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α嫌いな御曹司α×子持ちの未亡人Ω ワケありな二人の子育てオメガバース
alpha no ie no ko
ただでさえお家騒動みたいなものって大変なのに、オメガバース要素が加わると性差の問題が生じてきて、さらに複雑かつ憤るものになると感じました。
Ω排除のα至上主義の家って、聞いただけでムカムカする!
次期当主という期待に背く西宮家・光河は、Ωを徹底排除する祖父とは対立状態。
そんな光河は、成り行きでΩの子ども・春翔を育てることに。
ある日、晴翔の保育園で見かけたのは、完璧なαとして会社で有名な宝条岬で……。
何故そこまでαに拘る?という、二つの名家が登場します。
Ωの母親を持つ光河は家族から引き離され、Ωとして生まれた岬は幽閉されていました。
それぞれ強く生きてきた2人がお互いを知り、恋に落ちていくドラマチックオメガバース。
岬が子持ちの未亡人Ωで、懸命に息子・陸を育てる姿に好感が持てます。
αだらけの会社で引けを取らない優秀さは、きっと努力の賜物。
ヒートが再発した時も堂々と首輪をつけて出勤してきて、凄くかっこいいと感じました!
この岬がヒートになるとめっちゃ乱れるので、とてもエロくて、そのギャップにやられた♡
Ωは弱いものだと思っていた光河も、岬の強さを見て考えを改めていくのですが、光河が岬を「可哀想なΩじゃない」と言い切る姿には胸が熱くなりました。
Ωであることを嘆かず、受け入れて生きている岬が光河を変えていきます。
そして、なに不自由ない名家のαという性が、αである光河を苦しめているところが悲しい。
その後、相手への気持ちを自覚していく2人の前に、意外な人物が現れ……と、ストーリーは展開していきます。
この辺りから、意外な人間関係が明らかになり、思いもよらなかったキャラが次々に登場してきます。
服従しない光河を懲らしめるため、発情したΩが集められた部屋に閉じ込められてハラハラドキドキ。
なんという非人道的なことを……と、呆れましたよ。
息子も孫も手にかけるこんな祖父、私なら許せん!
それぞれの家柄のしがらみや、立場への苦悩が絡み合って何とも複雑なのですが、そこがドラマチックに浸れる要素でもあります。
陸の父親・修平が本当にいい人でした。
この人を幸せにしてあげたい!
春翔は、お兄さんとおじさんとおばさんと暮らしていていいんだろうか?
ハッピーエンドなのですが、所々引っかかってしまいました;
まぁ、そんなところもありましたが、ちょっとドロドロした感じも面白かったです。
Ωが底辺もド底辺。平然と性差別(この場合は、バース性ね。)が行われる社会。特に純血腫を守って来た西宮家では、α の父を持つのに、番の Ω の母親から生まれたというので、幼ない頃に両親から引き離され、辛い思いをして生きて来た光河は、成人すると家を出て、独り働きながら暮らしていた。
ある日、唐突に西宮家に引き取れない Ω の子供が居るので預かってくれと押し付けられる。独身で、子育てもままならないのに、とにかく頑張る事にした光河は、同僚の岬が子育て中のシングルだと知り、協力して貰う事になる。子育てを通じて、どんどん惹かれ合う2人。ここまでは割とあるあるなんだけど。
よもやツッコミどこ満開の展開になって行くんですよねぇ。巻末にシンプルな家系図があるので、ご覧頂くとして。
とにかく。岬をシングルママ(本書では、子供を産んだ方をママと呼ぶ設定。もちろん、作者によっては、性別男の場合、パパと呼ぶことも。)にしておいて。幾ら Ω 差別の家系とはいえ、ずっと死んだ事にして、数年後。のこのこ現れるシュウさん。というか、岬と結婚するつもりで、子を孕む程致しておいて、番ってはいない。という詰めの甘さ。「岬が本当に好きな人と一緒になるのが良いと思って。」とか、ぬけぬけと言ってますけど。責任取る気は無かったのかね?と疑いたくなる程の無責任さ。
一応、岬との間に生まれた陸には愛着は感じているものの、子供の父親としての彼の想いは一体⁈
光河の祖父にしても、幼ない光河に「Ω=悪しき者」というトラウマを植え付ける為だけに、お仕置き部屋と称して、発情させた Ω を複数人囲っている。Ω フェロモンには抗えないというので、そこに西宮家にとって大事な筈の息子や孫を閉じ込めてみる謎プレイ。
気の毒だと思っていながら、この日まで何もしない執事、原田。
Ω フェロモンに惑わされない、強い理性の人でありたいと常から思っている光河は、岬の発情にも耐えて一度は退避するものの、次のタイミングには正気を失って乱れる岬を抱き潰す。
おい、強い理性は⁈ まぁ、岬の、主に身体を救ける為と言ってはいますけど。
そんなこんなで、最終的に「お仕置き部屋」に連行された際は強い意志で耐え忍びます。
光河パパは理性が負けて、息子にトラウマ背負わしましたけど‼︎ 後にママとより戻して第二子生まれてます‼︎っていう。
全員真面目にお送りしてますけど、まぁまぁトンデモですよ‼︎ 皆さん‼︎
陸と春翔という、幼ない子供たちが天使の健気さで、癒し。
修正は白抜き。オメガバースならではのエッチは激しめなれど。あまり見えないアングルにて。
そこまで特濃では無いかも。
描き下ろしは、そもそも最初っから子連れ同士の2人に、初めての「二人の時間」子供たちがお出かけしてる間に2人でする事と言ったら♡な、甘あま後日談。
設定的には目新しくも無いオメガバにありがちなα純血主義の世界観です。
ただΩの岬が会社ではアルファだと思われるくらい優秀で、家事も子育ても完璧なスーパー未亡人Ωでした。
一方で光河はα純血主義の家を嫌い、当主である祖父と距離を置いて暮らしています。優秀だけれど奢ることもない良い奴なんです。
光河が1人のΩの男の子を預かったことにより、岬と光河が接点を持ち、更に2人の過去が絡まって来てと、なかなか面白かったです。
ドロドロした内容かなと思って読み始めましたが、そんな痛い展開も無くアッサリと解決した感じです。
α純血主義を何とかして正そうとしている世代が心強くて明るい未来を感じさせる終わり方でした。
光河が預かったΩの春翔がやんちゃで癒されました。
THEオメガバースなお話で、いろんな設定が盛りだくさんでした。
盛りすぎて回収できてないということはないですが、物語のベクトルがそっちのほうへ向いているので、2人の恋としては薄く感じます。
少し疑問に思ったのは、Ωがシングルであるということ。そこに関しては、BL上はまあよく見る設定ではあるのですが。
子の父親であるαが傍に居て、その人と交流を持ちながら、今の恋人である攻めといちゃつく。
気持ちが攻めの方向へ向いているということはあるにせよ、子どもまでつくっといてそんなあっさり?と疑問に思いました。
これで子の父親であるαが、屑野郎なら憎めるんですが...そうじゃないところがまた難しい。
物語としての盛り上がりはあるのですが、恋としては萌えを感じることが少なかったです。