「極道さん」シリーズの佐倉温、最新作! 天才御曹司×見鬼の才をもつ青年

神楽坂様、初恋の謎解きのお時間です

kagurazakasama hatsukoi no nazotoki no ojikan desu

神楽坂様、初恋の謎解きのお時間です
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×215
  • 萌6
  • 中立5
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
9
得点
113
評価数
34
平均
3.5 / 5
神率
17.6%
著者
佐倉温 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784041116807

あらすじ

「極道さん」シリーズの佐倉温が贈る、幼馴染のこじらせ初恋BL!

卓越した頭脳を持つ御曹司・神楽坂全。この完璧な幼馴染を持つ穂高は、人の魂が宿った物を取り扱う骨董店の店主だ。全は会うたびに「穂高、好きだ」と告げてくるが、穂高は過去のある事が原因で好意を受け取る資格がないと思い込んでいた。ある時、形見だというアンティークチェアを引き取るが、椅子には生前の記憶を失った青年・総一郎が憑いていた。死んだ理由を知りたいと訴える総一郎のために、穂高は全に相談を持ちかけ、総一郎に秘密の恋人がいたことを突き止めるが…?

表題作神楽坂様、初恋の謎解きのお時間です

神楽坂家の現当主の御曹司
御縁骨董店の7代目

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数9

いい意味で、王道の良さが生きている。

人気シリーズを抱える実力・人気共に高い作家さまですが、実は佐倉さん、初読み。が、麻々原さんホイホイされました。表紙が美麗すぎる!

ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。






祖父から「御縁骨董店」を引き継ぎ7代目となった穂高。
「御縁骨董店」で取り扱うものの中に、付喪神がいる。祖父と穂高には見える彼らに対して、今日も二人は敬意を払っている。

そしてもう一匹。
見た目はタヌキ、けれど本当は神様の虎王。
穂高の日常は、彼らに囲まれいつもでにぎやかだ。

そんな穂高には全というハイスペック男子の幼馴染がいる。良いところのお坊ちゃんで、イケメンで有能。そんな全は、いつも穂高に愛をささやくが穂高はそれを受け取る事はしない。それには理由があってー。

というお話。

頭脳明晰、ゆえに警察からも事件捜査の依頼が来るほどの人物・全。
優しく穏やか、見えざる者、も見える穂高。
この二人が、持ち込まれた椅子に憑いていた総一郎という男性と出会い、「自分が死んだ理由・経緯を知りたい」という総一郎の意向を受ける形で過去の事故について調べ始めるが―。

総一郎の死因を調べるというミステリの側面を持ちながら、穂高と全の過去、二人が抱える秘密、そして付喪神や神、そういったものが複雑に絡みながら進むストーリーです。

バックボーンとしてはかなり多いです。
さらに言うと、全の人となりとか、穂高の抱えるもの、とか、正直に言ってしまうと既視感ありありな、そんな展開。が、それらがきちんとつながっていくその展開はさすがとしか言いようがない。

全×穂高の恋も、幼馴染からの、すれ違い、思い込み、といった王道と言える展開なのです。が、その王道感が上手に生きてる、っていうのかな。先が読める展開でありながら、それを遥かに超える文章力で紡がれていく展開でハラハラしつつページを捲る手が止められませんでした。

全のスパダリ感は、もうこれぞBLという感じ。
彼は子どもの時からずっと穂高一筋。ぶれることのない深い愛情は、多くの腐姐さまの萌えを呼びそうです。

彼らを支えるイケオジたちがこれまたカッコいいの。
全に仕える執事さんと、穂高のおじいちゃん。
イケオジ好きな方にもきっと楽しめる、そんなナイスなオジサマたちです。

全が事件を解決するといった側面も持ち合わせているので、続編とか沢山書けそう。ということで、ぜひともシリーズ化していただきたいと思います。

麻々原さんの挿絵はね、今巻も麗しい!
今作のイメージ通りのイラストで、萌え度は確実に上がりました。

6

失えない存在のために

今回は卓越した頭脳を持つ神楽坂家当主と
幼馴染である骨董店店主のお話です。 

受様が骨董品についた付喪神を成仏されようとして
彼の過去に関わる殺人事件を攻様が解決するまで。

受様の生家である御縁家は
代々不思議な能力で未練や執着を持つ付喪神の魂を
鎮める事をお役目をしてきました。

受様は物心ついた時から
人には見えない付喪神と関わって育ち、
大学卒業と同時に祖父から正式に店主を引き継ぎます。

受様の両親は受様が小学生の時に交通事故死しますが
その事故では幼馴染である攻様の両親も
亡くなっていました。

攻様は卓越した頭脳でいつくかの博士号と特許を持ち、
時々は警察の捜査にも協力する神楽坂家の当主で

冷たいほどの美貌と鍛えられた身体を持ち
高校時代にはミスターパーフェクトと
あだ名がつくほど完璧な男です。

神楽坂家の先祖はある付喪神をご神体として祀り
守護神を得た神楽坂家は繁栄を続けますが
神成りした守護神は愚行を犯して
狸に憑依して出られなくなってしまいます。

そして攻様が両親の死で当主となった時、
ペットだと思っていた狸が守護神と知った攻様は
守護神と犬猿の仲になるのです。

怒った守護神は受様宅に家出し
その時に受様のある秘密を知った事で
そのまま受様宅に身を寄せる事になるのです。

攻様は自分の見たものしか信じない性格ですが
受様が攻様に見えない付喪神のトラブルに巻き込まれ以来、
様々なトラブルを解決する手助けをしてくれます。

今回受様は夫を亡くしたばかりの女性から
アンティークチェアの買取依頼を受けますが

その椅子には自殺した彼女の息子が
付喪神となってついていた事から
受様は攻様の力を借りて彼を成仏させようと
奔走することになります。

受様に知恵を貸す攻様でしたが
彼の死には隠された何かがあるようで!?

幼馴染の攻様に秘密を持つ受様が
骨董品に宿る付喪神の願いを叶えたいと望んだことから
ある事件に巻き込まれていく探偵モノになります♪

攻様はあまりにも頭脳明晰であるゆえに
人付き合いを苦手としています。

それでも受様の頼みがあれば警察の捜査に協力したり、
受様が巻き込まれてトラブルの解決には
積極的に関わるのは受様を大切に想うが故なのですが

受様は攻様に隠している秘密があり
攻様の気持ちに応える事を良しとしません。

2人の気持ちは周りにも読者にも丸わかりなのですが
受様が抱える秘密や不安はなかなか見えてこないので
恋の成就は一筋縄ではいきそうもなく

アンティークチェアーの付喪神の死の原因を追う事が
受様が攻様に秘していた事をも明らかにする事となり

2人の間の緊張感をいやがうえにも高めていく展開に
色々な意味でハラハラ&ドキドキしつつ、
たいへん楽しく読ませて頂きしました♪

攻様の執事や受様の祖父が
名サポーターとして活躍していて
狸の守護神もボケボケすぎるのが笑えて
とても面白かったです。

ぜひシリーズ化して欲しいです (^-^)v

5

fleur

詳細にネタバレし過ぎなので、これから読む人の事も考えて書いて頂きたいなと…。

シリーズ化して欲しいです

佐倉先生の作品を読むのは「獅子は運命のΩを求める」に次いで二作目でした。こちらの作品の方が断然好みでした。

人気の「極道さん」シリーズは未読です。封入されていたSSペーパーを読みましたが、ちんぷんかんぷんでした。向こうのペーパーをこちらに入れて欲しかったです。(T-T)

こちらの「神楽坂様、初恋の謎解きのお時間です」は全と穂高と虎ちゃんのトリオでシリーズ化したら面白いのではないかと思いました。

穂高は付喪神が見えて物から残留思念を読み取れるし、全には凄い頭脳ととんでもない財力があります。それにプラスして麻々原絵里依先生のイラストで最強の謎解きBLになると思いました。もちろん虎ちゃんの愛嬌も欠かせません。

今回のアンティークチェアにまつわるお話も凄く面白かったし、全の穂高に対する一途さが気持ちが良いくらいでした。かなりじーんと来ました。

お話の緩急も素晴らしくこれ一作で終わるのがもったいないと思いました。

1

推理ものかと思ったら


特別な力を持つ二人の長い長い両片想い


付喪神の姿を見て話すことができる骨董屋の御縁穂高(受け)とずば抜けた頭脳を持つ幼馴染の御曹司・神楽坂全(攻め)。
二人とも両親を早くに亡くし、他人とは違う力を持つゆえに唯一無二の存在となっています。
全は昔から穂高に対して事あるごとに「好きだ」と言ってきますが、穂高は全にも話していない自分の力に後ろめたさを感じていて、素直に受け入れられません。
このまま、全が幸せになる相手の手を取るのを近くで見守ろうと誓っています。
そんなある日、近所の老婦人からの依頼でアンティークチェアを引き取ることになるのですが、そのチェアにはその家の若くして不審な死を遂げた息子の総一郎が憑いていて付喪神になっていました。
記憶の大部分が欠落していて、家族のためにも自分の死の真相を知りたいと言う総一郎の願いを叶えるべく全の協力を得て調査するのですが、結果総一郎が死ぬ直前誰かに恋していたということわかります。
そんな中、穂高に総一郎のことから手を引くように脅迫状が届くのです。
彼は誰に恋をしていたのか。
脅迫状を送ってきたのは誰なのか。


表紙がすてきで手に取りました。
タイトルから推理ものと見せかけて主人公たちをくっつけるための方言かと思ったのですが、ちょっと違いました。一応推理ものでした。

穂高には物の残留思念を読み取る能力があります。
他人の隠したいことを暴いてしまう能力に罪悪感でいっぱいの穂高はそれを全にもいうことができず、全の想いにこたえることもできないでいます。

話は全の何でも見通せる力と穂高の特殊能力のおかげでそれほど推理というものではありませんでしたが、穂高は危険な目にあうし、まさかと言う展開でした。
亡くなった総一郎の無念はもう少し残りそうですが、心置きなく成仏できそうな展開にホッとしました。



二人がシリアスになることは多々あれど、それをぶっ潰してしまうのは神楽坂家の守り神・虎王です。
二人はおうおうにして間が悪いのですが、総一郎だったり、全のことを全力で応援しているのに苦渋の決断で邪魔をする執事だったり、それ以上にしょっちゅう入ってくるのが虎王です。せっかくいい雰囲気だったのにとなるのがおかしくて。
神様のくせに面倒ごとばかり起こす虎王ですが、二人の事情をぞれぞれ正しく知っているのは虎王だけなので、二人の間に入って邪魔をするだけでなく緩衝材にもなっていました。
とてもいいマスコットです。虎王と全の掛け合いもたのしい。


そして、なんといっても全の一途な想いには脱帽です。
一途な攻めは大好物です。
この方の代表作「極道さん」の場合は一途と言いつつ、弱い心に負けて女に手を出しててかなーりがっかりしてしまったので、そんなことがない全には拍手喝采です。
そして、変な当て馬女が出てこないのもいい。
一途な二組のカップルのお話はとても後味の良いものでした。

0

BL×ミステリー✧*。

軽快に始まったのでラブコメかな?なんて思ってましたが期待を裏切られました。骨董店7代目の穂高の元に持ち込まれたアンティークチェア、このチェアに悲しい事件、悲恋が隠されていた事に驚いたし切なかったです。重い展開の中で虎ちゃんの存在は光ってました。
そしてこのチェアにまつわる謎を共に解いてくれるのが、穂高の幼馴染みの全。完璧な彼が一途に穂高を想う姿は可愛かった。穂高は自分の力や過去のトラウマで全との恋愛に踏み込めないけど、そういうものも全部受けとめて穂高を包み込む全が素敵でした。読み応えのある作品でした。

2

どうして?なんで?

タイトルと表紙がいいですね。

お話は入りにくかったです。
主人公は何か辛いことを抱えてるようで、お話がいきなり始まった感じといいますか。
過去を思い出すところで断片的に辛さの理由が少しずつわかるのですが。

そもそもどうして二人ともそこまで好きなのかな?幼なじみだから?気がついたら好きだったの?
全のことを受け入れられない、けどできればずっと自分を好きでいてほしい、でも全の幸せを願っていて、いつか誰かを愛しても傷つくけど仕方ない…みたいな。

穂高がずっと抱えてた秘密も全にとっては全然問題じゃなくない?穂高を逃さない全、良かったです。

ファンタジー要素が、いつもならそうなんだ〜と受け入れるのに、今作は何で?どうして?と素直に受け入れられず。
なぜ全はそんなに美形なの?そこまで穂高を好きなの?頭脳明晰は一族に伝わる力だとしても、穂高のことだけ考えて生きてない?

お互い童貞の理由も良いですね!

0

かみさま

麻々原先生おっかけで購入。謎説きとあるように、ファンタジーこみのミステリーでした。キャラに惚れこめず、ミステリーものにそんなに惹かれないため、申し訳ありません、中立にしました。本編210P超+あとがき。ミステリー好きな方ならもうちょっと違った評価になるのかな。

祖父から受け継いだ骨とう品店を営む穂高。代々不思議な力を持った者を輩出する御縁(みえにし)家の生まれで、持った力で付喪神を導く役目を果たしています。そんな穂高がお弁当を差し入れに行くのは、幼馴染の神楽坂全(ぜん)のところで・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
穂積(受け祖父)、篠崎(警察関係者)、虎王(表紙のたぬき、いちおう神様)、総一郎(付喪神になってしまった青年)、全の家の執事、ご近所の事件関係者等、色々。なんだか絞り切れなかったなあ。

++攻め受けについて

受けは付喪神とコミュニケーションできるという能力の上に、手で触れたものから残留思念を読み取れちゃうという異能持ち。盛りだくさん。性格的にはおとなしい印象です。きわだった何かを感じるかと言われると・・・難しい。

攻めは情報なんでも取得、ため込んでしまう能力持ちの模様。だからあまり多くの人に会うとめちゃくちゃ疲れちゃうらしく、大屋敷に少ない使用人とゆったり暮らしておられます。態度は尊大で、全能って感じです。なんでも覚えてるので、目の前で変なことは話せないと思います。

攻め受けともキャラに♡となるところがなく、事件ものなので色々出てくるのですが、今一つ盛り上がれず、不完全燃焼な気分で読み終わった一冊でした。片方が普通な方でも良かったんじゃないのかなあ・・・色々盛り込まれ過ぎて、気が散ってしまったような気がします、ごめんなさい。

2

BLと人間ドラマだけを見れば……

タイトル買い、初読み作家さん。
正直な感想は、ツッコミどころが多すぎスルー案件が都合良すぎて、ミステリ風味な要素があるのに頭をからっぽにしなきゃいけなくて疲れた。BLと人間ドラマだけを見ればとても良かった!序盤の描写で先の展開への期待を打ち消されるのが難点。

メインカプは付喪神が見える穂高とずば抜けて頭の良い全。この全の頭の良さを披露する場面が問題で。
警察が大して調べず、神楽坂様答えを教えてください、はありえない。周囲を、しかも警察をまぬけに描くことで全の凄さを際立たせており、序盤のこのシーンで冷める。
案の定、全の活躍シーンで穂高の思考力は子供並みになってしまう。全のセリフも言い回しを堅苦しくしただけで言っている内容は凡人のそれ。

穂高は残留思念の能力持ちだと後に明かされるが、誰にも言えない・全とは付き合えないと悩む内容にさっぱり共感できなかった。

事件に巻き込まれた際は、暴漢に投げられた石や脅迫文に触れて犯人を自分で特定すれば良いと思うが、能力は使わないとまた回りくどい理由をぐだぐだ述べる。
ストーリーを構成する都合上、強引にそうさせているようにも見え、無駄に手間をかけたり無駄に襲われたりしているよう。できることをせずに危険を呼び寄せた穂高を応援する気になれない。

全は一途なスパダリでいかにもBLの攻めキャラ。虎王は可愛くて癒される口調でとても好き。一番萌えたのは執事の高倉かな。穂積も好き、ラストシーンのその後が気になる。

総一郎や穂高と全を取り巻く過去絡みの人間ドラマは良かった。BL部分は虎王の活躍と高倉の気遣いが素晴らしかった。

全のような頭の良すぎるキャラは書き手の力量を超えた設定だったんじゃないかと思う。周囲をあほにして下げることで全を上げる手法で描かれると、その稚拙さが恥ずかしく辛い。子供騙しであり大人が読む商業小説でやることではない。

2

もどかしい

付喪神を見ることができる穂高と幼馴染の全のファンタジー要素強めなミステリーBLです。

全は事あるごとに穂高を好きだとアピールしますが、穂高が全の気持ちに答えないので、もどかしかったです。
やっと進展するかというところで虎王を始め色々な邪魔が入り大変ヤキモキさせられました。

アンティークチェアの謎については最後の犯行があまりにもお粗末だったので、犯人が逮捕されたとはいえ殺された人達が浮かばれないなとやるせなかったです。

全と穂高が結ばれて嬉しいのですが、付喪神である総一郎の悲恋が切なすぎて萌えが一気に霧散してしまいました。
悲恋が好きな人ならグッと来るのかもしれません。

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