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もう一度君に、恋をする——。
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「初恋の病」
事故の後、初恋の人萩生の幽霊が見えるという綾瀬。目の手術をしたのに、昼は高校生の頃のままの萩生が、夜は今の自分と同い年の萩生が家に来る!そのカラクリは。え〜!
よくこんなストーリー考え付きますね!
「列車で始まるミステリー」
あとがきによると「ぬるテツ」の作者様。内容は鉄道絡みのオシャレな出会いのお話。長身イケメンのキザ男との会話が楽しい。
「きつねつき」
現代に密かに生きている伝奇な物語。きつねつき、といっても狂乱というイメージではなく、代替わりとなって用済みになってしまった自分(狐)をまだ欲してくれた少年との日々。恋情?執着?別れは2年後、と決まってしまっている切なさ。
「木草弥生月譚」(きくさやよいづきたん)
ピアノ科の後輩(ヘタレワンコ)xバイオリン科の先輩(女王様)。
すんなりと綺麗で甘い話(ただしエロいシーンはありません)で、クラシックの澄んだ音色が聴こえてくるみたい。さらっていって欲しかった女王様とヘタレだけどさらいにきてくれる年下の男。全部わかってるおばあちゃんが凛としてて素敵でした。
「幸せな人」
あとがきによると「モメた」作品だそうで。攻め受けはわかりません。子供みたいで女の子みたいで天真爛漫な小宮と、長身黒髪短髪メガネお堅いリーマンの大阪谷のCP。4年前急に失踪した小宮への想いを引きずっている大阪谷の前に、何の前触れもなく帰ってきた小宮。懐かれてなんとなく付き合ってたつもりの大阪谷だけど、「ベタ惚れなのは俺のほうだ」。
ラスト、小宮君の正体?が判明します。
「絶句」
出版社?の同僚の二人。ある日の昼食風景です。
俳句好きの沓掛に五七五勝負を挑む五知。勝負といっても会話を全部五七五で喋る。「沓掛は今日の昼メシどうすんの?」とか。この二人の五七五の掛け合いが抜群に楽しい!他愛ない会話の中、五知の「いい加減云おうかなぁと思ってる」。この場面BL脳が沸きました(五七調で書いてみました)。
そしてラスト。7音x4句で告白!言葉を失う沓掛に「…これが本当の七言絶句」
小粋だあ!
暗いようで明るく、明るいようで暗く。
バラエティに富んでる短編集でしたが、どの作品もエピソードの切り取り方が上手かったです。オチもいい。先をもう少し読みたい、その一歩手前で終わっているキレのいい結末も好きです。未来を予想して、その想像だけで萌えられる作品って素晴らしい作品だと思います。
表題作は、不思議な雰囲気の作品でした。
初恋の男が幽霊となって朝に夜にあらわれる。
幻想的で切ない話なのかなァと思ってたら、どんでん返しされました。一気に作品のカラーが変わって見える鮮やかなどんでん返し。
面白かったなァ。
表題作以外では『きつねつき』が好きです。
バッドエンドが好きな私の血が騒いで騒いで萌え死にそうでした。
せつない。
短編が6作品収録されているのですが、どれも素敵なお話でした。
ストーリーもとてもオリジナリティがあるのではないかと思います。
表題作は、初恋への人への想いがとても切なかったし、最後の不思議の種明かしはあっとさせられました。
この先のお話も読みたいなと思わされました。
「列車で始まるミステリー」は最後までエキセントリックな乗客の正体が分からなくて、ほんとに推理モノを読んでるようでした。
「きつねつき」これ、私はとても好きなお話です。この先のことを考えるととても切ない。続き描いていただけないかしらと思いました。
「草木弥生月譚」最後に男前なヘタレ男が見れてよかったです。
「幸せな人」これも切なかった。天然でほんわかした小宮君がとても可愛かったです。
「絶句」俳句で会話が進んでいくんですが、トントンとリズムいいやりとりに最後は私もグッと唸ってしまい、「うまいなぁ~」と思った作品です。
表題の「初恋の病」は、せつなさ満点☆☆でした。
初恋ってよく引きづるとか言いますけど、この綾瀬もその典型なんでしょうね。事故の後遺症によって、初恋相手の幻覚が見えるようになってしまうなんて、重症。まさに、初恋という病。
郷里に戻るシーンでは、もう見えなくなったはずの幻覚が再び?というミステリアスな展開があり、それは実は・・・なところが、ちょっと以外で面白かったですww
ほかにも、ほのぼのテイストな短編が詰め込まれており、トジツキ作品を堪能したい方にはおすすめです♪
『初恋の病』
事故の後遺症で初恋の相手・萩生が見える幻視症状が出ていた綾瀬。
思いを引きずりながらも医師の勧めにより手術を受けたが、彼が見えなくなった事から郷里が懐かしくなり、故郷に戻った綾瀬が出会ったのは、死んだはずの萩生だった…。
タネ明かしが素敵だったのでネタバレ最小限に語ると「綾瀬が持っている気持ちが病的な萩生への妄執だったから…」って感じのミラクルでした。
じわじわ、静かにだけど確実に胸の奥に沁み込んでくるキュンとした切なさがあります。
『列車で始まるミステリー』
鉄道マニアことテツ同士のお話。
「列車で始まるのは恋とミステリーだよ!」の一言で展開します。
『きつねつき』
狐使いの一族と、使い魔の狐のお話。
狐のモノローグが涙を誘う。BLというより児童書的に胸にくるモノがある。
『草木弥生月譚』
誰とも組もうとしないバイオリン科の先輩・廻谷に唯一組んでみたいと言われた和知。
ヘタレわんこ!ヘタレわんこ!ツボる設定だったけど、へタレだってやる時はやるってのを見たかった!もっと自惚れてがっついても良いんだぜって応援したくなる。
『幸せな人』
突然告白してきた小宮が突然いなくなって早四年…、社会人になった大阪谷のもとへ小宮がまた突然現れた!
再会ジェットコースターラブ。置いていかれるのはキツイよね。言葉が足りないから不安になるんだよね。そういう切なさがある。
『絶句』
俳句誌を 志望していた 編集者。
斬新だ ボーイズラブで 五七五。
最後のオチに色々もって行かれた、よ…。
トジツキさんの絵って独特で好き。今回の表紙については背を向けているって点で編集さんと一悶着があったそうですが、作家としての拘りを通して発行するプロ魂に惚れました。
この画風が、絵柄の味が、雰囲気が、好きだ。
まず、表題作は主人公が事故の後遺症で高校時代の初恋相手の幻覚を見る、という設定なのですが、設定自体は後半にいくにつれ関係なくなっていきます(笑)
収録されている作品は全体的に甘いお話に仕上がっているので読みやすいと思います。
個人的には表題作よりも「列車で始まるミステリー」の方が好きでした。新幹線の顔とか、列車のエンジン音とか、その他電車に関する事をよく調べていらっしゃるなぁと思いました。これは余談ですがこれを購入してすぐに0系の走行イベントがあって本気で行きたくなってしまったという(笑)
あとは「木草弥生月譚」という音大の先輩と後輩のお話も良かったです。
トジツキ先生はエロをあまり描かない(今回もありません)し、作風がどことなくファンタジーな雰囲気なのでBL初心者の方も安心して読めるかと思います。