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katsugou
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
作家買い。
2012年に刊行された『渇仰』の新装版で旧版は既読。「新装版」は旧版と何が違うんかなー、と思いつつ手に取りました。
まず、前半は『渇仰』が、そして後半には2014年に刊行された『渇命』が収録されており、かつ、終盤に書き下ろしの「フェイク・ファーザー」が収録されています。旧版2冊に関して、大幅な修正、改稿はありませんが、ちょびっとだけ加筆・修正はありました。旧版のレビューにも内容は書かれていますが一応こちらでも書こうと思います。
24歳のリーマン・明良は、その日恋人に振られてしまった。しかも、明良の同僚との二股の上でのことだった。傷心しながら帰途についた彼はさらなる絶望に襲われる。住んでいるアパートが火事で全焼。恋人には振られ、住む家も失った彼だが、彼には頼るべき親も友人もいなかった。
どうしようかと立ちすくむ彼の目の前に現れたのは、明良が最も会いたくなかった人物。人気俳優の達幸だった。なぜ達幸がここに?そう思う明良だったが、家を失った明良を、達幸は瀟洒なマンションへと連れていき―。
明良という青年はなかなか複雑な内面を抱える青年ですが、それは彼の家庭環境にあります。父親は医師で、母親も裕福な家の子女。金銭的に困ることはなかったけれど両親の夫婦仲はあまりよくなかった。母親は口を開けば父親のように医師になるようにというばかり。そして決定的になったのが達幸の存在。
達幸は父親のかつての恋人だったという今は亡き女性が遺した息子。
父親とその恋人の女性との仲を疑い、そして無口で何を考えているのかわからない達幸を母親は疎んじていく。父親を深く尊敬していた明良は、父親に言われたこともあって達幸と仲良くするが、けれど、とある事故が、明良の心を壊してしまって―。
その出来事をきっかけに、明良は両親とも、達幸とも疎遠になった。
その達幸がなぜ今ここにいる?
そんな明良の思いに、読者は引きずられる形で読み進めていくけれど。
宮緒作品には、受けちゃん大好き、ワンコな攻め。って珍しくないというかむしろワンコ攻めくんは沢山登場しますが、今作品の攻めくんはもうぶっちぎり。ぶっちぎりのキモさを持った青年です。マジでヤバいです。
達幸という青年はイケメンで、若手人気俳優という立ち位置にいる青年ですが、んー、彼がブサキモな見た目だったらこうは萌えないんじゃないかと思う青年です。
何しろ彼のすべては明良(達幸は彼を「あーちゃん」と呼びますが)が軸に回っている。綺麗で優しいあーちゃんが他の男に取られないように。だから、自分の匂いをつけておかないと。彼の中を、「自分」でいっぱいにしておかないと。というわけで、まあ明良のことを抱きつぶします。どこでも、誰がいても、達幸には関係ない。
明良はとある思惑をもって達幸に抱かれますが、これがまた切ないというかシリアスというかめっちゃダークです。宮緒作品ならでは、って言うんですかね、最終的にはほだされる形で達幸を受け入れますが、そこに至るまでがドロドロのストーリー展開です。
『渇仰』は明良が達幸を受け入れるところまで。後半の『渇命』は、そこから一歩踏み込んだお話になります。
明良がそばにいないとどうにもこうにもならない達幸の手綱を握るため、明良は達幸のマネージャー補佐として働き始めます。明良を一心に求める達幸との距離感が掴み切れなかった明良は命の危機にまで晒されて―。
これね、ずるいと思うのは俳優をしている時の達人がめっちゃカッコいいこと。
明良の前でシッポを振りご褒美を欲しがり、あれやこれや致してしまう達幸はキモ怖いくらいなのに、俳優をしている時の達幸のカッコよさは悶絶必至です。
で、そのカッコいい達幸を、梨さんが描いているのもめっちゃ良い…!
旧版も梨さんが挿絵を担当されていましたが、新装版も梨さんが描かれています。明良と達幸の、危ういバランス感っていうのかな。一歩間違えたら二人揃って自滅してしまいそうな危うさが、梨さんの絵柄にぴったりなんです。共依存、ともいえる二人の関係、を見事に描き切っています。
達幸の明良への執着心から、レイプまがいの行為あり、場所を厭わずに盛る行為あり、結構エロ度は高めです。エロ度が高い作品が苦手な方にはお勧めしづらい側面はあります。
が、達幸の執着っぷりはもはやあっぱれ。
彼は明良の犬だと自身で公言していますが、「犬」にこだわるその理由もきちんとあるので納得。はじめはご主人さまの言いつけを守れない駄犬ですが、少しずつ「待て」ができるようになっていくのは明良のしつけの賜物か。
書き下ろしの「フェイク・ファーザー」についてですが。
33歳になった二人、という時系列のお話です。33歳という年齢になり、達幸に父親役が回ってきて―。
基本的に今作品は綺麗な明良を周囲の男たちから守る達幸、という体で進むストーリーですが、この書き下ろしは達幸を狙うとある人物のお話です。あーちゃん以外はみんなクソ。位に思っている達幸ではありますが、彼がどうなるのかぜひとも手に取って確認していただきたいです。
文庫本2つ分の分量+描き下ろしが収録されているためか、めちゃめちゃ分厚い1冊です。読んでいて手がぶるぶるします。自立します。書き下ろしもそこそこ分量があるので、読み終わった時は若干ぐったりします。中身も濃いですしね。でもこれが宮緒作品の基盤という気がします。
書き下ろしのページ数が結構あるので、旧版をお持ちの方でも新装版を買われても良いのかなと思います。梨さんの描かれた挿絵も新しいものでしたし。
宮緒作品にどっぷり浸れる一冊。
萌え云々、というよりも、この世界観は宮緒先生にしか描けないんじゃないかと思います。好みが分かれる作品かと思いますが、個人的にはこの突き抜け具合に賛辞をささげたい。
旧版を未読の方は、どうぞ心して読まれることをお勧めしたいです。
2012年発刊の「渇仰」「渇命」の合本+書き下ろしショートストーリー付。
姐さんがたが高く評価しているので、電子版で読了。
宮緒先生の作品には、スパダリの執着愛が多いけれど、これもそう。「犬攻め」。
達幸の病的な執着、強依存に縛られて苦しむ明良の心情変化、
ネグレクトされたトラウマを持つ達幸。
犬っぷりに振り回される明良、犬の調教が上手くいかず、シリアスなテーマなのに爆笑。凄く面白かった。
「渇仰」
交通事故で入院した後、六年間音信不通の幼馴染 ・達幸は、火事で焼け出された明良と再会するなり、飼い主兼恋人になってと懇願する。
達幸の異常な性格は、実の母や親族の虐待が因だと、明良は父から聞く。
達幸の先祖返りの碧眼を美しいと言ってくれたのは、明良だけだった。
・・と、過去が徐々にわかると、二人の有り様が気の毒で悲しくなる。
「渇命」
狂った演出家、赤座が明良に執着・・当然飼い主の為に荒れ狂う犬。
書きおろしSS「フェイク・ファザー」
二人とも30代。 父親役の達幸。子役の少年とその母親の件。
古さを感じる箇所(ガラケー➡スマホとか)を編集しているので、古さを感じない。
電子版を買ったけれど、おもしろかったので紙本も買う予定。
・・・
【渇仰】
(渇して水を思うように、仏を仰ぎ慕う意) 仏を深く信じ仰ぐこと。転じて、人や事物を尊び敬うこと。深く慕うこと。
【渇欲】
のどがかわいて水を欲するように、強く思い望む気持。
【 渇命】
飢えやかわきのために命があぶなくなること。
読んだのは旧版なので渇仰のみです。渇命は別途取り寄せ予定。
で、これは・・・
達幸、君は賢いのにアホだ。。だから最後には明良に飼われることになったんだね。と言ってあげたい。
頭も良くて、運動神経も、ルックスも完璧なのに。明良さえ絡まなければ。
いやもう、深い、明良さえこんな結末は予想できなかったでしょうに。子供の頃から一緒に居て、情がひねくれてたのかな。最後の最後まで達幸を理解しきれずに、本当に最後にやっと達幸には明良が必要だったと。そう、明良が達幸をちゃんと調教してあげれば良いんですよ!(^^)
最後の方まではずっしりどよーんでしたけど、明良が達幸に対する感情を認識してからは達幸の幸せワンコぶりが微笑ましくて読後感は良かったです。
宮緒先生の作品にどハマりするきっかけになった、こちらの作品。
いや〜〜……この作品を読むまで、これほどまでの執着攻めに出会ったことがありませんでした。
想像の何万歩も上をゆく狂気・執着っぷりに震えながらも、読み進める手を止められませんでした。
\無事にヤンデレ執着ワンコ攻め沼に両足を突っ込んで、ズブズブ浸かるようになりました。/
あーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃん…!!
作品の中に出てくる「あーちゃん」の数(尋常じゃない)=達幸の執着心。
カニバリズム的なシーンもあり、狂気300%濃度の攻めを堪能できます。(受けも一緒に狂気の世界へ堕ちていくわけですが)
恐ろしいのに、なぜか何度も読み返してしまう作品です。
狂気を感じたい方、ぜひ…( ̄∀ ̄)
執着攻めの作品を読みたくて、こちらにたどり着いたのですが
いい意味ですごく狂っている攻めだなと思いました。
達幸のすべてが明良の為に存在すると言っても過言ではなく
とにかく頭の中に明良のことしかない達幸。
彼は明良の犬になりたいと懇願するのですが
読む前は何故犬なのか?と思っていました。
でも読んでその理由がわかって切なくなりました。
達幸の執着心はとてつもなくて、個人的に今まで読んだ作品の中で一番執着心がすごい人でした。
執着攻めが好きな私からしたら、何故いままでこの作品を読まなかったの!?と思うぐらいドンピシャで最高の作品でした~!(*´▽`*)
こんなにぶっ飛んだ作品読んだことない。
達幸が異様・異質・気持ち悪いです(笑)
ここまでやるか〜っていう明良への執着。気持ち悪い通して恐ろしい。
あからさまな性的シーンがヤバいですね。とんでもない本を買ってしまったのでは?と読みながらビクビクしました。
明良とのセックスシーンはねっとりとしつこい、そして濃厚。明人の前では子どもっぽく、おねだりなのか催促なのか時に強引に激しく抱く達幸の頭のネジぶっ飛んだ様子に、どう反応したらいいのか困惑しました。
反面、役者の達幸はめちゃくちゃカッコいい。オンとオフの気持ち悪さとカッコ良さがここまで共存し振り切った人物も珍しいですね。私の好みではないんですが、でもなんかクセになる。明良の"犬"の色んな顔は必見です。
ストーリーはすっごい濃厚で面白いです。明良への激しい執着とセックスシーンを50%くらい抑えめにしてくれたら良かったかな……ちょっと胸焼けしちゃいました。
まぁでも、それを加味してもストーリーが抜群に読み応えあったので神評価にしました。達幸こと青沼幸の演技のシーンが素晴らしかったです。映画や舞台の裏の部分がシリアスでダークでハラハラドキドキが止まりません。
ただでさえ明良と達幸のセックスシーンにハラハラしてるのに、物語の本線自体もそんなテイストなので、全体的にホッとする場面がごく僅か。……唯一心から楽しめたのは、達幸が類いまれな演技の才能を披露して、皆をあっと言わせるシーンですね。「ガラスの◯面」ばりにワクワクしました。
明良が事件に巻き込まれてしまうので、必然的に達幸がそこにも絡んでくるのですが、達幸の尋常じゃない報復や反応にゾクゾク…。大切な飼い主であり恋人の明良に手を出す輩たちだから仕方ないのかもですが、達幸の明良への愛情は真っ直ぐなのか歪んでるのかよく分からなくなってきます。それが面白いではあるんですけどね。
なにせ分厚い本なので、心にゆとりのある時に読むのが一番かなと思います。
異常すぎるほど受けへの愛に満ちた攻めを楽しみたい方はぜひ。
発売当時に読んでいたのですが、今回新装版が発売されると知り迷わず購入しました。
当時はちるちるさんの存在を知らなかったので、評価もレビューもしていませんでした。
でも、BLに戻って来たばかりの頃に読んだ作品なので、その強烈な内容は記憶にありました。
今回は内容の再確認という意味で、とても楽しみにしていました。
記憶は薄れていたものの、読んで行くうちにそうだこういう内容だったと思い出しました。でも当時と感じ方が違ってて、気の毒だと思っていた明良が意外に嫌なヤツに感じて達幸が可哀想に感じました。
当時は抵抗感があった「胎内」という表現にも耐性が出来てたのに驚きです。
この作品はエロ部分よりも達幸の俳優としての魅力とか仕事面の方が面白くて、ちょっと長いエロシーンには飽きてしまって萌2にしました。
現在に合わせて改稿してあるので、作品に古い印象が無いのも凄いと思いました。
それから達幸のマネージャーの松尾さんが素晴らしい人物で、ストーリーに深みを与えていました。この人無くしてこの作品は成り立たないです。
それから書き下ろしの達幸と明良が33歳になってからのお話が読めて感無量でした。
強烈な達幸の個性で好みが分かれる作品ですが、達幸の俳優としての危機を明良と二人で乗り越えて行く部分が読み応えのある作品です。
他社さんで出しておられた「渇仰」「渇命」を合体させた新装版。書き下ろしあるとのことだったし、久しぶりに狂犬に会ってみようと思ったので購入。2段組全380P弱。狂犬?凶犬?執着犬?とそれに流されてしまう美人マネージャーのお話で、尋常じゃない攻めが大丈夫&芸能界ものがお好きな方でしたら良いのかも。やっぱり2冊分達幸を味わうとちょっと飽きちゃったのですが、絶対忘れない本ということで萌2にしました。
恋人に振られたその日に、帰宅したところ自宅アパートは絶賛燃え燃え中。茫然自失としていたら、背後から抱きしめられ、ふんふん匂いを嗅がれます。会いたかった…とつぶやくその男は軽々と明良を抱き上げ、車に乗せて…と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
松尾(攻めのマネージャー、偉大)、タツ(受けの昔の飼い犬)、伊勢谷(達幸に主役を奪われた人)、公明(受け父、優秀な医者)、その他達幸の出演する作品の監督やら脚本家やら、あーちゃんを汚すとみなされた方々多数。
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王道では無いと思うのです。王子様やスパダリな攻めがお好きな方は「あ、無理」って思うかも。今回読んで改めて「やっぱこいつ駄犬だわ」ととても思いました。育った環境が起因となってるのですが、精神的に壊れてるとしか思えないです。親の愛情をもらえるかもらえないかでこんなに歪になるのか?と思うぐらい、変。決して理解できない攻めですが、まああーちゃん与えておけば素晴らしい俳優さんになれるんで、頑張ってお金稼いでねと思います。カッコいいはずなのになあ・・精液で臭い付けすることに固執するので個人的には「しつこい!」と思ってしまいました。可愛いところもあるんですけどねえ・・・
受けは美人さんなんでしょうねえ。常人ではない攻めに尋常じゃなく執着されて臭い付けされて、最後は「もういっか」とどっか一本ネジが飛んじゃったんだ印象です。こんなイケメンが自分の一言でしっぽ振りまくる!というところに快感を覚えることや、どこかに行ってしまっているイケメンを可愛く感じるようになるところは、うんうん分かると思います。二人でダメダメ感満載だから魅力なのかな。もうちょっと達幸をコントロールできて万能感あるようにしたらやっぱり面白くないのかな。
面白いなあと思う部分と「うーんここしつこい」と思う部分と色々ミックスされていて純粋に超おススメ!とはいいがたいのですが、とにかく変態犬?狂犬?執着犬?度では今まで読んだ小説の中でも間違いなく№1なので、その方面がお好きな方でしたら是非是非。
攻めの達幸はサイコパスな異常者で変態、他の作家さんの作品に出てきたら間違いなく悪役なのですが、読んでいくうちになぜか「人間の振りした犬」に見えてきます。そして常識的に考えると、受けの明良は異常犯罪の被害者なのですが、途中から「最高の飼い主」に見えてきます。
最初は「ヤバイ!頭おかしい!」と思って読んでいても、途中から倫理観が麻痺してきて、忠犬とその飼い主の至高の愛の物語のような気がしなくもなくなるのが、宮緒先生マジックというか、宮緒先生のBL作家としての実力の高さだと思いました。
達幸は作品を通して一貫してヤバいのですが、恐怖に感じる時と笑えてしまう時があって、その落差がすごく面白かったです。