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itoshi no modern boy
ハルトでの連載作品です。
こいかわ先生が連載中なので気になってましたが、こんな作品もあったとは。もっと注目されても良いのではなかろうか!!
濱久実先生の作品を初めて読みました。他の作品も読んでみたいと思う吸引力でした。読後、先生のTwitterを拝見したら、風景のイラストがとても好きだったというのもある。この絵を描く方の漫画をもっと読みたい、そう思った。
◾︎晴海一豊(会社員,旅館の次男※後継ではない)×ひかる(カフェ「ロマンティカ」の店員,美容系動画配信主)
ラブコメのように見せかけて、人間の浅ましさを抉ってくる作品です。ちるちるのあらすじ紹介だと随分ハイテンションな気がしますが、そこがこの作品の売りではないと思う。
いや、自分も最初は一豊がひかるの顔をギュッと持って「そんな持ったら変な顔になるじゃん」ってところから可愛いな〜って思い出したんですけど!
まず、ひかる。電車で絡まれた時にぽろっと洩れた言葉「地味でおとなしそうなやつが〜」…あぁ、世知辛い。でもそれは真実なんだよな。素顔晒して化粧動画配信をしてるけど、部屋はとっても汚い。その汚部屋は隠してる。自虐して叫ぶひかるが痛々しくて愛しい。
一方の一豊も、自分をずっと見て欲しかった男です。この作品、兄が跡取りの座を明け渡して、一豊がそこに収まるって展開ではなく、兄が自分のしたかったことを告白したり、苦しみを吐露する展開でもなかったところがとても好きです。先生を信頼できる。そんな安っぽいものにしない。登場人物たる兄にも、人格がきちんと与えられている感じがします。
一豊がひかるに惹かれる流れは、正直キャバクラに行くおっさんと大した違いはないんですよ。慰めてもらって優しくされて仕事を忘れられると言ってストーカー化して。最初「この町は苦手」と言ったはずの彼、こういう人こそハマりやすかったりする。ひかるが案外と純粋だったからよかったものの、口八丁手八丁な女性だったとしてもコロっと騙されてしまっていたのではと思ったり。ひかるが相手でよかったね。
意外とスケベな一豊さん良き〜〜(こういうとこ含めてさっきのコロっと一豊の可能性を思ってしまうのだけど笑)。このぺらっとした布団の上での会話がまた良き。
描き下ろし部分のひかるの、振り回しつつ一豊にベタ惚れなところとか、目元に触るゾクっとする感じとか、最後まで満たされる作品でした。
英語タイトルがmy sweet modern boyなの萌える〜
邦題ではmyって言ってない!僕のって言ってないのに!!
萌2つけようかと思ったんですけど、もっと読まれて欲しいので宣伝の気持ち乗せて神!
シーモア限定おまけはイラストです。ハルトの表紙カラー絵が好きだったから、これも収録して欲しかったな。
初読みの作家さんです。
この作品、人の気持ちの闇の汚い部分に焦点をあてていて、じわじわ滲みでたり、じっくりじっくり解して行ったり。
物語にしては、結構現実的なストーリーで、
無駄なエロもなく、内容がしっかりあって良かったです。
出会いのきっかけとなった場所が、昔ながらのレトロなカフェーって言うこともあり。
何回も、じっくり読みました。
アイドルに憧れていた〜ひかる。
でも、周囲にはバカにされる始末。
自己肯定感が低く、それでも誰かの役に立ちたいと、存在価値がないと思い込んでいる。
何かを掴もうと必死にもがく。
メイクの動画配信中、塗っても塗っても綺麗にならない顔と、汚部屋がリンクしていた所は、ひかるの心を映したもんなんだろうな。
一方、一豊は老舗旅館の次男でサラリーマン。面倒みの良いお人好し、ひたすら頑張る努力家。
しかし、父親に対しては、待つことした出来ない、選ばれ待ちな人物。
跡継ぎの問題で、兄への嫉妬が〜なんとも切なかったよ。
そんな2人が出会ったことで、惹かれ合い〜喧嘩しながら心を通わせて行くのが堪らない。
そして、自分たちの人生を軌道修正しながら成長して行く姿に胸を撫で下ろしました。
一豊の夢が、いつか叶うと信じています。
いい作品に出会えました。
キャラクターのベクトルが私の好みにどストライクを示していたのと、
主人公たちのコンプレックスに関するストーリーもしっかりしていたと思うので【萌2評価】です。
初読み作家さんでしたが、表紙や扉絵の厚塗りというかクレヨンのような絵柄も好みですし、
本編の絵柄も私の大好きな、はやりやまい先生と似た系統で嬉しかったです。
余計なものはなかったのが個人的に好み。
あらすじと感想です。
老舗旅館の次男でファミレスの社員(営業マンに近いのかな?)として働く攻め(一豊)と、カフェーで働く受け(ひかる)の物語です。
旅館の次男坊として、兄(つまり旅館の跡継ぎ)に関する複雑な悩みをもつ一豊が、
会社の後輩に連れられたカフェー(カフェ、ではない!カフェーというのが重要!)で働くウェイターのひかると出会います。
ひかるに対する第一印象はおそらく最悪だったと思いますが、
色々事情を聞いたり、素のひかるを見たことで
だんだんと「ひかる」という人物に色がつき、
心惹かれていく一豊。
そしてとある理由により初めから一豊に好かれたい(嫌われたくない)と思っているひかる。
このひかるの「嫌われたくない」という気持ちがもう〜〜〜〜、、、、、ね!!!!
健気!!
強気でグイグイと一豊に攻め込んでいくのか(私の勝手な印象)と思いきや、
一豊が絶対に嫌だと思うようなことはしない。
いや、嫌われたくないから、できない。
そもそも強気かと思いきやコンプレックスのせいで
自己肯定ができない、弱気なひかる。
……………ギャップ!!!!!!!!
最初はグイグイタイプだと思わせといての...。
ひかるのそのギャップにやられました。
そして、そんなひかるに対しての一豊がこれまた素直でええ人です。
今まで読んだ作品の中に登場する「素直な(というかええ人な)攻め」ベスト3に入るかなー。
そう私に思わせたシーンが本編75ページにありますが、たぶんただひたすら私の個人的なツボにハマってただけかも???
とりあえず、素敵なカップルに巡り会えてよかったです。
興味を持たれた方、ぜひ読んでみてください。
これは…隠れた良作なのではないでしょうか。
初読み作家様でした。電子のみなのが本当にもったいない。
カバーイラストを見た時点で、なんだかもう惹かれるものがあったんです。
絵柄は少し独特ですが、味があって個人的にはすごく好き。
濱久実先生にしか出せない魅力がある絵な気がします。
この絵柄は紙でも読みたいな。
モダンボーイにレトロな「カフェー」と、大正時代から昭和初期のお話を連想する方もいらっしゃるかもしれませんが、現代ものです。
けれど、絵柄の素朴さも相まってか、雰囲気はどことなくレトロな感じもするから不思議。
あらすじにある、ハイスピードラブコメディの文字が良い意味で裏切られるお話だと思います。
始まりはおおむねあらすじ通り。
サラリーマンとカフェの店員という組み合わせはそこまで珍しいものではないですよね。
実は、レトロなカフェには裏メニューのようなものが存在していて…というものもありそうと言えばありそうな設定です。
でもこれが妙に惹かれてしまうんだな。
一豊とひかるという2人の出会いが描かれた序盤までは、テンポが良いこともあって確かにラブコメっぽさが強い印象があるのですが…
ただですね。読み進めていくと、明るいトーンのお話の中に、精一杯自分を着飾ろうとする人間のいわば表の部分と、その裏に潜む現実ややるせなさ、自分ではなかなかなくすことの出来ない根深いコンプレックスについてが描かれているのが上手いです。
カフェー「ロマンティカ」風に言うのならば、ラブコメと見せかけたこの作品の裏メニューとでも言いますか。
2人のやり取りが可愛いなと思っていたら、気が付けば彼らの心の一歩踏み込んだところまで見ていたというか。
「誰しも本当になりたい自分になれるわけではない」
この一豊のモノローグの一言が妙にささる。
なりたかった姿になろうと必死になっている自分、誰かに見て認めて欲しいと思っている自分が滑稽に思える瞬間って誰しもあると思うんです。
かつてアイドルになりたかったひかるは容姿にコンプレックスがある。
地味な素顔から"モダンボーイ"に変身するまでの化粧配信をしても、みんなに元気をあげられる存在になりたいのだとどんなに着飾っても、結局は隠しているものだらけだと自虐してしまう。
ひかるの部屋の汚さは、必死に隠そうとしているコンプレックスの部分と似たものがあるのかななんて。
冒頭のコンシーラーで隠しているかのようです。
一方の一豊は老舗旅館の次男。
いつも期待されるのは出来の良い兄で、いつか家の役に自分も立てるように、いつか誰かが自分の努力を見て認めてくれるように"頑張って"生きてきた人。
側から見れば仕事も出来て、自信があって…と、とても恵まれた人に見える。
けれど、ひかると同じく懸命に努力をして作り上げた自分なんです。
いつか誰かがと思っても、それでも長男が帰って来ただけでぐらぐらと歪んでしまう。
そんな不器用に生きる2人が、お互いが自虐しながらも作り上げた理想の姿を見て、救われたり憧れたりしているのがこの作品の面白いところ。
なりたい自分にはなれていなくても、それは決して無駄なことじゃなかったんですよ。
ひかるも一豊もどちらも優しい人なんですよね。
特に一豊。彼にとってはひかるのコンプレックスというのは全く問題にならない。
彼が好ましく思ったのは、ありのままのひかるという1人の人間なので、メイク前のひかるでも、メイク後のひかるでも関係ないんです。
きっとここまで素直で、物事を否定せずに見て態度を変えない一豊という人は、ひかるの周りにはあまり居なかったタイプなのでは?
それから、幼少期に食べさせては貰えなかったナポリタンを食べ、大人になった今食べられて嬉しいと言っては恥ずかしがる一豊に「じゃあこれからいっぱい食べたらいいじゃん」と何気なく言うひかるが好き。
特別な着飾りをしなくたって、ひかるは十分人に元気と癒しを与えられている。
お互いの見て欲しい部分も、見せられないみっともない部分もひっくるめて好ましく思っていく2人のやり取りがなんとも良かった。
2人がこのキャラクターではなかったら、こんなに素敵なお話にはならなかった気がします。
コンプレックスまで魅力的な2人が好きです。
カフェと純喫茶の違いについても面白かったな。
読後にクリームソーダが飲みたくなる1冊でした。
思えば、ひかるが初めてロマンティカで飲んだのもクリームソーダでしたね。
初めて読むレーベル。
こういう手書き感のある背景やものが細かく書き込まれた絵が好きなんですね。作家さんも初めてだったのですが、気になって買ってみました。
どこかおかしな二人。変でもあり、コミカルでもある。
老舗旅館の次男坊、一豊。跡取りとしては育てられず、それをトラウマとして持っている。現在はファミレスで魚介類など食材の仕入れをしている。
一方のひかるはカフェの従業員。純ではない喫茶で、一部の客にはちょっとHなサービスをしている。
一豊は、部下のおせっかいで何も知らずそのカフェに連れてこられ、二人が出会う。
最初は客と店員の関係でしたが、お互いに最初から気になる存在だったようで、紆余曲折ありながらも何とかゴール。一豊のトラウマの方も二人の関係の進展とともに解消。
という感じのストーリー。わちゃわちゃとしつつもなんだかんだくっつく展開は好きなので、面白かったです。
ひかるは化粧で美人に変身していて、地顔は別人という設定なのですが、ほぼ化粧の方の顔で描かれていたと思います。この辺、ひかるの方のドラマはあまりなかったかも。
真っ直ぐでウブだけどちょっとだけ屈折してて、みたいな一豊のキャラが良かった。ひかるも、悟っているようで、好きな一豊のことになると乙女になっちゃう。
作家さんの他の作品も楽しみです。