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naimononedari no ouji to kishi
剣の腕は凄いのに魔術はヘッポコの魔術師と、魔力は高いのに剣術はからきしの騎士見習いによる、愛と感動と笑いの騎士物語になります。
この二人、性格も真逆で、まさにチグハグコンビって感じなんですよね。
神経質で理屈っぽい偏屈男と、完全に脳筋の単純バカでして、二人のやりとりが爆笑ものなんですよね。
細かいギャグがこれでもかとブッ込んであって、笑えて笑えて仕方ないんですよね。
が、ただ単に笑えて可愛いだけのお話では無いのです。
二人の愛に胸を熱くする怒涛の展開なんかも盛り込まれてまして、超感動なんですよー!
よくぞ、ここまで!と、アホな受けの成長にも目頭が熱くなっちゃうんですよーーー!!
ところで、ファンタジーと言うと、作者さんの好き勝手に書けるイメージがあったりしましたが。
これ、完全に逆ですね。
何でもありの世界だからこそ、構成力だったりしっかりした実力が必要なんだなぁ。
毎度、あまりにスラスラ自然に読ませてくれる為、これが当たり前だと思っちゃってましたよ。
こうして、読者を自然と物語に入り込ませてくれるって、実は凄い事なんじゃ無いでしょうか。
内容ですが、ヘッポコ魔術師・セフィラスとこれまたヘッポコ騎士見習い・リュトによる、ギャグ満載の笑えて可愛い騎士物語で主人公成長ものです。
代々騎士を輩出する名門出身ながら、剣術がからきし駄目なリュト。
父親から騎士の推薦状が貰えなかった彼が、推薦状を貰う為に変わり者の王子・セフィラスの元に無理矢理乗り込んだ所からお話はスタート。
実は魔術師でありながら魔術がヘタクソな王子から、騎士見習いなのに魔術の腕を見込まれて指南を頼まれるんですね。
で、逆に、魔術師でありながら剣の手練れであるセフィラスに、剣術の指南をして貰う事に。
こんなチグハグコンビである二人が、互いに関わり合う事でいい変化が起きて行く様。
そして王位巡る争いなんかに巻き込まれつつ、心を通わせて結ばれるまでとなります。
まずこちら、キモとなるのがタイトルにもある「ないものねだり」になると思うんですけど。
魔術の才能はありあまる程なのに、ヘタクソな方の剣の道に進みたいリュト。
逆に、剣の手練れでありながら、ヘッポコな魔術に傾倒しているセフィラス。
で、とにかくこの二人のやりとりが笑えて仕方ないんですよ。
こう、やたら理屈っぽくて理論派のセフィラスに、脳筋バカで単純なリュト。
いや、魔術を「気合いで」と感覚で教えるリュトに、剣術をイチイチ堅苦しい理論で教え込もうとするセフィラス。
互いに正反対過ぎる二人のやりとりなんかがですね、こうコミカルにギャグなんかも入れつつ書かれてまして。
いや、笑える。
もう、めちゃくちゃ笑える!
で、これだけならドタバタギャグで終わっちゃうんですが、上手いのがここから。
魔術オタクにしか見えなかったセフィラスの、魔術を研鑽する本当の目的。
そして、単純バカでワガママだと思っていたリュトの、目的に向かいたゆまぬ努力を続ける芯の強さ。
こう、互いが相手のそんな姿を知り、いい方向に影響を受け合う姿がとっても素敵でして。
また、そんな日々を過ごす事により、二人の気持ちが自然と近付き、恋愛感情へと発展して行くのも巧みなのです。
いや、この二人、最初はあまりに正反対過ぎて、どうやってこれで恋に落ちるんだ?的に不安になる程で。
なのに、なんか如何にもナチュラルに、甘さが増してくよー?と。
あの偏屈男が、「ただお前を見ていたくて・・」とか言っちゃってるよーーー!!と。
と、爆笑から甘々な空気に変化して来た所で、胸アツの怒涛の展開。
セフィラスは王位を巡り、非常に複雑な立場なんですね。
その為、僻地の城に閉じ籠り隠居生活。
ここに政変が起こり、反逆者として城を兵に包囲されー・・・と続きます。
こちらですね、超緊迫の展開でハラハラドキドキさせてくれると共に、二人の絆にめちゃくちゃ感動なんですよ。
そして、主人公の成長ぶりに胸が熱くなるんですよ。
最初こそ「魔術師なんて格好悪い」と言っていた彼が、主であるセフィラスを守る為に、自分に出来る事全てで戦う。
そして、一人しか脱出出来ないとなった時、二人が選ぶ道ー。
くっ、二人とも格好良すぎるよ!と
いやもう、この時の二人のやりとりに、めちゃくちゃ萌えちゃうんですよ。
これぞ、騎士ものの醍醐味だよー!!と。
ついでに、例の肩に剣を当ててと言う「騎士の叙任」シーンに、悶絶だよーー!!
ところで、リュトの家族だったり、セフィラスに長年仕える老夫婦だったりと、サブキャラもとても魅力的でした。
恋愛だろうと家族愛だろうと主従愛だろうと、愛ってやっぱりいいね!
あと、表紙にも居るブタ栗鼠も、めっちゃいいキャラでした。
一匹はリュトよりよっぽど賢いよ。
先生買い。めっちゃ好きだったので神。すぐに読み返すぐらい好き。ないものねだりな二人が大好きだったお話、本編250P弱+あとがきです。
騎士一家に生まれたリュト。父、兄姉と同じように騎士になりたくってなりたくってしょうがないのに、なぜかちっこいもやしっ子系。とうとう父にも見捨てられたので、誰か騎士になるための推薦状を書いてもらえないかと探し回るも、なかなか見つからない。北の森奥に王の叔父が隠遁生活を送っているとの情報を得て、最後の手段!とその城に向かい忍び込んだところ、魔術実験を行っている最中のセフィラス王子がいて・・・と続きます。
攻受以外の登場人物は
リンゴ、アケビ(ブタ栗鼠、魔獣、魔術により喋る)、攻めに仕える爺、婆、王様、リュトの父母兄姉、悪党少々。リンゴとアケビがよいチャチャ入れしてくれてます。
**大好きだったところ
最初、受けがチャラい喋り方をするので、「げ、どうしよう!」と思ったのですが、この子がすっごく良くて。「や、いらないっす」といった具合に喋っていたのに、攻めに仕える!と心に決めた時からまあ、きりきりきりっっと引き締まって、いや誰あんた、そんなに凛々しくなっちゃって!ととっても嬉しい変化でした。チャラい喋り方が激変するわけではないのですが、一本筋が通ったなあと分かるので、読んでいてとっても嬉しかったです。(子を見守る母の心地)
攻めもとても頑張り屋さん。魔道の力が欲しい欲しいと凄く懸命に努力を重ねているのに、ちょっとしたやり方が悪いが故に、コツをつかめていなかったのですが、リュトが上手に教えて出来た時の、まあなんて可愛い表情!!!!!(きょう先生の挿絵あり!!!)あーんもう可愛いったらありゃしない、この王子!!!!!と萌え転げでございました。しかもちゃんとした王族。人の上に立つべき王族。素晴らしい。最も好きなタイプ。(そして受け限定で可愛くなる)
騎士の叙任を与えるシーンの挿絵は何度見てもウルウルします。攻め受けとも好きだし、ちょっとクスっと笑えるし、「なりたいものになれるわけではないけど、夢は追いかければいい」とでもいった感じのメッセージを感じるし、非常に好きなお話でした。
小中先生の書かれるキャラって、色々いて、毎回毎回驚きます。今回もとっても満足です、先生有難うございました。
魔術師の才のある騎士見習いと剣術体術の才のあるへっぽこ魔術師がお互いに教えあって夢をかなえる話でした。
<あらすじ>
体格に恵まれず騎士としての能力の足りないリュト(受け)は騎士になるために必要な推薦状を貰うあてがありません。人一倍騎士になるための努力をしてきたリュトはなんとしても騎士になるため、推薦状を書いてくれる相手を探して奔走します。
姉からの情報で隠遁している王子がいることを聞き、最後の手段として現王の叔父・セフィラス(攻め)のいる城へと尋ねることにするのです。
はたしてそこにいた王子は、剣技に優れているのに魔術の研究をしたいへっぽこ魔術師でした。
魔術の才はあるのに騎士になりたいリュトにセフィラスは魔術を教えてくれたら推薦状を書くと約束します。
それから二人はお互いの得意分野を教えあうことになるのです。
タイトル通り「ないものねだり」でお互い才能のある方へ進めば大成できるのに、自分がなりたいものになろうと足掻いている二人です。
セフィラスがリュトに嫉妬して「魔術師になればいいのに」というとそっくりそのまま返されてしまって、お互い譲れないものがることを再確認するのが面白かったです。
初めは普通に教えていたセフィラスでしたが、全くついてこれないリュトが人一倍努力していることを知ってからはがらりと態度を変え、教え方が悪かったのではと考え直してくれます。
騎士としての鍛錬は体格に恵まれないものは志願すらしないことから(リュトは家が騎士の家系だったから)体格の良い人間のための鍛錬方法しかなかったのを、リュトの体格に応じた剣を与え鍛錬してくれるようになりみるみる上達していきます。
リュトは両親はじめ5人いる兄姉すべてが騎士という騎士家系で、騎士が最上の職業であり魔術師を馬鹿にしているような家で育ちました。
そのため、早くから魔術師としての才を認められていたにもかかわらず、そちらに進むことができず、どうしても騎士になりたいと思うようになったのです。
初めは騎士になりたいという想いだけで突っ走るただの脳筋でした。
が、セフィラスが今までの鍛錬は小柄なリュトには向いていなかっただけだと、鍛錬方法を変えたことにより、自分の魔術授業も同じことが当てはまることに気が付き、魔力の少ないセフィラスにもできるように指導方法を考えたり、応用したりとちゃんと考えられる子なのだと思いました。
ただ、思ったことを口走ってしまうところはあまり変わらなかったようですが。
リュトは城の使用人が老夫婦だけだと知ると、力仕事を手伝ったり彼らの負担を少しでも減らそうと動く姿が好感は持てます。
推薦状を貰ったらとっとと王都に帰るつもりでしたが、自分が帰った後の彼らの仕事の負担を考え、魔術を使って楽に生活できないかと考えたりと人の好さが現れています。
そして薪割など体力を使う仕事を王子自らしている姿にリュトも王子が優しい人であることに気が付くです。
王子が魔術を発展させようと奮闘しているのは、人々の暮らしやすいように魔術を役立てたいと思っていることがわかってからはリュトは王子を尊敬するようになります。
騎士になるときは自分が信用に値する相手に仕えるようにという王子のアドバイスに、王子の騎士になりたいと思うようになるのです。
王子のちょっとしたいたずらで王子への気持ちに気づくリュトやそれを受け入れるわけにいかない王子の切ない展開になるところですが、王子が王位継承がらみの政変に巻き込まれることによってそんなことを言っていられなくなってしまいます。
絶対絶命のピンチに一人しか逃げられないとわかった時、お互いが決して相手を置いて逃げないという状況に、二人で笑って最期を覚悟するシーンはちょっと感動ものでした。
最後は怒涛の展開で、やっとやっと二人が身も心も結ばれた時はほっとしました。
二人のその後がおとぎ話のような形で語られていたのが印象的でした。
でも、できれば二人のその後をもう少し読みたかったです。
今回は剣豪でありながら魔術師を志す前王の末の王子と
魔術は得意だが体格に恵まれない騎士見習いのお話です。
騎士の推薦状を求めた受様が魔術研鑽に勤しむ攻様との出会いで
それぞれの得手と不得手を補い王国の危機を救うまで。
受様の生家は代々続く騎士の家柄で、父も母も騎士で兄姉達も20才に
なるとすぐ叙任され、王族や貴族に仕えています。
末っ子の受様は両親の良いとこどりの顔立ちですが、体格は似ず華奢で
小柄です。それでも8才から父に弟子入りして厳しい修行に耐えますが、
武術の鍛錬ではいつもみそっかすです。
受様が20才を迎える12年目。同期は次々と叙任のための推薦状をもらい
巣立つのに受様には誰も推薦状を書いてもらません。父は受様の根性も
努力も認めていますが、受様の武術の才もさることながら、理屈や理論が
苦手で後先考えずに勢いや勘に頼って行動する上、本音と建て前の使い分
けすらできないのでは騎士には向かない、と別の才能を磨けと諭します。
実は受様は一般教養として学んだ初等魔術をすぐに取得し、本を読んだ
だけで高等魔術まで実践できるほど魔術の才に恵まれていたのです。でも
代々騎士の受様の家系では魔術師は引きこもりでモテない軟弱者と見做さ
れていて、受様も魔術師なんて考えられません。
騎士の夢を諦めきれない受様はめぼしい貴族や騎士に書簡を送りますが、
全く当ては見つかりません。そんな時、姉から隠遁生活を送る先王の末
の王子の存在を教えられます。その王子は男色で好事家なので受様に
「顔で誑し込んでみたらどうだ」と言うのです。
その王子こそ今回の攻様になる人物です♪
早速攻様に肖像画付で書簡を送りますが、攻様から全く返事もなく受様
はとにかく会えば何とかなるか、と森の古城に向かうのです。そこは
宮殿というより堅牢な石の城壁に囲まれた要塞でした。しかも門番の老
人は推薦状を出した者と言っても取次いでくれず、受様は魔術で城壁を
乗超えて潜入を果たします。
しかし、そんな堅牢な城に単身(連れである魔獣のブタ栗鼠はノーカン)
忍び込んだ受様は、攻様に刺客だろうと断定されて切りかかられてしま
うのですよ(笑)
攻様はまるで魔術師の様ないでたちなのに、長く大振りな剣を難なく振る
う長身の美丈夫で相当な手練れとわかります。当然受様に歯が立つわけが
なく、あっさりと拘束されてしまいうのです。
受様は騎士の夢はもとより、命さえも風前の灯となるのか!?
魔術を極めたい剣豪王子と気合で魔法を使える騎士見習いの凸凹コンビが
織りなす剣と魔法のファンタジーラブコメディです♪
攻様は前王の逝去に絡む継承問題が勃発した際に、王族同士の争いを避け
るために古城に隠遁し、魔術師の研鑽に励んでいたのです。宮廷魔術師の
資格はもつ攻様ですが、資格取得で精いっぱいで研究実験しても思うよう
な上達ができず、師匠にも匙を投げられたと言います。
受様は王子らしからぬ剣技を持ちながら魔術師になりたいと望む攻様の気
持ちは理解できませんが、向いていないからと騎士ではなく魔術師への
転向を進められた受様と同じです。攻様は魔術指南と引き替えに推薦状を
書く事を約束し、年明けまで古城に留まる事になるのです。
理論派の攻様と感覚派の受様では性格も考え方も正反対です。最初は全く
噛み合わない凸凹な2人が魔獣のブタ栗鼠達の助けを借りつつ、お互いに
徐々に歩み寄り、変わっていくのです。
頭で考える事の得意でない受様は、理論よりは気合で魔術を成功させてい
たのですが、それでは攻様に教えられないと、魔術書を読み解いて正統な
方法でも我流でもより簡単なやり方を攻様に教授します。
その柔軟性を攻様は素直に賞賛し、受様に請われていた剣術指南では受様
の体格に見合った細身の剣で戦う術を伝授していくのです。
中盤までは、攻様が魔術研究で惚れ薬入りのクッキーを作ったりという
コメディ路線全開で突っ走りますが、王国の覇権を狙う重臣達が攻様を味方
にしようと暗躍し始めた辺りからは徐々に物語がシリアス調に転調します♪
攻様に迫る暗殺の危機を乗り超え、受様と恋人として結ばれる幕引きまで
たいへん楽しく読ませて頂きました (^O^)/
誰もが目指す夢を掴めるものではありません。努力しても体格や資質がモノ
をいう事もあるでしょう。出来る者には出来ない理由が判らず、挫折する事
もあると思います。
このお話の主人公2人は努力を惜しまず夢を追います。それが困難な道だと
わかっていても諦めない、というか諦めきれないのですね。性格も思考も
全く違う2人の唯一の共通点であるこの"諦めない姿勢"がこの物語の要たる
原動力なのです。
北沢先生のイラストもお話の雰囲気に合っていてとっても良かったです♪
2人を助けるブタ栗鼠達もとっても可愛いです。すごく可愛い存在なのに
魔術でしゃべれるようになったら中年男性の声っていうギャップ萌えも
堪能させてくれる小中先生はさすがですね。
今回は魔法使い繋がりで椹野道流さん『従者にあらず』をおススメです。
スピンオフですが単独でも『されどご主人様』セットでも楽しいです。
騎士や魔術が出てくるBLを読むのが初めてでしたが、こちらの作品はとても読みやすく、一気に物語に引き込まれました。
騎士を目指すリュトは、騎士になるための推薦状を書いてもらうため、街から離れた城に住むセフィラスの元に行く。
セフィラスは魔術が使いたくて必死に訓練するが全くへっぽこ。
剣の腕はイマイチなのに魔術の才能があるリュトと、魔術はへっぽこだが剣を持たせたら天才的なセフィラス。二人共無いものねだりだが、それを教え合うようになり。。。
無いものねだりなんだけれど、そのままではなくて互いに相手の事を考えながら教えて、身に付けていく過程が凄く面白い!!
地位もあるだろうに、気付けば同等として接している姿も微笑ましくて、特にセフィラスがブタ栗鼠と筆談出来るようになったときの喜び様がとっても良い!
リンゴとアケビも可愛いだけの存在ではなく、良い味を出しているキャラでした。
小中先生は、物語に引き込む描き方がとても天才だなぁといつも思います。
最後の歴史の1ページ的な書き方が、私は大好きです。
大好き、安定の小中先生。
今作ものっけから読みやすいです。
文章運びが軽やか。
受けのリュトも軽やかw
勢いとノリで生きている騎士見習い。
代々騎士という家柄に似つかわしくない雑な会話に笑えますw
とにかく愛すべきキャラのリュト。
いちいち言動がまっすぐで笑っちゃう。
惚れ薬騒動やブタ栗鼠との恋バナ談議は大好きなシーン。
北沢きょう先生の絵はもともと好きだけど、今作がダントツ好みだったかも♡
リンゴとアケビのかわいさ、セフィラスの美男子ぶり、最後のまぐわい中のリュトの乳首が最高です♡
理屈詰め王子×脳筋アホの子な騎士見習い。
二人を足して割ればちょうどいいんじゃない?みたいな性格が真逆な凸凹コンビなので、やり取りが笑えました。
王子は蘊蓄好きで理屈っぽい。
それに対して騎士見習いときたら、どこの少年漫画の主人公ですか?みたいな「っつしゃー!!しゃー!!」というやかましい掛け声とともに、気合い上等!で生きてる脳筋アホの子。
だけど、どちらも宝の持ち腐れ状態の残念な二人という点で共通しています。
剣術に長けているのに騎士には見向きもせず、へっぽこ魔術に取り組み続ける王子。
稀有な魔力を持ちながら魔術師にはならず、いつまでも上達しない剣術に取り組み続ける騎士見習いのリュト。
そんな二人が出会って、互いに魔術と武術を教え合い、補い合うようになります。
最初は脳筋アホの子だったリュトが、王子と一緒にいるうちに少しずつ考え深くなって成長していくところが良かった。
ただただ「騎士になりたい!」と脊髄反射的に考えていた彼が、次第に「騎士」とは何かというところを考え始めて、答えを出していくんです。
そして若くして森の奥に隠遁していた王子が、リュトに出会ってからの自分の変化に気づき驚くのだけど、その際に「お前はどんな魔術を使ったのだ?」と言うところが、小中先生、お上手!お見事です!!って思いました。
攻めも受けもどっちもいいキャラだったなぁ。
ただの考えなしのアホの子ではなく、とーっても努力家なリュト。
リュトから「根暗」と言われつつも、次第にポロポロとかわいいところが覗き始める王子もとても良かった。
北沢きょうさんの挿絵、特に攻め様が素敵でそちらも楽しめました。
小中大豆先生らしい面白い作品でした。
リュトがセフィラスに魔術を教えながら、騎士として成長する物語でもありました。
あんなに軽率だったリュトが最後には思慮深くなってるんですから小中先生凄いです。
そして北沢きょう先生の描くブタ栗鼠が可愛いし、小中先生の文章力でとても魅力的な脇役となっていました。
もちろんセフィラスもとても魅力的に書かれていていて、隠遁していた身からどう政変を乗り越えて王宮に戻って行くのかをハラハラドキドキしながら最後まで楽しんで読みました。
リュトのお兄さんの趣味は風俗通いには笑いましたが、本当は忠義心に溢れる人物だったんですね。
最後にセフィラスとリュトが結ばれるシーンは、面白いのにとても色っぽくて良かったです。
騎士資質の魔術師願望の王子 x 魔術師資質の騎士願望のリュト
どちらも、才能の無いものねだり。
どうしても、憧れの騎士になりたい華奢なリュト。でも推薦状を誰からももらえない。
策を練り、王子の居城に忍び込んで王子に推薦状を書かせようと企むリュトは、本当は魔術師資質。
忍び込んだら、へっぽこ魔術しかできない、美男王子が悪戦苦闘中だった。
王子が出したリュトへの推薦状を書く条件は、魔術の指導だった。
次第に恋仲になっていく二人。文調は、ギャグコメ。
陰謀や困難を二人は協力しあって、乗り越える。
筋はよくある王道ものだけど、二人のやり取りがテンポ良いので読みやすい。
待ち時間などの合間に読む本にピッタリだと思う。
でも、イマイチ萌えきれなかったのは、受があまりにもオバカちゃんだから。
ペットの豚栗ネズミのほうが賢いなんて・・。
いくら美貌で美しい体躯でも、あんまり鈍感だと、つまらない。
この作家さんのファンタジー系が好きなので、ワクワクしながら読みました。
剣士見習いのリュトが、皇位継承を辞退した男色家と噂のある引きこもりの王子に、推薦状をもらいに行ったところから、お話が始まります。
もうね、リュトの口と態度の悪さや、2人の言い争いが面白くて、恋愛モノなのを忘れて大笑いしちゃいます。何度、これで恋に堕ちれるの?と不安になったことか。
でも、自分にはない、お互いの能力や魅力に気付いてからは、相手を好きだって伝わってくるので、そこからは萌えることができました。
そして、リュトが好きな人のために、どんどんイイ男になっていく様子にもキュンキュンしました。
だけど運命は残酷で、2人が離ればなれになりそうな場面では、涙が止まりませんでした。
と思ったら、あっけなく解決して、ハッピーエンド好きとしては、安心の展開でした。
おまけに度々登場するブタ栗鼠が可愛くて、モフモフ好きとしては、目尻が下がりっぱなしでした。
ただ、不満があるとすれば、最後が駆け足で物足りなかったことです。王都に戻ってからの、ラブラブな2人も見たかったです。