この想いは慈愛か劣情か

紅椿

akatsubaki

紅椿
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神110
  • 萌×236
  • 萌21
  • 中立4
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
23
得点
761
評価数
176
平均
4.4 / 5
神率
62.5%
著者
三田六十 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
双葉社
レーベル
マージナルコミックス
発売日
価格
¥720(税抜)  
ISBN
9784575380576

あらすじ

孤独な青年・佐吉が拾ったのは鬼の赤子。アカと名付け育てるが、アカの将来を案じ山に戻す。しかし時が過ぎても心の中で燻る想いから、佐吉はアカを探しに山へ、そこで出会ったのは…。人と鬼の言葉の通じぬもどかしさと深まるふれあいを描いた人外BL草紙。

表題作紅椿

佐吉,混血で疎外されている孤独な男
アカ,佐吉が拾った鬼の子

その他の収録作品

  • 二〇一九年十二月ー描き下ろしー

レビュー投稿数23

話は好きだけど

他の方のレビューのように、内容はものすごくいいです。最後のシーンは思わず泣きました。

しかし、個人的に寝るというシーンは要らなかったのでは…と思ってしいました。
赤ちゃんの頃から世話を見ている我が子のような存在の「アカ」にそのような行為をしてしまうのはどことなく犯罪臭がして、抵抗感を感じました。

私がこの漫画にどちらかというと家族愛を求めてしまっているせいかもしれません。

それ以外は何度も読みたくなるほどいいお話でした。

0

切なくて泣ける人外もの

こういうの好きです!切なくて泣ける人外もの。鬼が言葉もしゃべらず表情も乏しいだけに内面は察するしかなく、解釈の余地が広いです。生態も価値観も異なる鬼がどうとでも取れるので、自分の中でどこまでも膨らませることができる作品だと思います。
佐吉は村人たちが言うように魅入られてアカしか見えなくなっていて、その様子が叙情的というか美しいと感じました。自ら破滅に向かっていく人を見ているよう。
ラストは個人的には天国オチの方が深い余韻に浸れた気がしますが、本編に辛い描写がとても多かったので、生きて幸せになるこの展開が救いになって良かったのかもしれません。
気になるのは佐吉の鬼語?のような告白シーン。「俺はお前のことを…」の続きだけアカに通じたってことなのかな。人語で何と言ったのか分からないのもまた素敵でした。

0

涙が溢れた。

素晴らしい世界観でした。
いやぁ〜泣けました(涙)
三田六十先生、こんな素敵な作品をありがとう。
1度読みましたが、直ぐに再読しました。

山の風景、木々や花の絵柄が素晴らしく。
そこに佇む言葉を話せないアカの心を、景色と一緒に語っている描写を〜抜けてないか、見落としてないか、と懸命に読みました。

佐吉が、アカと共に生活する事への葛藤は苦くて辛かったけど。
アカが、人の一生を待っていた所は〜2人の絆の深さを感じました。

書き下ろし、2人の笑顔と指切り。
ほっこりしました。

2

泣きました

切ない、泣けるBLを探していてこの作品にたどり着きました。
他の方が書かれている通り、段々言葉を覚えていくのかなと思っていましたが言葉は通じなくて またそれが泣いてしまう、、、
でもまた会う約束の仕草だけは覚えてて、、泣きました
最後は想いが通じあって良かったです 本当に
続編があれば言葉が通じあえる2人のお話を
いっぱい会話してる2人を見てみたいなと思いました!
描き下ろしに幸せそうな2人が見れたのはとても良かったです。

1

言葉は分かりあえなくても

人外モノは積極的には読まないのですが、高評価やあらすじに惹かれて読んだ作品です。
今まで読んだ人外、鬼とか吸血鬼とか狼男などは普通に人間の言葉を話し理解していたので、言葉が通じないという設定に今更ながら目から鱗でした。

村から疎外され1人孤立して暮らす佐吉が鬼の赤子を拾い、アカと名づけ育てていくのですが、いつまでも人間の言葉を理解することなく、やがて鬼の本能を見せ始めたアカを山に放す。
言葉は分からないけど、いつもの通りに佐吉を待つアカが不憫で泣けた。親に捨てられ、また育ての親である佐吉にも捨てられた訳ですから。
佐吉の気持ちも分かるだけに切なかったです。
ただ単にアカとは暮らせないと判断しての行動じゃなく、自分と「人らしく」暮らすことがアカの幸せじゃないと、アカのための行動なんですものね…。

アカと離れ何年も経ってもアカへの思いは強まるばかりで、住む場所も離れられず、どれほどアカと暮らした日々が尊いものだったかが感じられてまた涙。
孤独な生活の中に咲いた一輪の椿のような存在だったのかも知れませんね。

成長したアカはアンニュイな表情をしていて、それが美しく妖艶な雰囲気なのですが、佐吉を助けた後のホッとしたような笑顔が印象的でした。
年老いた佐吉がアカとの思い出に浸りながら亡くなる…そんなラストでも美しかったかなと思いますが、ずっと辛さの連続のお話だったので、ハピエン派な私にとっては嬉しいエンディングでした。

2

ああ、美しい

人外BLは数あれど、人間の言葉がわからず
意志疎通できないというお話は珍しいなと思いました。
そんな中で育まれる愛情や絆は
佐吉からの一方通行ではなかったと
最後の最後でわかったときの感動…!
アカを想い続けたからこそ
実現したことなのかもしれませんね。

全体を通してわりと悲しいお話で
佐吉の境遇や過去もやるせない。
アカのことも愛しく守るべき存在なのに
「普通」にしてあげたいこともできないもどかしさに苦しくなりました。
アカが生きやすいように、自由な暮らしができるようにと山へ還すことに決めたときの佐吉の葛藤は親心だとしても痛々しく辛かったです。

でもそれは、言葉をもたないアカを理解する術がなかったから
勝手に思い込んでいただけなのかもしれないな、と感じました。
あとがきに書かれていたように
アカはいつもやさしい気持ちで佐吉を見ていて
それはきっと愛情だったのでしょうね。
言葉は通じなくても佐吉の気持ちはアカを動かしていたんだな…

最後はまさかの展開でしたが
ふたりがまた一緒にいられて本当によかったです。

そして、先生の描く絵がとてもキレイで上手で
人間もそうですが風景や花など
どれをとっても美しく、魅了されました。
三田先生のデビュー作もとても面白かったですし
次回作も楽しみに待ちたいと思います。

1

人外(鬼)

叙情的な作品でした。

いわれのないそしりを受けて、一人山奥で暮らす主人公。
ある日椿林の中で鬼の赤子を見つけます。言葉が通じない中、悩みながらもその子をかわいく思い、育てますが、やはり成長してくるにつれ鬼として人間生活とは相容れない部分が大きくなり、ついにその子を自由にしてやります。

この養育編は、鬼の子が逃げないように縄をつけたりと、動物的な扱いをしていてちょっと心が痛みます。
また、言葉は育てられた環境によるものが大きいような気がするので、全く通じないというのもちょっと不自然?

ともあれ、物語のメインはここからです。
主人公は鬼の子が忘れられず、やがて美しく成長した”アカ”と再開して恋に落ちます。
その頃、疎遠になっていた村人達とも、誤解が解けて打ち解けるようになりますが、だんだん鬼に溺れて。。

村人達が、鬼に魅入られたのではないかと心配しますが、案外実際にはそうなのかもしれません。
主人公目線で読むと、恋しい鬼とやがて1つになれるストーリーになります。

人外や、近代もののテイストがお好きな方におすすめです。

2

切なくて美しい鬼との恋

評価がすごく高くて、発売日当日に購入したにも関わらず、本日まで読まなかった…読めなかったのを後悔した。
人間と鬼。通じ合うことのない魂が救われる…悲恋を想定していたので、この結末にはしてやれた…という感じだった。嬉しい誤算というか。

容姿の違いで里から追いやられ、ひとり孤独に暮らしていた男佐吉が、山で産み落とされたばかりの鬼の赤ん坊を拾ってトコロから物語は始まる。
名前を紅(アカ)と名付け、隠れるようにして育てていたが、言葉も覚える事もなく、やがて烏を取って喰う姿と獲物を取られまいとして傷つけられた事で、自由にしようと山に返す事を決意する。

中編では山での再会。
後編では再度訪れた別れと奇跡のような再会と。
涙なくしては読めない。
時の流れは残酷で寿命尽きる時の佐吉を救ったのは…

幸せな二人の行く末はその目で読んで欲しい。

1

人外の世界観に没入。

人外BLは好きで、絵もとても綺麗で、紙版を購入しました!買って良かった~(*≧∀≦)

捨て子の赤ちゃんが、めちゃくちゃ可愛くてのっけから心拍数上昇!辛い人生を歩んできたであろう佐吉が、アカを育てる覚悟をしてくれて、その心の優しさや戸惑い、強さが全ページを通して魅力的。

鬼の子であるがゆえに成長しても人の言葉が話せないアカ…会話が通じないアカ…。この本の最もダークな要素でありながら、そこがキラキラとした面白味となっています。
感情の起伏を、眼や口や身体の動きから繊細に絵で伝えてくれる。言葉よりもダイレクトに脳に突き刺さります!
蝶々のくだりや、佐吉が泣いている姿を見て、アカも心が乱され泣き出してしまうシーンは、私も泣いてしまいましたー!

前編、中編、後編と、それぞれ佐吉の視点で年月と共に全く違う情景を見せてくれます。
Hシーンは少なめですが、とても愛にあふれています。
是非ともこの世界観に没入してほしいです。

2

残酷で美しい作品

ものすごく美しい作品でした。
まるで椿と血の赤と雪の白が浮かび上がってくるかのように、色彩が感じられる画面。
残酷で切ないストーリー。
すごいものを見たな…という感想です。
書きたいことはたくさんの姐様方が書いてくださってるのですが…。

独りぼっちで生きてきた佐吉と鬼の子アカ。
言葉も通じず、性質も習性も違う者同士の、親子のような夫婦のような恋人のような、名前をつけるのが難しい関係。
親子愛、性愛、いろんなものにまみれた深い愛に欲情。
人と最低限の関わりしかなかった佐吉にとって、アカはすべての愛や欲を向けられるただ一つの存在だったのではないでしょうか。

形は人間に似ていても、人間に育てられても、アカは決して人間にはならない。
思考が言語化されない。
種の違いをキッパリはっきりと描いてくださった作者様に感謝です。

素晴らしいラストには、よかった〜!と胸を撫でおろしました。心地よく読了。
佐吉は人間としての一生はきちんと失ったものを失ったままで終える。
人生って本来そういうものだから、そこをきちんと描いてくださったのが本当によかった。

胸に大きな穴をあけられたまま、涙流したまま、どっぷりと悲しみの余韻に浸るラストもよかったかも…一読目はそんな気もしたんです。
でも、鬼ならではの救済ルートがあまりに幸せだったので、再読したら「やっぱりラストはこれしかない!」と思いました。

9

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