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kemono no gochisou
作家買い。
田中森さんにしては珍しく、と言って良いでしょう。今作品は3Pものです。
肉食動物のスウは、ある日、小さな草食動物の子どもたちを見つける。親もおらず、怪我をして泣きながら震えているその子どもたち・シャオルとミクを放っておけなかったスウは家に連れて帰り、それからずっと一緒にいる。
肉食動物でありながら肉を食べず、シャオルとミクに合わせて植物だけを食べるようにし、ずっと二人の子どもたちを守ってきた。シャオルとミクを守ることがスウの生きがい。が、大人になった二人に、スウは抱かれるようになってしまって―。
ずっと庇護し、育ててきた可愛い子ども、だった攻めさんに執着され抱かれてしまう受けさん、って珍しくない展開ですが、そこに田中森さんのエッセンスが加わることで一気に独特な世界観を放つ作品に仕上がるんだなあ、と感心しました。
スウは肉食動物、シャオルとミクは草食動物、と書かれていますが、実際何の動物かまでは書かれていません。ぱっと見、スウが狼でシャオルたちが兎かな…?という感じ。
身体を震わせ泣いている小さい時のシャオルとミクは庇護欲を掻き立てられる可愛さと儚さがありますし、その二人を放っておけずに育ててきたスウのイケメンっぷりとそれに相反するように抱かれる時の艶っぽさがスウの魅力を何倍にもしている感じ。
スウに恋焦がれ、誰にも渡したくなくて二人で抱いてしまったシャオルとミク。
その二人の想いに全く気付いておらず単なる欲求の発散だと思っているスウ。
彼らの間の温度差がまた良い。彼らの均衡が崩れてしまうのはいつなのか…。
そして、今作品にはもう1CP登場します。
スウと同種の、ダイヤ。
何かとスウたちにちょっかいを出すダイヤですが、それがなぜなのか、はスウには全く伝わっていない。
そして、そのダイヤがともに暮らしている草食動物のハッカ。
こちらのCPも良い…!
同人誌で購入したのでお値段はちょっとお高めでした。でも、R18仕様になっていて修正が最低限なのはさすが。電子だとR18ではないものもあるようなので、購入時にきちんと確認された方が良いかもしれません。大人の方はどちらでもお好みの方で。
田中森さんは、その可愛らしい絵柄に相反するようにドシリアスな作品をよく描かれるイメージがありますが、今作品はシリアス度はさほど高くありません。痛い展開、というよりはほのぼのと切なさの方が勝っている感じ。
これ、ぜひとも続編を描いてほしいです。
そして商業誌でも刊行して欲しいです。できればR18で。
ケモ耳、3Pともしかしたら苦手な方もいらっしゃるかな?
でも、個人的にはドツボに突き刺さる神作品でした。