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hutsu ni koi shite
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
はぁ〜〜〜、小説とドラマを合わせたかのような充足感に満ちた読後感でした。
カバーイラストのイメージから思いっきりタイトルの意味するところをミスリードされてしまったので、ストーリーが進むにつれてどんどん前のめりに…!
地味でさえない上司が、ハイスペ年下部下にロックオンされて溺愛…みたいな、よくあるやつかな〜なんて想像していたのですが、不運続きの派遣社員が、独立起業を控えた有能モテモテ上司からスカウトされて…という、予想を裏切る展開。
人に嫌われるのもしんどいけど、好かれすぎるのも難儀なものですね…。幼い頃から自分が関わる人にことごとく好かれてしまう特異体質な須波田は、いつしか意識的に傍観者としてのスタンスを選んで生きるようになりました。だからか、海外ドラマを観るのが大好き。ドラマの中でキャラと同じような擬似体験をすることが唯一の慰めだったのかな。
そんな須波田に引き抜きを持ちかけられた普川は、どう頑張っても特別な人間になれないと諦観してきた男。取り柄は背が高いくらいで、ツカミはいいだけにその後の「で?」に、何度も落ち込んできただろう過去が窺えます。その他大勢でいることに足掻いていた普川が、普通になりたいと願う須波田との出会いによって意識が変わっていく、その過程が丁寧に描かれています。
やっぱり、誰かのことを気にかけることから始まるラブストーリーっていいですね。普川みたいな男性、地味かもしれないけどめちゃくちゃ好物件。恵まれすぎている須波田は、人を見る目も高かった笑
須波田の一家は皆デキる方たちのようで、倫次には兄の利一と弟の理央がいます。特に利一は倫次を理解し庇護してくれている存在。それぞれに兄弟思いで、自分たちの身を守るために弁護士業を選んだ利一には恐れ入ります…。ハイスペ人種は人を助けはすれど、当てにしたり依存しないので、そりゃ好かれるわけだと説得力がありました。須波田家の全BL展開が見てみたい気もします笑
こんなに人々の心の機微をさりげなく描いたBLラブは貴重。読み終えたら、こちらもこそばゆいほどハッピーに、そして優しい気持ちになれること間違いなし!です。
作者様の過去作『ポラリス』シリーズが以前からずっと気になっていたのですが、すぐに購入し、その優しい作風に癒されました。
ちるちるさんの試し読みで読んでみて面白そうだな~と買ってみました。お初の作家さんだったんですが、テラシマ先生自身、コミックス発行はお久しぶりなんですね。
主人公は平凡な派遣リーマン普川くん。「派遣」というところがまずポイント。
正社員でない男性はなかなか肩身が狭い。色んな不運が重なって何とか派遣として会社勤めしているけれども、周りの正社員の男性からは馬鹿にされがち。それでも、いつかは正社員に…と頑張る日々。
そんな普川くんの会社には、みんな一目置く須波田(すぱだ)さんという男性社員が居る。かっこよくて仕事も出来て出世コースまっしぐらな、普川くんからしてみれば別世界の人。なのにある日突然、須波田さんから、自身が起こす会社に来てくれないかと誘われてーというお話。
その試し読みの時に、普川、須波田なんてダジャレのような名づけを見て「え、これはギャグなのか…?」と一瞬躊躇(苦笑)。なんですが、いやー全然。淡々としていて、でもコミカルで、真っ直ぐで、素敵なラブストーリーでした。
受にあたる須波田さん。元居た会社の人からは「現代のスパダリって感じ」と噂されていたけども、実際に近付くと全然そんな事はない、ある意味普通の人。料理出来ない、仕事以外は何処かぽやーんとして天然、海外ドラマに嵌ってワクワクしちゃう、と、何だか「かわいい」。ただ1つ彼が特殊なのは、異常なほど誰からも好かれてしまい、その結果自分の周りはやけに物々しくて、だから彼自身自分を守る為に、誰にも近付き過ぎない、としていた、少し孤独な人。
そんな須波田さんが何故普川くんを会社に誘ったかは読んでいただきたいんですが、須波田さんにとって普川くんは、自分を特別扱いしない人だった。須波田さんは特別だから~なんて、区別するんじゃなく、ただ偶々近くにいた人だったから、なんていう、「誰でもよかった」みたいな扱いをされる、まあある意味失礼だけど、ある意味では自分と他人が何にも特別に区別されていない「普通の」フラットな態度で接してくれたっていうのが、須波田さんにとっては逆に「特別」だったということが丁寧に描かれています。
誰にも近付き過ぎないようにしていた須波田さんにとって誰かを特別視する、つまり「恋をする」っていうことは特別なことで、でも「恋をする」って、言ってみればみんな当たり前にするような「普通のこと」。須波田さんにとって初めての恋は特別で、でもみんながしている恋人同士の触れ合いが「普通」になればいいな、という…ちょっと書いてて上手く伝わらないだろうなあというのがもどかしいのですが、そんな様子が凄く可愛くて微笑ましくて、ほのぼのします。
特別ドラマチックなシーンは無いのですが、この「普通感」がいいんだよ!と言いたくなる作品でした。上手く伝わらないので、読んでほしい…!
主人公としては普川くんの方ではあるんですが、須波田さんの心の動きも描かれているので、両想いになっていく過程をほのぼのとした気持ちで読めます。
そして取り敢えず言っときたい。実際スパダリなのは、須波田さんちの長男である。にーちゃんとちび須波田さんの様子、可愛いぞ…。
ほわっ!懐かしい作家さん…最初気付かず、関連作品で気付きました。以前から絵がシャープでキレイでしたが、さらに洗練されている感じがしました。
今作はリーマンラブ。普通、普通と言われ続けた普通の男、普川。対して子どもの頃のから自分の意に反して特別視されてきた須波田。いわゆる平凡×美形のカップルですね。
今まで散々特別視されてきて、ストーカーなど警察沙汰も日常茶飯事な須波田は、誰に対してもフラット、ニュートラルでいられる普川と一緒にいることが心地よくなってきます。初めて誰かの特別になりたいと思うのが、まさかの初恋とは(笑)
そして、須波田のために普通でいたいのに特別に想ってしまうことをやめられない普川。ベクトルは向き合ってるのに変な方向に向かっていくという若干のもだもだがありますが、普通と特別に憧れる二人が、お互いに普通と特別を手にいれたのかなと思います。
エロは少なく、ほのぼのふんわりとした優しいBLでした。もだキュン好きにオススメ。私としては両片想いのもっと切ない感じも見たかったです。
あと、ネーミングセンス(笑)須波田 = スパダでスパダリ(笑)でも須波田さんはスパダリっていうよりクールビューティーですかね。人を勘違いさせないように塩対応に徹するところとか。スパダリはやっぱ向かってくる信者を篭絡しつつちぎっては投げ、くらいしてくれないと。
普川くんはモブよりちょっと顔がいい。もっとモブでもいい!
「普通」と「特別」の狭間で恋をする優しい物語。
良い話であるけれど私的にはサラッと読めちゃって特に何も刺さらなかった。残念。友人に貸すとドツボったので譲った。自分で持ってるより好きだと言ってくれる人が持ってる方が良いものねb