ロマンティック

romantic

ロマンティック
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神37
  • 萌×29
  • 萌8
  • 中立4
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
12
得点
249
評価数
58
平均
4.4 / 5
神率
63.8%
著者
西田ヒガシ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
発売日
価格
¥690(税抜)  
ISBN
9784863498129

あらすじ

やさしいな先生……俺はこういう優しさに慣れてなくて――
だから――先生
チンポ吸わせて

元教師の前田要はオンラインレッスンで日本語を教えていた生徒に会うため、単身で内戦が激化する国へ向かった。
そこで戦火の混乱に巻き込まれた前田は反政府ゲリラのリーダー、ジョンと呼ばれる男を助け行動を共にすることに。
率先して前線に身を置くジョンはなぜか見るたびに老け、若返りを繰り返しているように見えて…?

生と死が隣り合わせの戦場で紡がれる、
西田ヒガシ究極のラブストーリー。

表題作ロマンティック

日本から来た観光客
テロリストのリーダー

その他の収録作品

  • 描き下ろし

レビュー投稿数12

極限の地でも浪漫を

 西田先生節がかなり効いていました。内戦が起きている国が舞台ということで、終始物騒で落ち着かない雰囲気が続きます。今現在もこんな暮らしを強いられている人たちがいるんですもんね。そんな国で出会う前田とジョン。前半はお互い刹那的な関係で終わらせるつもりなのが透けて見えていたけれど、わずかな時間を共に過ごすうち、いつの間にか言葉で語らなくても相手を深い所まで受け入れていることがじわじわ伝わってくるようなストーリーでした。酸いも甘いも噛み分けた大人向けの作品で、私にはまだ理解しきれない部分もありましたが、良質な作品を読んだ心地良い余韻が残ります。

0

生と死のただ中

勝手な解釈で書き散らしてるので気になる方はお気をつけください。

この作品にロマンティックというタイトルをつけるのが西田先生よ。先生のSNSをチラとでも見れば分かるよう、政治思想がしっかりあるタイプの方で、こういう作品を描かれる、あるいは描けるのも納得なんですよね。
‪BLジャンル漫画の1冊としてあることに疑問を感じてしまうのは確か。自分はBLジャンルにあるから先生を知ることができた口だけれど、もっと多くの人に読まれるフィールドがこの世にあるような気がする。先生が望んでいるかどうかは分からないけれど。

他の商業BL漫画作品と比較しても、圧倒的に"生と死"の只中にある作品でした。
前田のもつ能力は他人の…ジョンのためにしか使えない、彼らしい力です。40歳の死際に会いたい人が見つからない人生を生きてきた彼が、地球を救えると思っていた頃にはあったかもしれない力を、今、ジョンを救うために使う。ジョンに出会わなければ前田は戦う必要なんてなかったわけで。別に目からビームでも、岩を砕く筋骨隆々でも究極的には良かったかもしれないけれど、この漫画で彼が持ち得る能力でベストなのはアレだったんでしょうね。日本人の40歳がブ◯ース・ウィリスである訳にもいかないし。

ジョンの能力は戦闘の中で生きるための力です。彼の力が弱っていったことは、ひょっとすれば瀬戸際だと思い始めたことがそのまま能力に影響したか、逆に能力が弱ったことが彼を弱気にさせたのかもと、勝手な想像。前田とは対照的な力です。ファンタジーというよりはいっそ思い込みぐらいのものであってもいいと解釈したい。彼と彼の本懐を明確に対照的に描くためのツール。あるいは登場シーンのセクシーさのため笑

相変わらずぶっとんだあとがきに気が抜けますが(好きです)、読後にあれやこれやと考えたくなる作品です。
0話は純粋に1話より前の時間軸の話だと思ってますが、2話の扉絵の解釈が…んー

6

噛めば噛むほど作品

初読み作家さんです。
先行くお姉さまたちのピンキリレビューがきになって購入。
一度読んだだけでは理解できず、二度三度と繰り返し読んで世界にはまる感じがする作品でした。
説明がないので、出されたなぞの正解がわからないままお話がすすみます。
念力のような超能力を人のためだけしか使えない、と思われる日本人と、老いたり若返ったりを瞬時に繰り返すゲリラの男とのお話です。
なぜその力があるのか、なぜ老いと若返りを繰り返すのか、その答えは明確には語られません。本人たちが認識していることをそのまま素直にきくか、自分のなかで咀嚼して答えを出してもいいのかもしれません。
読み手への余白を持たせてくれているのかな、と感じました。
BLというジャンルだけではもったいないですね。純文学っぽいです。
私はBLには完全にエンタメを求めているので、評価は萌ですが、思考することが好きなら神にもなると思います。

1

不思議な力

生きようとする執念と、生かそうとする不思議な力、偶然出会ったジョンとマエダの不思議な愛の物語でした。また読み返したくなる作品でした。

光の力で若返る、戦場で戦うジョン。超能力を持つ元教師のマエダ。
でも実際はジョンは若返ってるように見えるだけで、時の刻み方は同じだと分かってきます。最後の方は、話の流れ的に、ココとココが繋がるのかなとか、マエダの正夢になったのかなとか(ジョンが足を怪我してるのが右足なのは偶然かな)、妄想したりしてました。マエダの力は、信じがたいと思いつつ信じたいし実際本物だと思いますが、"誰かのため"にこうしたいとマエダが強く思った時に働くのだと思いました。不思議ですが、物語の中で違和感は全く感じませんでした。奇跡ではなく、思いの強さを信じたくなる、マエダの目が素敵でした。

戦場、戦い、死、決して明るいとは言えないかもしれませんが、暗い気持ちにはならなかったのは、それ以上の生命力を感じたからかもしれません。

作品と出会えて本当に良かったです( ◠‿◠ )

3

世界観に身を委ねる

読み終わって即他の方のレビューを確認しました。
良かった、私だけじゃない。

うん、難しいです。
でもなんだかスゴイ、面白い作品を読んでいるのだな、という感覚だけは終始あってなんかずっと緊張してました。

作者さんのSNSを拝見するに、新しい作品を読めるのももう限りがあるのだなと一応心の準備はしているのですが…
ここへ来てこういう作品を出してくるとは…
今まで分かりやすく描いてくれてたんだろうなって。

なんだか凄く難解な作品のように書いてしまいましたが、、
西田ヒガシさんの男同士の会話は堪らないものがあるし、
時系列で分かりにくいけどその後を想像できるハピエンと思います。

2

私は先生が大好きです。

ワインと同様に、西田先生の物語は時が経つにつれて面白くなってきます。 このマンガも例外ではありません。 それはあなたの心を震えさせます。 それはあなたの心に触れます。 それはあなたを泣かせます。 それはあなたがすべてのキャラクターに落ちるようにします。 私は先生が大好きです。

7

±0

難しい。とにかく私には難しかった。
設定や展開に引き込まれる部分もあるけど、読み進めるうちに「・・・ってことだよね?」と自問自答しながら読む時間が少しずつ増えていきました。
また、本人たちも周りの人間も心情がホント難しかった。

そしてなにより、あのメリバ。

読後は「うん面白かった。でも、なんかよくわからなかった」と言う自分でも矛盾した感想がこみ上げてきました。
ただ、感覚的にこの作品は「面白くない」んじゃなくて「難しい」と感じる作品でした。

1

難しい!

正直難しくてついていけませんでした。

今まで読んだことがない組み合わせだなと惹かれ、評価も高く西田ヒガシ先生を読んだことがなかったのでいい機会かと思い購入しましたが、難解すぎて楽しめませんでした。

熟慮し何度も読み返しては解釈が変わるお話は好きなのですが、本作は私にはまだ早すぎたみたいです。
何をどう考えればいいのかさえ分かりません…


そんな中萌えたのが先にイってしまったマエダを「謝るな、しぼむまで俺が追いかける」というジョンのセリフ。
正に穴で男を抱いていてかっこいいなー!と思いました。

3

生も死も時空も超えて。この「自由」を見よ

とても不思議な、奇妙な物語で、もう何度も読み直しているんだけどどうレビューを書いていいのかわからない…
舞台は中東(?)の紛争地域。
そこに、日本人の観光客は撃たないだろう、なんて浅すぎる希望的観測で現地に渡り銃撃戦に巻き込まれるマエダという男。
まずここで一般の日本人たちがニュースの中でしか見たことのない戦争、に戸惑う。
そんな所に行くのは「自己責任」。
なんで?何しに?
という疑問がグルグル。
その上、マエダには超能力がある…
出会ったゲリラの男・ジョン。
彼も味方なのか敵なのか、テロリストなのか愛国者なのか反政府なのか。戦闘勘皆無の日本人にはそんな事もわかりはしない。
そしてジョンも奇妙な男なのだ。年を取ったり、若返ったり。
マエダはゲイではない。
だけど爆撃に晒される土地で、ジョンに誘われるまま体を重ねる…
その後の戦闘シーンはかなりリアルで、戦争映画を見ているよう。
その中で、愛する人を探さず1人で戦場の死を受け入れようとするジョンと、実は愛なんて見つけられなかったと自覚したマエダに芽生えるのは、愛なのか…?
巻末の「第0話」は難解です。
時間軸がどこなのかわからない。(帯には「過去」とある)
ジョンはいくつなのか。傍にマエダはいるのか。ジョンは未来を予知したのか。

印象的なシーンは、上空に爆撃機が来て正に爆撃してくる轟音。その瞬間のジョンがエクスタシー(射精)に達する場面です。
紛争地・戦場の日常に生き銃を持つとはそういう事なのかも知れない、と。
そして、この作品がBLかどうかは最早どうでもよくて、愛も戦いも生も死も時空も超えるものすごい「自由」を感じたのです。

13

実存が揺らぎ、恋愛が生まれる

多分、何度も読み返す作品になるだろうと思います。
そしてきっと読む度に、何か新しいことを見つけたり、違う解釈になったりするのではないかと思います。
実はこの物語の何処にこれほど惹かれるのかが解りません。
でもものすごく引き付けられます。読んでから数時間経っているのですけれど、頭から離れない。
おまけに誰かとこの本について語りたくて仕方がありません。

『ロマンティック』
よく人の口に上るのは『恋愛の』という意味ですよね。
「ちょっとそれだけじゃないんじゃないか」と思ったのでネット辞書を引きましたら『ロマン主義の』と出てまいりました……ドラクロアかぁ。ふむふむ。『自我の確立と実存的不安』ね。『神秘主義』とか『夢』なのね。ああ、だから主人公2人は人知を超えた不思議な力を持っているのかしらん?(ホントかよ?私の考え、表層的すぎないか?)

はっきりと解るのは、そのつもりがなくても戦場に身を置かざるを得なくなった日本人(前田)も、元軍人で反政府ゲリラのジョンも、依って立つ処がないというか、自分が自分たり得る根拠に乏しいということ。そして、それに気づいてしまったこと。

前田はそれを投影できる誰かを探し、ジョンはそれを持つことを諦め、持っている人々の代わりに戦場で闘い死んでいくと決めています。
この孤独感の際立つことと言ったら!(絶句)

そして、と言うか、だからこそ2人の間に関係性が生じるのだと思うのです。
愛という形で。
……ああ、だから『ロマンティック(恋愛の)』なのか!

しちめんどくさいことを書き連ねましたが(それも全然トンチンカンなことを考えているのかも知れず)何と言っても素晴らしいのは、戦場という過酷な場でたゆたう『叙情』なんですっ。
これだけは確か。
西田作品に流れる、どこか悲しげな叙情がこの作品には満載なんです。
その甘苦しさでもう窒息しそう。

次作の予定があるとの事ですが、西田さんの発信される文章を読んでいると商業作品から卒業される方向は変わっていない様な気もします。
とてもとても淋しいですが、この作品を読んで「描くこと自体はやめないだろうな」という確信めいたものを感じました。
って言うか、もっと読みたいです!この作品の様なものを。

21

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