Sakura0904さんのマイページ

萌作品

女性Sakura0904さん

レビュー数27

ポイント数207

今年度23位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 小冊子
  • GOODS
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

子供の世界を簡単に狭めないで

 久々にこのシリーズを読みました。子供の描き方は時折苦手に感じてしまうことがあるのだけど、大人同士の関係性の築き方、子供たちの言動から大人たちが学ぶシーンなどはとても素敵だなぁと思いました。Ω同士でいろいろ分かり合えると仲良くなった真生と望月。しかし、真生の周りにαが多いと知った途端距離を置くようになった望月の選択も、子供をたった1人で守らなければならない親として理解できるものでした。そんな彼に腹を立てたり失望したりすることなく、修復できるはずと諦めずに動いた真生を見習いたいなと。松尾と祐樹の進展も気になります。

終着点をどこに定めるか

 1巻よりはBLらしさが感じられるシーンが増えてきましたが、別にこの2人に関しては恋愛的好意は生じなくてもいいと思っているくらいなので、これからさらにBL要素が濃くなっていくと自分がどういう感想を持つのか、期待半分不安半分といったところです。兜が嫉妬を覚え、彩の身体を借りて椿と束の間の人間同士のデートを楽しむシーンもあり、椿との距離はどんどん縮まっていきますが、縮まれば縮まるほど今後共に歩めないことが分かりきっている関係性だから虚しさが募りますよね。でも、兜が椿に変化を与え、椿が兜を大切に慈しんだこのかけがえのない時はお互いの宝物になるだろうなと思います。

ヴァロドのキャラ立ちは面白かった

 ハイエナ族というのが登場し、なかなか波乱に富んだ続編でした。王であるゼンの周囲に認めてもらいたい気持ちが強いシーアは、最終的には単独で彼らの群れに乗り込むことに。無鉄砲と勇猛さは違うので、シーアは獣たちと人間の違いを理解して、獣に無理に近づこうとするのではなく、人間にできることをやればいいんだということを今回の件で分かってほしいですね。まだ何かあったら飛び出してしまいそうな危うさを秘めている気がするので。優しさも彼の美徳だけど、今後は王の番として堂々とした振る舞いも身に付けていってくれると嬉しいです。

仁瑚のその後が気になりすぎる

 どうしてこんなに低評価が多いんだろうと不思議でしたが、なるほど、読み始めたらすぐに理由が分かりました。確かに、前作でロウと佳乃が大好きになり、その糖度高めな後日談を求めて買ってこれだったら、ロウは何してるの?となるしあまり満足度は高くないだろうなと。予想以上に第三者である仁瑚の比重が大きいんですよね。幸運にも私個人は仁瑚の見た目も性格もドンピシャタイプで、彼メインの物語を読みたい!と感じたので、特段不満はありませんが。長く付き合えばどちらかが恋人とは別枠の大事な人と出会うこともたくさんあるだろうし、新しい繋がりができた時、お互いへの向き合い方を考える良い機会になったんじゃないでしょうか。この1件を経たことで、ロウと佳乃の関係性はまた1つ強固なものになっただろうと思います。

いつも自分を取り繕わず正直でよろしい

 幼馴染同士で片方の家で一緒に過ごす時間も多く、いろいろ勝手知ったる間柄の銀河と琉叶。銀河の方は長い片想いをしていますが、それが実る時は今まで悩んでいたのは一体何だったんだと思うほど呆気なく訪れます。琉叶というキャラクターがもやもやした気持ちを溜め込まない、何でもオープンな性格なおかげですね。じめじめしていない受けは貴重なので、彼のようなキャラは大歓迎です。あっさり事が運んでいくのであまりドキドキ感などもなかったですが、テンポの良さはこの2人らしいなと思いました。もし続編があるとしたら、やりがいを持てる仕事に励んでいる琉叶や、男らしく頼り甲斐のある銀河が見れたら嬉しいですね。

大切に想っているだけで十分見返りになるから

 メイン2人のキャラが個人的な好みからは少し外れていたのでこの評価に落ち着きましたが、ストーリーと栗原のようなタイプの人間の解像度の高さは素晴らしかったです。こういう人、リアルにいるんですよ。悪い奴じゃないし、ビッチともちょっと違う。社会性や対人スキルにも問題がないからメンヘラと一言で片付けるのにも違和感がある。ただ、やはり家庭環境にあまり恵まれない幼少期を過ごしていて、孤独への不安や抵抗が大きく、寂しさの埋め方が歪になってしまっているタイプ。

 分かりやすい見返りを自分が与えられるから、相手にもちゃんと必要とされる。この方程式が簡単には崩せないから、児島のような男に翻弄され、関係が切れた後もぐずぐず悩んでしまう。馬鹿な奴だなぁと思うかもしれないけれど、栗原の危うい不安定さは彼が今まで積み重ねてきた人生経験の結果。私は見ていてとても切なくなりました。なまじ常識人だし人の機微も読み取れるから、桃井が少しでも引く態度を見せれば途端に消極的になってしまうんですよね。そんな彼に1年以上もかけて根気よく、体の関係がなくても人は人を大切に想えるのだということを教えた桃井の誠実さが素敵でした。栗原がそこを理解した上で付き合うことで、今まで彼に寄ってきた男たちとはまったく違う安定した関係性を桃井とは築けると思います。たわいない恋人同士の日常を楽しんでほしいです。

きっと自分で自分を見失っているのね

 このシリーズって熱狂的なファンの方がたくさんいらっしゃいますよね。私もその熱の根源を知りたくて読み始めた1人。7年前くらいに初めて読んだ時は魅力が分からず2巻辺りで離脱しましたが、そこから2年経って改めて読んでみたら最初の頃と感覚が変わったのか、萌える余裕も出てきて毎巻結構楽しんで読んでいました。

 ただ、今回は前巻を読んでから間が空いたせいもあるかもしれませんが、あまり萌えは感じられませんでした。前巻から第2章に入ったとも言えるわけですが、矢代のこの頑なな壁は一体何のために築かれているのでしょうか。今百目鬼を受け入れることで生じるデメリットが私には分からないし、人が壁をつくるのは何かを守りたいからだけど、矢代がこの壁によって守っているものが何なのかが分からない。あなたの内に今、そこまでして守るべきものがあるの?

 百目鬼のことをのらりくらりと躱しながら、完全にシャットアウトするのかと思いきや、家に上げたりする。こんな世界でこんな環境で長く生きてきた男だから仕方ないんだ、というのは分かるけれど、この堂々巡りを娯楽として楽しむにはちょっとハードルが高いかな。雰囲気に頼りすぎな気もします。ラストは百目鬼が痺れを切らしたようなので、次巻で大きく動くといいなと思います。

これからは兄も恋人も両方兼ねて

 連れ子同士の義兄弟の関係性ということで、本当の兄弟よりで恋に発展するよりはずっと現実味がありました。幼い頃からならともかく、ある程度物心ついてからの再婚なら子供といえどお互い多少は気を遣う。やっぱりどこまでいっても他人だからこそ、こうして好きになってしまうんじゃないかなと思います。miso先生の作品にしては毒気というかシリアス成分がそこまで多くはなく、兄の雄飛の方はもっと病んでいるのかと思いきや、可愛い弟の意思を押さえ付けてまで自分の妄執を注ぐタイプではなく案外健全なお兄ちゃんでした。ちょっと物足りない感はありましたが、義兄弟もので読みやすい作品としては貴重かと思います。

意外と独占欲強めな攻め

 この2人はこれからもキスに重きを置いて恋人としてやっていくのかな?と思っていましたが、当然透はそこから先の行為への欲求も強いし、普段も恋人らしい日常を送りたいと考えていて。キスは上手でもまともな恋愛経験のない真白は、いつでもキスに持ち込んだり、透以外ともキス上手の噂をきっかけに仲良くなったりする自分を客観的に見つめ直します。2人が出会ったきっかけでもあるし、真白の1つの個性でもあるから我慢する必要はない。けれど、恋人として対等な関係を築きたいなら、自分の欲求ばかり優先するわけにはいかない。真白のちょっとずれた思考にはあまり共感できませんでしたが、我慢するのではなく、透が喜ぶことをすれば自分も嬉しくなるという方程式に気付いてくれて良かったです。

先生が楽しんで描いたのが伝わる

 なかなか面白い攻め受けの組み合わせでした。イケメンで性欲も強いのに、キスが下手な透。大学で噂になるほどキスが上手いのに、そこから先に進みたい欲がまったくない真白。前半はキスをレクチャーする真白が押していましたが、相手に触りたいと思えないのは本気で好きになった相手とシていないからでは?と透が真白の歪な性欲の原因に気付いてからは、透の方が押すように。そういう所に気付けるのって、やはり人をよく見ているなぁと思いました。透が積極的になった途端真白が完全に受け身になるかというとそうはならず、気の強さや元来のキスに対しての積極性はまったく失われることなく、攻める気持ちが透と互角な所も受けとして好みでした。