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towa no futari wa unmei wo tsugau
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
夢乃さん作品の『草原の王は花嫁を征服する』→『恋人たちは草原を駆ける夢をみる』に続く民族風BLシリーズの三作目。シリーズもので同じ世界観の作品ではありますが、今作品単体でも読めるかと思います。
草原で馬を放牧している民が住まう世界。
部族をまとめ上げ、東の国境ではとある男が王になり国を纏めはじめた。が、西に住まう自分たちには少し現実味がなく、今日も平和に暮らしている。
そんな部族の民であるユル―は馬の気持ちを理解することに長けていた。腹違いの兄たちはいるが仲はよく、末子の彼は大切に育てられてきた。
そしてユル―には兄たちと同じく、いやもっと近しい人がいる。ドラーンだ。子どものころから兄弟のように育ってきた彼らは、今はともに馬を育てる「同志」になった。子どものころからドラーンのことが大好きで、ドラーンもまた、自分を好ましく思ってくれている。
そう信じていたユル―だったが、一人の馬を買いに来た男の言葉によって、その想いは自分だけの思い込みだったのではと思うようなり―。
民をまとめ始めた王、とか前作を読んでいると気づく部分もありますが、ベースとしてはこの二人のお話なので前作未読でも大丈夫。
ひと言でいうならば、子どもが大人になっていく、成長物語。なんです。今作品は。
けれどそこに夢乃さんのエッセンスが加わることでめっちゃ壮大で愛に溢れた作品に仕上がっています。夢乃作品て割と薄幸な受けさんて多い気がしますが、今作品の受けちゃんはいい感じのお坊ちゃんです。いや、いい意味で。誰からも愛され、保護されている、そんな感じ。
そこからとある出来事を介し、一皮むけて、大人になっていく。もうユル―の可愛さと男気のバランスが秀逸で悶絶しました。
で、攻めのドラーン。
彼もいい男なのよ。うん。
寡黙で、薄幸で、でも彼はユル―がいたからこそ幸せだった。彼が「寡黙」っていうのがポイントですかね。言葉が足りないことですれ違ってしまう。でも、このすれ違いのモダモダが絶妙。ハラハラしつつ萌えもたっぷりなのです。
今シリーズの「馬を並べる関係」。
今作品もそのキーワードが登場しますが、良い言葉だなあとしみじみ思いました。草原で暮らし、馬を大切にしている彼らならではの、愛する人を指し示す言葉でグッときます。
展開としてはシリアス風味というか切ない系なお話ですが、全体を通しては甘々なお話です。二人の愛情がみっちり詰まってるから。で、そこにサマミヤさんの美麗イラストがぴったりくるんですね。儚く、美しく、切なく、でも温かくて。
甘々なお話が読澪たいときにはぴったりな1冊かと思います。
当て馬、っていうのかな。一人のナイスガイと一人のカワイ子ちゃんが登場しますが、彼らのお話も読んでみたいです。
『モンゴル風世界』での『馬を並べる関係』の3組目のお話です。
私、好きなんですよ、このシリーズ。
どのお話にも戦がらみのエピソードが書かれるので、起きている事柄は結構派手めだったりもするんですけれど、お話の印象は地味に感じちゃうんですね。
萌えの種類もそんな感じなんですよ。
「ぎゅーん、ドッカーン!」と萌え滾るのではなく「ジワる」萌えなんです。
これが心地良いの。
血液がサラサラになる感じなの(笑)。
ストレスがたまりがちな姐さま方にお勧めしたいシリーズだと思っております。
今作で強く思ったことは「このシリーズの恋愛観って『誇り』と強く関係しているんだなぁ」ということ。
登場人物は皆それぞれの特技と不得手を持ち、生まれ育ちも重なっていないんですけれど、自分のあり方に矜持を持っている、あるいは矜持を持とうと研鑽している、という点においては同じなんですよ。
このシリーズの根幹になっている『馬を並べる関係』という言葉が示している様に、恋愛は対等で互いに尊敬しあうことが基礎になるものとして書かれていますしね。
たぶんこれが血液をサラサラにしてくれる(再び笑)んだと思うんだよね。
あとね、このお話の世界にはいつも風が吹いているみたいに感じるんです。
この風がね、浄化してくれるんですよ、あたしの中の汚いものを。
血液サラサラだけじゃなく、肩こりとか眼精疲労にも効くような気がするんだよなぁ……続巻を望みます。
モンゴル風民族BL。
攻めは幼い頃からの兄貴分で二人は部族公認のニコイチ。
一度に沢山のことを話す受けと、律儀に一つずつに短い返事を返す寡黙な攻めとの凸凹コンビな会話が楽しい。
全部の答えがYesの時は「ああ」の一言で済ましちゃうのも好き。
二人一緒が当たり前で、まるで二人だけの世界なところに外からの客人が現れて二人の関係に一石を投じる。
客人に嫉妬メラメラな攻めが楽しかった。
外の世界を見聞きしたり、攻めと離れて他の人とも仕事をするようになって、受けが家族や攻めに守り甘やかされていたんだと自覚し成長していく展開も良かった。
そして実は攻めの独占欲が受けの箱入り育ちの原因にもなっていたのに激萌え。
シリーズ3作目だけど新規の別カプの話なので単品で読めます。
先に4作目を読んでしまい、でも逆にムラトがユルーを実は真面目にわりと本気で口説いたり申し込んどったんかーい!とツッコミたくなりました。
このお話がシリーズで一番萌えました。
ユルーの心模様というか気持ちが、どんどん変化して迷って悩んで嫉妬して別れて成長して…。ムラトの登場で真の馬を並べる関係を築くきっかけになりましたね。
ユルーの全てはドラーンで。二人で馬を世話して幸せな毎日で。
でもドラーンよ、言葉が足りなすぎるよ!
初エッチもお前がのぞむならって、まあ誤解もあったけどそんな言い方もちょっとひっかかります。
でもでもドラーンの気持ちがわかると、なんてことでしょう!とっても萌えるんですよ!
ムラトが言い当てたような保護者と被保護者みたいな関係。ドラーンに甘えてドラーンしか見てないユルー。それはドラーンの狙い通りだったようで…。
切なかったのにねえ、ユルー。良かったねえ。やっと対等になれたかな。
なんかこちらのお話の方が集大成っぽい気がします。
シリーズ作品とは知らず手に取りましたが、この作品単体だけでも読むことができました。
民族BLかな。雰囲気的には中国北方の辺りかなーなんて想像しながら読みました。
すれ違いと誤解満載のラブストーリーです。
ユルーとドラーンは「馬を並べる関係」といって、恋人に近い相方のような信頼し合う特別な関係。ぶっちゃけ皆に公認の良い仲。
それがムラトという馬の仲買人(ユルーに言い寄る当て馬)によって、2人のそれまでの心地よいバランスが崩れていくことになります。
それに加えて、ドラーンが面倒をみている少年・ゾンにユルーは嫉妬し、それにより仕事で失敗したことで、2人の間には深い溝が出来てしまうことになります。
最初はすごく素敵な関係だったのに、「馬を並べる関係」が崩れていく展開は悲しくてしんどい。ようやく身体も繋げることが出来た矢先のことで、正直読むテンションも下がりました。
まあ、でも。そのあと盛大なすれ違いの誤解が解けていくので、ここは我慢して読んでいけば必ず報われますのでご安心下さい。
ユルーとドラーンが元サヤに収まるってだけのお話なんですが、でも最初と最後で違うのは「馬を並べる関係」に本当の意味で辿り着いたかどうかです。
最初の2人の関係は「馬を並べる関係」のように見えていただけ。嫉妬して相手の思いを信用できず揺らぐくらいですから、本当の意味での「馬を並べる関係」ではなかったということです。当て馬の存在くらい余裕でかわしておかないとならんのですよね^^
なので、2人には色々あったけど本来の「馬を並べる関係」になることが出来た。というか気付かされたのかな、当て馬くんに(笑)
誤解とすれ違いの紐解きが、それはもう固結び。よくもこの2人ここまで誤解したなーって感じです。
誤解と真実の答え合わせをしたら、あとはスッキリ。言葉にしないから分からないけど、2人ともお互いのことが大好きなんですよね^^。
最後はあまーい2人に満足でした。
「草原シリーズ」は、アジアの草原が舞台、夢乃先生の作品の中で一番面白いファンタジーだと思う。
セルーン達は、常に各巻に登場。
どの巻でも、草原を走る場面が魅力的。
三番目の今作は、馬を管理する二人が主役。
余計なことを言うムラトは、4作目の主役キャラ。
① 草原の王は花嫁を征服する 2020年2月 ソリルxセルーン
⓶ 恋人たちは草原を駆ける夢をみる 2021年3月 オーリxハワル
③ 永遠の二人は運命を番う 2021年10月 ドラーンxユル―
④ 金の比翼は世界の彼方に 2022年3月 ムラトxアルトゥ
だいぶ前に読了、評価のみだったのでレビューを投稿。
先生買い。「草原の王は花嫁を征服する」「恋人たちは草原を駆ける夢をみる」に続くシリーズ3作目で、前2作の登場人物もちょこっと出てきますが単独読み可だと思います。馬の様子や草原の民(チベット等を想像)の生活の様子等が気になる方、前2作がお好きだった方でしたら、良いと思います。本編270Pほど+後日談(サブキャラ視点)6P+あとがき。
草原の中で最も北西に位置する部族、そこの有力者の末っ子として生まれ、可愛がられてきたユル―。7歳上のドラーンと二人で、部族が持つ一番良い馬の群れを任されています。二人は「馬を並べる関係だ」と見做されていましたが、ある日その二人の元を馬の仲買人という男が訪れて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
ムラト(仲買人)、ゾン(部族の顔見知りの少年)、ソリル、セルーン(1作目カプ)、オーリ(2作目攻め)、チャガン、フンディ、アルサラン(攻め受けのワンコ、愛馬)等。動物たち割合頑張る。
++攻め受けについて
動物の心情を察知するのに長けているという特技持ちの受けさんです。(かなり羨ましい)それで部族の皆に一目置いてもらっているのですが、ぐるぐる悩んでます。ずっと攻めさんと一緒だったからなんの疑問も持ってなかったのに、ムラトが「世界は広いぜ」「それでいいのか」的掻きまわしをするもんですから、ぐるぐる大変。まっすぐ純粋な美人さんだから、ちょっと気の毒でした。まあ「雨降って地固まる」なので、良いですが。
攻めさんが表情すくなそう、言葉少なそうな方。高〇健さんタイプは大好きですが、もうちょっと言葉態度の端々に、受けに対する愛情ってのが見えていた方が安心できます。ちょっと足りなかったので、萌え上がれなかったでした。恋話としては切なくってきっとめっちゃ好きと思う人はいるんじゃないかな。
草原や動物たち、生活の様子等は変わらず興味深いのですが、カプ二人の心情にあまり寄り添えず萌えあがりが少し少なかった一冊でした。