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sayonara otokonoko
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
1巻2巻を行ったり来たりして混乱していた私ですが、最終巻はとても分かりやすく、入り込めました。
チビかなでの出番が少なくてすこし寂しかったな。
相手の確かな愛情が欲しくて欲しくて、どうしようもない事まで考えてしまう。
ゆうきは少年の頃から叶うことのない願いを妄想で埋思い通りする子で、かなでの心が離れそうになった時も願ってしまった。時が戻ったらと。
それがかなでの書いていた脚本とリンクして、かなでが子供になっちゃった…とこういう解釈で私はいます。
ドラマチックなストーリーだけに、エンディングもドラマチックを期待してたのですが、ゆるーい雰囲気で終わってしまったのでちょっと物足りなさは感じましたね。
でも二人が離れなくて良かった!
最後まで読んでまた1巻に戻ると、ゆうきが「かなでが元に戻らなかったらどうしよう」って泣いてる場面がめちゃ切なかったです。自分のせいで…って苦しかったよねって。
あ〜〜〜ショタ勇紀かわいかっなぁ〜〜
かなり自由な解釈のレビューなので、すみません、ご注意をば。
1巻から一気に読みましたが、BL漫画を読む心構えで読んだのは違った。青春小説…むしろそのまま小劇団の脚本を読む気持ちで挑む作品な気がする。
たまたま人々の中で同性愛者な彼らが主役でしたが、この作品の中心のテーマは誰もが持ちうる普遍的なものだと思う。
もっと多い巻数で、周辺人物ひとりひとり掘り下げてほしかった気持ちが湧き上がる。父や雀や、あるいは母、あるいは山ちゃん。彼らそれぞれに人生があって、さよならした、決別を果たした"おとこのこ"がそれぞれにいたはずなんですよ。あるいは登場人物の誰かはまださよならできていない"おとこのこ"を持っているかもしれない。
例えばこの話が15冊ぐらいの少女漫画で語られていたら、きっと"おとこのこ"とまださよなら出来ない、"おとこのこ"にすら気づいていない男の子なんかも出てきたかもしれないですね。
山さんとの会話から、かなで俳優ルートもありなんじゃないかな〜と思ったり。脚本にこだわりがあるのかね。未来編読みたいな。でも最早ソレは「さよなら、おとこのこ」ではないんだけれど。
丈さんの年齢まで行っちゃうと、むしろ"おとこのこ"と再会したくなったりするのかな。それもまた面白い。
2巻に引き続き3巻へ。
最終巻となる今作でも、やはりなかなか1度では理解が追いつかず「どういうこと?」となってしまう部分はあります。
ページを行ったり来たりしながら、じっくりじっくりと読んでいくと少しずつ分かるような気がする。
かなでが子供になってしまうという始まりはとってもファンタジックで、このお話は一体どうなってしまうの?と、読み進めてもまだ分からないことがいっぱいで、これをどう着地させるのかな…と読みながらずっと考えていたのですが、もっとぐるぐるとするのかと思いきや、意外とさっぱりとした終わり方でしたね。
周囲の人間も含めての大団円でしょうか。
勇紀の弟・裕太の優しいキャラクターが好きです。
2巻ではかなでに焦点が当てられていましたが、今回は勇紀の内面に踏み込んだ内容となっています。
かなではなぜ子供になってしまったのか。
その原因はかなでだけではなく、勇紀にもありました。
2人にだけ見えていた「謎の男」は、それぞれが乗り越えるべきコンプレックスや葛藤、心に抱えているものを具現化した存在だったのかな。
BL的にどうというよりも、かなでと勇紀という人の成長物語のように感じました。
ファンタジーやSFっぽさを感じた1巻序盤からまさかこんなお話になるとは思ってもみなかったので、志村先生はやっぱりすごいなと。
登場人物達の心理描写がすごく丁寧です。
目線の動きだけで語るようなコマも魅力的ですし、全く予想が出来ない展開の数々から、最終的にかなでと勇紀の関係がより深く強いものになっていく様は見事。
ラストの何気ない場所でのキスシーンが、構図を含めてどのシーンよりも好きでした。
何気なく描かれているけれど、すごく素敵なシーンですよね。
全てを知ってから読み返すとまた面白い作品かも。
「さよなら、おとこのこ」というタイトルがまた味わい深いのです。
不思議な魅力が詰まった作品でした。
『さよなら、おとこのこ』の3巻目にして完結編。
劇団員のかなでと、バスの運転手の勇紀。二人は同棲中の恋人。
ところがある日、かなでが突然子どもになってしまって―。
というファンタジー要素モリモリの今作品。
なぜかなでは子どもの姿になってしまったのか。
そして元に戻ることができるのか。
そこを軸に進むストーリー。けれど、今作品で描かれているのは、ゲイであるということに対する葛藤だったり、忘れることのできない切ない片想いだったり、自身の「これから」に対する不安だったり。「身体が子どもに戻ってしまう」というファンタジー要素の多いバックボーンでありながら、等身大の、地に足の着いた作品でした。
2巻でかなでの身体が元に戻り、そして、子どもになってしまった理由も解明されました。
が、キモは「身体が子どもになり、そして元に戻った」という点ではなく、「なぜそうなってしまったのか」という点。
ゲイであること。
才能がなく夢が散ったこと。
そして、そんな自分から逃げてきたこと。
そこから、彼らは目を背けてきた。
が、彼らは「自分」から逃げることを良しとしなくなった。自分自身と向き合い、そして本当の自分をさらけ出す。それがどれほど難しいことか。
そのハードルを、彼らは超えていく。
お互いという存在を得たことで、彼らは強くなっていく。
タイトルの『さよなら、おとこのこ』は、勇紀の弟の裕太がかつて書いた脚本のタイトルなのですが、子どもで、いろいろなことから逃げてきた二人の青年がそこから脱却する、そんな意味合いも含んでるんじゃないのかなー、なんて思ったりしました。
主人公はかなで×勇紀の2人ですが、この二人を取り巻く周囲の人がこれまたいい味を出しています。
勇紀の弟の裕太。
そしてかなでの父親の丈。
才能あふれる二人の人物を通して、彼らは壁を越えていく。
そしてかなでのかつての想い人だったスズメ。
この作品の恋愛という軸において、スズメという人物はあくまで脇キャラです。が、彼が今作品の中心人物なのでしょう。彼なくしては、彼らの恋も、人としての成長も、そして本当の意味での恋人になるという出来事も起きえなかった。
ビジュアルは冴えないし、オッサンだし、けれど素敵なナイスガイでした。
1巻では性欲旺盛、と評されていたかなでですが、3巻ではあっさりした濡れ場しかありません。ありませんが、それがかえって二人の愛情の深さを表現していたように思える、優しいシーンでした。
今作品はなかなか奥行きのある作品で、読んでいて頭の中に「?」マークが飛び交う時もあったりしましたが、3巻通して読むと深いテーマに気づきます。
ぜひとも3冊まとめて読まれることをお勧めします。