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kuchibeni utsukushiki gunni no isshou
『口紅 美しき軍医の一生』の3巻目にして完結編。
戦時下の日本が舞台、というシリアスなバックボーンに加え、主人公・朔(表紙の彼)は自身の男であるという性に疑問を抱き、そして姉の夫である義兄・吉良にひそかに想いを寄せているという耽美さも孕んだ作品。
しかも、この表紙からもわかるように絵柄も美しく、1巻から3巻まで儚い美しさに満ちた作品でした。
子どものころからずっと淡い恋愛感情を抱いていた吉良が、姉と婚姻を結んだ。けれど最愛の姉の幸せを願う感情に嘘偽りはなく。義理とはいえ兄となった吉良の傍にずっといられたらー。
が、戦争という時代が二人に試練を与えていく。
朔に執着する都築少尉の策によって、吉良が行かされることになったのはよりにもよってシベリアだった―。
1巻の序盤で、吉良と朔の恋が悲恋だということは分かったうえでの3巻でしたが、なんて言うんですかね。メリバかな、と思います。ハピエン至上主義の方にはお勧めしづらいかな。が、この結末が、この作品の持つ空気感というか世界観に非常に合っていて、個人的にはストンと胸に落ちる結末でした。
今作品はその内容も素晴らしいですが、とにかく表紙が秀逸だと思いました。
自身の性に疑問を抱き続け、「軍」という狭い世界の中で女性のような非道な扱いを甘んじて受けてきた朔。を描写した1巻。
2巻の表紙は「男であらねばならぬ」と自身の想いに蓋をした時代。
そして、3巻は、自身の想いを解き放ちすべて丸ごと「自分」を受け入れた。
そんな感じがしました。
今作品のもう一人の主人公・吉良も。
過酷な子ども時代、そしてそこを抜けた彼を支えたのは朔という少年だった。
朔の期待に応えられるよう、朔に失望されぬよう。彼が走り続けることができたのは間違いなく「朔」という男の子に出会ったからだったのだなあ、と。
吉良は朔の姉と結婚してしまうわけですが、彼らの根幹にあるのは互いへの深い愛情と信頼だった。身体が近くにいなくても、身体を重ねることがなくても、それでも溢れ出てしまう二人の想いに思わず落涙しました。
時代のうねりに翻弄され続けた二人の男たちを描いた秀作。
今作品のメインの登場人物たちは、良い結末を迎えません。
もしかしたらそこで好みが分かれる作品かも。
が、個人的には戦争中という背景に見合った、耽美感溢れる作品で、非常に萌える作品でした。次作も楽しみに待っていようと思います。
読後、気持ちが落ち込む耽美作。
「神軍のカデット」に登場する軍医、
各章短編売りしていた作品をまとめたシリーズ3冊の完結巻。
電子版には「医務室と看護長」が付いていない。残念。
1巻の巻頭で、主人公は吉良の後追い自殺を遂げている
何故、後追い自殺を決行したのかを補完する2-3巻。
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「本当は女子に生まれたかった」主人公。
それを理解して、包容してくれた優しい姉が、震災で死亡。
更に、妬む者が仕組んだ異動でシベリアに行った義兄・吉良が、任地で刺殺される。
大事な二人を失い消沈する軍医に、学生・竹が「女装で銀ブラ」に誘う。
当日着た服は姉の手作り、靴も姉の贈り物。
銀ブラから校舎に戻る。
池の傍で「美しい、あなたは女性だから触れられない」と言われて、軍医にスイッチが入ってしまう。
「お前のせいではない、気にするな」と、奇妙なことを言っているのに、
竹は子供過ぎて軍医の異常に気付かない。
戦争も震災もあった大正時代に、長男として生まれて、
軍医として漢らしく生きる事しか道が無いと、分かっていても
「自分の心は女性」であることに葛藤した主人公が選んだことが「後追い自殺」なんて・・悲
・・こういう作品を読むと、私は暫く心が崩壊してダメー。
▶口紅 https://bit.ly/3oOSFoZ
和装の最高級品は、玉虫色に光る「笹紅」の「小町紅」。暗闇でボーっと紅が発光。
スティックタイプは主に舶来品で香料も強め。