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hoshikuzu sennchi menntaru byu-
学校の夜間部と昼間部とか、返信のないメールを送り続けるとか、ちょっと懐かしい香りのする作品でした。
携帯メールで相手の既読未読が分からないって、今見ると情緒あると感じるかも…。夏花も拒否せず受け取ってるから、まだ気持ちはあるんだろうと分かるのも良いです。と、全体の雰囲気はとても好きでした。
気になったのは分かりづらさ。これがBLだって前提で読めば分かりますが、作中のキャラには当然BL前提なんて認識はないわけで、なのにキャラ同士で通じ合えてるのに違和感を覚えるところがありました。
そういう曖昧で抽象的な作風には惹かれるし好きなとこでもあるけど、この作品はモヤっとしました。作者の独りよがり感が強いような…。
離れてから始まる話で、奏が夏花に執着するまでの二人の空気をあまり感じられなかったせいか、「初恋だった」と言われてもすとんと終われた気がしません。こういうのに萌えたい!って気持ちは強くなるんですが…。
最後の屋上告白シーンの一連の流れはめちゃくちゃ素敵!二人の表情も構図も背景もすごく好き。
わりと毎回モヤってるのに作家買いしてしまう、不思議な魅力があると思います(私にとっては)。
名前は知っていましたが、四宮和先生の作品を読むのは初めてでした。
カバー表紙のイラストの奏と夏花の瞳がとても印象的だと思って購入を決めたんです。
ずっと夏花を忘れらない奏と、奏と会えないと思っている夏花の気持ちが凄く切ない作品でした。
逃げる方は相手に執着してしまう理由に気が付いているんだけど、追い掛ける方はどうして追い掛けずに居られないかが分かっていません。
そこが凄く焦れたいんです。
父親の仕事に振り回されて続けた夏花が、親が離婚して帰国した時に奏と同じ高校に通ってみたくて夜間部に通うわけですが、その思いに凄くギュッと来たんです。
瑞々しい少年たちの恋が、まだ名前をつけられる前にお話が終わってました。
キスしかしてませんがそこには確かに好意があって、未来を感じさせる内容だけに続きが読みたくてしょうがありませんでした。
恋とか愛とか、曖昧なモノをはっきりさせるのは怖くて、難しい。
青春の苦く甘酸っぱい感覚と仄暗い世界から星や月あかりのような薄明かりへ。
中学最後の年、同じ高校に合格した奏と夏花。
中学校の屋上での出来事を最後に、連絡もなしに引っ越してしまった夏花。
返事の来ない夏花のメールアドレスに今も送り続ける奏。
奏の高校の夜間部に夏花に似た人物を見かけ、気にしだしたら勉強が手につかなくなり、、、。
すれ違い、行き違うふたりの思いが交差した時、あの中学校の屋上でのあの出来事からやり直す事がーーーーーーー。
中学3年生の時、屋上にみずがめ座を観にきた奏と夏花。
そこで奏は夏花からキスをされます。
どういう意味なのか知ることなくアメリカへ行ってしまった夏花を、高校3年生になった今でも忘れられない奏。
みずがめ座の季節にメールを送ったり、最後の日に腕を掴むことができたら、と悔やんでいます。
奏が通う高校の夜間部に通う夏花に再会し、二人の止まっていた時間が動き出します。
奏を好きという事、親友と思ってくれている奏に対しての葛藤や悩みがずっとあった夏花。
複雑な思いを抱えての今までの行動だったのだな、と思いました。
だけど、たぶん奏は複雑な事を考えないタイプというか、
気持ちをストレートに伝えたり行動に移して、夏花の壁を越えてくれます。
あの時アメリカに行く事がなかったら、もっと早くわかり合えていたのかな、とか考えてしまうのですが
あの時痛みを知ったからこその今があるのかな
その方が良かったかな、と思いました。
夜間高校に通っているということもあり
夕方とか夜の風景が多かったのですが、それがなんだか感傷的に感じられて好きでした。
エロいシーンはないのですが、二人の思いや関係がわかりやすく丁寧でした。
少しずつ歩み寄っていった二人なので、エロシーンがあると不自然だったかも。
むしろエロがなくて良かったな、と思ってます。