キャラ文庫アンソロジー3 瑠璃

chara bunko anthology ruri

キャラ文庫アンソロジー3   瑠璃
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神13
  • 萌×213
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
5
得点
117
評価数
27
平均
4.4 / 5
神率
48.1%
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
シリーズ
キャラ文庫アンソロジー
発売日
電子発売日
価格
¥1,400(税抜)  
ISBN
9784198651176

あらすじ

英田サキ イラスト:高階 佑
尾上与一 イラスト:木下けい子
樋口美沙緒 イラスト:yoco
松岡なつき イラスト:彩
宮緒 葵 イラスト:みずかねりょう
夜光 花 イラスト:笠井あゆみ
カバーイラスト:円陣闇丸

その他の収録作品

  • 英田サキ(イラスト/高階佑)「DEADLOCK」番外編
  • 尾上与一(イラスト/木下けい子)「初恋をやりなおすにあたって」番外編
  • 樋口美沙緒(イラスト/yoco)「パブリックスクールシリーズ」番外編
  • 松岡なつき(イラスト/彩)「FLESH & BLOOD」番外編
  • 宮緒葵(イラスト/みずかねりょう)「悪食」番外編
  • 夜光花(イラスト/笠井あゆみ)「式神の名は、鬼」番外編

レビュー投稿数5

エドのぐだぐだ&紫の上のせっちゃん&ちっこいディック&甘い陰陽師

宝石アンソロ(勝手に命名)第三弾。1,3、4,5がめっちゃ好きだったので神にしました。さらっと読めちゃうけど「先生方が楽しんで書いておられる」と、とても感じるので、このcharaさんのアンソロシリーズ大好きです!

chara文庫さんの既刊のアンソロジー第三弾。表紙絵は円陣先生ですが表紙絵のみで、各話の扉絵は既刊を担当されていた方のモノクロ絵(多分新絵)と思います。

1.午前零時の紫の上「初恋をやりなおすにあたって」番外編 尾上与一先生
  受けの雪ちゃんが大好きで、すっごく楽しみにしていました。
  なんと雪ちゃんの先輩棋士が新キャラとして登場、実は紫の上だった!という
  お話でした。最高。すごく好き。既刊好きだった方には是非読んでいただきたい。

2.嫉妬「悪食」番外編 宮緒葵先生
  天使ちゃん水琴ちゃんは変わらず泉里さんががっちり抱え込んでますが
  ある日槇さんから紹介されたお客様が持ちこまれた絵に、ある方が付いてきて
  という水琴ちゃん成長お話。表紙絵の天使力アップした水琴ちゃんが凄い。

3.You're just a boy「DEADLOCK」番外編 英田サキ先生
  ディックのトラウマ?幼少期にあった出来事をユウトとようやく共有できるお話。
  ディック、コネティカットに早くユウトとお出かけしてね♡

4.最高の恋人は鬼でした「式神の名は、鬼」番外編 夜光花先生
  何と羅刹を自慢するために新宿二丁目を久しぶりに訪問!!
  そこで昔の男の様子がおかしいとママに聞かされ訪ねてみるお話。
  楽しい。楽しすぎる。そしてドロドロやりまくり(笑)

5.画廊オーナーの気がかりな案件「パブリックスクールシリーズ」番外編 樋口美沙緒先生
  もう最高。最初っから最後まで最高。エドと礼が好きな方必読。
  エドが礼の仕事っぷりをみて、デミアンがどうのこうの、
  新規アーティストを開拓するなんてどうのこうのとグダグダ言ってるの、
  笑うしかないです。
 
6.掌中に永遠「FLESH & BLOOD」番外編 松岡なつき先生
  本編読んでないので、ご紹介だけ。
  細密画を描くニコラス・ヒリアードという方視点で、ジェフリー、カイトの
  細密画を描いてほしいという依頼を受けて二人とナイジェルやキット等とも
  会うお話でした。

大きめサイズの本なので、小さい書店だと入荷少ないか、入っていないかもしれません。なかったら是非お取り寄せで!

8

番外編読めて良かった!

大好きな作品の番外編を読めて購入して良かったです。

「午前零時の紫の上」
本編未読です。尾上先生は何故か避けていて初読みでした。ですがとても楽しめました。
雪の兄弟子が気持ち悪くて、対局で雪が勝利した時はスッキリしました。

「嫉妬」
本編の悪食も面白かったけど、今回の番外編も良かったです。亡くなった無名の画家の遺作を持ち込んだ、その幼馴染みと婚約者の一件から水琴と泉里それぞれの嫉妬が浮き彫りになってました。水琴の嫉妬は可愛いものだけど、泉里の思いは覚悟のいるもので…

「You're just a boy」
ネトをロサンゼルス空港に送って行った事からディックがコネチカットにいた少年時代の幼馴染みに偶然出会うお話でした。今までユウトが気にしながらもディックの過去に触れなかったのが、今回をきっかけに変わって行きます。ユウトの嫉妬する気持ちが分かったし、ディックがそれを想像出来なかった事に唖然としました。
ディックはユウトと恋人同士になる事で過去の自分を恥じて後悔してたんですね。どんな過去でも受け入れるし愛し続けると覚悟を決めたユウトは男前で、そんなユウトを愛して失う事を恐れているディックが愛おしいと思いました。そしてセックスシーンが相変わらず素晴らしかった。

「最高の恋人は鬼でした」
本編が終わったばかりだったので、この番外編目的で購入しました。
羅刹を自慢したいが為に新宿2丁目の昔馴染みのゲイバーに行く櫂に爆笑しました。
バーでの羅刹と魑魅魍魎の面々とのやり取りに、ニヤニヤが止まりませんでした。読みながら夜光先生最高って叫びたかったほどでした。
ベタベタと羅刹に触られて嫉妬する櫂も面白かった。ママに櫂の元カレの様子がおかしいと聞いて、マンションに向かった事から彼に取り憑いた生霊退治をする事になります。ラブホテルで一緒にお風呂に入ったり、2人がさらに恋人っぽくなってるのが良かったです。
それから櫂の元カレがネコになってて、羅刹とお近づきになろうとしてるのと櫂が牽制してるのにまた爆笑しました。
本編終わっても番外編で2人の話は読みたいと思いました。

「画廊オーナーの気がかりな案件」
エド視点のお話でした。レイのために作った画廊なのに、エドにとってはどうでも良くてむしろそこにかかわる男達に嫉妬しているのが面白かった。ダミアンやブライトは分かりますが、まさかのハリーにまで。w
いかにエドがレイに夢中なのかが分かりました。そしてレイがイギリスで暮らす事になってやって来た、最初の1週間の2人の様子も更に詳しく読めて嬉しかったです。
画廊が長期休みの間にレイがエドにおねだりした内容が、エドと同じ気持ちだったのも胸熱でした。

「掌中に永遠」
こちらの本編も未読です。人気のようですが既に長い作品なので、もう手は出さないかなと思います。
毎回番外編は読んでますが、登場人物が多すぎていつも理解出来ません。すいません。

5

大満足の番外編集

既刊作品の番外編集です。
大好きな作品が何作もありましたのでポチって読みました。
未読の作品もあり、そちらは本編を読んでからのお楽しみにしたいので、私の既読作品のみ感想を書かせて頂きます。


『悪食』番外編【嫉妬】 宮緒 葵
特殊能力を持つ妖精画家・水琴と、その恋人兼パトロンの泉里によるミステリアスBL。
今作はシリアス展開で、ちょっとゾクっとさせられました。

ある日、1組のカップルによってギャラリーに持ち込まれた「聖母マリア」の絵。
それは親友の辻岡透哉が、清隆と真理愛の結婚祝いに描いた遺作だと言います。
見ると亡くなった透哉を思い出して辛いという真理愛のため、絵画を寄贈したいという清隆。
死者がみえる水琴には、二人の傍で絵を見つめる透哉の姿がみえていてーー…

この話の結末がとっても辛いのです。
「嫉妬」というタイトル通り、幾人もの嫉妬が渦巻く展開。
透哉に共鳴してしまう水琴、透哉の生々しい思い、強い独占欲を秘めた泉里、そして真理愛の秘密……と、幾つもの幾人もの思いが重なり合って織りなすストーリーです。
そして、「聖母マリア」に秘められた真実とはーー?

思った以上にの真理愛の悪女振りに度肝を抜かれました。
透哉は一途なのでしょうが、死して尚、清隆に爪痕を残す程の強い想いが恐ろしい気もしました。
シリーズ、まだ続きそうな気がします。


『DEAD LOCK』番外編【You're just a boy】 英田 サキ
これは素晴らしかったです。読めてよかった。
今まで語られなかったディックの幼年時代と両親の話。
ずっと後悔して生きてきたディックの過ち……黒い風船です。

ディックが施設で生活していた頃の友人に偶然再会したところから始まるストーリー。
意識してずっと振り返ってこなかったディックの過去を、ユウトが優しく解き包み込んでいきます。
遠慮しがちだったユウトが見せた嫉妬、無理にでも踏み込もうとする強い思い。
ディックのすべてを受け止めるユウトの包容力に震えました。

ディックを責める人が現れたら一緒に謝り、決して一人にはしないというユウトの言葉が泣ける(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
優しくて本当に強い。
ディックはユウトに出会えて本当に良かったと思う。
寂しさと孤独が支配していた子どもの頃のディックさえ、今のユウトが救ってくれたんだね。
ディックは過去の自分をもう許してあげて欲しい。
だって、ディックだって昔はただの少年だったんだから。

いやー、いい話だったんだけどラストの濡れ場が凄かった!
ユウトがめちゃめちゃエロい♡
ユウトの言葉責めだけでイキそうなディックが可愛いし、もうどうしたのってくらい盛り上がった!最高でした!!


『式神の名は、鬼』番外編【最高の恋人は鬼でした】 夜光花
めっちゃくちゃ甘〜い♡すごく良かった!
こうやって色々な小説を続けて読んでみると、夜光花さんの文章の読みやすさが分かります。

羅刹を昔馴染みに自慢するため、新宿二丁目のゲイバーを訪れる櫂。
そこで、幽霊が出るといって別人のようになってしまった元彼・利賀の話を聞きーー…

羅刹を自慢するために店に連れていく櫂が笑えるんですけど(笑)
元彼に憑いた生霊を退治するという陰陽師らしい描写もあるものの、とにかく櫂と羅刹のいちゃいちゃを堪能するストーリーになっています。

ラブホで一泊する事にした櫂と羅刹。
櫂が嫉妬するし甘えるし、もーどうしたの?っていうくらい可愛い^^
「羅刹、好きだよ」という告白には転げた♡
事後の「なぁ、俺のこと好きって言って」には、くうぁーーってなりました(笑)
羅刹の「愛しているぞ」もカッコいい♡
〝お漏らし〟とか〝抱っこ〟っていう単語も可愛くて、ニヤニヤが止まらないよ!
抱き潰されて甘えまくる櫂が可愛いし、本編以上にエロエロだったのも最高でした!!


『パブリックスクール』番外編【画廊オーナーの気がかりな案件】 樋口 美沙緒
エドの独占欲と執着の話です。
ロンドンでの蜜月を補完するものでもあり、二人がどういう日々を過ごしていたのかわかる内容になっています。
これは興奮した!これが蜜月だよ!!

本編は、私にはちょっと息苦しかったのですが、こちらの番外編は安心して読めました。
携帯をハッキングされていたり、職場の面々にまで焼きもちを焼いていたりと、エドの愛が重すぎて、それに気付いていないレイがちょっと可哀想で、でも幸せそうで……
甘さを補う、とてもいい番外編だったと思います。


追々、『初恋をやりなおすにあたって』を読んでみたいと思いました^^

4

宝石箱のような短編集

キャラ文庫アンソロジー3作目。
宝石の名前がついたタイトルの通り、各作品の魅力が沢山詰まった宝石箱のような作品集ですよね。
円陣闇丸先生のカバーイラストの男の子も毎回素敵。
左目にモノクルを着けた知的な青年が麗しいです。
表紙の加工も装丁も美しく、この本が毎年の楽しみになりつつあります。
合計6作品の短編が収録されていますが、元作品未読のものもありましたので、既読作品のみのレビューとなります。

●You're just a boy
英田サキ先生による、DEADLOCKの番外編。
ディックの過去について詳しく語られている部分と言えば、デルタフォース時代の辺りですよね。
こちらは、きっと誰もが気になっていたであろう、ディックの幼年時代に関する過去のお話となります。
施設時代の幼馴染との偶然の再会から紐解かれていく、心に仕舞い込んでいた薄暗いパンドラの箱。
ディックという人の、心の奥底にずっと閉じ込めてあった孤独や暗い部分まで包み込むユウトが強くて優しくて素敵なのです。
彼が抱えきれない分の重荷は半分持ってあげたい、全てまとめて愛したいと思うユウトがすごく好き。
ディックって、回を増すごとに決して強い人間ではなく、むしろ繊細で危うい部分が多い人だなという印象が強くて。
そんなディックが、優しく美しい強い心を持ったユウトという人に出逢えて本当に嬉しい。
ユウトはディックにとってヒーローのような人なんじゃないかなと思います。
彼が少しずつ過去の自分を許してあげられるようになるといいな。
この2人は、どちらかが寄り掛かるのではなく、心からお互いを支え合っているのが見てとれて、少しの問題があったとしても崩れる事が無さそうな安心感があります。
いつか2人でディックの親族を探しに行く姿は見られるのかな。
「相手の秘密を暴くのなら、どんな真実を知ろうと受け止める覚悟が必要」
確かにその通りだと思います。
しかし、ネトはいつも良い言葉とアドバイスをくれますね。
何にも囚われない自由な風のような彼も魅力的でした。
ネトのお話もすごく読みたい。

●最高の恋人は鬼でした
夜光花先生による、式神の名は、鬼の番外編。
甘さたっぷりのコミカルなお話でした!
羅刹を自慢しようと新宿2丁目にある、過去の馴染みの店に連れて行く櫂。
毎度思いますが、あの美貌なのに櫂がちょっと残念な美人だったり、考えが子供っぽかったりして笑ってしまう。可愛いですよね。
その昔馴染みの店というのも、オカマにオネエに女装にニューハーフ、ゲイにドラァグクィーンと、バラエティに富んだ明るく楽しい人達が揃う所で。
自分で連れて行ったというのに、案の定言い寄られる羅刹を見て嫉妬をするし、すごく可愛らしいんです。
と、明るく楽しいエピソードばかりで終わらせないのが夜光花先生のすごいところ。
羅刹に甘える櫂や、ストレートに愛の言葉を贈る羅刹との愛のある濃厚なセックスによって、愛し愛されることの多幸感に包まれていく姿もとっても甘くて萌の極みなのですが、同性愛者である自分を嫌悪するあまり、自暴自棄になっていた当時のトラウマや、人と深い関係になる事に怯えていた過去のもやもやが払拭されていく。
短編にバランス良くエピソードが散りばめられていてお見事でした。
昔の恋人の元に居着いた生霊の除霊をきっかけに、櫂の仕事の幅も広がりそうですね。
でも、この土地で事務所を開いて羅刹が隣に居たら、モテすぎて櫂が嫉妬でやきもきする毎日なのではないでしょうか。
「最高の恋人」でしめるのかと思いきや、最後にお金が出て来るのが櫂らしくて笑ってしまった。
肩の力を抜いて楽しく読める短編でした。

●画廊オーナーの気がかりな案件
樋口美沙緒先生による、パブリックスクールの番外編。
yoco先生の扉絵が幸せに満ちていて大好き。
時系列的にはロンドンの蜜月の後、エドがレイのために開いたギャラリー「パルム」の様子と、9ヶ月前の蜜月を思い返して身悶えるエドの様子が楽しめるのでぜひ読んでほしい。
手のひらという意味のギャラリーの名前が良いですね。
ロンドンの〜本編の甘さが控えめだったものですから、これぞ蜜月!という甘さがたまらなく良かったです。
エド視点のお話なのですが、普段スッとしているエドが、レイの周りの全てに嫉妬するのではないかというくらい毎日じりじりしている様子がおかしくて。
レイはひやひやしているかもしれませんが、読み手としてはデミアンを挟んでの三角関係にクスッとなってしまう。
この3人の関係性、好きだなあ。
レイが新しい世界に羽ばたいていく事に焦燥を覚えても、エドの元へ戻って来るレイはエドの愛するレイという人でしかないのです。
環境が変化しても、それだけは何も変わる事がない。
レイとベッドと少しの料理があれば、世界一の幸せ者になる自信があると言うエドの姿に嬉しくなりました。

●掌中に永遠
松岡なつき先生による、FLESH&BLOODの番外編です。
松岡先生のお話が読めるだけで幸せ。
ニコラスという間諜も務めていた画家視点のお話。
セシルから精密画の依頼を受け、ジェフリーや海斗、ナイジェルやキットと出会い、魅力溢れる彼らの姿に触発され、芸術家として燻っていた何かに再び火がついていく。
第三者視点から見るジェフリーと海斗の様子がとても微笑ましくて、ニコラスの前でも関係なくいちゃつこうとするジェフリーと、恥ずかしがる海斗の図が可愛らしい。
ニコラスがどんな構図で絵を仕上げたのかが気になりますね。
タイトルまで素敵なお話でした。

本当に素敵な短編が詰まったアンソロジーです。
短編ですが、1作ずつボリュームがあり読み応えがありますよ。

4

キャラ25周年記念本

本作はキャラ創刊25周年企画の一環にて発刊されたキャラ文庫人気作の
番外編を収録した豪華アンソロジー第3弾になります。

6作収録されているのですが、私が呼んでいる作家さんは3作だけでして
買うを悩んだのですが、前2冊がキャラ文庫20周年記念、今回25周年記
念、今後も刊行され続けるのかな!?とか諸々考えて購入しました。

一番のお目当て作の番外編を簡単にご紹介します♪

『パブリックスクール』番外編「画廊オーナーの気がかりな案件」

エドワードは古い歴史を誇るグラームス家と言う名家に生まれ、数年前の
世界同時不況の際に、世界的海運会社グラーム社のトップに君臨した際に
並々ならぬ経営手腕で、祖父の代から傾きかけていた事業を着実に成長さ
せてきました。

ビジネスの面では時に冷酷な決断をするエドを揶揄するように「鬼のエド
ワード公」と呼ぶ輩もいます。また金髪碧眼の美丈夫であり、その容姿と
名声、資産が注目され、タブロイドやニュースを賑わわせる事もシバシバ
です。

しかしそんな浮世の一切合切はエドワードにとって大した問題ではありま
せん。彼の関心事は常にたった1つ、恋人である中原礼だけです。礼と
天秤にかけたら、今の生活も会社も立場もすべて捨てられるものでしかな
いのですが、その事実を知る者は多くはありません(笑)

今エドワードは会社とは無関係で起ち上げたギャラリー・パルムに向かっ
ていました。エドはパルムのオーナーですが、アートにはまっく関心は
ありません。エドは礼がギャラリーアシスタントとして安心して働けるよ
うにダイレクターを引き抜き、ギャラリストを選定してパルムを経ちあげ
たのです。

ギャラリーパルムが正式オープンして2ケ月が経ち、エドがアートビジネス
を経ちあげた事は今や世界中のコレクターや1部のセレブの話題となってい
ますが、エドはその中止を煩わしいとさえ思っています。

今日はギャラリーオーナーとして承認して欲しい案件があると連絡を受け
て向かっていますが、愛しい恋人に会える喜びと共に、愛しい恋人が自分
以外の男を最優先する姿を見ると嫉妬にかられる事は間違いなく、かなり
複雑でもありました。

というのも現在、ギャラリーのアーティストは礼が担当変人アーティスト
だけで・・・

樋口先生のパブリックスクールシリーズ『ロンドンの蜜月』のエド視点で
の後日談になります。オーナーとして相談を受けたギャラリーの次の展示
について相談を受けたエドがパルムに向かい、礼とギャラリー関係者の
関係に一喜一憂するという展開がとっもて楽しかったです。

エドは礼にべったりのデミアンを快く思っていないので、デミアンに冷た
くしたと言われてしまうのですが、その後のデミアンがどうしたかまで
想像できるエドは2人きりで過ごした4ケ月前の休暇の日々を回想をし始め
て更に美味しい展開になっていきます。

最後は礼に「また2人きりで休暇を過ごしたい」と言われたエドが世界一
の幸せものになる・・・という番外編ならでは♪っていうノリに萌え萌えさ
せられました (^ー^)v

他の収録作は下記の通りです。

『初恋をやりなおすにあたって』番外編「午前零時の紫の上」
灰谷の恋人の存在を知った兄弟子が告白するお話。

『悪食』番外編「嫉妬」
泉里が槇から紹介された客の絵についた幽霊のお話。

『DEADLOCK』番外編「You're just a boy」
ディックの秘されていた幼年時代と両親のお話。

『式神の名は、鬼』番外編「最高の恋人は鬼でした」
櫂が羅刹を連れて新宿二丁目のゲイバーを訪れるお話。

『FLESH & BLOOD』番外編「掌中に永遠」
ジェフリーが細密画を依頼するお話。

どのお話も本編ではなかなか見られないだろう主人公達の意外な一面が楽し
めるお話で、未読作品を手に取るきっかけにもなりそうな1冊でした。

1

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