死んだはずの幼馴染みの正体は……?

閻魔の息子

enma no musuko

閻魔の息子
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×22
  • 萌7
  • 中立2
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
6
得点
31
評価数
14
平均
2.6 / 5
神率
0%
著者
樹生かなめ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
発売日
電子発売日
価格
¥800(税抜)  
ISBN
9784065221747

あらすじ

頭脳明晰で美男の幼馴染み・白鷺眞弘が事故であっけなく死んだ。が、その事実に呆然とする山崎晴斗の前に当の眞弘が現れて!? 地獄の道ゆきラブファンタジー! 

表題作閻魔の息子

白鷺眞弘,研究者
山崎晴斗,眞弘の幼馴染で予備校講師

その他の収録作品

  • 前世にて
  • あとがき

レビュー投稿数6

ラブ度は低いが。

あらすじと、そして奈良さんの描かれた表紙につられてお買い上げ。
樹生さんて、俺さまな攻めさんが多いイメージですが今作品の攻めさんもめっちゃ俺さま。いっそ清々しいくらいの豪胆な攻めさんでした。


ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





主人公は塾で講師をしている晴斗。
真面目で優秀、けれどちょっぴり運のない彼には腐れ縁の友人がいる。ハーフで見目麗しく、実家はお金持ち、ちゃらちゃらと遊んでいるくせに常にトップの成績を収めてきた眞弘だ。

彼がいるせいで常に彼は2番手。
イケメンの彼の周りにはいつも女性がいて、眞弘と行動を共にすることが多い晴斗は女性たちからも嫌われる。そして何より、眞弘は横柄で、俺さまで、いつも無理難題を吹っかけてくる、そんな友人だった。

だった、という言葉通り、眞弘は交通事故であっけなく命を落としてしまう。びっくりしすぎて実感がわかない晴斗だったが、そんな晴斗の前に死んだはずの眞弘が現れて―?

というお話。

タイトルから推測できるのでネタバレしてしまいますが、



以下壮大なネタバレがありますのでちょっと下げます。


*********************************************








眞弘は、閻魔大王の息子。
そう眞弘に言われ、あっけにとられる晴斗だったが。

読み始めた当初、眞弘が亡くなった人を裁くとか閻魔の跡を継ぐための修行をするとか(閻魔の息子だし)、そういうストーリーなのかな?と思いつつ読み進めましたが、着地点は意外なほど、純愛。この出だしで、こういうストーリー展開か!と圧倒されました。

樹生さんらしい俺さま&執着攻めさんと、シリアスさをはらみながら時々コミカル、といった世界観を持つストーリー展開で、めちゃめちゃ面白かった。歴史上の人物を絡ませながら、どれだけ長い期間眞弘が晴斗にご執心だったのか、という流れで、さすがベテラン作家さま。ストーリー展開がお上手だな、と。

で、登場人物たちがとにかく魅力的。
なんて言えばいいのかな、悪い人がいないんですよ。誰もが葛藤や後悔を抱え生きている。そんな彼らの想いをきちんと汲み取るのが晴斗。序盤、地味キャラだなーと思った晴斗ですが、眞弘がずっと一途に晴斗を愛し続ける理由は彼の持つ本質故なんだな、と気持ちがほっこりしました。

読み始めたとき、眞弘の理不尽なまでの俺さまっぷりにちょっと萎えたことは否めない。否めないのですが、読み進めるごとに彼の可愛さが見えてくる。彼のすべては晴斗のためにある。晴斗だけが彼の望みであり、晴斗を手に入れるためなら手段を問わない。

全てを持ち、パーフェクトに見える眞弘の一途な想いがすごく可愛い…!

ただ、強いて言うと、二人の恋愛というベクトルはかなりあっさりというか今ひとつ盛り上がりに欠けた気もしました。眞弘の強引さがこの作品のキモだと思うのですが、少し強引すぎちゃったのと、晴斗の眞弘への思いが見えづらかったせいかな。

あと、2人の濡れ場が…。
晴斗が寝てる間に眞弘があれやこれや致してしまうので、両想いエッチ、という甘さが控えめだったからかも。

ということで、ストーリーはとても面白かったのですが、BLとしての萌え度がやや低かったのが残念と言えば残念でした。が、樹生さんらしいシリアスさとコミカルさ、シュールさが非常にバランスよく詰まった一冊だったように思います。

奈良さんの挿絵は今回も素晴らしかった。
眞弘のヤバいくらいの色香にKOされ、モブさんたちでさえ等しくカッコいい。

奈良さんの画集、出して欲しいなーとしみじみ思ったりしました。

7

全然想像していたのと違って

表紙イラストに一目ぼれしちゃったんです。
私は元々、奈良画伯のファンなんですけれども、金髪の彼の目力がすごいでしょう?で、出版社あらすじだと眞弘が事故で死ぬはずだから「この写真の『おっとりした感じの坊ちゃん』が眞弘なのだろうか?ただ、金髪と黒髪をどっちが美男か?で比べたら、客観的には金髪が美男なんじゃないの?」という混乱もありまして、読みたくてたまらなくなったんですね。

うん。
この出版社あらすじ、ある意味上手いですよ。
いやいや、想像していたのと全然話が違うんで、結構「やられた~っ!」感がありました。当初「奈良画伯、違うんじゃねーの?」という疑問も、お話が始まってすぐ解決。やはり画伯の『物語に対する解りみの深さ』は揺らいでおりませんでした。

で、お話です。
最初はですね『幽〇白書』的なお話かと思ってたんですよ。
ところが輪廻転生ものでして。
閻魔大王が楊貴妃に産ませた息子である眞弘が晴斗の魂を求めて、何度も何度も生まれ変わるお話なんですよ。
これはね、ちょっと萌え、だったの。
ところがですね、森蘭丸の怨霊が出てきたあたりから自分に合わないお話を選んじまったな感がひたひた参りまして。
……最近のあたしはこの頃の歴史(特に解釈もの)が苦手なんですよ。

逆にですね、本能寺の変の辺りに深い関心をお持ちの姐さま方なら、このお話はどんぴしゃりなんだと思う。先月まで放映していた某大〇ドラマにはまった方とかなら、たぶん私よりも更に笑えるんじゃなかろうかと。

ひとつ付けた『萌』は、そのあたりのお話とは全く関係なく『肉体を失った2人が何もせずただずーっと寄り添っている』部分の描写がかなりグッと来たから。
ふざけっぱなしの樹生さんの文章の中にポンッと入っていたその部分が、なんかやたら恥ずかしくなっちゃうくらい萌えました。

4

奇想天外な輪廻転生もの

表紙買いしました。
あらすじでは幼馴染の眞弘が死んだところから、閻魔大王との対面まで。
猪突猛進な攻めが面白い。
設定の面白さで読ませる小説だと思いました、攻めが好きです。
ページ数も他の作品に比べると少な目?な200ページちょいですが、逆に考えるとコミカルな内容なのでさっくり読めていいのかも知れません。
奈良千春先生の挿絵がとてもよくて、攻めの顔が好きだったこともあって攻めに感情移入しながら読み進めましたが……けっこう、忙しい展開だなと思いました。
後半、戦国武将たちが出てきたのにはビックリ!
そうきたか、と。
何度転生しようと、父親が閻魔大王で立腹していたとしても攻めの受けを独り占めにしたいという欲求は尽きることがない。
日本史の常識をひっくり返すような急展開がとってもおかしくて、夢中で読んでしまいました。
もっとラブラブな要素が欲しかったです~!
設定が好きだったのでもっと二人の交流が見たかったし、エロシーンももっと盛り上がって欲しかった…アフターストーリーがなくて残念。
初回封入のSSがありがたかったです。

2

期待しすぎました

龍&Dr.シリーズは好きでした。
再び奈良先生とのタッグということで期待しすぎたのかもしれません。
表紙イラストも帯の煽りも素敵でしたし…

少し辛口に書きます。お許しください。
龍&Dr.もですが、ここ数年の樹生先生の作風は、わりと脱線や繰り返しが多くて話が進まない作風というか…
今作のストーリーを纏めると「輪廻転生する2人が現世を一緒に過ごすために閻魔大王からの任務を遂行するドタバタ」なのですが、今回の読み切りという形では説明の表現がくどい部分が裏目に出た印象でした。

後半からの戦国武将や歴史的人物の説明が多過ぎて、別の本を読んでいるような錯覚に。
肝心の主人公達や脇役の友人よりも、戦国武将や歴史解釈にスポットが当たってしまい、メインストーリーがぼやけて、BL的な恋愛要素がおざなりになってしまった感があります。
他の方も書いているように、戦国武将や歴史解釈に興味ある方なら楽しく読めるのかもしれませんが、私はまるで興味ないのでその部分は斜め読みでした…

傲慢俺様な執着攻めですが、結局なぜ受けに執着してるのか発端が曖昧なままですし(もちろん、受けの人柄が良いのは分かりますが)、受けの気持ちも今ひとつ伝わってこない。
元々の2人の出会いとかが書かれていればもっと納得できたかも…
作者様が何を書きたかったのか、イマイチ分かりづらいです。
ストーリー重視のBLは大好きですし、恋愛を前面に押し出さなくてもいいとは思いますが、やっぱりBLですから主人公達の気持ちをもう少し書いてほしかったです。
攻めの性格からして「言わせるな、分かれ」というスタンスならば、せめてもう少しラブ度を上げて欲しかった。
ちなみにラブシーンはほとんど朝チュンです。

ラストもストーリー自体が途中で終わってしまったような感じで、2人がこれからどうなるのか、ちゃんと心から結ばれたのか、このまま現世に居られるのか、ちょっと曖昧な感じがします。
もしかしたら本の売れ行きが良ければ続くのかもしれませんが、一応読み切りということなので、ストーリーにある程度の決着が欲しかったです。なんかグダグダしてるうちに終わってしまった感が…
これも作風と言えばそれまでですが…

出版社のTwitterで「龍&Dr.ワールドとニアミスしてる」とのことでしたが、天才外科医の速水俊英の名前と清水谷学園大学の名前が出てくるだけです。
ニアミスというのかよく分かりませんが、本当に会話の中に名前が出てきただけでした。

奈良千春先生のイラストと、あとがきの後の初回限定SSが良かったので評価は萌にしましたが、それが無かったら「中立」でした。

アニメイトは特典でイラストペーパー付きですが、文庫本サイズのペラペラな紙のカラーコピーのイラストペーパーでした。(イラストは表紙のものです)
発色もイマイチで…
せめて紙質をポスカ並みにするか、ペーパーのサイズがクリアファイルくらい大きければ良かったです。
電子の方も初回SSが入ってますし、タイトル文字なしの表紙イラストも入ってますので、イラストが高解像度で発色が良い電子の方がいい気がします。

2

楽しみにしてましたが…

タイトルからして面白そうだし、書影を見て購入しようと決めてました。

でも冒頭の眞弘の葬儀で、晴斗に対する女性達の態度が余りに酷くてちょっと萎えてしまったんです。

それでも霊魂になった眞弘が現れてからの怒涛の展開と、閻魔大王から言われた任務にようやく面白くなって来たと思いました。任務自体もなかなか考えられていると感心したんです。

ところがそれから戦国武将だとか歴史がどうとかの記述が長くて、ちょっと何を読ませられているのかと疑問に思ってしまいました。

とても残念だったのは1番最初に閻魔大王の息子(眞弘)が、晴斗に出会ったきっかけが分からなかった事です。
亡くなった楊貴妃と閻魔大王が出会って産まれたなら、晴斗と出会ったのは何処だったのでしょうか?何で好きになったんでしょうか?

閻魔は晴斗は善良だと言っていたので、出会いは地獄でなかった事は確かだと思います。

そこら辺が書いてないわ、晴斗に何処が好きと聞かれても眞弘はハッキリ言わないわで呆れてしまいました。

次の任務はいいからハッキリ書いてと思いました。

1

閻魔様

奈良先生だしシリーズものではなさそうだと思い購入。まさかの日本史の方々登場されるものでした・・俺様攻めは好きなんですけど、日本史萌えは無いので中立にしました。本編200Pほど+あとがき+前日譚のようなもの13Pほど。日本史好きな方ならいいのかな。

頭脳、金、名声、人脈、ルックス等々、ありとあらゆるものを持っていた、厄介な幼馴染がバイク事故死。その葬儀から帰った日、晴斗の自宅にその幼馴染、眞弘(まひろ)が現れ「どうして俺を思って泣かない?」と問い詰められ・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
芳紀(よしのり、晴斗の良い友人)、閻魔大王(攻め父)、楊貴妃(攻め母)、地獄の方々少々、秀吉だの蘭丸だの光秀だの色々。

++攻め受けについて

攻めがめちゃくちゃ万能無敵感たっぷり俺様で、最高に好き。受けと一緒に帰りたいから告げる言葉が「待て」。犬か!「全部挿れるからな」「暴れなきゃ入る」→マジ鬼畜か。全部受けが好きすぎてということが分かるから安心して大爆笑できます。

ただ訳も分からず執着されまくっていた受けにしてみれば、はた迷惑な幼馴染でしかなかったんだと思います。それでもめちゃくちゃ険悪にならなかったのは表紙にある通り、超お人よし善人さんだったから。ほんと表紙が二人の性格をよーく表していて、奈良先生、天才すぎです。

攻め受けのキャラはしっかり立ってて面白いはずなんですけど、なんせ信長だの光秀だの秀吉だの蘭丸だのが絡んでくるので、申し訳ないです、拒絶反応が出てしまいました。大河ドラマで最も面白い時代の話に違いないんですけど。あと恋心盛り上がってくっつくまでの過程で盛り上がりたいタイプなので、そこも少し物足りなかったかなと思いました。

奈良先生の絵は超絶絶好調なのですが、お話が今一つ好きなタイプではなかった一冊でした。うーん先生ごめんなさい。

0

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