒頭の「落雁をもってきた日下」がただの空気に……。
そして水瀬がなんか怖いし、日下が生贄のように感じてしまった……。
受/初読み作家【初恋終焉前夜】ヒフミトーヤ
超短編なのに、似たようなキャラ達による両視点交互というのは読みづらく、把握しずらかった……。
【恋には始まりがある】砂原糖子
ぎゃああーー好き!神!!超神〜〜!!(絶叫)
付き合って8年経つカプの日常生活を垣間見させてくれる作品。
全てが尊い。
超短編とは思えないキャラの立体感、馴れ初めから現在に至るまでが過不足なく詰まってて脱帽。
クールかつ照れ屋で不器用だけど、めっちゃ深い愛情が垣間見える攻めと、自由人な受けとのやり取りの妙。
「(笑顔を)会社で気安く女性社員に見せてくれるな」とか受けは思ってるけど、攻めの気苦労はそれ以上でしょうよ……と思わず同情。
自分の魅力に無自覚無頓着な受け萌えがあるので、めちゃくちゃ楽しめました。
今も昔も主演級なのに、あくまで自分は観客だと思ってるようなところに攻めはハラハラしつつも、きっと愛しくて仕方ないんだろうなぁとか、色々妄想膨らんで仕方ないです。
このカプの長編読みたい。攻め視点もSSで欲しい。
初読み作家【ドロップキックを決めてやる!】谷崎トルク
そんなーーーーー!!!!って感じ。
途中まで萌えてたけど、あの展開にはマジで?!と目が点。
悲しすぎる。ノックアウト。
/初読み作家【若葉の恋】 伽野せり
受けを好きすぎて、鼻血ぶーしちゃうような年下攻めが好きなので楽しく読めました。
初々しくてかわいい。
受/初読み作家【タイトル、初恋】藤美りゅう
ネタは萌えるしあれこれ素敵なのに、事実を羅列している文章といった感じで感情移入しづらいのがもったいない。
受/初読み作家【伴侶君】鳩愛
童話風に見せかけて、人造人間ならではのちょいダークさがあるのと、設定をすべて会話で説明していくスタイルだったので脱落。
【初恋の呪い】英田サキ
さすが。安定の神。
超良き年下攻め。
「祐ちゃん」呼び、「美容室が苦手だから」、泣いちゃうところとか可愛くて萌え。
好きな作家さんが何人も参加されていたので購入。
本のタイトル通り1話が5分位で読める短編集です。内容は書きませんが、とても良かったです。
初恋が実る話、再会もの、失恋、幼馴染、身分差など、きっとどれかは性癖にぶっ刺さるのではというラインナップでした。
短いけれど余韻に浸れるお話も何作かあり、どこかで続きを書いてほしいなぁと思います。
さて、私はBLはお色気あってなんぼじゃろがい派なのですがこちらの短編集はどれもズバリのシーンはありません。
あってもキスまで!ピュアっピュアのキュンキュンです。
それでも買って良かったな~と思ったので、ピュアが好きな方はもちろん、お色気好きだけどたまに来る清らかムーヴに浸りたい方もぜひ。
隙間時間に読めるのも短編集の良さですね。普段小説読まない方の入り口としても素敵かなと思います。
大好きな作家さまが参加されているので購入してみました。
それぞれの作家さまが決められた長さの中で創作されていて、あの先生がこういった作品を書かれるんだと新鮮な気持ちで読みました。
掲載順に簡単に感想を書きたいと思います。
「あの夏の、きみの名は」樋口美沙緒先生
最後の最後で四谷がようやく相手を認識出来たって感じの展開がお見事でした。これで赤坂が幸せになってくれたら良いな。
「ずっと初恋」悠里先生
コンテストの受賞作品なのでしょうか?
瑞々しい感性で凄く素敵だと思いました。この2人のその後を読んでみたいと思いました。
「レモンスカッシュ・フロート」犬飼のの先生
そう来たか!って驚いたのと、のの先生に一本取られた感じでした。初恋の切なさがタイトルと凄く合ってると思いました。
初恋の人の幸せを願うことで大人になった春彦くんのこれからに幸あれ!
「ドラマみたいな始まり」遠野春日先生
「えっそっちと⁉︎」みたいな驚きがありました。終盤まで水嶋の名前が出て来ないのが上手いと思いました。
「騎士と従者の誓約」釘宮つかさ先生
ここで終わるのが勿体無いです。これで一冊書けるようなストーリーでした。
「エンゲージ」安西リカ先生
短いのにちゃんとドラマがあるのが凄いです。そして、この短編だけではすごい勿体無い…。ある意味凄い贅沢です。
「落雁をくれた君へ」雨波身和先生
こちらの作品もコンテスト受賞作ですかね?
最初に訪ねて来た出版社の日下という人物と迎え入れた水瀬という作家…直接登場しないで2人の間で名前が出る沢木という水瀬の担当編集がとにかく強烈でした。登場人物の誰にも共感出来ない作品です。
「初恋終焉前夜」ヒフミトーヤ先生
ちょっとどちらがどっちか読んでて分からなくなりました。最初から何度も読み直しても分からなくて…両視点で書くならもっと分かりやすく書き分けるべきですね。
「恋には始まりがある」砂原糖子先生
こんなに短いのに初恋の出会いからのカップルの歴史や、9年後の生活まで書かれてあるのが流石でした。しかも受けの職業にも驚きました。
「ドロップキックを決めてやる!」谷崎トルク先生
この作品は読み終わってからタイトルを見て泣いてしまいます。とにかく読んで欲しいです。
「若葉の恋」伽野せり先生
こちらもコンテスト受賞作品ですね。
高校生の初恋が瑞々しく書かれていました。思いがけず相手もってところでパニくるところが凄く良かったです。
「タイトル、初恋」藤美りゅう先生
初恋からの切ない別れと、消えることの無かった思い、そして再会が短い作品の中に綺麗にまとめられていました。高三と高一って二歳差だけど、この時期の二歳って大きいですよね。
「伴侶君」鳩愛先生
こちらもコンテスト受賞作品なんですよね?
凄く印象に残った作品でした。凄く上手いです。
子供達に話している物語の登場人物に読者は気が付いてくると思うのですが、物語と現実が交わるところとかが秀逸でした。短編なのが勿体無いです。これで一冊になりますよね。
「初恋の呪い」英田サキ先生
ベテラン作家様なので、読んでて安心感があるところが素晴らしいです。
こんなに短いのに二つの初恋のお話が入っていて、恋する熱量が伝わって来るのが流石でした。
1つの作品が短くてサクサク読めます。
紙で読みましたが、今まで読んできた本より文字が大きくて違和感。文字を小さくすれば、もっと本が軽く、読みやすくなったのではないか??と思いました。
1番好きな作品は、『ずっと初恋』悠里さん
名だたる商業作家さんに惹かれて購入。
読んでから初めて、ウェブ投稿で受賞した作品と書き下ろし作品が一緒に収録されたものだと知りました。
https://fujossy.jp/contests/novel/36/awards
こちらのサイトを参考にすると、受賞作品は5作、商業作家さんの書き下ろしがそれ以外の9作ということでいいのかな?
自分が読んだ範囲内ではそれらを区別する表記が見られず、順序もばらばらに収録されているので、商業作家さんに明るくない人にはやや不親切な作りに感じます(あえて区別せずに収録して読んでもらうことがねらいなのかもしれないけど)。
読んでいて「これは誤字では?」と思ったものが受賞作にあったので、投稿作と知らなければ本の作りが雑に感じる可能性もあるように思いました。
コンセプトはすごく良いと思います。
BL漫画のアンソロジーは沢山ありますが、BL小説のアンソロジーってあまりなかったのでは……?
お気に入りの作家さんを見つけ、開拓するルートとして最適だと思います。
実際このアンソロジーを読んで、これまで作品に触れたことのなかった遠野春日先生と伽野せり先生が気になりました。
また、「初恋」というテーマ故か性的な場面がほぼないので、BL初心者にも勧めやすい作品集になっています。
今後もこのような企画が続いていけばいいなと思いました。
好きな先生が何人か執筆されていたので購入。14人の先生が書かれて、合計230Pほどのご本です。間に中表紙あるし、お一人お一人は20Pもない、本当に小話が多いです。既刊に関連あるお話じゃなく、新しいお話なので、この本だけで問題なく読めます。小説初めてという方や、いろんな先生のお話をちょっとかじってみたいという時にはいいのかも。いくつか好きなものがあったので萌にしました。ただほんとに短いので、小説をいつも読んでおられる方には物足りないんじゃないかな。
以下 好きだったもの
1.ずっと初恋 悠里先生
中学高校の6年間仲良しだった二人。大学はどこを受けるんだと聞かれて・・
という甘酸っぱいお話。会話主体なお話なんですけど、「まだ」という言葉で
ドキドキする男子が可愛かったでした。
2.レモンスカッシュ・フロート 犬飼のの先生
保育園の時に大好きだった先生(♂)のお話。これいいんですよ!
すっごい好き。最後から2行の文章がむちゃくちゃ好き。
短いお話だからこそ、テンプレなんて無しでフリーに書かれたのかな、
と思います。
3.ドラマみたいな始まり 遠野春日先生
恋心きゅーん!っていう盛り上がりより、お話として「あ」と
思うものだったので、あーやっぱり先生好きだわーと思ったお話でした。
ネタバレたらちっとも面白くないので、詳細は無しで。
4.騎士と従者の制約 釘宮つかさ先生
幼馴染の騎士に恋をしてしまった農民のお話。
そのまんま1冊の本の冒頭じゃん・・と感じるものでした。短いんだよなあ。
5.エンゲージ 安西リカ先生
ああリカ先生らしいお話やん・・・なんでここで終わるの、という短さ!
くー。「会いたかった」っていうんですよっ堪らんわ、ここ!
6.初恋終焉前夜 ヒフミトーヤ先生
これも盛り上がったところで放たれるセリフがたまらんかったでした。
「俺と一緒に東京に行こう、俺と一緒に住もう」
これを言われるだけで、もう全部おっけー!と思う青い頃がみんなあるのよ・・。
7.ドロップキックを決めてやる! 谷崎トルク先生
あー。商業BL本ではあまりお見掛けしない展開では。
好きなんですけどね、いやせつないわ。辛い(涙)
いろんなお話があるので、ほんとお試しには良いんではないかなと思います。寝室シーンは1ミリもないので、エロエロお求めな気分の時はちょっと時期を変えてお読みくださいませ。