毒を喰らわば皿まで

doku wo kurawaba sara made

毒を喰らわば皿まで
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神134
  • 萌×216
  • 萌3
  • 中立3
  • しゅみじゃない8

102

レビュー数
18
得点
746
評価数
164
平均
4.6 / 5
神率
81.7%
著者
十河 

作家さんの新作発表
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イラスト
斎賀時人 
媒体
小説
出版社
アルファポリス
レーベル
アンダルシュノベルズ
シリーズ
毒を喰らわば皿まで
発売日
電子発売日
価格
¥1,300(税抜)  
ISBN
9784434282348

あらすじ

竜の恩恵を受けるパルセミス王国。その国の悪の宰相アンドリムは、娘が王太子に婚約破棄されたことで前世を思い出す。同時に、ここが前世で流行していた乙女ゲームの世界であること、娘は最後に王太子に処刑される悪役令嬢で自分は彼女と共に身を滅ぼされる運命にあることに気が付いた。そんなことは許せないと、アンドリムは姦計をめぐらせ王太子側の人間であるゲームの攻略対象達を陥れていく。ついには、ライバルでもあった清廉な騎士団長を自身の魅力で籠絡し――

表題作毒を喰らわば皿まで

騎士団長
元 悪の宰相 ,悪役令嬢の父

レビュー投稿数18

ものすごく惜しいような気が

設定・キャラ・ストーリー、どれもとても良かった。始まりからクライマックスな構成も面白い。目が離せない展開の連続で、一気に読めた。
ただキャラの感情面の描写が足りず、行動原理やBL部分が腑に落ちない。ものすごく惜しい気がした。

前世の記憶を取り戻し、乙女ゲー世界を生きていると気付いたアンドリム。各キャラの背景事情や未来で起こることを全部知っている状態にできる便利な設定。

さらには主人公の標的を、逆襲されて然るべきキャラと示す工程まで省き、いきなり逆襲シーンに入ってザマァ展開の連続。悪事を働く様子が描写されていないキャラたちが陥れられるのを見てもな、と最初の印象は良くない。

が、話が進むと、アンドリムにつられるように逆襲される側の言動が酷く醜くなっていく。ヘイトを集めて即ザマァの流れになるのでサクサク読める。テンポ良く隙のない進行で、効率の良い書き方に思えた。
内容はストレス社会にぴったり、構成はタイパ抜群、みたいな。

BLはちょっと浮いていた。特にリュトラのBLらしいセリフは、出てくるタイミングが唐突に感じた。主役カプは心理描写が足りない。
アンドリムはBL部分に限らず、疑問に思う点がある。さまざまな場面で、なぜそこまで?と不思議だった。感情が乗っていればまた違った印象だったと思う。

気になるのは堅苦しい文体。乙女ゲー世界を生きる主人公の逆襲モノ、なんて内容で、シリアス度を無駄に上げてくるこの文章はちょっとキツい。一人称でたまに中二病っぽいのは、もしやアンドリムのオジサン部分を表現してるのか。

改めて振り返ると思うところは出てくるし、もう少しアンドリムの想定外の出来事が起きて欲しかった気持ちはある。同じ悪役でも、男キャラと女キャラの痛めつけ方に差がありすぎるのは引っかかる。
とはいえ最後までダレることなく駆け抜けてくれる作品で、勢いで読まされる。あっという間に終わった感覚だった。面白かった。

0

美人で狡猾な悪役宰相が素敵

本来私は無条件の黒髪受け派ですが今回はそんなこと関係なかったわーと言い切れる程に受け様が美しいです。最高に美しくて賢くて残酷で慈悲深い女神のような悪役宰相様が主役なので間違いなく面白い作品です。そして宰相様の娘最高。娘のファンになりました。物語自体も面白くて後味スッキリ。いろんなザマァなキャラも出てきますが、読み終わるときにはとても清々しくて満足感が得られます。

0

繰り返し読んでる

BLでは小説を読まなかったんだけど、コミカライズ版を読んでから原作が気になり、アルファポリスアプリでレンタルしました。
世界観が緻密で文字を読んで色や風景や音が浮かんできます。
強かで周りを手の平の上でクルクルさせる受のアンドリムが最高に好き。
攻のヨルガが次第に激重溺愛になっていくのがタマラン。

レンタル7日間だけでは読み足らず、Amazonで電子書籍と紙版を小説全巻(4冊)購入しました。
発酵歴30年にして初のBL小説でしたが、大変良き出会いでした。大感謝。

0

愛する娘のための復讐譚として読みごたえあり


ジュリエッタが清廉潔白な女性でないところがすごく好きです。
聡くて無垢な聖女を演じることができるジュリエッタの行く末がどうなるのか、最後に贄になるのか…、その山場となるシーンでアンドリムは同行できないというのが、この物語が(アンドリムの物語なんですが、)アンドリムだけの物語ではないという感じがして、とても引き込まれました。

そしてアンドリムとヨルガの最期まで描かれていて…。
一巻を読んだときには、続巻が発売されていたので、まさか最期まで描かれているとは思わず驚きました。
最期もその後も締め方も綺麗で、物語として完成されていると思いました。
続巻は、ぎゅっと数行で省略されたところの穴埋めという形で、一旦話を終わらせて、ハマった読者が求める二人の日々についてを追加で読ませてくれるという手法はすごく有難いです。

アンドリムとヨルガが、いったいどこでそういう感情が芽生えるのかと思っていましたが、なるほどねという感じでした。
ヨルガはまぁアンドリムにより正しく誤解して堕とされたって感じですが。
ヴィラでの交わりとかよかったなぁ。
アンドリムに堕ちたヨルガいいよねぇ。

あと、個人的には、うん…そうだよな…そうなることもあるよね…復讐としていいね…と思うのですが、アンドリムがヨルガが堕ちたことを確認した場面はさすがに姉妹が可哀想に感じましたし、メリア…ナーシャ…いや因果応報なんだけど…、意に沿わない交わりが苦手な方は気をつけた方がいいかもしれません。

マラキアは…。意に…。まぁ…
リュトラとのエッチが良すぎるので…。うん。
貞操など鼻で嗤うようなマラキアが、愛を伝えるリュトラを、騙し切ろうとするところが最高でした。
短気そうな子から可愛い狗に変わってるんですよね。

3

めちゃくちゃ面白かった!

コミカライズがSNSで流れて来て、そちらが物凄く面白くてこちらにたどり着きました。そうしたら最新刊が間もなく発売されるとあるではないですか!

なので取り敢えず最初の巻を読んでみたのですが、めちゃくちゃ面白かったです。
悪役が改心して新しい運命を切り拓くお話は沢山ありますが、悪役のままで策略を巡らせて復讐を果たして行くのが凄く好みでした。

個人的にはヒロインとその妹を表舞台から引き摺り下ろす様はスカッとして拍手喝采でした。もっと酷い目に遭わせても良いのにとも思っていました。www

アンドリムが攻略対象者を味方に付けて行く過程が凄く面白く、このお話が凄く練り込んで作られている事が伺えました。

そして、エピローグでは綺麗にまとまっているのにどうして続編が…と思ったのですが、続編のあらすじを読むとエピローグで語られていた内容が飛び飛びだったのでそれを補完する内容なのでしょうか?

時間が出来たら古い順に続編を読んで行きたいと思いました。この作品はアンドリムの魅力に尽きると思います。彼の娘も魅力的でした。こういうお話大好きです。

7

そもそもの動機がよくわからない

長かった…。挿絵がなく登場人物の区別が最初のうちは判別できなかったのですが、読んでるうちにわかるようになりました。

途中までは、これどうやってBLになるの?
アンドリムは何をしようとしてるの?
アンドリムの目指すところや、そもそもの動機がわからないまま読むことになります。

娘が死を宣告された時点で前世の記憶が戻ったとのことで、娘への愛情はいつ育まれた?前世で家族仲が良かったから無条件?
娘を愛してるから復讐するとしたら、王太子やナーシャが相手でいいのでは?
そのための攻略対象全員を味方にしたのかな?せめて一人くらい思い通りにならないキャラがいたらどうだったんだろう。
そしてすごい入念な計画をあっという間に思いついたの?

次々とオセロのようにひっくり返るアンドリムの悪行。アンドリムと神官長のしてきたこと全ては国の為にしたことになって。

でも、どんどん変わる情勢に引き込まれ、ナーシャへの仕返しに震えます。
悪役たちがなぜか清らかな性格になって、むしろこの方が自然な自分となり。

また、リュトスと神官長のところがすっごく良かったです。リュトスが全て俺のせいだ!と謝るところ。出会うのが遅くなって悪かったって、こんな台詞初めてですよ!感動しました。

千年後の国の行方もアンドリムの計画通りだったのでしょうか?
カリスとヨルガとアンドリムはどこへ向かったのでしょう。
ヨルガがどんどん変わっていくのもゾワゾワしました。

すごい壮大なお話なのですが、そもそもなぜ?が解消出来ないまま終わってしまい。
シリーズがあるようですが、この謎は解けるのでしょうか?

途中からすっかりBL味が溢れましたね。
登場人物みんながアンドリムの駒のようで。
むしろこっちのエンディングやエンディングのその先のほうが本来のものより良かったのかな?

実は全てのルートを攻略するとプレイできる裏ルートだったとかだと、こんな乙女ゲームはプレイしてみたいですね!

6

サブカップルが好みだったので

断罪イベントや悪役が前世思い出して~っていうのは所謂流行のテンプレなんです
でも、悪役が悪役令嬢の父親で陰謀巡らせて回避したりざまぁしたりするんですね

ムーンライトノベルズ(BL小説サイト)でも少し読んだ記憶があります
書籍化したんだなーって今更ながらに知りまして

BL小説サイトの小説は割と読むほうなのですが女性キャラ出すと地雷っていわれて嫌われたりしやすいんですよね
しかしこの作品娘の存在感があります

あと、流行のざまぁも印象的ですね
敵対する女キャラがこれでもかと貶められる展開で、身の振り方が下品で~みたいなのから、デバフつめられた指輪はめて「おげえっ」って悶絶したり、麻薬漬けで男とヤりまくったり
そのあたりは嫌悪感抱く人いるんじゃないかなーっておもったり(麻薬漬けにするのは商業で描写していいものなのかな?ともおもったり)
陥れていくざまぁなので、悪役が悪のままーってレビュー書いてる方いましたが、本当にそれだなと…
それが嫌な方もいれば、それがいいって方もいる、そんなスパイシーな作品ですね

全体的にダークな雰囲気で、R18な性シーンも表現が大人っぽくて上質です

他のレビューで書いてる方もいますが、私もサブカップルの騎士(息子)×司教好きです
むしろ主人公よりそっちメインに萌えました…

サブカップルが好みだったので萌2ですw
キャラがいっぱい出てくるとどっかツボに刺さるので(非BL作品もそうなんです)だいたい脇キャラが刺さる私にはよかったかなと~

5

BL圧倒支持!!に一票

 乙女ゲーの世界に転生もの…という設定だったので、乙女ゲーが苦手だけに非常に心配でしたが、帯の「BL読者圧倒的支持!」が物語るように完全に取り越し苦労でした。

竜の加護を受けたファンタジー世界での華やかな貴族社会の策略陰謀ものですが、乙女ゲー要素も入っているので、BL小説に無い味わいがあり新鮮で非常に面白かったです。先が気になる展開で続きが気になり、夢中になって読み進めました。
特にアドベンチャー(ノベル)ゲームが好きな人には、ニヤリとする要素が多くて楽しめます。世界観が凝っているだけに、コレ実際ゲームでプレイしたいなー!!と思ってしまった。

 毒成分高めなダークファンタジーもので残酷な面もあります。女性キャラに容赦ない展開も…。
 主人公も相手役も既婚で子供がいる設定…とか特殊ですが、ストーリーや設定が練られていて面白いので、世界観に没頭してしまい気にならなかったです。エピローグも印象的でとても良かったです。兎に角盛りだくさんな内容でした。
難を言えば、息をつく間もなく次々に色々な展開が起こりすぎるので、一つ一つのシーンが印象に残りにくかったのが気になった点です。主人公アンドリムの蜘蛛の糸のように張り巡らせた策略こそがこの小説のウリだけに仕方がない面もありますが…。

広げられた風呂敷は作家さんの力量で巧妙に畳まれていました。物悲しさもあるけれど、物語の終止符も綺麗に打たれている…。それなのに、まだこのシリーズの続編が2冊出ているようで、どんな展開か予想がつきません。

 BL小説レーベル自体は減っていますが、WEB発小説や海外小説も増えているので可能性が広がっているのかもしれません。最近WEB発の分厚い本は読み応えがあって失敗がないのでハマっています。商業と違った面白さがあり、これからも楽しみな分野です。


5

悪役の面白さは格別

「毒を喰らわば皿まで」シリーズの最初の巻。
web系作家の本は価格が高い、値段なりの価値があるのか様子を観ていたけど、これは面白かった。
主人公は美貌の中年、悪役。乙女ゲームの悪役・宰相アンドリムに転生していた。

気付いたら、浮気をした王太子から、娘が目の前で婚約解消をされていた。
王太子は、龍の巫女だった主人公の娘との婚約を解消、そして龍の贄巫女(龍の餌)にする。
・・・前世?の記憶=ゲームシナリオだと・・このままだと、娘と一緒に非業の死。

そうはなるかと、シナリオの記憶を元に悪役の智慧を極めた奸計開始、
娘の破談を機に、龍を味方に付けて、王太子派へ復讐を展開していく。

龍の贄巫女だった美少女ナーシャは双子。
ゲームシナリオだと不憫系ヒロイン、でも実は思い込みが深い性悪。
貧乏な親に売られて、贄巫女になったことを知らないナーシャ。
ナーシャは、世界中が不幸な自分に同情すると思い込んでいる。

先読みできない、うぬぼれが強いヒロイン側のキャラ達。
ゲームシナリオを知る主人公は、特性を踏まえ行動の先を読み、裏をかいてほくそ笑む。

読み進むにつれ、悔しがる善人キャラ達を、主人公と同化して喜ぶようになっていく。
主人公の奸計進撃は痛快。悔しがる相手の様子が、徐々に痛快になってくる。
悪役思考に染まると、通常生活に支障が起きるかも?、

難をいうなら、よく似た登場人物が多いのと、
王太子の裏切り等、どうしてそうなったのか経緯が分かりにくい、独りよがり。
著者は心情描写が多分苦手。棒読み調で淡々。
それを踏まえて脳内補足しながら読み進むと、悪役の活躍が面白くなっていく。

レビューを参考にすると、シリーズ最初の今巻が一番面白いみたい。

4

何か…他の作品とは違う…。

と、いうことだけは分かりました。文体も少し変わっていて、主が「俺」アンドリムだったり、他の登場人物だったりするのですが、テレビのナレーションを聞いてるような感覚でした。

残念ながら私はゲームをしたことがないのでいまいちピンと来ないところもありました。攻略対象とか○○ルートとか、○○エンドとか…。なんとなくこういう意味かな?と思いながら読んでいってあぁ、合ってたんだと理解する感じ。

このお話は乙女ゲームへの転生もので、攻略方法が分かっているけどゲームの主人公ではない悪役令嬢(主役の娘)を生き残らせなければならないこと、娘が想い人と結婚するあたりでゲームが終わるのでその後があまり分かっていないことが見どころなのかなと思います。


転生ものなので、転生された世界の現状把握が続き、アンドリムの目的は分かるけど誰を攻略したい、誰が敵なのかが分からないまま話が進むのですごくハラハラしながら読めました。結局誰を排して誰を利用するの?がホントに見えなかったので最後まで王太子をどうしたいんだろう?が見えず、面白かったです。

そしてアンドリムがやりたいことのために必要な「犬」としてヨルガが出てくるけどゲームの攻略のために抱かれるの?と、BがLしてるのかな?という謎です。そういう意味では別CPのリュトラ×マラキアの方がしっかりLが伝わってこちらのCP推しになりました。が、エピローグまで読むとアンドリムがちゃんとヨルガと想い合ってたことが分かり、良かったです。ただ恋愛小説的に読みたい人からすると、アンドリムがヨルガと添い遂げたのは「使える人」だったからで「愛した人」ではなかったのかな?そのあたりの描写はあまりないので少し消化不良な感じもしました。ただ、BL小説としてはそれでいいのかな、とも思えていて。

なんだかとりとめなく書いてきましたが、文体や主人公の胸の内が見えにくい、結末も全く読めない…など、ホントに今まで読んできた小説と「何だか違うぞ?」と思えるところが多かったので、とにかく印象に残りやすいお話だなと思いました。再読すればまた違った印象になるのかな?

そしてやはりアルフォポリスさん、挿絵なしなのですねー( ;∀;)。斎賀時人さんの絵が雰囲気あって好きなのですがこれも登場人物のところだけで挿絵がなくて悲しかったですー。

3

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