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作家買い。
雑誌で何話か読んでいましたが今一つ話が分からず、頭の中に「?」マークが飛び交う作品でした。
が。
上下巻通して読んでみて、すごいストーリーに心が震えています。これは完全に好みが分かれる作品だと思います。いわゆる「ハピエン」を求めてBLを読まれる方には正直に言ってしまうとお勧めしづらい作品かと思われます。
でも、個人的には最高な作品でした。九重作品はほぼほぼ読んでいますが、一番好きな作品かも。
ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は「D」と呼ばれる青年。
人を平然と叩きのめし、殺すこともいとわない。
が、彼が「そう」したのには理由がありそう。
そして、彼は数時間おきに戸籍、住所、そして見た目も変わるらしい。
なぜ、そんなことが起こりえるのか。
ことは2年前にさかのぼり、「D」の壮絶な過去が描かれていくー。
というお話。
「D」は翼という名前を持つ青年。
彼は子どもの時に母親とその恋人から壮絶な虐待を受けていた。
翼を守ってくれるのは祖母だけ。けれど、母親たちから祖母に助けを求めたら祖母を殺すと言われた翼は、祖母すらを遠ざける。祖母を守るために。
が、とあることをきっかけに、祖母に保護され一時幸せな時間を過ごすが、祖母が急逝。祖母亡きあと施設に入所するが、そこでも翼は大切な人を守るために罪を犯し―。
とにかく翼という青年が気の毒すぎて切ない。
彼自身は決して悪い子ではないのだけれど、環境が悪すぎて生きていく術がないのです。
そんな彼を、皮肉にも救ってくれたのが裏社会でうごめく男。
彼のもとで、翼は何でもやってきた。
悪事を働くことも、身体を売ることも、なんでも。
そんな彼が出会ったのが五百利という男性。
翼にすげなくされても、冷たくあしらわれても、それでも翼を愛し、守ろうとする五百利だが、彼にも決して消せない切ない過去があってー。
というところまでが上巻。
翼という薄幸青年が、五百利という男性と出会い、今度こそ幸せをつかむ話なのか?
と思いつつ、下巻へと進みます。
これ、上下巻まとめて購入されることをお勧めします。
上巻だけ買ってくると後悔すること間違いないです。
翼を食い物にする、外道な大人たちがたくさん登場します。
けれど、彼を守ろうとする大人も、きちんといます。けれど、まだ子どもだった翼に、その救いの手が行き届かない。
子供を虐待するシーンがそれなりに描かれているので、苦手な方は注意されてください。
痛い描写も多いですし、胸が痛くなるシーンも多いです。
でもそこから見えてくる五百利と翼の2人の想いに、胸が衝かれる作品です。
ファンタジーなの?と思うような一巻ですが、
冒頭に戻るとやっぱりファンタジー?と思います。
何を言ってるのか分かりませんが、
まだ話の全体像がみえないのです。
それでも、引き込まれるのには十分な上巻です。
「D」と呼ばれる青年・翼は、
アンダーグラウドな世界で犯罪に手を染めています。
相手を傷つけるのも自分が傷つくのも恐れない翼は、
ある日お人好しなサラリーマン・五百利に出会いーー…
翼の生育環境は最悪で、母親の恋人に暴力を振るわれ、
唯一優しい祖母さえも殺すと脅されています。
公園で出会った怪しい男に渡されたのは毒⁉︎
それを相手に使うのも自分に使うのも、
使わないのも自由だと言われ……
選択肢の中から翼が選んだのはーー
親とその恋人を殺すこと……その時の翼は10歳。
翼が守りたかったのは自分ではなく、
祖母だったのだと私は思います。
翼は、本来大人しくて優しい子なのです。
祖母の死後、施設に入った翼でしたが、
そこで仲良くなった友は病に侵されていました。
友を助けたい翼は、祖母の残してくれたお金を全て医療費に注ぎ込み、さらに奴隷のように買われーー
しかし、その友は病院で殺されてしまうという結末。
とにかく、不幸なことが多すぎて胸が苦しくなります。
本当は大切な人を守りたい、そのためなら自分の命も差し出すことすらできる翼ですが、それが叶わないこと、この世は理不尽であることを知っています。
その翼の光となるのが五百利で、
彼は翼の優しさに気付いて何かと世話を焼きます。
とても優しくて温かい男ーーそれが五百利です。
そして、その五百利にも悔やみきれない過去があります。
誰も救えず誰かと生きることを諦めた翼でしたが、
五百利の側にいることを選びーー…
ここまでが上巻です。
上下巻同時発売でよかったと思うほど、
あっという間に読み終えてしまいました。
翼には秘密がありそうですがまだ分かっていません。
ファンタジー要素が薄い上巻から変化していくのでしょうか?
先を読むのが楽しみでもあり不安でもあります……
カバー下はおにぎりを握る翼と五百利ーー下巻に続く(笑)
あらすじの、魂を揺るがす衝撃のダークファンタジー…この手の一文はアレですよね…。
しかも、上巻は訳の分からない伏線が散乱しているので、
上下巻読み切って衝撃で固まったとしても、再度上巻を読まないことには理解できない、
作品を理解しようとすると、嫌でも2周することになります。
私は読解力が乏しいので、2周だけで終わらなかったですが…。
闇社会に生きるDと呼ばれる翼と、お人好しそうなリーマン五百利。
陰で自分を助ける翼のことを知らない五百利、
そして、翼は24時で戸籍、住所、容姿が変わるらしく…2年前に遡る。
翼の壮絶な過去、母とやくざ男に虐待され、
10歳の時に祖母を守るため謎の男から貰った薬で二人を殺すことを選ぶ。
大好きだった祖母に引き取られるも半年で急逝。
施設暮らしで大切な友人ができるも病気になり、医療費を稼ぐ為に闇社会の仕事をし、
大切な人を守る為に自分を犠牲にして頑張る翼ですが、悉く不幸に見舞われ続ける。
守るものもなく、闇社会で孤独に生きていた中、五百利と出会い助けられた翼。
翼の過去を知り、世話を焼かずにはいられない五百利。
見るからに幸せそうな人種で、住む世界が違うと壁を作る翼でしたが、
五百利も誰にも言えない想いを抱えていたことを知り…。
二人はお互いの心の隙間を埋める関係になっていくのか?と下巻に期待して心が逸る。
上巻だけでは謎が多くて、翼の見た目が画と違うらしいことが解り難かったり、
謎の男達の存在が良く解らないので、どう受け取っていいのか戸惑うことも多いんですが、
壮絶な翼の背景が不憫で痛いことだけは、生々しい描写で伝わってくるだけに、
五百利との幸せを願わずにいられないです。
翼に与えられた選択肢が過酷ですが、
それでもいつも大切なものを守るために選択して行動してきたのは翼で、
それが本人にとって生きる強さに繋がっていると感じさせます。
まだ買っていない方には一言先にアドバイスをするならば・・・
ハピエン好きはご注意を。。。
先生のいままでの美しい獣系に癒されるファンタジーとは打って変わって、あたたかいけど根底は仄暗く切ないファンタジーです。
親を殺し祖母の為に自殺は思いとどまり、祖母を無くしてから育った施設の大切な仲間の為身を削るも友を亡くし、人を殺すことも自分が死ぬこともなんとも思わなくなった翼が、お人好しの五百利と出会い同居することになる。
悲しさを抱えている五百利に触れ、彼のそばにいると決める翼の優しさに心があたたかくなる展開で上巻は終わります。
「明るい未来への扉が開かれた」と思わせて・・・・・。
上巻だけでは掴みきれない部分が多くて、評価が難しいですね。ファンタジー要素もあり、翼というキャラが重過ぎる過去に加えてどういった背景を抱えているのか気になります。一方の五百利は、とにかくお人好しな性格が目立ち、寂しがりやで常に誰かと一緒にいたいというようなキャラ。私にとっては自分自身の性格から遠いタイプなので理解に時間がかかりそうですが、翼にとっては既に光となっているようですね。最後に五百利にも辛い出来事があり、2人がどういう結末を迎えるのか次巻で見届けたいと思います。