嫌いな男

kirai na otoko

嫌いな男
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神105
  • 萌×244
  • 萌12
  • 中立1
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
29
得点
738
評価数
169
平均
4.4 / 5
神率
62.1%
著者
安西リカ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403525506

あらすじ

千裕の部署にキャリア採用で新しく人が入ってきた。彼、向居は千裕と同い年、爽やかで人当たりもよく、人事が太鼓判を押すほどの優秀な人材だった。そんな向居に淡い敵愾心を感じつつ、まともに勝負するのを避けていた千裕だが、あるとき彼の眼差しに潜む熱に気付いてしまう。向居は自分が好きなのだ。仕事では敵わない向居が千裕にだけ甘くなる。それを心地よく感じていたところ……? 甘く切ない、大人の恋。

表題作嫌いな男

キャリア採用された同僚
制御機器販売メーカー勤務,商品開発部の販促担当者

その他の収録作品

  • 勝てない相手(書き下ろし)
  • あとがき

レビュー投稿数29

なんでこんな終わり方……

ノンケに惚れたゲイと、好かれて調子に乗るノンケのお話。
主人公の成長が著しく、ありふれた日々に溶け込む空気感がとても良かった。ただラストが微妙。せっかく良い雰囲気だったのに、サブキャラが絡んでくる中途半端な終わり方。主役カプの幸せな結末にじっくり浸らせて欲しかったな。

南は性格の悪いキャラとして描かれているらしい。湿っぽい悪質さや粘着性は見えなかったので、特に嫌な感じもなく、スムーズに読めた。性悪女の気持ちが分かると真面目に言っていたのに笑ってしまった。

南視点から見る向居の描写はかなり細かくて、南は向居の些細な癖まで把握している。自分のことが好きな人、という前提で見ると何らかの感情が乗ってくるのかな。向居だけを客観的に見ると魅力がよく分からない。

酷い別れの後の再会では、南の変わりっぷりに驚いた。初心な恋する乙女になっていて。告白からエロまではページの都合かな……と思ってしまうまとめ方。せめてもう少し、告白シーンくらいは南の心理描写に盛り上がりが欲しかった。

向居視点になると、付き合っているはずの南の存在感が一気に薄くなり、自分の殻に閉じこもっているのが伝わってくる。今だけの付き合いだと悲観的で臆病な向居は、しっかり南に叱られてくれて良かった。

これでラブラブして終わりなら読後感も最高だったのになあと思う。正直、最後の7章はあとがきの後に載せて欲しい内容。スピンオフ作品の予告みたい。

安西さんの書き方が好きで、すっと世界に入り込める感覚がクセになって読んでるし、作品自体もとても好き。でも改めてストーリーを思い返すと、雑に感じられるところの目立ついまいちな作品。
だけど好きなのは好きでなんなんだろうな、という不思議な感想。

0

良質なリーマンBL

攻めが受けをヤケクソになって傷つけちゃうところ最高〜でした!
傷つけられて成長する受けエライッ
さらにいい男になって攻めと再会するまでわくわくと期待で胸が膨らみました。
ただ攻めも紳士的で誠意を見せてくれるのでザマァ系ではありません。二年後はお互い健気に思い合っていて読者はとても楽しい展開となりました。

受けは全然女王様って感じじゃないレベルでちょっと調子に乗りやすい程度のかわいいわがままノンケくん。
攻めは受けのそういう悪いところも引っくるめて性癖なスパダリちょいM?攻め。セックスの時はSなので問題なしです。

固定概念っていうか長年こうだってがんじがらめになっていた攻めのゲイとしての思考を受けがあっけらかんと溶かしていってくれるシーンは攻めにこんないい男逃すんじゃないぞ!となりました。
終わり方は続編をほのめかす終わり方でした。
しっかり買ってあります。すぐ読みます。

スパダリ×男前好きな方は全員読んでください(^-^)
ただの溺愛攻めではありません。そこをぜひ期待してください。

0

嫌いが好きになる瞬間

会社員同士の恋愛もの。
そこそこ優秀で期待どおりの働きが出来ていると自負している主人公の前に、超ハイスペックな男が中途採用で配属され、それまで一人で切り回していた業務を二人で行うことになるところから始まります。
会社に入って5年目くらいだと、こういう勘違いも起こしそうだし、主人公目線でずっと語られていくので、性格が悪いと本人が言うほどには普通の感情に振り回されているだけとも言えて、嫌悪感などは抱かずに最後まで読めました。
著者のお名前だけは知っていたのですが、読むのは初めて。とても読みやすく、主人公が相手の一言にぐさっと傷ついてそこから色々変わっていくのですが、その一言がこちらにも刺さりました。
冷たく厳しい言葉であると同時に、物語の根幹を為す一言であり、ちょうどここで物語の半分なんだな、と分かる見事な区切りっぷり。
主人公が終始浮いたり沈んだりかき乱されている様子もよかったです。
表題作のお話は本の3分の2くらいで、残りの3分の1は続編であり視点変えの「勝てない相手」というお話でした。
こちらは、惚れた方が負けなんだなとよく分かるお話で、攻めの男がもう切られるんじゃないかと心配しているのが可愛かったです。ベタ甘でよかった。
執着とまでは行かないと思うけど、そういう独占欲とかをむき出しにされるのは、読む方は楽しいですね。

0

リーマンものの完全メシがここにあります

はーーー…大変良質で栄養価の高いリーマン萌えが詰まっていました。おいしかったです。
なぜもっと早く読まなかったのかと、最高の読後感に包まれながらこのレビューを書いています。
その辺に居そうで居ないごくごく普通のサラリーマンの恋って本当に最高ですよね。

適度に仕事が出来て、適度に手を抜いて卒なく立ち回り、適度にちっちゃなプライドがある南。
少しでも人よりも優位に立っていたそうな感じがするというかなんというか、自分よりも出来る新たな同僚・向居に対してしょうもない嫉妬心を見せるちょっぴり幼稚な憎めない姿を生暖かく追っていたのです。
こんな人と仕事が出来たのなら楽だろうなと思えるほど、効率よく円滑かつ丁寧な仕事ぶりに細やかな気配りまで当たり前のように嫌味なく出来てしまう向居という人。
彼はどうも南に対して気がありそうで…?と、自身への好意を感じ取った南は試し行動のようなものをし始めるわけです。それもまたイライラしない絶妙な塩梅の試し行動なんですよね。
女に嫌われるタイプの上手い女のやり口みたいだなと感じるところもありつつ、やはりこういう甘ちゃんな部分がある男はぴょんと伸びた鼻がポキっと折れた瞬間がすごくおいしいじゃないですか。
なので、どう見ても南に好意を持っているのが分かる向居がどう動いてくれるのかを私は楽しみにしていたんです。

いやもう、76Pで一気に持って行かれました。
これですこれ!向居の本音が予想を上回る気持ち良さで両手を挙げました。安西先生ありがとうございます。
そして、ここから流れるようにどんどんと展開が面白くなっていくではありませんか…!
南の仕事への意識の変化も向居への恋愛感情が募る様も本当に良くて、大人の成長ものとしても男同士の恋愛ものとしてもすごく楽しめました。ああー、わくわくした。好きです。

前半が受け視点とくれば、あの時攻めはどう思っていたのかが分かる攻め視点も読みたいなあなんてわがままな気持ちも後半で叶えてくれる親切設計がうれしい。
南のことが好きで好きで仕方がない向居視点がなんだか妙にかわいらしくてたまりません。
自分のことをSっ気があると言っていた人はどこへ?というくらい尽くしまくる溺愛系健気攻め。それにプラスして若干拗らせているのも人間くさくてすごく良かった。
ゲイとノンケの恋愛意識の差にも触れていたりと、向居の複雑な心情がぐるぐるしている中、前半で成長した南が後半でさらっと良い彼氏力を見せてくるのもずるいんです。
たった2文字の一言が大の大人をこんなにかわいくて初心にさせてしまうのかと思うと…2人ともかわいいやらなんやらでこんなの萌えざるを得ません。最高のカップルでした。

破れ鍋に綴じ蓋なんて言葉がぴったりな2人が心地良く、終始楽しくきっちり萌えさせてくれる良質なリーマンものが読めてうれしいです。
前半後半で攻め受けどちらも印象が変化していくのがあとを引く面白さでした。
スピンオフもあるようなので、余韻に浸りつつそちらも追いかけたいと思います。

1

気の強い美人受けってたまらない。

実は自分にとって初めて読んだBL小説が、こちら。
そして見事に沼落ち。今では小説を漁って読む人になってしまいました。

大好きで何度も読み返している作品です。
最近出たスピンオフの『隣の男』も読みましたが、個人的には断然こっちが好みです。

…なんでかな?どっちも美人受けが主人公なのにな…

多分、こちらの作品の方が受けの千裕の精神的な成長が描かれているから、な気がします。

自分より「できる男」に嫉妬していたら、その「できる男」が自分を熱い視線で見つめていることに気付き、優越感を抱く…

いわゆる”王道”の展開、ストーリーなんですが。
ストーリー運びが滑らかで、どうなってくの?というドキドキ感もあって、全く退屈する暇なく読み切れちゃいます。

攻めの向居が、できる男なのに恋をすると相手に甘〜くなったり、不安になったりする描写が刺さりました。
(千裕から手渡された資料に付いた付箋を、溜めてとっておくんですよ…できる攻め様なのに、可愛過ぎて悶えました。執着する一面も感じられ、いとよろし)、

そしてなんといっても、二人が初めて体を重ねる時の描写の官能的なこと…。

いきなり最後までは…と我慢する向居に対して千裕が放った一言。

究極にシンプルで、大好きな人にぶつけられたら、この上なく嬉しいであろう言葉。

何度も読み返して反芻しては、たまらない気持ちになります。

作者様があとがきで書かれている、「最近は現代を舞台にした普通のBLが減っている」という内容のお言葉。たしかに…

そんな”普通のBL”の供給不足に悶々としている方に、ぜひご一読いただきたい作品です。

4

対抗意識が恋に変わる 心理描写が面白い

新書館から「嫌いな男」スピンオフ・・「隣の男」が出るので再読

精神的に未熟な南は向井に勝てっこない。
突然退職した向井と仕事で再会 過去の行動を謝る場面から始まる、30代の恋
 

●㈱NITTA:制御機器トップメーカー 堅実でリスクを嫌う社風 
・・販促担当は、南と向井 二人きり

南 千裕:商品開発部販促担当 「美味しいとこだけ要領よく拾って 人生楽勝」
初対面で向井に負けを自覚・・「余りにも有能」
女子から「向井ゲイ疑惑」を聞き、動揺 
勝つために手段を択ばない幼稚な敗けず嫌いで部署を乱す前に、異動を決意
向井退社で心に穴・・


向井真也:キャリア採用 
S級逸材 ・・ R大在学中、SNS特化マーケを起業、E&Fに売却 売却資金で米留 
全体がお洒落で清潔な色気 押しが強そうでいて物腰ソフト 嫌味が無い 
仕事で南と圧倒的な差  南の様子を「可愛い」と表現  突然、退社 

0

よかった!おかわり!

タイトルからケンカップル系かな?と思いましたがレビューをみるとそうでもなさそうで購入。

結果とてもよかったんですけど、物語が簡潔明瞭というか特にこれといった何かがあるわけでなく綺麗にまとまって終わりってかんじでした

受けはノンケだけど同性を好いてるってことに気づいてからの切り替えが早くてもう少し気持ちの葛藤とかなかったのかな、と
攻めが不安になるのがわかるくらいすんなり受け入れられてたのが少し引っかかりました
ただ昨今様々なジェンダーがあるので千裕君は好きになった人が好きなタイプですんなりいけたのかな?と。ノンケと縛らずそうゆう気があったとゆうことにして読むと納得はいきました。
攻めはノンケと付き合うに当たっての不安だったり、接し方だったりがリアルでよかったし、ベタ惚れで完敗してるとこもよかった〜

よかったんですけど、なんだか足りなかったです
続編あったら面白そう

0

まさしく王道のサラリーマンラブ

ちょっとイケてる、手を抜いてもそれなりに成果を出して、見た目もいい男、、、、
そんな千裕が中途で入ってきた出来る男、真也に嫉妬を覚えたり負けを感じたりしながら、なぜか惹かれてしまったお話です。

惹かれるきっかけは、真也がゲイで、自分のことを「好き」だと知ったから。
男女間でも、一定の関係の中で、ふと相手からの恋愛感情を意識してしまった場合、鏡の法則で気になってきたり…というのはあると思うんですが、それに近いのかな。お話の中では、過去の学生時代の友人の話とかも出て来ますが、やはりイイ男が自分を好き、と言うことを意識して、自分も気になってきちゃったんではないかなと買い思っちゃいました。
さらにエッセンスとしての伊崎!彼がいてこその告白だったんじゃないかな。
彼にも幸せになってほしいです。

でもって、想いが通じてからの真也は、千裕を甘やかしまくってくれます(笑)
側から見てると、もうニマニマしちゃう。
でも、千裕は等身大で付き合いたいんですよね。
ラーメン屋や気軽なデートをしたい。
そんなささやかなすれ違いも、ちゃんと話をすることで(いきなりの「別れたくない」宣言はビックリだったろうけど)上手くやっていけそうな二人でした。

苦手や地雷の人もいるかもですが、この際、リアルなとこだと千裕攻め、もアリだよなぁて思っちゃいました。そのくらい千裕ってフラットというか、好きならイイじゃん、的で、どうしても人目を気にすることの多かった真也の心を掴んじゃったんだろうな。貴重な、ホントに自慢の彼氏ですね。

あとがきに書かれていましたが「現代のごく普通のBL小説が減っている」というお話は、本当にそうかも知れません。私の好みがそうだからかもですが、やはりド・ファンタジーよりも、身近なお話の方が好きだから、今回のお話はストライクゾーンのど真ん中でありました。

2

惚れた方が負け


ゲイ×ノンケ

表題作と書き下ろし「勝てない相手」の2編。
あらすじは他の方が詳しく書いてくださっているので感想だけ。

今まで要領よくやってきた千裕(受け)が明らかに実力が上の同僚・向居(攻め)が入ってきて、居心地の良かった居場所をすっかりとられてしまいやる気が失せてしまうのも、
向居が自分に気があり自分に甘いことに気が付き調子に乗っしまうのを、昔同じようなことをされていた友人を思い出すことで、相手に敵わないと思っているからこその行動だと自分でも分析していましたが、なんかわかるような気がします。
でも、結局その驕りが大失敗を招き、向居が責任を取ることになってしまいます。
向居は最後っ屁とばかりに普通なら思っててもいわない千裕の悪いところを貶めるように言い放って退職してしまうのですが、結局自分の首を絞めることになるのですから、悪いことはできないものですよね。
千裕はショックを受けますが、それをバネにまじめに職務につくようになり、元々ポテンシャルは高かったため優秀な人材となっていき、反対に向居は千裕を傷つけようと放った自分の言葉に後悔しきりで余計に千尋が忘れられなくなってしまうのですから、わからないものです。
再会してからは2人とも大人でちゃんとクライアントとして冷静に接していて、これちゃんとくっつくのかしらとちょっと不安に思うくらいでしたが、今度は千裕が頑張りました。


表題作は千裕視点で、書き下ろしは向居視点です。
向居視点では、ノンケばかり好きになってしまうため最後にはうまくいかなくなることの繰り返しを自嘲し、絶対無理だと思ってた好みど真ん中の千裕と付き合えることを喜ぶ反面、いつ千裕が我に返って振られてしまうかと心配してばかりの向居がなんとも気の毒になりました。千裕にまーったくそんな気ないのに。
女性がいいと言われたらいつでも身を引くつもりと言いながら、そうならないよう千裕を甘やかす向居に対し、遠慮なく甘えながらもそれに溺れず、向居が無理しないで一緒に肩を並べて歩こうと言える千裕は男前でした。


先のレビューで千裕も向居もそれぞれ好きになれないというのを見ていたのでどんな感じか恐々として読みはじめましたが、私のはどちらの気持ちもわかるなと思って読みましたし、とても楽しかった。ただ、仕事で大失敗するところだけは読んでいてお腹の辺りが冷たくなる感じがしてつらかった。

そして、向居以上に気の毒な向居の同僚兼友人の伊崎の今後が気になりました。スピンオフ出ませんかね。彼にも幸せになってほしい。

3

受けを甘やかす攻めが好き

とても良かった。
プライドが高くて負けず嫌いでちょっと性格の悪い受けと、キャリア採用で中途入社してきたデキる後輩(同い年)攻め。
序盤の、攻めがいけ好かない受けと、受けに片思いしている攻めの温度差が面白かった。
そして攻めの気持ちに気付いて優越感から調子に乗っていく受けと、そんな受けを甘やかすのが満更でもない攻めのギリギリの会話もスリルがあって面白かった。受けがくれた付箋メモを保管しているシーンが特に好き。

受けは確かに性格に難があるけど、そんな自分の幼稚さを自覚しているので「馬鹿だなあ」と思いつつもストレスなく読める。甘え上手で人に愛されて尽くされることにも慣れているので、好きな人には世話焼きでわがままを聞きたいタイプの攻めと相性バッチリなのも良かった。

後半は攻め視点の話で、ノンケは最後に女の方へ行くのが世の理だと思ってて拗らせてる。どうせ一時的な関係ならその時間をできるだけ引き伸ばして最大限楽しみたいと受けに気を使いまくって空回りしちゃう。ちょっとでも男と付き合うデメリットに気付かれたくなくて周りの目とかを気にしてる攻めの隣で、受けはのんびり構えてるのが対称的で面白かった。

3

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