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ただ、シルヴァンさまの側に、いたいんです……!
henreki no kishi to nakimushiryu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
夢乃さん作品はスパダリ攻め×薄幸・健気受け、のイメージが個人的に強いのですが、今作品のそのイメージを損なうことのない作品でした。
そこにCielさんの美麗イラストとか…。もう最高。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
ドラゴンと人間が共存する世界が舞台。
人間に対抗意識を持ち襲ってくるドラゴンもいれば、人間(騎士)と契約を結び騎士と共に闘うドラゴンもいる。
一匹の子どものドラゴンがいた。
彼に親はなく群れの中で生きてきたが、彼がいた群れのドラゴンたちは粗暴でいじめられることも多かった。
そんな彼に言葉をかけたのは一匹の年老いたドラゴン。
群れを出て自分が尊敬する騎士と契約し、ドラゴンとして正しく生きなさい。
そう諭された彼は、自分が理想とする騎士を求めて群れを飛び出した。が、何を食べても美味しくなく餓死寸前。このまま死んでしまうのか…、と思っていた彼に声をかけてくれたのは、彼が「理想」とする騎士そのものの人物だった。
その騎士・シルヴァンに、自分と契約し一緒に連れて行って欲しいと懇願するがシルヴァンには断られてしまう。契約ドラゴンにはしないが、人型になれば人間の従者としてついてきても良い、と言われたその子ドラゴンはシルヴァンに「フォンス」という名をもらい、従者としてシルヴァンと共に旅に出るが―。
というお話。
シルヴァンという騎士が、めちゃめちゃカッコいいです。
騎士としての能力も高くイケメンさん。ですが、彼のカッコよさの根源は彼の持つ優しさです。
他者への優しさとか思いやりに溢れていて、それをそうと感じさせない強さを持つ青年。そんなシルヴァンに強く惹かれてしまうフォンスの想いに激しく共感してしまう。
遍歴の騎士として己を鍛えながら旅をするシルヴァンと、そのシルヴァンに契約ドラゴンにしてほしいフォンス。どちらも可愛いし、カッコいい。
で、今作品のキモは、フォンスがシルヴァンの契約ドラゴンになれるのか、という部分。シルヴァンはフォンスを契約ドラゴンにはしてくれませんが、それには理由があってー。
騎士とドラゴンが闘い、騎士が勝つと契約ドラゴンとしてドラゴンを従えることができる。そしてそれは、騎士にとって誉れなことでもある。なのになぜシルヴァンはフォンスと契約しないのか。
強さで、武力で相手を従えさせることが、双方にとっていいことなのか?
シルヴァンは騎士として方々で助けを求められます。常に闘いのお話ではあります。が、ベースとしては意外なほどほのぼのです。シルヴァンの強さが異次元というか負けなしの強さ、ということが一つ。
そしてもう一点。
もうね、フォンスが可愛いんですよ。シルヴァンのことが好きで好きで。シルヴァンの役に立ちたくて必死なの。そしてそこに加わるのがシルヴァンの愛馬・ボウ。ボウもまた、シルヴァンのことを慕い、シルヴァンに尽くす。そんなボウとフォンスはお話ができるんですね。彼らのやり取りがまた可愛くって癒されます。
シルヴァンの契約ドラゴンを持ちたくない理由。
フォンスはシルヴァンの契約ドラゴンになれるのか。
そして、フォンスの素性の謎は。
そこを解き明かしながら進むストーリー。お互いに足りない部分を補い合いながら少しずつ心を通わせていく展開で、非常に面白く、萌える、そんなお話でした。
フォンスはシルヴァンの契約ドラゴンになれるのか?という部分を軸にしながらも、少しずつ心通わせ愛情を育てていく二人の姿に萌えが滾りました。
で。
そこに華を添えるのがCielさんの挿絵。
綺麗です。
美しいです。
素晴らしいです。
騎士×ドラゴンというめちゃ萌える世界観を見事に描き切っています。
設定良し、ストーリー良し、挿絵良し。
めちゃめちゃ良かったー!
可愛かったフォンスが美しく妖艶なドラゴンになる様にもめちゃめちゃ萌えました。
既刊本のタイトルに記憶が無かったので、夢乃先生の作品はたぶん初読みです。どうして今まで読んで無かったんだろうと後悔するくらいに、好みの文章を書かれる作家さまでした。
こちらの本はたまたまあらすじに惹かれて購入したのですが、とても好みの文章とストーリー展開にページを捲る手が止まりませんでした。
まず騎士シルヴァンが素敵なんですよ。
口数が少なくて一見無愛想なんですが、不器用なだけで本当は心優しいんです。
自分が間違っていたと知ると謝罪して、気付かせてくれた事に感謝もする柔らかい心を持った人なんです。
そしてシルヴァンに名前を付けて貰ったフォンス、彼は自分がどうして騎士の契約竜になりたいかをシルヴァンに出会って旅をするうちに考える様になるのです。
途中途中のシルヴァンの騎士としての義務を果たす様子や活躍、村人達への気遣いなど騎士と従者としての関係が続くので全然甘さはありません。むしろラブに発展するかも謎でした。
そして立ち寄った街での契約竜を連れた騎士との出会いによって、シルヴァンが契約竜を持たない理由をフォンスは知ることになるのです。
ここから怒涛の展開になってワクワクが止まらなくなります。
思いがけない闘いに巻き込まれて離れ離れになる二人、そしてフォンスの本来の姿、後に明かされるフォンスの出自などなど、これぞファンタジーBLの真髄とも呼べる内容でした。
ちゃんとラブになってるのでご安心ください。数は少ない分濃厚でした。
驚くべき事にこちらの文庫はそんなに厚く無いんです。それなのに何冊も読んだような気持ちになりました。
何故なら構成力と無駄の無い文章が秀逸なんです。是非お勧めします。
先生買い。泣き虫にイラッとするかな?と思いましたが、めちゃ清らか系だったので良かったでした!ただ攻めにあんまり恋しなかったので、萌にしました。本編280Pほど+あとがき。小冊子のお話がすごく好きだったので、もし購入を検討している方でしたら、小冊子付をご検討ください。
無法ドラゴンの群れから離れ、一人ご主人様になる人間を探していたチビドラゴン。だんだん弱ってきて泉のほとりで行き倒れていたら、理想どんぴしゃの騎士が助けてくれたのですが、その騎士には「それは無理だ」と断られ・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物?は
ボウ(攻めの馬)、ポー(受けの馬)、マルティン+シリカ(攻めの知り合いの騎士+その契約ドラゴン)、その他ドラゴン少々。マルティンとシリカが小冊子のお話の主人公になります!良かったの、このお話。
++攻め受けについて
攻めはコミュ障な感じの方ですが、優しさを持ち合わせています。受けを溺愛するという感じを全面的に出してきている訳ではないし、カッコいいーと感じるシーンもあまりなく、それで攻めさんに♡にならなかったのかな。
受けはまあよく泣く竜ちゃん。人型でも竜型でもぽろぽろ涙をこぼして、それが手に取ったら真珠になるんちゃうのという感じの綺麗な涙なんです。だからかな、「泣くな!」というイラつきは感じなかったでした。純粋まっすぐ健気な竜ちゃんです。夢乃先生の既刊がお好きな方でしたら安心しておススメできます。
お話は王道、受けのピュアピュア竜ちゃんが可愛かったので、攻めさんに惚れられなかったのがちょっと残念だったかなと思う一冊でした。
良いお話でした。
親もおらず気がつけば無法ドラゴンの群れにいて苛められ、老ドラゴンの言葉に感銘を受け主人探しの旅に出て…。
シルヴァン、良い騎士ですね。でもドラゴンと契約する気はなくて。素っ気なくでもフォンスを助けて共にしてくれて。
なぜシルヴァンは契約しないのか?フォンスはシルヴァンのそばにいつまでいられるのか?そもそも契約することがフォンスにとって良いことなのか?ドラゴンにどんな生き方があるのか?
旅を続けるうちに世界を見て学んでいくフォンス。やがて騎士に招集がかかり戦いが始まると…。
フォンスがシルヴァンを慕う気持ち、助けたいそばにいたい触れたいと湧き出す感情。
フォンスがもし大人の美しい青年に変身しなかったらシルヴァンはどうだったのか?
いや、そういう問題ではないのかな?
ここがよくわからなくて。フォンスを愛してくれたのか、美しくなって自分を包んでくれて助けてくれたからなのか?
契約について無理に結ぼうと誘惑したと誤解したから?
フォンスがとっても健気で一生懸命で頑張り屋さんで。シルヴァンは良くしてくれたけど姿が変わった途端に…。え?どゆこと?
その辺りが読み解けなかったです。