魔王様の清らかなおつき合い

maousama no kiyoraka na otsukiai

魔王様の清らかなおつき合い
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神26
  • 萌×235
  • 萌13
  • 中立5
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
16
得点
314
評価数
79
平均
4 / 5
神率
32.9%
著者
海野幸 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784199010569

あらすじ

確かに「お友達から」とは言ったけど手も握らないなんて見掛け倒しかよ!!

ヤクザ顔負けの眼光で、高級スーツを身に纏う男から深夜に呼び出し!! しかも愛を告白されてしまった――!? ゲイバー店員の悠真(ゆうま)を待っていたのは、「魔王」と呼ばれるほどコワモテな常連客・峰守(みねもり)だ。「お…お友達からお願いします!」恐怖のあまり遠回しにお断りしたつもりが、まさかの快諾!! 何か裏があるはずだとデートに赴くけれど、行先は動物園や映画館など、健全な場所ばかりで!?

表題作魔王様の清らかなおつき合い

IT企業に勤務するサラリーマン,30歳
ゲイバーの店員,24歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数16

ギャップ萌え。至極普通の現代もの

こんなタイトルだけど、ごくごく普通の現代もの。強面でゴツい見た目の攻めと、天使のような見た目を持つ受け。二人ともが内面と見た目にギャップを持ち、悩みや生き辛さを抱えている。読後感は爽やかだった。

タイトルで気になった“魔王様”は、峰守のあだ名。といってもバーの店員が裏で勝手に客に付けただけのもの。峰守に関する描写は、どれもこれも同情を禁じ得ない。目が合うだけで子供に泣かれ、その子供の親は走って逃げる。

峰守の顔を見せない工夫や気遣いは涙ぐましく、かわいそかわいい。好きな相手に、今まで誰とも付き合ったことがないと嘘を吐かれながら(バレバレだが)、言動の一つ一つを元彼たちと比較されている。この点、悠真視点で見ると峰守の可哀想度がちょっと上がる。

悠真は心理描写の裏に毒親の影がチラ付く。社会に出て、下に見られたり後ろで笑っているだけで良いと言われたりと、悩みはいかにも女性が共感しやすい内容。これを受けに言わせるところが、BLの性質が見えるなあと萎え萎え。

お互いにコンプレックスからくる自信のなさで隠し事をしたり、励ます言葉が実は芯を突いていたりといろいろありながら、友達から恋人へと清らかなお付き合いを続けていく。悠真に対する峰守の不器用さがとても好き。

拗れそうな気配を漂わせながらも、不安要素は直接ぶつかって解決するし、二人ともが素直に向き合う様子が良い。
恋人に重い峰守と、それを求める悠真。言葉が足りない峰守と、今後はガンガン問い詰めていきそうな悠真。長く続きそうなカップルだと思った。

悠真の親の件も、自己完結な印象はありつつも、呪縛が解かれたのは感じられた。できれば遠恋の先まで見たかったな。

0

No Title

 攻めから告白された受けが「友達からなら」と言ったせいで、攻めが一切そういう雰囲気を出してこなくて焦れる。
 デート先も動物園だったり映画館だったり、そして夜になる前に解散。夕飯に誘って酒を一緒に飲んでも、ホテルに連れられることはない。受けが遠回しに「攻めの家に行きたい」と言っても「散らかってるから無理」と断られて撃沈。
 告白してきたのは攻めなのに、受けの方が追いかけてる。なんなら受けが距離を詰めようとすると攻めに躱される……みたいな、ミイラ取りがミイラに状態のカプです。
 今までの恋人はみんな「思ってたのと違う」って受けを振っていく。でも攻めだけはそんなこと思わなくて、って話です。
 身長が高くて強面の攻めが、お酒弱くてカシスオレンジを飲んでいたり動物好きというギャップに、心の中で「可愛い可愛い」悶えてる受けが可愛い!

 なんだかんだあって、ついに友達から恋人へ昇格瞬間の雰囲気のエロさ! セックスしてないのにエロい!
 付き合って直ぐに難題が降りかかって、すれ違い状態になる。
 相談に乗ってくれるヨシミママと圭介が良い人。

 余談ですが、途中で出てきた唐揚げ専門居酒屋にすっごく行ってみたい。チーズとトマトソースのかかったイタリアン唐揚げ、マスタードとケチャップがかかったアメリカン唐揚げ、麻婆豆腐がかかった中華唐揚げ……この唐揚げ屋が現実にも欲しい。

0

とっても素敵なおつき合い

海野先生は、ひとつのテーマにとらわれず本当に幅広い作風で数多くの作品を書かれている稀有な作家さんだと思うのです。
その中でも、日常の中にあるありふれた物事をBLの中に落とし込みながら丁寧に掘り下げている、こういったテイストのお話が1番好きかもしれないなと感じた1作でした。

「女性は甘いお酒が好き」だとか、「男性はシトラス系の香りが好きだろう」だとか、世間一般に蔓延る謎の決めつけやイメージってありませんか?
金髪から黒髪にした途端に道行く人からぶつかられることが多くなったり、身長の高さや低さだったり…外見の印象で人から態度を変えられた経験はないですか?私はあります。

魔王のような強面で誤解をされやすい峰守と、性格とは異なる柔らかすぎる印象を持たれやすい悠真。
タイトル通り、外見的なイメージから誤解をされやすい2人が清らかなお付き合いをしていく。
きっと怖い人に違いない。きっと優しいに違いない。
こちらの作品は、まさにその無意識の決めつけや分類、己の認識とは異なる他者からの評価という居心地の悪い息苦しさなど、非常にリアルなテーマを扱った作品でした。

口数は少なく目付きは鋭い。威圧感を与えてしまう大きな体躯に、纏う服は黒ばかり。
確かに峰守という人は、世間一般的には怖い人なのかもと思われてしまいそうな人なんですよ。
今作の受けである悠真もそう思っていたところからスタートするわけで。
ただ、このお友達付き合いをする内に印象がどんどん変化していく様がとても初々しいやらかわいらしいやらで仕方がないんです。
峰守という人のギャップにやられること間違いなし。
こんな攻め、愛おしいったらないですよ。

と、2人の焦ったいほどに初々しいお友達お付き合いの中の、なんてことはない食べ物ひとつだったり、作中のあちこちにテーマに沿った小さな仕掛けがさり気なく施されているものですから、悠真視点で楽しく読んでいる内に自然と自分の中にもハッとする気付きがあるんです。
気が付けばいつの間にか海野マジックにかかってしまっているなんて体験が出来たのも面白かったですね。

恋の行方が性急さとは真逆だったのも好みで、すっかり2人のことが好きになってしまいました。
作品全体の雰囲気はコミカルかつかわいらしいもので、笑いありギャップあり萌えありの軽めの読み口で読みやすいです。
けれど、それだけではない深みと優しさがある素敵な作品でした。

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魔王様は近所にいて欲しい

ギャップ萌。まさにその言葉がふさわしい!
受けの悠真が峰山に対してギャップ萌してしまい、好きになっちゃうとこは王道なんですが、このお話は逆もそうなんですよね〜。

峰山の方も最初は明かされませんが、天使のような接客でプロを感じたり、見た目の可愛さではないところに一目惚れしちゃう。

読んでる方は、じれったい二人なんですが、悠真の「こんな自分を知ったら幻滅されそう」という思いから、なかなか関係を進められなかったりするのはいじらしい。
そして、必死で抑えてた峰山のぞっこん度合いが凄い。実はとても重い愛情で素敵♪

軽く読めて、エロ少なめ、BL的王道なので初心者でも入りやすいストーリです。

0

ギャップがあるから恋に落ちる

方や天使、方や魔王と言われてしまう外見と内面のギャップに悩み
自分をさらけ出したいと思いつつも相手の理想に沿うべきか手探りで気持ちを育てる二人のお話

特に強面な攻め様が持つギャップが普通でリアルでやりすぎないところが良かったです
この2人外見と中身を交換したら外見の印象と中身が一致すると言うことだったのかもしれません
でもギャップは人間は恋に落とするファクターなのでこれでいい気がします

自分が求められている姿から逸脱してしまうことが怖いと思いながらもそんな自分を抜け出したいと思っている受ちゃんが
攻め様と出会い変わっていく
攻め様も密かに抱える自分のコンプレックスを受けちゃんが受け止めてくれて前向きになる
出会うことでお互いの関係だけでなくお互いの人生も豊かにできる関係なら最高かな
外見や性格など自分のコンプレックスを相手の存在が受け止めてくれる心地よさもあって読んでてにこにことなるお話でした

0

めっちゃ好みでした

タイトル(と表紙も)で誤解していて、あらすじ読んだら現代ものかい!と早速読みました。すごい好みで大満足でした。
タイプとしては、「悪い男には裏がある」に近い気がします(こっちも大好き)。

あー、こういう本をたくさん読みたい…
こういう話がたくさんある世界線に行きたい…
(異世界物に食傷ぎみなのにこの希望を書くという矛盾よ)

海野さんの話って毎回ちょっとした謎というか秘密というか、読者にも伏せられてる事柄があったりするのですが、いつも外し気味な自分が今回は見事に当たって嬉しかったです!(皆さんはもしかして簡単に思い当たっているのかもしれないですけどもw)

3

外野がうるさい

ゲイバーの常連客である峰守(攻め)に、こっそりつけられた仇名は「魔王」。
この人がいわゆるギャップ萌えのお手本みたいなんですよねー。

ヤクザの若頭かというコワモテなのに、動物大好き、甘いもの大好き、お酒はあまり飲めないみたいな。
知れば知るほど、きゅきゅーんときちゃうようなタイプ。
なので、もっともっと攻めを堪能させて欲しかったなぁというのが正直な感想。

ただし主人公は受けの悠真で、どちらかと彼が抱えている葛藤とかに主体が置かれているので、単純にギャップ萌えを堪能するような作品ではないんですよね。
ギャップ萌えも、あくまで物語を構成する要素の一つでしかないというか。

海野さんの作品を読んでると、色んな要素が一つ一つパズルのピースのようになってて、終わりのほうでパチンパチンとはまっていくような感覚を覚えます。

例えば、「天使のような容貌を持つ悠真が元カレに頭突きくらわせた場面」という最初に登場したピースが、最後のほうで「目撃」というピースと組み合わさって、おぉそういう絵になったかぁ!みたいな。

なかなか面白かったけど、読み返すかなぁというと微妙……
というのも、ゲイバーのママや店員が、ひたすら峰守の外見のみで判断してる様子にイラァっとしてしまって。
「街角で見かけたおっかない男」程度なら、臓器売買組織の売人かもしれない?!と心配するのはわかるんですよ。

だけど、峰守は常連客。
そりゃ顔は怖いけど他の客に絡んだ事もないし、素行の悪さが垣間見えたりしたことなんかなくて、お行儀よくただただ静かに飲んでるだけの優良客ですよ。
なのに、あそこまで不審者扱いしなくても良くない?

峰守の素がわかりつつある悠真が「そんな人じゃないんだよー」と言っても、「騙されてるかもしれないわよ!」みたいな事をしつこく言ってて、コイツら接客業のくせして全然見る目ないなーと思ってしまいました。


1

遠回りな恋

コメディっぽくて笑える所もありながら、悠真の心情には切なさを感じる事もあり面白かった。
この2人は似た者同士だと感じました。今までの経験から傷ついた事がいっぱいあるけど、2人が出会って、この2人だから勇気を持って前に進めるのかなぁと。言葉が足りなくて、好きだからかっこつけてしまって遠回りしたけど、そんな所も可愛い2人。やっとで結ばれた時は拍手。遠回りした分めちゃくちゃ幸せになれそう✧*。
周りを固めるヨシミや圭介も味があって良い。
海野先生の作品は初めて拝読しましたが、表現が個性的で豊かで読んでいて楽しかった。小椋先生のイラストも優しくて可愛かった♡

3

真面目に恋愛してます

ゲイバーでアルバイトしている見た目天使な主人公と、そこに通う目つきの悪いコワモテ客の清らかラブストーリー。こういうお話、ホッとします笑

作者様の笑いのセンスがところどころに発揮されていて、フスフスと笑いながら読み進めました。ところが一皮むくと、ドッカンドッカン会場を沸かすような一大エンターテインメントとは真逆を行くといいますか、キャラクターの心情変化をじっくりと追っていくタイプの、とても真面目なお話だったなぁと読後にあらためて思った次第。

テーマとしては、人って見かけによらないよね〜っていう、けっこう無自覚に陥りがちな偏見を切り口にしたもの。見た目や雰囲気だけでその人をジャッジしまうのって、ジャッジする側がそれまでの人生で知りうる経験則でしか判断できてないってことでもある。だから、お互いに思っていること(しかも、本音)を伝え、うちとけていくことで見えてくる相手の意外性にときめいたり、おおーっ!て感激したりできると嬉しいし、それまで決めつけてしまっていたことで死角になっていた世界の一隅が照らされる発見や楽しみがあります。頭ではわかっていてもなかなか自覚できなかったりするので、物語を読んだりすることであらためて気づかせてもらえるんですよね。

悠真と一緒に峰守のキャラを探るのが楽しかったです。読みながら、キャラも、キャラの向こうに透けて見える作者様のことも、絶対裏切らないだろうと信じてはいるんですよ。いるんですけど、ヨシミさんと圭介がまたやいのやいのと妙なアドバイスをしてくるもので、そこでえっ、もしや?なんて疑ってしまいました笑

小椋ムク先生のイラストもたくさんあって嬉しかったです。動物入りのパターンはめちゃくちゃ可愛いいし、最後の一枚は色っぽいしでとっても楽しませていただきました。

キャラ文庫のBLは根が真面目なのか?みんな真剣にラブしちゃってませんか?個人的にはなるべく変わらないで欲しい路線ですし、そこがレーベルカラーの好きなところなんですけどね。

4

表情

先生買い。「この表紙のぶすくれた表情最高、絶対好きなパターン」と思って購入しました。想定通りでした。楽しい。あとちょっとインパクト大な何かがあれば嬉しかったんだけどなと思うので萌にしました。本編240Pほど+あとがき。海野先生の既刊お好きな方でしたら安心しておススメします。

イベント企画会社に就職したんだけど上手くいかず退職、ゲイバーでアルバイトをしている悠真(ゆうま)。色白でお目々くりくり、唇は桜色で、ビジュアルは天使な悠真、あれこれお付き合いするものの、見かけと違うという理由で長続きしません。ある日店で「魔王」と呼ばれているおっかない男から「店が終わったら会いたい、公園で待ってる」と言われ・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ヨシミ(店のママ♂)、圭介(店のアルバイト)、受けの元カレぐらいかな。ヨシミママも圭介もほんといい人。

++攻め受けについて

攻めはまじで怖い。ヤさんかと思ったぐらい、モノクロ挿絵も怖い。ビジュアルでは怖すぎて、惚れるところは無し。かっこいいんだけどなあ。中身はいたって全うなくそ真面目人間とでも言えばよいのか?「お仕事しっかりできます」な、超優良物件です。この後、もうちょっと柔らかい雰囲気を出せるようになったら、男が惚れこむ男になると想像されます。

受けはビジュアル天使であるが故に受ける周りからの期待値と、ほんとの自分とのギャップの扱いにやや苦戦しておられた方。彼氏が目の前で別の男を口説き始めたのを見て痴話げんかになり、頭突きかましてしまうような男前な方でした。

受けの方のギャップは笑うという感じではないのですが、攻めの方のギャップはとにかく面白かったでした。誰がこんないかつい男がデートで動物園に連れていってくれて、小動物撫でて喜ぶと思います?前半おかしくて、笑いこらえるのが大変でした・・。

攻め・受け・お話、3つともなんとなく想定されたもので、楽しく読むことが出来ました。とにかくギャップがあるお話が好きという方でしたら楽しく読めるのではと思います。

2

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