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ryu no otto
初めての作家さん。onBlueレーベルということでストーリーにはある程度期待して望みました。
これは最初は同人か何かだったのでしょうか?
国を治める長寿の兄と、防衛を一手に引き受ける弟。国の守り神と信じられている龍の要請に応じる形で、弟は防衛軍のトップを離れ、龍のもとに嫁ぐ。
龍は人間に姿を変えられるのですが、その形がちょっと今時のアウトサイダーのよう。目が黒いのが少し不気味です。
弟は、龍に見初められたというより、そばにいて欲しい存在のようで、前半ではBLという恋愛ものではなく、それを離れたファンタジーの雰囲気があります。
龍は、弟を自分のものにしようと、うろこ(逆鱗)を体に埋め込んだり、舌でなめまわしたりする。弟は、その舌による愛撫?で感じてしまうようなのですが、脳みそをなめられるような感覚とも語っており、ある意味親愛を深める行為なのかな?
しかし、弟の方に恋心が芽生えるというでもなく、龍も思い人は別にいるようで、これは恋愛という感じがしない。そして、その自由な感じが独特でむしろ良いとも思えます。
ただ、後半はかなりBLっぽくなってきます。
龍は、当然人間らしくはないので、逡巡や恋わずらいなどの甘さはみられませんが、ただかけがえのない存在として弟を求める。一方の弟も、無垢な伴侶として絆される。恋愛になるのはよいのですが、前半が不思議な雰囲気で始まっただけに、後半が”普通”のお話になってしまったのがちょっと残念でした。
なるほどこういう作品ですか。
あいもかわらず表紙だけで買ってるんですけど、表紙から受ける印象とかなり違いました。かろうじて主役が服の中で射精する(したであろう)シーンがあるものの、エロ無し作品です。表紙からは触手ものかと見紛うエロスを感じるのに。
国の守り神たる龍が、主役の王族である軍隊長を貴方と呼ぶのが序盤からかなり好きでした。ずっとある種の片思いをしていたのですね。破壊と支配の感情のみと豪語するあたり恋愛感情ではないのでしょうが。ただし物語の中でしっかりと龍が破壊と支配以外の感情を持つことは伝わります。BL作品の中ではかなり"神らしさ"のあるキャラクターで、生殖行為や食事を一切しないあたり、先生の作品に対するプライドが伝わる。
ただ自分は漫画としての読みにくさがかなり気になってしまいました。場面転換が分かりにくく、かつ話の雰囲気から世界観を伝える場面や、国民の描写がもっとあった方が好みでした。話の壮大さに比べて描かれている場所が少なすぎる。描きたいものはわかるけど…という気持ち。
2019年刊。
このコミックに興味を持ったのは、ちるちるの作家インタビューの記事内で、ヒト形の龍が主人公と添い寝するシーンの幸せそうな笑顔に惹かれたのがきっかけだった。
いつ頃の時代かどこの国(大陸)か、登場人物の名前もないのに、一つの物語としてまとまっている。
しかもエッチシーン無し!!
これをデビュー作として引っ提げてくるとは、何だか作者が只者ではない予感がする。
唯一肌を見せるシーンといえば龍が主人公の体内に鱗を埋め込むシーンのみだが、些細な一コマでも萌えを感じるBL脳があれば問題ないのだ。
個人的には龍の爪に身体を掴まれている主人公ってアングルの表紙が好きだな。
主人公に頭からかぶり付いたり、着衣のまま湖?に落として熱を冷まさせるってヘビーな愛情表現だねぇ。
龍がヒト形になっても根本の体格差とは異なる大きさの違いもいい。
ただ、最初に龍が主人公の事をお前、貴方と定着していない点には引っ掛かったかな。
しかし、肝心の話については一読だけで理解するのは難しかった。
子孫を残す目的もなく三大欲求とも無縁だと龍に言い切られると、じゃあ何の為に伴侶を欲するんだ!!となってしまう。
何度か読んでいると、主人公と兄の間にある"かけがえのない人に先立たれる不安を感じる"という心境に切ないものを感じる。
自分の場合、そこから人が人生の中で欲するものの本質ってのは、じっと誰かに寄り添いたい、寄り添って欲しいって願望だと行き着いたがどうだろうか?
性欲とは違う愛。
それが龍の欲したものなのだろうか?
と、見当違いな解釈でなければいいのだが。
ちなみに龍が初めて"人"を意識したのは主人公の先祖に当たる姫となるが、彼女にはフラれているんだね…(^_^;)
そんな龍にとって幼かった主人公を見つけ出し見守る中で、人には死が直面すると知ると急いで眷属にしたいと焦ったり、力加減を知らずに躊躇したりと何て情の深い龍なんだ。
そんな龍の一挙一動には可愛げが増してくる。
龍の伴侶になると腹を括った主人公にもそんな姫の誇りを受け継いでいて、そんな彼を選んだ龍の審美眼には恐れ入った。
読めば読むほど深いものを感じ取れる一冊だった。
表紙が、堅物軍人が触手責めを受けるみたいなエロ系かな〜と思い買いました。
読み進めていくうちに、どうやら本編よりも表紙がエロい系か…?と不安がでてしまったのですが、結果的には大満足しました。
表紙のは触手ではなく、龍の爪だったようで、コミックの帯によって触手に見える仕様です。
本編について、はじめは簡単に人と龍の違いから進め、お互いを理解し合える中になっていったが、実は真に理解できていなかった…。という感じでした。
普通の人外BLなら、お互いの違いを認め、分かり合える中になってエンド!ですが、この作品はまだ相手のことを知っているようでまだ知らなかった…と、異種間との交流を掘り下げて描かれていました。
また、その知らなかったことが、王族出身で軍隊長(軍のトップ)の主人公が今まで守ろうとしていたこととも深く関わっていたことで、彼は悩みます。
守るべきものが何なのか…と国を守る立場として、揺れます。
その悩み苦しんだ先に出した、責任ある答え、言葉に震えました。1番の山場です。カッコよかった!
設定やストーリーがよく練られていて、一味違う、大人な人外BLものです。
人物のタッチは青年誌に近いです。好きです。
自分の中のエンディング主題歌は「浪漫と算◯ LDN ver.」です。
龍神の人型が好みの外見だったのと王族軍隊長が生け贄、と言う帯につられて購入しましたがBLでも稀にみる純愛系でした。
長い年月を生きる龍は一緒に生きてくれる人間に憧れて色々探しましたが力が強すぎるためそもそも人間に近寄れませんでした。そこで主人公を眷属に作り変えて丈夫で同じ年月を生きれる様にしました。その眷属、もとい伴侶に選ばれたのが龍が長寿の呪いを掛けた姫の子孫である主人公でした。
主人公が幼い頃、龍の事を山に1人だからかわいそうと言った事がきっかけで彼なら一緒にいてくれるのではと思い、龍が力の加減を覚えるまで見守っていました。
結局力の加減が出来無いままでしたが、一途に見守り続け人との絆に憧れていた龍の念願が叶って良かったです。
*読み終わってから気付いたのですが主人公の名前が私の見た限り出てこない!みんな「隊長」とか「弟君」とかしか呼ばず、双子の兄からも「お前」としか呼ばれてなかった上に龍も「婿殿」と呼んでいたため氏名不明のままでした!
龍が命に限りのある人間へ興味を持ち絆というものを欲しがったり
人間の真似ごとをして理解しようとする姿がなんとも健気という感想です。
俺様系なのに国王の弟を“貴方”と呼ぶのが大切にしてくれているようで好きでした。
隊長も最初はただ兄や国の為と決意した伴侶の道でありながらも
一緒に過ごすうちに龍に情が移って
真実を知った後でも共に生きていこうとする心温まるお話でした。
婿殿の男らしさと優しさは龍に気に入られてしまっても仕方なかったかもしれませんね。
龍の咥内で得られる快感は想像もつきませんでしたが
直接的ではなくてもなかなかえっちでしたし
それに屈しないように歯を食いしばる婿殿…無駄な足掻きというか尚一層龍を煽るだけなのでは?と思ってしまいました。
せっかくなので一度だけでも人の姿でまぐわって欲しかったです(正直)
表紙のイメージほど陵辱とか蹂躙といった印象はなく、むしろハートフルな読後感が残る作品でした。不器用で孤独な龍が、人間の伴侶を得て、誰かと寄り添い合う温かさに初めて触れる物語。不老不死で地上のあらゆる生物を凌駕する強大な力を持っていても、心はけっして満たされないものなんだなぁと改めて考えさせられます。他人と心を通わせられることの喜びは、何にも勝るものなのだなと。
ストーリーもよく練られていて、龍と隊長の会話も適度に笑え適度にシリアスで、デビュー作でこのクオリティは素晴らしいと思いました。ただ、完全な私個人の好みとして、異種間だと反発し合ったり打ち解けるのに時間がかかったりしてくれると尚良いという思いがあったため、この評価になりました。買って損はない、良質な作品だったことは間違いありません。人間の姿になった龍と、安易に濡れ場に縺れ込む展開にならなかったのも良かったですね。エロに比重を置いていない分、2人の心の変化に集中して読めると思います。
とある国の守り神と国王の弟が織り成す、恋というにはいささか初々しい、龍と人間の異種間の絆を紡ぐ物語。
国の安寧を約束する代わりに国王の弟に要求されたのは〝龍の伴侶になること〟だった。
平和を条件に人外のものに嫁ぐその設定はまるで昔話にでてくる異類婚姻譚を思わせる。
龍は食事をすることも、睡眠をとることもなく、人がもつ情というものを介さない。
いちおう人型をとることはできても、生き物として人間とは根本的に違うものだというのが嫌というほど感じてしまう。
それでも、龍は〝人〟を慕い、〝絆〟に憧れるのをやめることはできなかった。
そして、遂には強引に人間を伴侶として迎えてしまう。
これって龍としてはかなり変わり者らしい。
本来、龍は人間に興味などもつことはない。
龍とは種の異なる生き物というよりは、天災のようなものだから。
たしかに天災と言われれば、それと理解しあうのも、情を通じあうのも、難しいよなあ。
それでも、一頭(匹)と一人は少しずつ少しずつ絆を紡いでゆく。
ときに反発し、教え教えられ、守り守られ、甘え甘やかされ(そりゃもうワンコのごとく)、互いに支えあい、笑いあう。
あれ、これって人間同士の夫婦と同じじゃない?
そんな風に気の遠くなるような時間をかけて、共に生きてゆく二人がいとおしく、うらやましくもあった。
王国の守護神とされている龍と、国王の双子の弟で軍隊長のお話。
争いの元になるからと、王家から除外され子供を作ることも許されず、王族の為国民たちと違て長寿の為、愛する家族を作る事も無くただ国の為に戦い続ける隊長の事情がたまらなく切なかったです。
そんな中で、守護神の龍に興味を持たれた隊長は、今後も守護し続ける代わりに伴侶として眷属になる様言われる。
国の為に生きてきた隊長がまたも自分を犠牲にして条件を受け入れるのは可愛そうだったけど、国王の兄がちゃんと弟の不遇を理解しているのは救いでした。
人間と根本的な考え方の違いで、なかなかお互いのことを理解できない龍と隊長が少しずつ会話を重ね龍の事・人間の事をしていくのは素敵でした。
龍が隊長に興味を持ったきっかけの回想はちょっと切なくて龍への愛しさが一気に高ぶっちゃいました♡
龍に性的欲求も愛情的感覚も無いので、BLという括りにはなかなかあてはまりずらいですが、それを抜きで読んでも十分に入り込める素敵なお話でした。
表紙だけ見て おっ、触手モノかな??と思ったのですが違いました。
スライム触手かと思ったら龍の爪でした。
和モノファンタジーで人外攻め、いいですね。
無性の攻めって初めてだったのですが、好きです!
挿入こそないものの、性行為の真似?みたいなことがあって、ちょっとエロかったです。
最初は、龍のことを不気味で怖い存在だなと思っていたのですが、受けと出会ってから表情がコロコロ変わっていくところが可愛い!!と思いました。人間の姿になった方が気安く接してくれると気づいたときのニカーって笑顔が、良い…。
人々と接することができない孤独な龍と、王家の血筋だから歳をとるのが遅い孤独な受け(250歳)。どちらも同じような寂しさを感じてる似たもの同士の話です。夫婦になれて本当に良かったね…。お互いの救済って感じです。
陛下であるお兄さんも良いキャラしていて好きです。あんなに小さな容姿をしていたのに、最後は年老いて…。何百年たったのだろう。
書き下ろしが特に好きで、夫婦感が増してました♡
一言でいうと、仲間や家族などの「絆」の本。
BLという枠に収まらないような大作で、素敵でした。