砂原糖子さんのレビュー一覧

或るシカリオの愛 小説

砂原糖子  稲荷家房之介 

孤独なシカリオ、愛を知る

メキシコのとある街が舞台のお話です。
マフィアが暗躍する治安が良くない土地柄ですが、ラテンの陽気な雰囲気を纏う世界観とストーリーは映画のよう。
メキシコに造詣が深くない私でも、頭の中に自然とその画が浮かんできました。


タイトルにもある「シカリオ」とは、スペイン語で"暗殺者"のことを意味します。
古道具屋を営むジャレスの元に、ガラクタと共に売られてきたのが若い青年ルカ。元暗殺者のルカ…

8

心を半分残したままでいる(3) 小説

砂原糖子  葛西リカコ 

ちょっと泣けた

感想なのでネタバレしています
未読の方はもったいないので、このレビューは読まずにどうぞ

真文の夢の描写で思いがけず泣いてしまった
思い出す部分に障害が起きているって、そう言えば言っていたもんね
記憶自体はあるんだ
お母さん、よそのお子さん巻き込んで大変な事故起こして本当危なかった、似たような人に会うこともなかっただろうし、理解されてるって思うことのない育児期間の末に亡くなって本当気の…

0

恋のつづき 恋のはなし2 小説

砂原糖子  高久尚子 

なぜか嫌いになれない攻め

続編が出ていると知り、今更ながら2人のその後を覗き見てみたわけなのですが…前作の方がパンチがあって好みだったかなーと思いました。
期間限定の同棲・当て馬のように颯爽と現れた性格の良いゲイの隣人と、良くも悪くも王道な続編かもしれません。

その後の2人の様子と、前作で性格が決して良いものではなかった攻め・新山がどう変わっているのかを楽しみにしながら読み進めてみると、なんとまあ不思議なことに続編…

1

恋のはなし 小説

砂原糖子  高久尚子 

何年経っても思い出せる攻めのクセ強性格

再読です。
初読時から何年も経っているというのに内容をはっきりと覚えているのは、やはりなんと言っても!攻めの性格に難があるものだったからでしょうね!
当時はそんなワードはまだなかったと記憶をしているのですが、今で言ういわゆる攻めざまあが楽しめる1作かと思います。
このキャラクターは好みがはっきりと分かれるだろうな。攻めてるなあ…!と思った記憶が蘇ります。

ゲイであることを引け目に思って…

2

ファントムレター 小説

砂原糖子  広乃香子 

構成が面白い

凝った手法で書かれた1冊でした。
何度も頭に疑問が浮かび、疑問を抱きながら読み進めていくうちに、なるほどこういうことかと過去が解き明かされていく構成が非常に面白かった。
なんだかアンネ・フランクを思い出しました。

東京都内でイタリアンレストランのシェフとして腕を振るう真頼と、大手広告代理店の有能な営業マンで幼馴染の訓。
九州の田舎で出会ったという幼馴染の2人。
若くして結婚し、その後…

0

オリオンは恋を語る 小説

砂原糖子  金ひかる 

ギリシャ神話に準えた波乱

タイトルに「オリオン」を選んだのが肝
・・オリオンはギリシア神話に登場する巨人狩人の名前
赤い1等星ベテルギウスと白い1等星リゲル、
オリオンの帯を表す斜め一列に並んだ二等星は、遠い星
神話では、嘘を信じた恋人のアルテミスに矢で射抜かれてオリオンは死亡する。

小説に登場する三人は、
 館原:バイオリニスト
 瑠音:ピアニスト 
 響 :刺繍作家

響は、聴覚障害。唇読で読み…

1

僕が終わってからの話 小説

砂原糖子  夏乃あゆみ 

ファンタジーが強いかも

砂原先生と言えば言ノ葉シリーズ!の人間なので、ハートフルファンタジーなのは予想していたのですが、言ノ葉シリーズに比べるとファンタジー要素が強く感じました。ただ、最初と最後で印象の変わる作品で、ストーリー展開はハラハラしつつも一気に読める楽しさがありましたね。また、どういうオチになるのかと大まかに想像できても、細かい謎まで全部当てるのは難しく、ありとあらゆる伏線をしっかり回収する展開にとても感動しま…

1

バイオリニストの刺繍 小説

砂原糖子  金ひかる 

3歳で音を失った恋人の心を掴みたいバイオリニスト

電子版発刊後すぐに購入。
続編が出たので、再読。下書きのままだったので遅れてレビュー。

音が聞こえない人との意思疎通を努力する恋人の葛藤
色々調べて書いた著者の努力を感じてしまった。
二転三転流れが変わり、引き込んでいく構成が上手い
「言ノ葉ノ世界」もそうだけど、内面描写する言葉選びが上手いと思う。

もっと評価が上がってもいいんじゃないかと思うけど、 
BL小説の中で小説らし…

2

言ノ葉ノ花(下) コミック

三池ろむこ  砂原糖子 

泣けた〜

なんか悪意の吹き溜まりみたいな世界で長谷部だけが誠実で光のようで。

善良な長谷部の妹さんの婚約者の心の声を聞いてしまい、ほっておけなくなって行動してしまってから大きくお話が動きますね。

長谷部よ、本当に良い人で。苦労してきたのに。余村の力を知って葛藤しても心配して。余村の願いは叶わない、神様はきいてくれない。けど長谷部がいてくれるならまだ生きていけるんじゃないかな?
つい自分なら、と…

0

言ノ葉ノ花(上) コミック

三池ろむこ  砂原糖子 

なぜこんなことに?辛すぎ!

コミカライズですが、きっと原作の空気感が表現できてるんじゃないかな?と推測します。
小説は何年も本棚に並んでて、何回もトライしては挫折しての繰り返しです。
こういう作品こそコミカライズはありがたいですね。

一見余村の態度が長谷部にひどいと思えますが、きっと心の中で長谷部が支えでありすがってるんですよね?
ありえなくはない相手からの好意が、今の余村にはそれほど貴重で救われるものなんですよ…

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