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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
宮本佳野さん特有の繊細系物語。
宮本さんの作品は「ネームオブラブ」や「FLOWERS」などにも見られるように、ノンケがいてゲイがいてそこにまた別の人々が絡んで、みたいな物語が多い。それが修羅場とかそういうのではなくて、寂しさゆえに触れ合ったり、また何かを恐れて離れたり、そんな「揺らぎ」のようなもの、人は1人ではいられない、そういう人間の弱さ、脆さ、ずるさ、そしてある種の逞しさを繊細に描く。
それが宮本さんの作風だと思う。
さて、本作。
主人公・ユキ(高校生)は、ゲイである事に悩み、クラスメイトに恋して絶望し、二丁目を制服のままフラついて、優しそうな男に付いて行き、そして初体験…
そんなユキと、ユキを抱いたヒカル、ユキの想い人・天鳥(アトリ)の物語です。
ユキは一見気弱で、繊細で、不安定で、という弱い存在のように見えます。ですが一方で衝動的にゲイである事をカムアウトしたり、嘘が嫌になって天鳥に突然告ったりと、どこか吹っ切れたような一種の強さをも感じさせる人物。
ユキが強さを持ち始めるのは、始まりは行きずりのヒカルとの関係性によるのではないでしょうか。
26才のヒカルは決してユキを突き放さず、ユキの寂しさ、苦しさ、生き辛さを共有してくれるような存在。(ヒカルも徐々にユキに本気になりますが、この1巻ではその辺の描写は特にありません。)
天鳥の方もユキの存在、ヒカルの言葉で色々と価値観に揺らぎが巻き起こります。
人と人の関係性。関わりによって起きる揺らぎや波紋。
地味かもしれない。暗いかもしれない。でも宮本佳野さんの作品はこんなにも心に響いてきます。
私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews
で教えていただいたのがこちらの一冊。
同級生のアトリに恋をするゲイのユキ。
男が好きな自分は異常だと悩み続けて、中学生の時に自殺を図ったこともある。
アトリへの思いにキリをつけたい衝動にかられたのか、2丁目へ制服のまま初めて出向き、出会ったヒカルと寝てしまう。
その後もアトリへの恋心は捨てきれないけど、優しいヒカルと一緒にいると嫌な事も忘れるのでついつい甘えてしまうユキ。
ヒカルは最初、チャラっとしたキャラクターかと思ってたけど、違いました。
ユキに好きな人がいることを知ってるけど、危なかしいユキを放ってはおけず一緒にいます。
ユキの不安定さも含めてそっと包み込むような優しさで接して、決して結論を急かさない。
それによってユキ自身が自ら回答を出すのを待っています。
でも深刻になりすぎず、そこがいい感じ。
ユキから突然告白されたアトリ。ヒカルとユキがまるで恋人のようなやり取りをしていてうらやましいと思っていたのに、ヒカルは恋人ではないと告げられる。そしてその直後にユキから告白されてしまうけど、自分の事が好きなのに他の男と寝ているユキに混乱し突き放してしまう。
ユキの心の不安定さ、他の登場人物の揺れ動き、自分でも気持ちの整理がつかないモヤモヤとした葛藤、掴めそうで掴めないもの、そういう言語化したいけどできない、形にならないものが丁寧に繊細に描かれていました。
なので、ものすごく読み応えがあります。
漫画なんだけど、小説を読んだ時のような頭の使い方、頭の疲れ方(褒め言葉です)をする一冊でした。
登場人物1人1人の心理描写を丁寧に描いており、恋愛漫画なんだけど、ヒューマンドラマ的なお話です。甘~いBLって感じではないです。
重くはないんだけど、ゲイである事やそのことについて周りの反応や本人の葛藤が描かれています。
主人公のユキはゲイであり、そのことで長年悩み、命を絶とうとしたこともあって、じぶんはひとりだとおもいこんでいます。
ノンケの友人を好きになり思い悩んだ揚句、衝動的にタカが外れて見知らぬ相手にと寝てしまいます。
天鳥への気持ちをふっ切るため誰でもよかったユキですが、その相手のヒカルが、忘れ物を届けに来たくれたことがきっかけで、ヒカルは彼氏だと言ってしまい周りの友人に自分がゲイであるとカミングアウト。
そこから天鳥との関係がゆっくり変わっていきます。
天鳥は、ユキとヒカルが真剣に付き合ってるなら構わないんじゃないかと拒絶反応は見せませんが、ユキが本当に好きなのは天鳥で…という、友情と恋愛、ノンケとゲイをテーマにした、三角関係ではないんだけどなかなか複雑なお話でした。
ゲイが本当に好きな相手とうまく行くことはほとんどないから、代わりに慰めあう相手を探すんだというユキ言い分が、ノンケである天鳥には伝わらない。
(好きな人としか寝ないのが当たり前なんじゃという天鳥の言い分もまっとうなんですが)
ヒカルの存在がすごく優しくて大きいです。
チャラチャラして見えるんだけど、何だかんだでいろんな経験をしてきたんじゃないかなと思います。自殺未遂の経験があるユキに対しても、ユキの本心を知って悩む天鳥に対しても、さりげなくフォローしてくれる。
結局どうするか、ユキが自分で選んで動き出さないといけない・・・というお話。
これからもこの先もずっと1人だと思っていたユキがどうなるかはユキが選ばないといけなかったわけです。ヒカルが少し指針を与えてくれたような感じです。
まだ走り出したばかりという初々しい感じもしますが、未来の見える素敵な作品でした。
すごく説得力があるし、ユキの心情にぐいぐい引き込まれていきます。
続刊が出ていますが、この2人の関係は一応ここで一区切りついたので続きがないとわからない!てお話ではないです。
昔の作品を再販として、まとめたものなので絵柄が少し古い感じもしますが、おすすめしたい作品です。
どこかに本当に存在しそうなお話。男同士の恋愛を身近に感じることができるというか。
おとなしめの高校生・ユキは友人の天鳥に恋心を抱きつつも、そんな自分の性癖を悩んでいる。そんな気持ちに折り合いをつけようと、2丁目で出会ったヒカルと一夜を共に。
ヒカルは一見、遊んでいそうなイケメンなんですが、すごくまっとうで、自棄になりかけているユキをやさしく包み込んでくれる大人の男で、とても好感が持てました。それは、ユキに惹かれていたという部分もあったからかもしれないけど。外見はちょっとチャラっとしていても、言動や行動がまじめな青年、いいです。
二人の関係が天鳥にばれてしまうも、お互いを想い合っている二人に違和感はなく、普通に恋人同士なんだぁと受け入れてもらってるので、そこらへんの葛藤はあまりなかったのでよかった。(ゲイ嫌いの友人とかが出てきたりすると、ややこしくなったり、軋轢が生まれたりと、段々当事者がかわいそうになってきちゃうお話しってあるじゃないですか)ユキが天鳥にカミングアウトしちゃってからは、気まずくなったりもしますが。
ヒカルとユキがどんなに理想の恋人に見えても、実際ユキが好きなのは天鳥。それを知りつつも、どんどんユキに惹かれていたヒカルは、いい大人を演じているというか、ユキの気持ちが優先で、自分は二の次と考えているようなところがすごく健気で、年下に振り回されているところがかわいかった。
ええ、でもこのシリーズは3巻まで出ているので、まだまだ序の口!トオルも出てきて、天鳥とどう絡んでくるのか、そして、ヒカルとユキの関係はどうなっていくのか、楽しみです☆
ん~、でもBLでくくっちゃうのはちょっともったいないような作品。
友達にいきなり2巻だけ貸されて、絵はあんまり好きじゃないかな~と
思ってましたが、お話は面白い…と言うか引き込まれる感じ。
結局自分で1巻と3巻を買いました(笑)
ゲイの高校生ユキと、その友達の天鳥のお話。
ユキは天鳥に恋心を抱いているが、打ち明けられず、
その想いを振り切るためか、2丁目で知り合ったヒカルと関係してしまう。
ある日2人の前に現れたヒカルを「彼氏で、自分はゲイだ」と
衝動的にカミングアウト。
ユキがゲイだと言う事を真摯に受け止め、ユキとヒカルを
恋人同士と勘違いして、うらやましがる天鳥。
そんな天鳥に、実は好きなのは天鳥だと打ち明けてしまう…。
ユキも天鳥もテンパリ気味。
一見チャラく見えるヒカルさんも実はがいいお兄さん?(笑)
うまく2人をサポートしてます
ハイドラ→ラバーズ・ソウルズ→ルールズと続く、長い物語のルールズ編第1巻
ハイドラで高校生だった平良ヒカルが、すべての愛憎がもう過去になった大人の状態で登場。
新たに始まる、高校生ユキとアトリの物語、
ユキとヒカルの出会い編です。
同級生のアトリが好きなユキ、
同性を好きになることに悩んでいたユキは、アトリへの思いを振り切るために、処女を捨てることを決行します。
二丁目で、ヒカルにたまたま助けられたのをきっかけに、初めて男とセックスしたユキ
ヒカルはそんなユキが気になって、、、
ユキは、ヒカルと付き合うようになって、少しずつ、ゲイの自分をを認められるようになります。
そして、ユキは、ヒカルとのキスを見てもふつうに接してくれたアトリに、つい、「ずっと好きだった」と告白してしまいます。
ハイドラでずっとジリジリ縺れた関係を続けていたヒカルさん、
大人です。
だからといって、高校生・ユキと余裕で付き合えるかというと、それはまた別の話。
アトリ、トオルも絡んで、物語は進んでいきます。