嫌われのち溺愛! 神武官×召喚された神子

嫌われ神子の8年間

kirawareshi miko no 8nenkan

嫌われ神子の8年間
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神52
  • 萌×226
  • 萌15
  • 中立2
  • しゅみじゃない11

--

レビュー数
16
得点
411
評価数
106
平均
4 / 5
神率
49.1%
著者
伊達きよ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
ルビー・コレクション
発売日
電子発売日
価格
¥1,400(税抜)  
ISBN
9784041115930

あらすじ

神子として召喚された圭は、王子と恋に落ち、幸せな日々を送っていたが捨てられてしまう。そして逃げるように神殿に入るが、待ち受けていたのは周囲からの冷たい視線だった。神子の心が天候を表すと知らず、国の天候を荒らしてしまっていたのだ。以降、神子の務めを必死で果たすが、孤独な生活を送ることになる。数年後、隣国の公子に侮辱的な言葉をぶつけられた圭を、神武官・テスに思いがけず庇われる。圭は困惑し、過ちを犯した神子が嫌われるのは当然だと伝えるが、テスは「貴方の苦しみにも気付いていなかった、不甲斐ない俺をお許しください」と跪き…?

表題作嫌われ神子の8年間

テス,28歳,神子付きの神武官
圭,23歳,神子

その他の収録作品

  • 冬 嫌われ神子の9年目
  • 閑話 夏 神子付き神武官の幸せな一日
  • 秋 嫌われ神子のこれから
  • 番外編 ある神官見習いの願い
  • あとがき

レビュー投稿数16

めでたしめでたしの、その先の物語

作者様があとがきで書かれている通り、「シンデレラストーリー」のその先、のお話です。

まず、周りの人々に嫌われている受け、という設定が珍しいですよね。

受けの圭は高校生の時に異世界に召喚され、異世界で王子と相思相愛になります。
幸せな王宮暮らしをしていたのですが、なんとそこで「めでたしめでたし」とはならず、王子に捨てられてしまうんですね…。

打ちひしがれて王宮を出て、神殿仕えをするようになった圭ですが、今まで散々王宮で遊び暮らしていたのに、今更のこのこ神殿に来て神子としての役目を果たそうなんて遅いんだよ!と冷遇されてしまうのです。

圭が王子と愛し合っていた時に神殿に来ることがなかったのは、決して圭本人だけが悪いわけではなく、王宮の責任も大きいのですが…

嫌われていると自覚しながら、一生懸命神子としてのお務めを果たす健気な圭の姿に、どうか救われて…!と願わずにはいられませんでした。

初対面の圭に冷たい言葉をぶつけ、その後言葉を交わすこともなく冷たい態度で接してきた神武官のテス。

この二人、一体どんなふうに惹かれ合っていくの??と気になって気になって、読み進める手が止まりませんでした。

そして誤解が解け、心が通じ合った後のテスの甘〜い独占欲…むふ、堪らんです。

これこれ!どんなに辛いことがあったって、結ばれた後は溺愛が待っている。
BLの醍醐味を存分に味わえる作品です◎

シンデレラストーリーももちろん素敵だけど、恋愛って実はそんなにシンプルじゃないですもんね。
どちらかが心変わりしてしまうことだって、もちろんある。
恋に夢中になって、他のことをおそろかにしてしまうこともある。

そんな「負」の部分もしっかり認めつつ、それらを乗り越えた先にある幸せを示してくれている本作。

なんとなく元気が出なくて、明るさ100%のものは読めない。でも薄暗いものもちょっと…という時に引っ張り出してきて読みたくなる、そんな一作です。

1

投稿作品

電子書籍を購入。

レビューを読まずに、タイトルとあらすじ、評価の高さから面白そうだったので購入。
従って、Webの投稿作品の書籍化と知らずに購入。

投稿作の書籍化は買わないようにしています。
理由は、素人作品でお金を出して買うものでは無いから。

投稿作は、盛り上げるため、(ランキングを上位に保つために)無理やり見せ場を作っています。
唐突で前後の流れがブツ切りだったり、辻褄があってなかったり、後出しジャンケンになっていたり。
とにかく、Webでリアルタイムで読むには、ハラハラドキドキで楽しめるのでしょうが、1冊の書籍として通しで読むと不自然なところが多くなってしまいます。お金を出して書籍として買う程の価値はないと感じています。

で、今回、知らずに購入してしまい、読み進めるうちに、あれ?あれ?と思うところが多々あり、読むのがストレスになり途中で読むのをやめてしまいました。
ひょっとして、、、と皆様のレビューを読むと案の定、投稿作とのこと。

投稿作の書籍化は、きちんとあらすじのところで明記して欲しい。





4

愛され神子

タイトルからどんな嫌な子が愛されキャラに変わっていくのかな~と、
主人公の人間的成長を期待して読んだので、
かなり拍子抜けしてしまいました。
嫌われる理由が読み手にも嫌われるようなものじゃなかった…。
中身は普通に良い子でした。
でももう少し自分の頭でものを考えて欲しい…と言いたくなる子。

そしていつのまにかただの溺愛ものに…。
癒されるけれども展開が平坦!もう流され神子って感じ。

圭は最初から良い子だから変化が小さいんですよね。
むしろ変わったのは周りっていう中での心理描写は読みごたえがないです。
あまり小説読んだなって気になれませんでした。

0

一番おいしい部分に焦点を絞っているのがテクニシャン

嫌われからの愛されってどこかで見かけたので、最初「自分がお花畑で幼稚だったせいで王子に嫌われたけど更生・努力して『お前変わったな』と言ってもらって愛されるようになる」お話かなって思ったんですが、読んでたらあれっこれ違うなってなりまして、ちるちるの情報をチラッと見たら「攻めテス」って書いてあって「ああー!」ってなった私です。笑

別の方のレビューにもありますが、「神子の8年間」とあるので「8年間の更生・努力を経てみんなに『変わったね』と言ってもらって愛されるようになったよってカタルシスを楽しむ作品かな」と思ったのですが(そういう作品が多いので)、「更生・努力」の部分は「これまでこんな風でした」って説明で切り上げているのが新鮮です。

読者が「くぅー、苦しいっ、でもこの辛い時期があるから最後美味しくなるんだ~」って読む部分を「3秒で説明します、はい今まで苦しかったです頑張りました!さて美味しい部分どうぞ!」と、「一番おいしい、みんなが読みたい部分、「みんなに『変わったね』と言ってもらって愛されるようになったよ」の部分にぎゅっと焦点を絞ったんですね。
面白いなあ。作者さんはテクニシャンですね。

そして、ちょっとした台詞が深くて人間性の良さを感じるんですよね。

「神子異世界の人間で、珍しい。だが、ただそれだけだ」
「何かをするわけでもなく、ただ置かれた状況を受け入れるばかりであった」
「何もしないで愛が得られるなんて、傲慢」

こういう心情がきっちりあるから「今回の主人公ですが、過去やらかしました!でも反省して努力しました!努力してみんなに好かれるようになったところからスタートです!」されても「OK」って受け入れられるのかな、と思いましたね。

0

出会えてよかった

オルディンガ国の神子の圭。
圭は15歳になったばかりの頃にオルディンガ国の神官たちによって召喚されました。
日本に戻りたいと塞ぎ込みがちになった圭を
国の第二王子のヴァンスが気遣い、いつしか二人は気持ちを通わせ恋人同士になるのですが、
ヴァンスの気持ちは変わってしまいます。
そして圭は神殿へと居を移すのですがー…。

切ない。すごく切ない。
ヴァンスの心変わりが詳細に書かれており、胸が痛くなりました。
その後の神殿での圭への扱いも悲しい気持ちになりました。
神子付きの神武官のテス(攻め)も最初は圭に冷たく、
圭は悪くないのになぁと思っちゃいました。
無知は罪というのを思い知らされます。

圭がほんとに健気で不憫で序盤は辛い気持ちになるのですが、
後半はもう…ね…!(*´ω`*)
テスが見事な執着溺愛攻めになってくれるので
読んでいてニヤニヤが止まりませんでした(*´ω`*)

恋において辛い思いをした圭だけど
テスがいればもうきっと大丈夫。
そう思わせてくれるテスに感謝です(*´ω`*)

1

神子と護衛神武官の恋物語

15歳で突然召喚されて訳もわからない時に優しくしてくれたイケメン王子様、恋してしまうのは必然だと思います。
恋に浮かれて知らずにいた部分はあっても圭だけを責めることはできないと思うのに、非難された圭が無知は罪だと自覚して改めて神子として生きようとする物語です。

そういう優しい心の神子だからこそ幸せになって欲しいのに、誰にも理解されず嫌われ続けても自律心を強く持ち努力できる姿に感動しました。
勝手に連れてきてそれはないじゃないの、ひど過ぎると思わず言いたくなりました。

テスの穏やかに包み込むような愛情がステキでした。
いつまでも二人が幸せな家庭を築く未来が見えて読んでいて幸せな気持ちになりました。
切なくてすてきなお話をありがとうございました。

2

読みやすくて切ない

まず非常に読みやすい文章でよくまとまってるというのが感想というのもおかしいかもしれないがそうだった
読むのはこれで2作目
web版は未読ですのでノベルズのみですが読みやすい作家様なのだなという思いが強くなりました

今作は恋を失ったあと別の恋になるまでの物語だった
タイトルの8年間についてのお話ではなく
8年経った後の9年目のお話にほぼ特化されてるのが非常に面白い

転生させられ異世界で神子にさせられ王子に見そめられ濃密な体の関係を含んだ恋人時代を送り恋人に捨てられ、己の立場を知り、周囲に見放され蔑まれる8年間
が終わった9年目のお話
ここをこんなふうに切り取るって考えたことがすごい

この8年間をもっとみっちり書きひっくり返す事でカタルシスを持たせる話が多い気がしますし
個人的には受けが苦しく切ないのを読むのが好きなのでそれでもよかったんですが
8年が終わった一年の
虐げられ自己評価が全く伴わない傷ついた魂が
その傷ごとあなただと受け入れ愛する人がいると知り
自らの反省を込めた行いが人々に受け入れられ許され愛されている事を知り
自分を受け入れ変わっていく姿を読ませるのは凄いな
と驚きました

個人的にはもう少しすれ違いの期間があってもいいなーと思うのですが
作家力として神に選びたいです

作家買いの先生に登録しました

5

タイトルのままではない、甘いお話

初作家さん。
積読していた一冊だが、友人の紹介で読み始めました。
読みやすい文体、そして思ったより甘く、情事描写少なめ。
もう一度愛する・愛される勇気を持ってテスの気持ちを信じる圭、最後まで読んで幸せな気持ちになります。

伊達きよ先生のツイノベを前に何回か拝見し、かなり好きでした。ツイノベの暗めな雰囲気に引っ張られ、そしてタイトルに「嫌われ神子」をつけるぐらいから少なくても三分の一ぐらい痛々しい内容かなと予想しました。
燃えるような恋が終わり、失恋の味を噛み締め、なんとか生きてそして再び恋をする、という感じの作品が読みたくて、タイトルとあらすじを見て勝手に期待してましたが、
思ったよりその失恋の悲しい部分や痛々しい部分がないです。体感的に、六分の一ぐらいかな。そこの部分も割と、あらすじに書かれた内容みたいにあっさりでした。
悲しい・重い・痛々しい内容を期待していた自分としては、物足りなかったです。
普通にただ小説を読みたい時期や甘々な気分のときでしたら、もっと楽しめたと思いました。
「初恋が終わった」からのではなく、「初恋が終わってその悲しみにすら慣れ始めた」からの作品だと思えばよいかと。私のような受けの失恋を読みたい腐女子はかなり少数派だと思いますが、そのつもりで読んだほうががっかり度も減るかと思います。

1

ちょっと複雑な性格の受

著者は、ツイッターでも不定期にショートストーリーを投稿しています。
どちらかというと、ファンタジーのオメガバースモノが好きな作家みたい。

この作品は、ナロウで投稿版を読み、編集されて磨きこまれた商業版を読了。
比較すると、やっぱり商業版のほうが練れて完成度が高い。読後の満足度が高いのは商業版です。

ホントに気の毒な受の圭は、常に自責思考で自虐的。
圭は、突然異世界に同意なく神子として召喚されて、
王族の神殿への対抗意識から、王命で第二王子の恋愛接待をうけ
3年間、神子としての業務から外れていた、
王子が圭に飽きて別の愛人へ心が移り、圭は捨てられて本来の神子業務に入る。
神殿側は、圭の事情を知っているのに、詰る、蔑む、嫌う。

でも圭は、自分の想いがこの世界の気象に影響することを知り、ひたすら修行に励む・・・圭の努力する姿を見て、馬鹿にしていた神官たちが変わりだす。
特に、護衛官のテス。
圭は、常に相手を責めない・・・気象が荒れないように感情を抑えて、神子として振舞う圭が可愛そうで、泣けてしまう物語。


商業版は、圭を取り巻く周囲の人達の描写が、より細かい。
web版で気に入ったなら、ぜひ商業版と読み比べて楽しんで欲しいです。

6

悲しみと隣合わせな感が。

初めての作家さんです。お値段もそれなりでしたので迷いましたが読んでみて良かったです。

もう泣けて泣けて。
最初の恋が終わってからのお話の始まりでしたが。
圭が辛くて寂しくて悲しくて可哀想で。
突然異世界に召喚されて神子だと言われ、第二王子と恋に落ち捨てられ。
その後は散々神子の務めを果たさなかった、うつつを抜かして贅沢三昧してと周りから蔑まれ冷遇され。

何も知らなかったことを言い訳しないところが良い子で余計泣けて。

嫌われ者だと思いながらも5年間神子の務めを真面目に果たして。

幸せな部分も長いのですが、どことなく悲しみと隣合わせのような、読んでいて圭がだんだん成長していくのも泣けて。

テスはどんな気持ちで5年間も圭に付き添っていたのかな。ずっと圭を好きだったようですが、圭が冷遇され傷付き嫌われ神子だと思いこんで。誰にも心を開けず寄せられず。そんな圭を完璧な仕事ぶりで守るという行動で気持ちを示してたのかな?

言葉を伝え合うタイミングが圭はこれで良かったと思ってますが…。テスはもっと早く圭に言葉をかけてあげられなかったのかな?いくら話すのが苦手と言っても。
最初のテスの言葉を後悔しているようですが。

テスがどんどん積極的になり、圭の言質を取るような真似までして恋人になり…。
徐々に圭もテスに恋に落ちていき幸せを噛みしめる二人。

最後は幸せに結婚式を挙げて幕を閉じるのですが。

今後の神子のあり方を協議したり。これは異世界召喚物に一石を投じるお話かもしれませんね。

たくさんエピソードがあり、丁寧に書かれた物語でした。
神官長はテスの気持ちを知っていたようですね。
せめて圭が一人でも自分のことを認めてくれる存在を知っていたら…とタラレバを考えてしまいます。

7

タイトルがアレだったけど…

伊達きよ先生の作品は初読みでした。

タイトルに「嫌われ」と付いていたので、どんなに痛々しい内容かと覚悟して読みました。
でも帯に「切なくて優しい」とある通りで、圭の痛々しい時期を過ぎてからのお話だったんです。知らぬは本人ばかりでした。

それ故かあまりストーリー展開が起伏の無い内容で、途中で飽きて来てしまったのも事実でした。そんなに夢中になって読める作品ではありませんでした。

確かに剣闘技大会とかはハラハラ要素を出す演出がされてましたが、あまりにも想像通りだったんですよね。

圭とテスの結婚を巡る妨害も黒幕が思わぬ人物なのは驚きましたが(というか途中に登場していなかったかも)、こちらも結末は想像からそんなに外れていませんでした。

ちるちるさんのレビューランキングで上がって来てたのでとても楽しみにしていたのですが、もうちょっと捻りが欲しかったです。物足りませんでした。

それでも萌だったのは番外編の神官見習い視点のお話があったからでした。

でも痛々しいのが嫌いな方には安心して読める作品だと思います。

7

大定番を覆す"その後"のお話

今回は神子付きの神武官と
神子としてオルディンガ国に召喚された日本人のお話です。

役目を怠った受様が醜聞を乗り越え、
民の尊敬と攻様という信じられる伴侶を得るまで。

受様は1高校1生の15才の時に
オルティガ王国の神子として召喚されますが
受様はその役目の大切さを説かれても納得できず、
受け入れられません。

そんな受様を気遣ってくれたのが第二王子でした。
第二王子は神子がいるだけで国は天候に恵まれ、
土壌が豊かに、実りが多くなるのだと言い
受様に優しく接します。

受様は第二王子を運命の相手だと思い、
請われるままに彼の宮で妃のように過ごします。

しかし、恋多き第二王子は3年もすると
新たな蝶に目移りして受様を顧みなくなります。
第二王子の愛情を失った受様はよく泣くようになり
受様の心のままに穏やかだった天候は荒れまくります。

ついに受様は
王子との恋を諦めて神殿へと移る事を決意し
神殿で待っていたのは冷たい眼差しで
受様のこれまでの行いを攻める神官たちでした。

受様は神子の何たるかを知らず
第二王子との恋にうつつを抜かした挙句、
天候を荒らし、国土や民を傷つけたのですよ。

受様にも言い分もあるもの知ろうとしなかった事、
王子との恋に溺れた事による醜聞を晒され、
笑われても受け入れるとかできませんでした。

神子付の神武官である攻様は初めて顔を合わせた時に
「貴方のような人を神子だとは認めない」と言い、
役目は全うしても受様を受入れてはくれません。

受様が神子として召喚されてから8年、
神殿に居を移してから5年が経ちますが
攻様が自主的に声を掛けてきたのはその時のみであり
以降は受様が話しかけない限り
ずっと黙って任務を全うしているのです。

誰もが受様を遠巻きにして見ているだけで
受様は孤独な日々を過ごしていますが
受様は天候だけは荒らすまいと
ただ真摯に祈り続ける事しかできません。

受様が神子として認められる日は来るのか!?

WEB小説サイト「ムーンライトノベルズ」にて
連載されたWeb小説を加筆修正しての書籍化で、
神子として召喚された受様と神子の神武官である攻様の
異世界トリップファンタジーになります♪

伊達先生は前作のトリップファンタジーで
界渡りモノでは定番な設定を取り入れない事で
物語にハラハラな展開を呼び込みましたが

本作はさらに捻った設定を取り入れて
これまた界渡りモノの大定番である

主人公が恋したのは運命の相手♡
彼と出会えたので幸せになりました

ではなく

主人公が恋したのは優しい王子様♡
でも運命の相手ではなかったので
その幸運は長くは続きませんでした

から始まるのですよ Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

いったいどういう終着点なの!?
とまず引き込まれました。

神子の存在をめぐる駆け引きはあるものの
神殿の神子とその護衛の恋なので大胆な絡みはなく

未来の危うさと人と人との関り方を問い
誰でもが陥りうる視野狭窄によるすれ違いを
巧みに描かれていて

2人が伴侶となるまでワクワクしながら
楽しく読ませて頂きました。

すれ違ってしまった受様と攻様の気持ちが
徐々に近づいていく展開を楽しむ感じなので
BL的な萌えシーンは多くはないのですが

上記したように設定そのものが
鉄板展開を覆している為「萌2」とさせて頂きました。

今月末に出る新刊も楽しみにしています (^-^)V

9

神官

きょう先生おっかけで購入。すっごい善人な受けでした。攻めも好きなタイプでしたがめちゃくちゃ入れ込むってことが無かったので萌にしました。三部構成330P+番外編8P。善人健気受けや寡黙なタイプの武人攻めがお好きな方だったらいいかも。

15歳でオルディンガ国の神子として突然召喚されてしまった圭。戸惑いしかなかった圭を見守り、なんやかんやと面倒見てくれた第二王子と恋仲になったけれども、いつしか第二王子の心が圭から離れてしまいます。王宮での妃のような暮らしから一転神殿での神子らしい生活へと変わったけれども、神子としての職務を放棄していたため、神殿関係者からは蔑まれていて・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ヴァンス(第二王子、なんだかんだいってこやつが最初のくず)、スイーダ(神官長)、アジャベル(聖騎士)、カイル(カデューレ公国公子、受けlove)、ディアス(王太子)等々。皆さん役回りははっきりしてます。

++攻め受けについて

受けがなんとも善人すぎてびっくり。神子として完璧では。
最初、第二王子に惚れてしまうのも、心が離れそうになって縋りたくなるのもよく分かるのだけど、そこからが凄い。異世界連れられて、神子って据えられて、捨てられて蔑まれて、それでも心を平安に保つよう努力する?!(なんでも神子の心が乱れると天候不順になるらしい)なんて健気な・・・善人すぎるやろ。暴れても一発くそ王子を殴ってもイイと思います!私が殴りたい。ああ健気。(儚げという様子はあまり感じない)

攻めは言葉足らずなコワイ顔したイケメン忠犬。最初は受けのことを誤解してたけどってヤツです。王道キャラと感じました。

攻め受けともキャラとして好きでしたが、クセがあまりなく、お話も王道だな(最初受けが捨てられるってのが!でしたが)と感じサラっと読めました。最後に挿絵について。詳しくはないのですが、絶対作画コストが高いと思うんです、この衣装。すっぽんぽん図は1枚だけだと思うので、隅から隅まできょう先生の美麗衣装を堪能できると思います!すごい!

3

育んでた!

とっても気分良く読めました。

最初の方では2人がいったいどうやってくっつくのかワクワク?というか、興味をひかれて読み進めました。
とっても自然な流れで心を通わせる様になっていくのが良かった。
何というか、なんじゃそれは?って感じずに読み進められました。

恋人になってからも、初々しい2人が微笑ましくて、異世界だしもしやこのまま清い関係のままなのか?と、心配?になりましたがご安心ください。ちゃんと結ばれます。

テスも圭も理解可能な感性で描かれていて、ストレス感じなかった。
そりゃねーだろ?ってのが無かった。

2人がお互いに良い影響を与え合いながら、愛を育むいいお話。




4

味わい深い物語

Web版を読んでいたのですが、大幅な加筆ありという事で購入しました。
結果、買ってよかった…!

このお話、あらすじを書くのがとても難しいなと思います。
ざっくりいうと、異世界に召喚された高校生が王子様に愛されて幸せになって、けれどあっけなく捨てられて、失恋の悲しみの中王子の住まいから神殿に渡ったら、そこで「散々私達の事を無視しておきながら、今更のこのこと!」みたいな感じで責められて、嫌われ者の神子になって……。という流れなのですが。
ここまでは本当に序盤の話で、本文中では短く淡々と語られます。

物語はここから、嫌われ神子となった圭と神子付きの神武官テスとの恋愛模様を、圭の神子としての生活を交えながら進んでいきます。私はこの穏やかに愛が膨らんでいく描写が本当に好きで。
とても地味なんですよね、いい意味で地味。孤児院を訪問したり、洗濯したり、しもやけの薬を作ったり。でもその中で起こる事件や何やで、彼らは確かに近付いていって…。勿論それなりにドラマチックでもあるのですが、全体的にとても穏やかな印象です。章分けが「春」「夏」「秋」「冬」と季節を追っていく感じなので、余計にそう思えるのかもしれません。
周り皆に嫌われていると思って下を向いてばかりいる圭と、そんな彼を責めた(誤解からとはいえ)過去がある不器用なテス。二人が心を通わせていく様子が、本当に良いです。

この作者様、とても丁寧に描写してくださるんです。文章が達者かと言われたらそうではないかもしれないのですが、何だか無性に伝わってくるものがあるというか、二人の表情から指先の動きまで頭の中に自然と浮かんできます。
どこがどう良いか言葉にしづらいのですが、とても魅力的な文章だと思います。

Web版では書かれなかった二人のその後や、数年前の事件の真実などが、加筆部分で判明します。Web版を読んで気に入られたら方には是非とも読んで欲しいです。
個人的に、第三者視点の話が大好きなので、収録されている番外編にも大満足でした。
おすすめです。

10

めちゃくちゃいい話! 心に沁みる、めちゃくちゃいい話!!

小説投稿サイト掲載作品からの書籍化で、嫌われからの溺愛ものになります。

ある日突然異世界に神子として召喚されてしまった主人公。
その国の王子と恋に落ちますが、やがて王子の愛は冷め、主人公は一人王宮を去る事に。
しかし逃げるように入った神殿で待っていたのは、責務も果たさず恋愛にうつつを抜かしていた神子への周囲の冷たい視線でー・・・と言ったものになります。

私は元々作者さんのお話が大好きでして。
実はこちらもすでにムーンライトノベルズさんの方で既読だったりするんですけど、めちゃくちゃ心に沁みる素敵なお話なんですよ。
えーと、何だろう。
いわゆる異世界転移ものから想像する派手派手しい展開なんかは皆無で、至極地味なお話なんですよね。
主人公は世界を救ったりはしないし、魔物と戦ったりもしない。
そして特別な力を発揮して、周囲から神性視されたりもしない。
それどころか、若さ故の未熟さで手痛い失敗をして、周囲から嫌われどころか憎まれた状態で、ただただ毎日を償いの為に生きる・・・。
そう、めちゃくちゃ不憫だし気の毒な主人公なんですよ。

これね、そんな気の毒な主人公が召喚されてから八年後ー。
23歳になった彼の周囲との関わりだったり、攻めとの関係性の変化だったりを、彼の神子としての日常を通して丁寧に綴ってゆくお話なんですよね。
冬から始まり、春を経てやがて秋へー。
季節の移ろいと共に。
で、それがとても優しいし、とにかく心を打たれるし、ついでに攻めとの恋愛には萌えまくりだしと、すごくすごくあたたかくて素敵なんですよ。

えーと、私が元々作者さんのお話が好きな理由なんですけど、単純に設定やストーリーの面白さってだけじゃなく、その深みのある人物描写でして。
主人公も、お相手となる攻めも、関わりを持つ神官達も、そして主人公を捨てた王子さえも、当たり前の生きた人間として存在して、それぞれ弱さだったり愚かさだったり、逆に優しさや強さと言うものを抱えて生きる。

主人公が右も左も分からぬ異世界で優しく接してくれた明るい王子に恋をして、王宮で彼との幸せな毎日に浸った事。
王子の心変わりを受け入れられず、ただただ自分を憐れんでいた事。
逃げるように入った神殿で、初めて神子としての務めや自身の責任を知った事。

何だろうな。
圭ですが、ごくごく普通の青年なんですよね。
彼のこれまでを知れば、納得もいくし仕方のない部分の方が多いんですよ。
それでも、周囲からは男にうつつを抜かした恥知らずな神子でしか無いんですよね。

そして、そんな圭に憎しみをぶつけたのが、彼付きの神武官となるテス。
圭との初対面で「神子として認めない」と告げ、それ以降は会話一つ交わすでも無く、ひたすら冷たい態度で接する。

これね、そんなマイナスから始まった二人が、いかにして誤解を解き、どうやって結ばれるのかー。
ここが見処の一つで。

圭が過去の過ちを深く悔い、そのせいで完全に萎縮しているなら、実はテスはテスで、噂を鵜呑みにして圭を深く傷つけた自身の言動を悔やんでいた。
そして不器用な彼は、圭にどう接すればいいか分からず、ぎこちない態度は冷たいものにしか見えなかった・・・。

実は割と早い段階で二人の気持ちは通じあい、そこからは彼等が恋人同士として距離を縮めて行く様がじっくり語られと、序盤を除けばひたすら甘酸っぱくて可愛い展開なのです。
最初に嫌われからの溺愛と書いたのですが、気持ちが通じ合ってからのテスは、とにかく甘いしあからさまに独占欲とか見せるし、ついでにわりとムッツリだしと、結構愉快なヤツで。
ただ、それが甘くて可愛いだけに終わってないのって、しっかり掘り下げられた主人公の心情描写だったり、深みのあるストーリーにあると思うのです。

主人公が自身をしっかり見つめ、過去に縛られ続けるのでは無く、勇気を出して一歩を踏み出す事。
そんな彼の変化を促したのが、攻めから与えられた愛である事。
また、攻めは攻めで主人公から、本当に欲しかった大切なものを貰っている事。
めちゃくちゃ素敵ですよね。

そして、主役二人だけじゃなく、圭を裏切った王子にもまた後悔があったりと、一人一人にドラマがあるのが本当に素晴らしい。
人って失敗もするし、思い出すだけで恥ずかしさに転げまわっちゃうような愚かな行動をとってしまう事もある。
だからこそ、成長出来るし、少しはマシな人間になれるのかもなぁと。
本当、心に沁みる素敵なお話なんですよ。

ちなみに、web掲載時から加筆修正ありですが、書き下ろしがめちゃくちゃ良かったです。
この書き下ろしを含めて、物語は完結してると思う!
圭は誤解からの嫌われと辛い6年間を過ごしたワケですが、この背景に隠れた意外な真相が語られるんですよね。
二人の愛にめちゃくちゃ感動なんだけど!
そして、超スッキリと気持ちいいんだけど!!


あと、今月末に出る「春になるまで待っててね」もめっちゃいいお話だったりします。
や、作者さんですが、ラブコメから切ない系から大人の恋愛までと、すごく作風が幅広いんですよ。
で、こちらはひたすら癒し系。可愛いすぎて転げまわるわ!
それにしても、次に書籍化されるなら絶対アズラエル家だと思ってたのに、全然されませんね。
なんでや・・・。
兄弟(義理)で3Pで主人公は淫魔のハーフでと設定だけ見るとエロ特化だけど、家族愛とか自分の存在意義とか綴った、笑えて感動してめちゃくちゃ萌えて、ついでにエロエロなとても素晴らしい作品なのに!

最後になっちゃいましたが、エロ時の二人のズレにはひたすらニヤニヤしました。
や、経験者である自分がリードしないと!と、妙な責任感を発揮して頑張っちゃう圭と、その事に過去の男の気配を感じて、嫉妬から暴走するテスてな具合で。
初々しくて可愛い恋愛を繰り広げてる二人なのに、このズレのせいでエロは濃厚なのをかましてくれます。

23

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