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yuuzutsu wa ai ni tokeru
表紙があまりに綺麗で手に取りました。
良い意味で淡々としている雰囲気がすごく良いです。インタビュー記事で編集さんが「幻想的」と表現されていたのに激しくウンウンと頷きました。漫画なんですけどモノローグは純文学を読んでいるようで、情景は画集を見ているようで、その中に繊細な心が映し出されていてすごく綺麗。2012~2013年に発表された作品とあとがきで知りびっくりしました。
余談ですがキャラクターの名字が…と一部話題になっていましたが、作中ではほぼ下の名前で呼び合っているので多分気にならないと思います。(名字は冒頭で挨拶の時に名乗るだけ…ぐらい)
内容はあらすじにもあるように、作家の慎太郎が恩師の家に下宿する場面から始まります。同じ下宿人だと章吾を紹介されるも、慎太郎は上手く接することが出来ません。章吾の存在に居心地の悪さを感じていた矢先、章吾が書いた文章を読んだ慎太郎は驚きます。
のほほんとしたおおらかな人柄からは想像できない内容と、書くことに対する熱量。慎太郎にはないものを章吾は持っていて、持った才能にどこか少し嫉妬を感じながらも少しずつ章吾に惹かれていきます。
一方章吾も慎太郎に惹かれていました。どこか淡々とした佇まいや、慎太郎の書く物語はいつも淋しい終わりなところ。。。慎太郎の中になにがそうさせるのか気になりはじめます。そんな中、慎太郎が学生時代に仲良くしていた男の存在を知ってーーーと展開します。
少しずつバックボーンが掘り下げられていくのですが、彼等の歩んできた経験が作品に反映されているんだな…と感じるシットリしたお話です。章吾は大型ワンコ属性に入りそうかな~?と思うんですが、どこか大人びて達観していそうな雰囲気が心臓にグッときました。
慎太郎は陰を感じる繊細な雰囲気から過去になにがあったのかドキドキさせられました。彼の心に重石を落とした同級生の存在が、なんていうんだろ、語彙力がないのでこの表現が正しいかわからないけれど、大正浪漫の耽美的な空気感…?なんかドキドキするんですよーー!(;///;) 友人関係をしていた頃のニア感とか!!
その男の存在を知った後の章吾の変化にすごく萌えました。誰に対してもずっとニコニコとフラットな接し方をしている章吾が、恋と欲情を知って初めて表情がかわる。慎太郎との接し方に戸惑う。すっごいキュンキュンするッ!!(;///;)
上にも書きましたが、漫画なのに小説を読んでいる気分にもなるし、画集を眺めている気分にもなる。不思議な魅力が感じられたところも良かったです。目で見て、心で感じ取って、とても綺麗ものに触れた満足感がありました。
初めて読んだ青井秋先生の作品です。
下宿先の書生 葛木 章吾と駆け出しの作家 久世 慎太郎のお話。
恩師の家で再び下宿することになった慎太郎。
しかし、下宿先にはすでに学生の葛木省吾が世話になっていました。
明るくおおらかな省吾に第一印象から苦手意識を持った慎太郎でしたが…。
舞台は明治または大正でしょうか?
明治から大正時代にかけて日本の生活は西洋文化が色濃くなり、一方で情勢は激動の時代を迎えます。
当時は今よりもいろいろなことがセンシティブでした。
その一つひとつが青井秋先生の丁寧で繊細な表紙にも表れていて素敵だなと思いました。
省吾のことが苦手だった慎太郎ですが文学を通じて2人の距離は少しずつ縮まります。
最初は表面的に、そしてだんだんと深い部分に触れるように。
慎太郎は粗野に見えて細やかなところがあり自分にはない才能を持っている省吾に興味を持ち同時に嫉妬も覚えます。
省吾は慎太郎の作品に惹かれ、慎太郎に惹かれ、もっと語り合いたいと思うようになります。
そして、お互いの過去を話したことでそれぞれが抱いた特別な気持ちに揺らいでいくのでした。
青葉の薫り、雨の匂い、夜空の星明かりさえも感じられるような絵柄とモノローグに、まるで物語の世界に入り込んだような感覚になりました。
自分を責めることで諦めようとする省吾と失いたくないから胸の奥にしまう慎太郎の想いがどのように交わるのか?
いつの時代も恋はモダモダでキュンキュンするのですね。
ぜひ本編をご覧ください。
個人的には、慎太郎が憧れていた親友とは別離したのに省吾に恋愛感情を持ったのが不思議でした。
もう少し慎太郎の心の変化を読みたかったです。
Hシーンはありません。
キスをして優しく押し倒すシーンがあります。
逆にエロがなくて良かったと思いました(笑)
描き下ろし『孟蘭盆会』
省吾の故郷を訪ねた2人のお話。
イケメンがパワーアップしている(*´艸`*)
タイトルの「ゆうづつ」は漢字にすると「夕星」です。
夕方に西の空に見える金星。
その金星が橙色から藍色の空にとけていく。
きっと、省吾にとっても慎太郎にとってもお互いが自分だけに灯る明星なのでしょう。
突き動かされる衝動も感情が溢れる言動もありませんが、静かにゆっくりと進んでいる2人に心が浄化されるような作品です。
細部までも美しい絵柄に絶妙な空気感で青井秋先生の世界観に魅了されました。
気になっている方はもちろん、BL初心者の方にもおすすめします。
2012〜2013年にかけて連載された作品の、待望の単行本化。
タイトルからイメージしたのは、誰にも知られることはないであろう、密やかな恋のお話でした。
時代的には明治末期でしょうか。同じ下宿で生活を共にする大学生の章吾と、大学の先輩にあたる駆け出し作家・慎太郎が惹かれあっていく、静謐で詩的な物語。
書生の章吾が下宿している主の先生は、作家となった慎太郎の恩師だった。文芸創作をしている章吾は先生に作品を見てもらっていたが、もともと学生時代に下宿していた慎太郎が再び戻ってきたことで、多忙な先生の代わりに慎太郎が指導することに。
慎太郎は章吾の作品を一読してその才能に嫉妬を覚え、反射的に苦手意識を抱く。しかし章吾の方は慎太郎の作品に触れ、慎太郎自身に興味を持ち始める。
学生時代、慎太郎には親友ともいえる友人がいましたが、同性でありながら思いを寄せられていたことを知り、苦い別離を経験していました。慎太郎のことをもっと知りたいと思っていた章吾は、二人の間にあった友情と恋情の狭間の関係性を汲み取ってしまいます。
同性をよろめかせてしまう慎太郎の、ちょっと影があって儚げな色気はわからないでもないです。さみしい結末ばかりの自作小説しかり、普段も多くを語らないその心の奥に何があるのか。踏み込んでみたくなるような好奇心をそそられます。
章吾が慎太郎と友人の関係を想像する時、友人の立場に同調します。その一方で、突然届いた友人からの再会を乞う手紙に動揺する慎太郎の気持ちにも理解を示します。彼に会いたいから慎太郎は悩むのだろうと。章吾はどちらの心情にも共感できるのです。
章吾、それ腐女子目線だから。って思わずツッコみました…
二人の関係に触発されたせいか、章吾は募る思いを慎太郎にぶつけてしまいます。それを受けて慎太郎は長いこと揺れ続けていた気持ちにケリをつけるのですが…。コマ割りが秀逸で、無音のように見えるけれど情熱を感じられる告白シーンは萌えます!
章吾は生い立ちが複雑で、深い悲しみを経験してきた青年でした。彼が若くして人の心動かすような作品を書ける背景がきちんと示唆されています。人の痛みがわかるからこそ、気難しい慎太郎の苦しみに触れ、心を開かせることができたのだろうな、と。
まだ戦争の影が見られない狭間の一時期ゆえに成立したハッピーエンド。理想的すぎるくらいです。束の間の秘めた恋物語こそ、BLにふさわしいファンタジーだとしみじみ思わせてくれました。
背景、人物、セリフ、モノローグ全てに品があって、作者のセンスが散りばめられていています。カバーの色使いも、カバー下の植物柄も、大変美しいです。
美しい表紙に惹かれて手にしました。
内容も詩的で叙情的であり、風景、天気、登場人物たちの表情……と、どれをとっても美しいの一言です。
駆け出し作家の久世は、かつて世話になった恩師の家で下宿することになります。
そこで出会ったのは、快活でいつでも笑顔を絶やさない書生・葛城。
騒々しい葛城に嫌悪感を抱く久世でしたが、葛城の書く文章を目にし、その才能に圧倒されーー…!
美しい男同士の静かなやりとりが見どころです。
それぞれの作品、過去を共有することで深まっていく関係が作家らしくていいなと思いました。
時の流れがゆっくりに感じ、行間を読んでいくとまた違った広がりが見えますし、何より言葉に清らかさを感じます。
ただ、ラブストーリーとしては惹かれ合う要素が薄かった気がしました。
過去に憧れの親友に言い寄られた久世は、それをあっさり拒絶しています。どう考えても同性同士の恋愛に積極的な男には見えなかった。
その久世があっさり葛木に惚れ、結ばれるという展開に違和感を感じてしまいました。
途中まで、これは親友とくっついて葛木は振られるパターンでは?と思っていたくらいで、むしろその方が自然だとさえ思いました。
少ない情報から気持ちを読み取ったり、削られた言葉の中に自分で想像したものを当てはめるのが詩的な物語に対する楽しみ方だと思います。
だとしたら、この解読しきれないモヤモヤした気持ちも作品の醍醐味なのかもしれませんが……
美しさは文句なしで、漫画でしか魅せられない描写の数々にため息が出ます。
懐かしさ漂う雰囲気を味わいたい方にはおすすめです。
※エロなしです。
とても綺麗な装丁や目次や植物の描写や。そしてスッキリとした人物像。
絵で世界観に浸れますね。
お話はそんなに大きな起伏はないのですが、静かに流れるように進んでいきます。
章吾も慎太郎もお互いを知るにつれもっと話したい、話を聞きたい気持ちが募って。
章吾の来歴?や慎太郎の噂の男などお互い心を騒がせて。
臆病でなかなか気持ちを素直にできない慎太郎。
もう今さらだろうか…とか。
BLになる自然な流れも違和感なく。
こんなにお互い気になる人はいないですね。それは恋ってことですよね。
ゆったりとした時間が流れる中、少しずつ心を解いていくような美しいお話で
現代もののお話では感じられないような静かで熱い想いに引き込まれました。
章吾と慎太郎の心境も美しい物語のように描写されていて、そんなところにも物書きのお話らしさを感じることが出来ました。
それぞれが書く文章に宿る過去にまつわる記憶は切ないものでしたが
ふたりともがそれぞれお互いを思いやって
同じように前に進んでいけるような展開になっている素敵な作品でした。