アンブレラ ~堅物アルファと強がりオメガ~

umbrella

アンブレラ ~堅物アルファと強がりオメガ~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神10
  • 萌×211
  • 萌3
  • 中立3
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
7
得点
106
評価数
30
平均
3.7 / 5
神率
33.3%
著者
幸崎ぱれす 

作家さんの新作発表
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イラスト
古藤嗣己 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784799756515

あらすじ

発情周期が不安定なΩの音緒は、バイト先でαに襲われ反撃したため解雇に。職を失い困っていた音緒は、Ωのための新薬の治験を進める樹の手伝いをすることになる。貧しい音緒は不愛想な樹の家に居候するうちに、最初は気があわないと思っていた樹の不器用な優しさに触れ、惹かれる。しかしαでエリートな樹とは釣り合わないだけでなく、彼には今でも忘れられない人がいたようで…? 傘をさしかけて、土砂降りの雨みたいな悲しみから樹を守りたい――そんな音緒の想いは…。

表題作アンブレラ ~堅物アルファと強がりオメガ~

高城樹,オメガ医療研究センターの研究員,α
白崎音緒,オメガ向け新薬の治験者,21歳,Ω

その他の収録作品

  • 7colors
  • あとがき

レビュー投稿数7

期待の新人作家さま

幸崎先生の初めての書籍だそうです。おめでとうございました。

幸崎ぱれす先生は小説Dear+ Vol.82 2021ナツ号の「会社の後輩が甘やかしてきます」がとても面白くて気になっていたんです。
小説b-Boy (ビーボーイ) 2021年 秋号の「ヤモリの神様に愛されています」も面白かったんですが、受けがあまり好みじゃなかったんですよね。

こちらの作品はビーボーイ小説新人大賞の投稿作の「アンブレラ ~堅物アルファと強がりオメガ~」と書き下ろしの「7colors」から成ってました。

堅物である樹と強がりである音緒のキャラクターがとても魅力的でした。

樹は真面目でデリカシーがないけれど、悪いところは反省して直そうとする素直で可愛い面のある人でした。
そして音緒は強気で明るくて前向きながら、繊細な面を持った可愛い人でした。

表題作の方はそんな明るく強い音緒に影響を受けながらも、失った魂の番が忘れられずに音緒への気持ちに気がつけない鈍感な樹と、幼い時から諦めることが当たり前になっていた音緒の樹への切ない思いに萌えました。

樹の母親がこれまた強烈なアルファ至上主義なので、オメガの音緒のことを良く思ってないんです。普段から樹にアルファ女性とのお見合いの話を持って来るのですが、音緒に見せつけるように見合い相手のオメガ男性を家にまで連れてきた時には腹が立って、華枝(母親w)に天罰を与えてやりたいとすら思いました。www


この華枝が書き下ろしでもやらかしてくれてるんですが、既に樹が根気強く音緒に愛を伝えているので音緒は揺るがないんです。そして音緒を愛する樹も、恥ずかしいくらいに強くなってました。www

樹の上司であるオメガ研究センターの室長のベータの久利が表題作と書き下ろしで活躍してて、影の主役と言っても良いくらいなんですが、特に書き下ろしではアルファ至上主義の樹の家族と親族を掌の上で転がしてて拍手喝采でした。

表題作は切なくて萌えて、書き下ろしはちょっとコメディタッチでスカッとしたお話になってて、読者が望む形にとても上手くまとまっていると思いました。

とても楽しみな作家さまのデビューを嬉しく思います。

10

あなたに傘を︎︎。

雑誌の小説Dearプラスさんでいくつかお話を読ませてもらっていましたが、こちらが幸崎先生のデビュー作になるんですね。
うわ~好きだわ~"(ノ*>∀<)ノ


オメガバースの世界。
受け様は、苦労してきたオメガの音緒。
仕事と家をなくした日に、オメガ研究センターにて被験の仕事を受けることに。
攻め様は、この研究センターの新薬開発者の樹。

音緒は1人で生きてきた苦労人だけに、強くて逞しい。
繊細で弱い面もあるけど、それを見せないよう強がっていて。
向けられる愛情には疎遠で生きてきてきた子で、マジで幸せにならなきゃって思いましたよ(ノω`)

一方で、朴念仁で真面目、少々デリカシーに欠ける樹だけど、素直で優しいし、愛情深い人なんだなぁ。
辛い過去を抱えている人でもあり。

1人で雨の中を歩いていたところに差し出された傘。
めっちゃ効いてました。


研究センターの所長である久利もいい人(≧∇≦)
攻めざまぁな時もよくやった!でしたし、その後も切なくて強くていい人だわ~。

攻めざまぁは大好物なのですが、今回はそこももちろん萌えましたけど、その後の書き下ろしのお話にグッときちゃって(っω<`。)
大反対の樹の身内相手に、音緒への愛情だけが武器って、そうきたか…
身内の前で盛大な惚気けをかまし、バカップルさながらに2人の世界を作る(^_^;)

誰も傷つけないよう、誠意を持って向き合おうとしている樹に、なんかとっても感動して涙が滲みました。


これからの新刊も楽しみにしてます(*´∀`*)

5

堅物加減も強がりの裏側も良かった

素晴らしい!!
最近作者さんの作品をたどっているのですが、表紙から切なそうな気配がして心配してたのですが…。

あ〜なんて〜愛おしい日だ〜♫
音緒の強がりで可愛くて優しいところ!!
悲しみの雨の中にいる樹に傘をさしてあげたい。幸せになってほしい。

両視点ですがもう泣けて泣けて。片想いの切なさに、かと思えば伝わらない想いに。
胸をえぐる切なさじゃなくて良かった!

人の温かさ優しさ帰る場所を知る音緒に、美味しいご飯とお帰りなさいが待ってる家に帰る喜びを知る樹に。幸せな同居に胸が温かくなります。

音緒の不安が辛いのですが、良い子なんですよ!樹が幸せになるならって(泣)
久利室長がまたまた良いキャラで。

堅物な樹の口説きとそれを引きながらも喜ぶ音緒が微笑ましいですね。

後半は恋人になってから。
音緒の根深い臆病さにこちらまで抱きしめたくなります。樹が前半とはまるで別人のように甲斐甲斐しく音緒を可愛がってデロデロに甘やかして、もっと不安を取り除かなければ!と。

音緒を愛することしかできない!な樹。堅物なりに人生をやっと謳歌してますね。
音緒の強がりに隠れた臆病さを癒やした時には項を!な樹に堅物だけど男のケジメを感じます。

は〜堅物と強がり、良かったです!
今度は久利室長のスピンオフでさらに二人のその後もわかるお話を希望します。
君も幸せになって!

0

運命ではなくても

今回はオメガ新薬開発中の研究者と
新薬被験者となる青年のお話です。 

被験の為にに同居した2人が恋人になるまでと
2人が家族になるまでの続編を収録。

この世界には男女の性の他にアルファ、ベータ、
オメガという第二の性が存在します。

オメガは発情期があり、男女ともに妊娠可能で
一昔前まで生殖と愛玩の為存在として社会から虐げられ、
法が改定されたも古い価値観の人間には
オメガというだけで蔑まれる事も少なくありません。

近年は社会進出し能力を発揮するオメガも増えますが
それは大学で十分に教育を施された富裕層のオメガで
受様のようにネグレストの母子家庭で育ち
10代で親を亡くしたオメガはそうは生きられません。

しかも最近、大手企業の重役だと言うアルファに
目を付けられた受様は男の嫌がらせで
アパートを追い出される羽目なったばかりか

バーの常連客だった男を殴ったために
アルバイトまで失ってしまうのです。

そんな受様は2人組の男性に声を掛けられ
いつもバイト先への近道として通り抜けていた建物に
引き込まれてしまいます!!

その建物は薬剤開発の研究センターで
2人はそこでオメガの抑制剤を研究する研究室の室長と
その右腕として働く研究者の攻様でした。

2人は新薬の被験者を探しており
ベータながらも鼻の利く室長が目を付けたのが
施設を横切って歩いていた受様だったのです。

受様は貧乏なオメガを
モルモットにしようとしているのかと憤慨しますが
薬の普及のために効果を実証する臨床実験の必要性と
受様の身体の為にもなると説くのです。

しかしバイトの掛持ちで何とか生きている受様には
被験期間に求められる睡眠や点滴投与、発情期の入院等の
条件が厳しくて良い返事はできません。

すると室長は攻様の自宅の1室を貸与し、
食事の補助とデータ処理のアルバイトの斡旋を提案、
攻様も貴重な被験者獲得のためと提案を了解します。

2ケ月の攻様との同居生活と新薬の臨床実験が
受様にもたらすものとは・・・

雑誌掲載されたのタイトル作に
続編を書き下ろしてのノベライズで
裕福なアルファの研究者と不憫なオメガの被験者という
色々な面で対極な2人のオメガバースになります♪

攻様は病院経営者の次男という富裕層で
高校や大学をスキップした優等生ですが
ある出来事をきっかけに病院を辞め
今の研究センターで研究者となります。

受様は時折攻様が見せる物憂げな様子が気にかかり
攻様に惹かれていくのですが
攻様が転職した理由はある哀しい出来事があり
受様の恋は実りそうにないのです。

物語は受視点が主軸ではありますが所々に攻視点が入り
読者はそれぞれの戸惑いやお互いへの想いが見え

タイトルにもなっている傘というキーワードが
とても効果的に使われていて

ツンツンな受様と朴念仁な攻様がぐるぐるしながら
ハピエンを迎えるまでハラハラ&ドキドキ、
楽しく読ませて頂きました (^O^)/

続編では攻様に見合いを強要しようとする
攻様の母親の存在にヤキモキさせられましたが
最後は見事な大団円で読了感も良かったです。

8

素敵なデビュー作

今作が幸崎ぱれす先生初の書籍化作とのことで、うれしい気持ちでいっぱいです!
以前、小説Dear+本誌でデビュー作の「恋わずらいは君のせい」を拝読しまして、そちらの作品も両視点で描かれた非常に魅力的な作品だったのです。おめでとうございます!

明るめのトーンだけれど切ない部分もあり、起承転結がまとまっていて読みやすい素敵な作品でした。
表題作と書き下ろし作でまた違った雰囲気が楽しめるのもうれしいところ。
そして何より、どのキャラクターも個性が際立っていたのが魅力かなと思います。
登場するメインキャラクター3人…CP的には2人になりますが、ここは3人と書きたい。
3人それぞれ種類や形の違う愛情と優しさを持った彼らが、オメガのための新薬治験を通して関係性を変化させていく。

一見明るくて強がりだけれど、実はすごく繊細で傷付きやすくて優しい良い子なのが隠しきれないオメガの音緒。
苦労をした過去があっても悲壮感を出して来ないのがより幸せになってほしくなるというか。
今まで知らずにいた小さな幸せを知ったり、初めての想いに懸命になったり、人に甘えることが下手な彼の姿がいじらしくてかわいらしくてたまらなくなっちゃう。
そんな音緒と共に暮らすこととなったアルファの樹。
優しい・真面目・不器用を絵に描いたような人で、裕福な家庭で育ったからこその配慮に欠ける発言もやや見受けられます。
ただ、彼は己の非を認めてすぐに謝罪が出来る人なのですよね。
だったら最初から言うなって話ですけれど、人間誰しも知らないことはあるもの。
お互いの知らなかったことを同じ屋根の下で暮らしながら少しずつ教え合うような2人がとっても良かった。

ところで、タイトルにもある堅物アルファの文字。
私は堅物で真面目な人間の頭のネジが何個か外れてしまった状態を愛してやまないのですが…いました!
本人はいたって真面目ながら、受けのことが好きすぎて言動がおかしくなってしまう片鱗をうっすらと持った愛おしい攻めが!
何がどうなのかは書き下ろしをぜひ。クスッと笑える愛らしさでした。

と、表題作も書き下ろしも音緒と樹の2人恋愛模様も楽しく読めたものの、やはり今作は樹の先輩・ベータの久利なしには語れないなと思います。
彼の優しさと深い愛情があったからこそのお話でしょう。久利がいなかったら別ものになっていたかもしれませんね。
音緒も樹も好きです。でも1番好きなのは久利かな。胸がギュッとなりました。
願わくば彼の今後も読めたらうれしい。

1

降り続く雨にずぶ濡れのあなたの傘になりたい

研究以外ポンコツなデリカシーなしのアルファが極貧オメガに惚れられる話。

投稿作の表題作と書き下ろしの2編
表題作は亡くなった運命の人を忘れられないアルファ・樹(攻め)に惚れたオメガ・音緒(受け)が一生懸命振り向かせようとする話。
書き下ろしは、想いが通じて甘々な生活を送りつつ今までの生活での心の傷のせいで幸せに慣れない音緒に幸せに慣れさせようとする樹の話。


傲慢なアルファに付き纏われたせいでバイトをクビになってしまったオメガの音緒。
これからのことに絶望的な気持ちの音緒に、たまたま寄ったビルに入っていた研究所でオメガの新薬を研究している研究者に治験者にならないかと誘われます。
音緒はその条件の良さに治験者になることを承知します。
住む家さえなくなってしまう音緒は研究者の1人アルファの樹の部屋に居候させてもらうことになるのですが、育ちが違いすぎて研究以外はポンコツな樹とはうまくいかないことも多いながら、その裏にある優しさに惹かれます。
速攻告白しますが振られ、それでもめげずにアタックしまくるのです。
が、樹には運命の番を亡くした過去があり彼が忘れられないことを知るのです。

音緒はネグレクトな母子家庭で育ち、中学もそこそこに仕事をしなければならない極貧生活をしていました。オメガなためアルファに狙われバイトをクビになることを繰り返し、生きていくのに精一杯という人生でした。

樹は高校大学とスキップし、優秀な医者でしたが、運命の番を亡くしたことにショックを受け病院を辞めオメガ研究所に転職しオメガのための新薬の研究をしています。

樹は大病院の院長の息子で世間知らずなので、裕福なオメガしか知らず、一般家庭のオメガががどれだけ苦労しているか知りません。なので何度もデリカシーのないことを言ってくるのですが、何度も苦渋を飲んでいる音緒はそれをボンボンなんだから仕方ないと大人な対応をしてくれます。
樹の上司で室長の久利に何度もオメガの苦境について諭され、その度に反省するを繰り返す樹はポンコツだけど優しい人なのがわかります。
音緒は運命の番が忘れられない樹を振り回し、樹の心をはらしていくのです。

個人的には想う人がいるの人に全く興味がないので、音緒の心境が理解できず、もうやめときなよーと思いながら読んでいたので、読んでいて楽しかったとは言い難いです。
なかなか振り向いてくれない樹。少しづつ近付いても、楽しみにしていたイベントを何度も反故にされ、地に叩き落とされる絶望に涙なしでは読めません。
「ただいま」には「おかえり」
「いってらっしゃい」には「行ってきます」を知らない音緒。
生まれてから一度も言う相手がいなかったから。
サンタが来ないのが当たり前、約束は破られるもの、来年もこれからもこの幸せがあると信じられない。音緒の生い立ちが辛い。


実は、あらすじを読んで樹が想っていた人というのは昔会った音緒だったというのを想像してたんですよね。ガチで別人だったとは思わなかった。それがわかってたら読まなかったかも。音緒の想いが辛い。

音緒の第一声が口悪くてびっくり。
こんな口悪いオメガの話読んだことないなと思ったけど、強気でいくことが音緒なりの鎧なんだと思うと辛い。本当に猫みたい。

そして腹が立つのが樹の母親。オメガはペットか何かだと思っているのだろうか。
いつもいつも邪魔しにきて殺意が湧きました。

この話のMVPは間違いなく室長の久利です。
想いが届かず何度も泣く音緒を優しく守ってくれます。
久利はなんであんなにオメガ贔屓なんだろう。
音緒に幸せになってほしいという久利がどのような心境だったのでしょうか。普通に見たら音緒のことが好きで、でもベータの自分では無理だから応援するというふうに感じましたが、飄々としすぎていて弟のように思っているようにみえないこともなくて、どうなんだろうと思っていたにですが、後書きで、久利の犠牲の上で成り立っていると書かれていたので、やはりそうかーと、とてもとても切なくなりました。彼にも幸せになってほしい。
最後樹の従兄弟の楓といい感じになってたけど彼はアルファだしやっぱり苦難の道かなー。
ずっと応援してくれて、うまくいきそうでうまくいかず、
「なんでうまくいかないのさ」という久利の言葉が泣ける。
何度久利にしときなよと思ったことか。
そして、懐に入れた人間には優しいが、敵には容赦しない久利が音緒の敵に対して繰り出す毒舌が楽しすぎて。
樹が音緒を守るために頑張った姿が霞んでしまいました。

今まで辛い人生だった音緒が幸せになるといいですね。

2

貧乏Ωは真心しかもっていない

「ヤモリの神様に愛されています」を書いた人のデビュー作。
だけど、この本のほうが後に出ている。

表紙絵が素敵。
土砂降りの冷たい雨から「守ってあげたい」という気持ちを表す構図。

弱いくせにやたらと威嚇して騒動を起こす、捨て猫のような音緒が、
恋愛下手で不器用な樹に懐いていく。

何も持っていない最下層の貧乏Ωの音緒は、真心しか持っていない。
そんな音緒が、樹を包容して守りたくなる。
構図としては、大型犬を慰めたい痩せ猫。
樹が、ほんとに不器用で焦れた。


--登場人物--
●白崎音緒:Ω 21才 独身 無職
母子家庭、ネグレクトして育てた母親も死亡。天涯孤独。
月に二度ある発情で、アルバイトが長続きしない。
久利たちが開発したΩ用新薬の治験者を引き受け、樹の家に居候。

●高城樹:α 研究員 高城総合病院経営者の次男。
α飛び級制度で高校+大学を飛び級で四年で卒業した堅物の秀才。


●久利清威:β 34才 研究センター室長 趣味はドライブ
Ωの新薬開発。
高城の大学の先輩。情に厚い努力家。

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