Sakura0904
王の元に連れられたユキ。このまま王に飼われるのかと思いましたが、王の要求はもっと悪質でしたね。ユキには玩具として自分の息をかけつつ、兵藤に探りを入れさせる。ジュンのこともあり自分のことだけを考えて動くことができないユキは、常に選択肢が限られているのが悲しい。それでも、ユキにとってジュンは負担ではなく希望なんでしょうね。王の支配下に置かれていても、ユキは兵藤の温かさに落ち着きを感じるようです。テツ…
1巻よりも殺伐とした裏社会の雰囲気は濃かったですね。どうしようもないジュンの父に、ユキがケリをつける巻でもあります。ユキの過去は想像していた通りでしたが、過去も現在もただ搾取されるだけの無力な子供に甘んじず、実際に行動を起こすところは男気があるなぁと惚れ惚れしました。あんなことをされていたら、思考も意思も奪われて、抜け殻になるのが普通。母親や弟という守りたい存在があったからこそできたことなのかも…
1巻では濡れ場もなくBL要素はまだ控えめですが、ストーリー構成とキャラクター設定で冒頭からがっつり心を掴んでくれました。裏社会が絡む物語なのでかなり殺伐としているんじゃ、と想像していましたが、実際は九號先生のすっきりとしたタッチ、無駄が削ぎ落とされた台詞やモノローグ、どこか愛嬌の感じられるキャラクターの表情などが相俟って、思ったよりも読みやすかった印象です。異父弟であるジュンを守ろうと奔走するユ…