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今回もピアニストの祐介はそれなりに必死にヤクザの深見を守ろうとします。
彼の弾くへたくそなピアノそれが唯一、深見の救いで気持ちを落ち着かせるものなのですが、それは祐介への愛情に変わっていっている気がするのですよ。
有島にさらわれ、強姦され、薬を打たれた深見。
祐介と部下の工藤の助けによって救出されるのですが、深見は薬の依存症で苦しむ。
それを祐介が健気に、そして勇気を持って深見に対していくところが真摯で一途なのです。
自分をバケモノかもしれないという深見を暖かく包み込む祐介には慈愛を感じます。
キレて怪獣になりそうな時も「人を殺しちゃいけない」という祐介の言葉を守る深見。
薬だけではなく、その苦しみは有島に抱かれたことで性の苦悩も抱えてしまったようなのです。
この次、最終巻で劇的な展開と続いていきます。
深見はどうするのか?祐介の気持ちは報われる時が来るのか?
シリアスな内容なのに、西田さん特有の愉快な絵や、背中のモンモンでさえかわいらしく、時に息を抜くように作られているストーリーが飽きさません。
かなり痛いシーンが連続して起きる第二巻。痛さも切なさも倍増です。
容赦なさすぎ。
ピアニストの恋したヤクザは、敵対組織のキモクソジジイに拉致され、クスリを打たれて強姦される。
ピアニストくんは身をていして彼を救い出すんですが、クスリの後遺症でボロボロ。
彼が立ち直るために必死でピアノを弾く。それしかできないからだ。
何度か、『このヤクザ、ピアニストくんのことが好きなんじゃないかな…』と思うシーンはあるんですが、その『好き』が、まるで慈愛に満ちた母を求める子供の『好き』と大差ないようでもあり。ピアニストくんもそれを自覚している。
なんかもう、因果な相手に惚れたなァと、ピアニストくんが可哀想で切なくて仕方ないんですが、それ以上に大きな子供みたいなヤクザが可哀想で。
んで、最終巻へ続く。
拉致・レイプ、薬物の禁断症状と、ハードなシーンが続く第2巻。
深見が苦しむのは、薬物の禁断症状のせいだけでなく、祐介のピアノの音によって、人間らしい感受性に目覚めつつあるからでは?
とにかく、物語そのものに力があるので、絵だとか画面構成だとか、そんな技術的なことは、すべてを凌駕して、作品世界にぐんぐん引き込まれます。
この二人の関係がどうなるのかを、作者さん自身が物語りたいことをしっかり持って描かれているのだと思います。
「読ませる作品」の根源は、やはりお話の強さ、物語りたいことの力にあるのだと思うのです。
大嫌いなホモのオヤジにヤクをうたれケツを掘られて
狂気と理性との間でのたうち回る深見が痛い。
二人で過ごす穏やかな時間に一時の安らぎを得るようになる1巻
ヤクザ同士の抗争にトラウマにと泥沼ヘビーな2巻
ストーリーが急展開して息つく暇もない3巻
3巻まで読まないと絶対損しますぜ~。姉貴。
ストーリーに引き込まれるので全巻一気に買うことをおすすめします。
2巻は暴力団幹部・深見が敵対する有島に拉致されたところから始まります。
絹川は深見の部下・工藤に連絡を取り、直ぐに有島宅に行くのですが、
その時には薬を打たれ陵辱されたあとでした。
深見はその後不安定になり、有島を殺しに行くと騒いて絹川にも暴力をふるってしまいます、
しかし絹川が寝ているあいだに、彼の顔の腫れている部分にアイスノンを当ててあげるなど、
情があるような面を見せます。
深見がピアノを弾いている絹川にキスをしたのは、
彼の心の中にある何かが自然とそうさせたような印象でした。
なんとなく深見は一見乱暴ものですが、
何十にも包んだ心の防波堤の中身は情にもろく純真な人間が隠れているような気がします。
絹川が少しずつその防波堤の中に入っていく様子に、
絹川を応援したくなるような、そんな気持ちになります。
深見は絹川の気持ちに気づいていますが、それをどう受け止めて良いか彼は知りません。
抱くか抱かれるか、彼の中にはその表現しかない。
けれど絹川はそれだけじゃないことを優しく教えます。
絹川は自分が深見の家に来る理由は深見が好きというだけじゃない、
自分の下手くそなピアノを聞いてくれる唯一の人だからここに来ているんだ、と。
それを聞いて、深見は気持が落ち着きます。
しかし彼は有島に対するどうしようもない感情が爆発し、有島宅に向かいます。
というところで次巻に続く!です。
2巻も濃厚でしたが、やっぱり西田さんらしい笑えるところありました。
少しずつ、深見の心の中に絹川が入っていく感じが読み取れて良かったです。
二巻はハードです。
冒頭から敵対する有島(ホモオヤジ)に拉致されて監禁・薬を打たれての陵辱と怒涛の展開が繰り広げられます。やがてヤク中となり狂気と暴力に囚われてしまう深見が見ていて辛いです。
でも少しずつ心の奥底で絹川を求めているのではないかなと思う描写が幾つかあります。
有島の家から連れ戻して寝かせた時の「祐介」といううわ言、バーで絹川のピアノを聴いた時に禁断症状が起きそうになったけど演奏を聴いて落ち着かせた様子、朝方のキス、絹川の実家のケーキ屋さんで遠巻きに絹川の様子を見にきたり…「…俺を…俺を…」の後はきっと「抱いてくれ」と言いたかったと思うんです。でもその言葉を飲み込んで「何曲か弾いて帰れ」という深見。
絹川の弾くピアノが二人を繋ぐ絆というのか、言葉は必要としない分かち合えるものとなっていく様子が心に沁みます。深見は自分に対する絹川の思いを知っているけどどうしたらいいか判らない。だけど演奏を求めて聴くという行為で何か感情を呼び起こされそうになっているのではないか。
そしてそんな深見を包み込むようにピアノを弾き続ける絹川。
そしてまた波乱の展開で三巻へ続く!です。
巻末の同時収録作「僕の大切な」強盗にやってきた男とそこに住む男との話。
火事となった自宅の二階から色々訳があって飛びおりるのを躊躇している男に「俺のケツをやるから泣くなよう」には笑えました。
そして安定の爆笑あとがき。
第二巻。
ヤクザさん拉致~なお話ですな。
こんな見た目で、監獄で・・・ゴニョゴニョとか。
見た目よくないオヤジに犯されたり。
頭では完全なる拒否をしていても身体は・・なありがちな展開ではあるものの、キャラクターがキャラクターなだけに、すごいインパクトでしたw
二人の関係が少しずつまた変化していく様子。
これがまた面白い。
慣れてきたようで、実は慣れていない。
ふれそうで触れないというか・・・・。
この微妙な描写がなんとも言えない気持ちにさせていただきました。
なにより、キャラクターがみんな必死に生きてる。
そんな気持ちになる作品。
クールにハードボイルドに。
・・そのくせ、「ちんぽのデカさなんたら~」なアホなねたを押し込めてくるところはさすがだと思いました(´д`)
■僕の大切な
強盗に入ってきた男がやたらに好みだったため。
うまいこと言いくるめてヤってしまおう。なお話w
結局のところ、これはうまくいかなかったものの、
ピュアで犬な強盗さん~な最後は思わずホッコリしてしまいました。
擦れてた心がちょっと丸くなりますなw
あれだけ雄々しく、威圧感もあって、人前で女と乱交することも厭わないような深見が、有島にあっさり抵抗を封じられ、好きにされてしまうのは、1巻冒頭の頃から考えるとかなり衝撃でした。彼は諦めるべきラインをよく分かっていて、だから有島の誘いに乗ったわけですが、それでも心の奥底では無体を働かれることにも収まりきらない嫌悪感、抵抗感があって、終盤では部下や祐介の前だろうと構わず、有島に対してものすごい剣幕で突っかかるんです。こういう運命を諦めたようでいて、実際に無体をされるとなりふり構わず足掻く。とても人間臭いところがあって、彼という人物がより分かってきた気がします。
彼にとっては祐介も、自分への下心から何度酷いことをしても傍にいてくれるだけじゃないのか、という認識なんですよね。でも、祐介のピアノの音色を聴いていると、不思議と気分は落ち着く。挑発しても、祐介は乗ってはこない。今はまだ、祐介への感情にはっきりとした名前を付ける必要はないと思うし、本人にも分からないでしょう。でも、他の人間に対するものとは明らかに違う、何か特別な感情を抱いていることは、自覚があるんじゃないかな。最終的に必ずしも恋人になる必要性もないと思うし、この2人はただ隣にいるだけの関係を続けていっても、それはそれでありなんじゃないかとも思います。
深見に執着するじじいが深見のことを「まともに生きることも死ぬこももできねぇ」と言い、それに対して祐介が「あの人は…ちゃんと幸せに生きるんだ」と涙ながらに力強く言い切ったところに感動した。
深見がどんどん破滅的になる一方、祐介がピアノとケーキを深見と一緒に…と祈るように願うのが真逆の世界で叶いそうになく途中辛かった。
ハラハラドキドキしながら、荒削りな感じだけど引き込まれて読んだ。
最初ケーキをわしづかみにして食べた深見に、は?なんで?と思ったけど、そういう育ち、そういう人柄なんだとだんだんわかってきた。
これは…、思ってた以上の重い展開ですね。
深見は有島に狙われ攫われ犯され薬を打たれ。
あんなおじさんに…。深見の体格も良くてなんだかリアリティというか衝撃的でした。
薬物中毒で苦しむ深見。何度も有島を殺しに行こうとして。絹川は深見をなんとかしてあげたくてピアノを弾き続けたり、会いたくないだろうからと姿を隠したり。
深見はどんなふうに生まれて育ってきたのか。とても深い事情がありそうです。
心を痛める絹川。大切な深見に人を殺して欲しくない。
深見は最後は薬のせいでおかしくなってきたのかな?絹川の顔を思い出して踏みとどまって。
収録作は短いのにすごいインパクトで余韻を全部持ってかれました!なんだか○谷幸喜さんの映画かドラマにありそう。