みざきさんのマイページ

萌×2作品

マスターレビューアー 「BLアワード検定」合格証 ソムリエ合格

女性みざきさん

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こんな攻めずるい

ある日突然、大好きなゲームの世界の大好きなキャラクターが現実世界にやってきた。
なかなかに突飛な設定ではあるのですが、これが非常に面白くてですね。
転生ものというよりも、奇妙な同居生活がどんどんと心地の良いものになっていく様をこっそりと微笑ましく見守っているような、そんな気持ちになれる作品かなと思います。

どんなことにでも誠実で、包容力があって、それでいて時折誰もが赤面してしまうほどの爆弾級なピュアさをあわせ持った攻めがものすごくツボにはまった1冊でした。
いやあ、これはたまらないなあ…
ノーブルな攻めがお好きな方はピンとくるものがあるかもしれません。

前半は受けの裕貴視点、後半は攻めのドラクル視点で語られる、ごくごく普通の同居生活がメインとなっています。
…ドラクルがゲームの世界からなんらかの力によって転移してきたことを抜かせば、ですが。
ゲームの世界では貴族だったドラクルが、単身者用の裕貴の賃貸部屋で眷属のコウモリ・バーニーと共になんとも庶民的で穏やかな暮らしを送っていく物語。
もっと癖のある性格なのかと思いきや、ドラクルという人がまるでスポンジのようにあれこれと吸収する人なものですから、あっという間に日本人庶民の生活に順応していく様子が楽しいです。
裕貴にとってドラクルは、ゲーム内でのいわゆる「推し」だったわけで、初めから好感度は高い状態なんですね。
画面越しに見ていた彼と、現実世界になぜか現れてしまった彼が魅せる姿は違った魅力にあふれるもので…と、恋愛感情を抱くまでの流れがスムーズで追いかけやすいです。
2人の関係性の微笑ましさともどかしさがちょうど良くて、合間にマスコットキャラクター的なバーニーがが入り込むのも可愛らしかったなあ。

そして何より、ドラクルのスマートな攻めっぷりが素敵でした…!
自立心あり、適応力あり、受けの様子がおかしければ立ち入りたいのをグッと我慢をして無理強いをせずに見守り、愛情表現はストレートにたっぷり。
かと思えば、攻め視点ではやきもち焼きな内面がちらりと見え隠れしたりもして、妙にツボにハマるキャラクターでした。
仕事に対しても誠実なところも好感度大。

裕貴の元職場の同僚がねちっこくて若干ストレスがたまったかなあ…もっとばっさり成敗されてほしかったなとこちらの評価になりましたが、まだしばらくこの2人と1匹の暮らしを見守りたくなるくらい素敵なお話でした。
日常の中に現れた非日常が最高の日常になっていく。
ほのぼのとした穏やかさが心地良かったです。

面白いがゆえに上下巻で読みたかった

最近は現世で死んだと思ったら異世界に飛ばされていた系のお話が多いなあと感じつつ、小中先生ならきっとおいしい味付けにしてくれるはずと手に取った次第です。
小中先生と奈良先生タッグは個人的にアツいものがありました。

小中先生って、ファンタジーの中に全部がお綺麗なものでできているわけではないぞと、ちょっぴり現実的という名の厳しさや辛さを混ぜ込むのが非常に上手い作家さんだと思っていて。
今作もそんなエッセンスが効果的に香る、分厚く読み応えのある面白い1冊でした。
序盤〜終盤手前までは文句なしの★5。
これは…はたしてページ数は足りているのだろうか?と不安になるスピード感があった終盤付近に、なんだか別の意味でハラハラしてしまい今回はこちらの評価に。

今作で特筆すべきはやはり主人公の礼夜でしょう。
現実をしっかりと見ていて綺麗事を言わず、くるくると小気味が良いほどに地頭の良さを見せつける口が悪い美人。
彼が見知らぬ異界の土地で孤軍奮闘…するわけではなく、生き残るために上手く取捨選択をしながら、なんだかんだと周囲の人々を巻き込んで信頼を勝ち得ていく姿は読んでいて気持ち良かったです。

なんでしょうかねえ。作中の彼の思考はとてもシンプルなもので、自分が無事ならそれでいいというものなんです。
ただ、ある種のツンデレと言いますか、終始利己的に振る舞っているようでいて、実のところ悪にもなりきれない情を持っている。そんな不器用な人なんだと思います。
怪我をした動物が道端で弱っていたら助けるタイプだと思う。
本当は人を思いやる心を持っていて、彼の思考と言動の端々からそれが滲み出ているのですけれど、礼夜本人だけが分かっていないんだなあ。
だからこそ、大勢をひとつにまとめ上げてやろうなんて微塵も思ってはいないところへ人が自然とついてくるんですね。

だというのに、本当の意味で自分自身を大切にする方法も、育った環境が影響し愛情もよく知らないというのがずるいところでして。
ここが攻めのヴィダールとの関係に深く影響してくるのがとってもおいしいです。
初めは嫌悪されていたはずが、少しずつ信頼→愛情へと変化し、序盤のヴィダールはどこへいった?と思ってしまうくらいに深みのある甘さになっていきます。
馴れ合いすぎないビターな甘さが世界観と合っていて良かったです。
背中越しに抱き合って眠る2人の図と、大切だからとあえて抱かないヴィダールが好きでした。
ひとつ欲を言えば、もう少しヴィダールの気持ちの流れが分かりやすいとなお良かったかなと。

国取りものとしても面白く、主人公の現世での孤独が塗り替えられていくかのような展開も読み応えがありました。
それがゆえに、先述の通り終盤の展開があまりにも急で残念に思います。
文庫でここまで分厚いのなら、上下巻に分かれてでもきっちり詰めて書かれたものが読みたかったです。

ちょうど良さが好き

神香先生の外国×事件ものが好きです。
恋の吊り橋効果シリーズにも同じものを感じるのですが、簡単に先が読めてしまうほど単純ではなく、かといって難解すぎもしない事件具合というのでしょうか。
ある程度は想像がつくけれど全てはわからない絶妙さ。
BL要素とあわせて読んだ時に、なんというか良い意味ですごくちょうどいいんですよね。

前作で恋人関係になり、現在は超至近距離のご近所で暮らしている2人の両視点で進む今作。
ワイアット視点では、女性ばかりが殺されている連続殺人事件の捜査が。
雨音視点では、サイン会を通してロマンス作家の彼が一歩前へと踏み出していく様が。
そして、合間に恋人とのほんのり甘い生活が描かれています。

職業的にも刑事と作家ですし、それぞれの視点で綴られる日常の中にある交わらなさそうだったものが少しずつ交わっていく展開が上手くって!
事件解決へと向かう後半は特に面白かったです。
雨音の読者の一部の行動には、ファンだからといってここまでやるかなあと、ちょっぴりうーん?と思ってしまうこともありましたが、雨音との最後のやり取りが印象的でなんだか良かったな。

ワイアットと雨音の恋愛面は、恋愛の甘さよりも信頼関係の強まりの方が多く見えたかなといったところ。
いやしかし、ところどころでワイアットがごく自然に放つ殺し文句がどれもずるいですね!
そんなあふれ出るスマートな外国人男性感と共に、ベッドでは若干の変態性の片鱗があり…
これは続編がもし出るのなら、巻を増すごとにフェチズム全開の溺愛っぷりを見せてくれるのではないかとわくわくしてしまいます。
もっと2人の生活を追ってみたくなる2巻目でした。

難しいけれど噛めば噛むほどな作品かも

初めましての作家さんでした。
非常に雰囲気のある装丁にビビっと惹かれて手に取りました。
カバーデザインはエドワード・ホッパーのオマージュなのかな。
カバー下もパキッとした黒に白が映える素敵さでした。
80-90sのアメリカ映画がお好きで、好きなものを詰め込んだとのことなので、もしかしたら映画好きの方はにやりとできるところがあるのかも?
万人受けするかはわかりませんが、好きな人はきっと好き。
絵柄もストーリーも個性的な1冊です。
BL成分はやや薄め。

舞台となるのは、ごく普通に月や宇宙への旅行が可能になっている近未来世界。
クリスマスを前にしたホリデーシーズンに、主人公のジョンへ祖父からとあるプレゼントが…と、始まりからわくわくしてしまう設定が続きます。

「ギズモ」と名付けられた自称人型家政婦ロボットとジョンによる、ひと夏ならぬひと冬の忘れられないお留守番劇が繰り広げられていくわけなのですけれど、ちょっとどう解釈をして良いものかと困り果てました。
キャラクター設定もストーリーも、大胆な線で描かれる味のある絵柄もすごく好み。
何が起こっているんだ?と彼らのスリルあふれる冬休みに引き込まれる展開も面白いのです。

ただ、先述の通り非常に個性的・独創的な作品でして、一度読んだだけでは理解が難しかったというのが正直なところ。
数回読んでみても、果たしてこの解釈で合っているのだろうか?もしかして実はこうなのだろうか?と答えが出そうで出ません。
私の読解力が追いついていないだけの可能性大ではありますが…読み手によって何通りの解釈もできそうな、スルメのようなお話かなと思います。
萌えかと言うとどうかなと3.5寄りのこちらの評価になりましたが、作風も余韻のある映画的な結びも好みでした。

同時収録作は、あと7日で終末を迎えると噂される地球で生きる、浮気をした男と浮気をされた男のお話。
こちらもまた不思議なあと味で良いです。
作家さんの別作品があれば読んでみたいなと思っていたら、同時発売作があるんですね!
そちらも読んでみたいと思います。

宵闇極夜 コミック

恋緒ジノ 

愛を知らない人

カバーデザインと帯の配色のおしゃれさ、褐色肌の皇子に惹かれて。
鳥籠や異国風の建築物の装飾など、丸みのあるもの…曲線の描き方と使い方が上手く、センスの良い画面構成が魅力的でした。

それはここではないどこか。
囚われの麗しき褐色の皇子と、にこやかな笑みを浮かべながら皇子を凌辱し、大切に閉じ込めて歪に愛でる宵闇の王。
架空の国を舞台に描かれる、最悪から始まる物語です。

鳥籠に異国の王子を監禁し凌辱する。
宵闇王の第一印象は決して良いものとは言えません。
言っていることもやっていることも最低でしょう。
しかしながら、かといって根っからの悪い人物にも見えないんですね。
少しずつ彼らの行く末を追っていくと、宵闇王がなかなかに拗らせた想いを抱えた、なんともまあ一途な上に健気で不器用すぎる男だということが判明していくではないですか。
初恋を忘れられず、愛を知らないまま大人になってしまった宵闇王の歪な愛し方にもどかしくなります。
不器用な攻めの頭を撫でたくなってしまう。
そして、そんな王に絆されながらも、自身を見失わずただ真っ直ぐに向き合う煌の心の広さがすごい。
外見は非常にかわいらしい人なのだけれど、対話をして相手を理解しようとする寛大さに、これは男前受けだなと。

酷い状況下から始まる物語だったはずが、気が付けばそうではないものに自然と変化していく面白さがありました。
極夜国の内情が想像よりも厳しいものだったのも、宵闇王という人に深みを持たせてくれるスパイスとなっていて、王が煌に執着をする理由についても納得がいく良い設定だったと思います。
彼に新しい世界を見せてくれるのはいつも煌だったんだなあ。
暗く狭いところから抜けるような青空へと羽ばたけるような結びも好みです。
なんだか終始攻めに肩入れをして読んでしまいました。

自然体でかわいい

誰も傷付かない、タイトル通りハッピーでかわいらしい1冊でした!
学校生活を平和なものにしたいと考える彼らの発想は、とってもシンプルかつ単純でちょっぴり笑えてしまうおばかさを感じるものなのだけれど、そこに幸田先生の柔らかな絵のタッチと見事にマッチしていて素敵。

癒し度が高く、読んでいて微笑ましくなる高校生の日常生活がすごく心地良いんですよねえ。
きらきらとしたまぶしさを感じる青春ではなくて、何気ないほのぼのとした素朴な青春の中に恋のエッセンスを一滴ぽたっと垂らしたようなゆるやかさが魅力的なのです。
付き合うってなんだろう?と首を捻りながら、思いついた恋人らしいことを手探りで実践していく2人が良くって!
柏木といると自然な笑顔でいっぱいになる瑞稀も、そんな瑞稀を時折見せる天然もののスパダリ成分できゅんとときめかせてしまう柏木の姿も本当にかわいらしかったです。

瑞稀の女の子が苦手になった原因って、さらりと語られてはいるものの、結構根深い心の傷になりそうなものだと思うんですよね。
でも、それを聞いた柏木の受け止め方がこれまた自然体で良かったんだなあ。
2人ともが人の気持ちをしっかりと考えられるやさしい子だったのも素敵ポイントのひとつでしょう。
恋人のフリが恋に発展していく流れも自然で、ときめいたりときめかされたりしながら進む恋を終始微笑ましく笑顔で追いかけられる良作でした。

優しい作品

文体も、お話も、登場人物も、なんというか非常に独特で個性的な1冊でした。
読みやすい読みにくいで言うのなら、読み始めはクセのある文とセリフにちょっと読みにくさを感じたのです。
けれど、20Pほど読み進めていけば、不思議なことにこの独特さに心地良さを感じている自分がいるではないですか。
流れに身を任せたままするっと読み終えて今に至ります。

添い寝から始めましたのタイトルから、いわゆる添い寝フレンドのお話を想像しましたが、その通りのようであってそこがメインではないお話なんですね。
攻めと受けの両視点で進む恋愛物語でもあり、成長物語や大人の青春物語のようでもあり…
なんだろうなあ…じっくりコトコト煮込まれた人間関係と、閉じていた感情の扉が少しずつ開いていく様を追うのが気持ち良い作品でした。
麻里という女性キャラクターがなくてはならないキーとなっているのも良かった。
麻里ちゃん、すごく魅力的な女性だったなあ。

はっきりとこれだとは明言はされていないものの、圭太は発達障害を抱えて生きている人なのかなと思います。
身近に似た特徴を持つ人がいるものですから、ああこの言動には既視感があるなと、ちょっとリアルに感じるところもありでした。
なので、特徴的な圭太の言動や行動が作品中で特殊なもの扱いではなく、ごく自然と良い方向に働きかけているようなやさしい描き方だったことが嬉しかったりもしました。

山あり谷ありな展開はありません。そこが良かった。
麻里をきっかけに但馬と圭太が出逢い、ゆっくりと寄り添い合っていく穏やかな話運びが素敵です。
但馬が包容力のある人だったからか、終始安心して圭太の成長を見守ることができましたね。
自分と同じだと共通点を見つけておっとなったり、かと思えば物事の考え方が全く違うものだったり。
そんな、個人を認め合って肩を並べる彼らのことを愛おしく感じた、あたたかな愛情に満ちあふれた1冊でした。

愛嬌があってかわいい王子様

タイトルに1と付いているということは、もしかして続きが読めるのでしょうか?
穏やかかつ微笑ましい交流から始まる恋も、登場人物たちのセリフのチョイスもすごく素敵で、もっと2人の行く末を追いかけたくなる作品でした。
金魚鉢でめ先生の絵柄も、キャラクター達のいきいきとした表情も素敵なんですよねえ。

自動車教習所から始まる出逢いも珍しければ、受けが教官というのも珍しく、あまり見かけないお仕事描写と2人の交流の深め方が面白かったです。
まず、八乙女が自動車免許を取得しようと思った理由が好き。
この時点で彼の人間性に惹かれてしまったのですが、読めば読むほどかわいらしい人な上に、少女漫画のヒーローキャラクターが言いそうな言葉を計算なしで言うギャップも持ち合わせていて、なんとも言えない愛嬌がある魅力的な攻めでした。

こんなに目が離せない人から真っ直ぐに仲良くなりたいと好意を向けられてしまったらそりゃあ気になっちゃうよねと思えるエピソードばかりでとってもかわいいです。
八乙女と千葉のS字クランクを少しずつゆっくりと進むような交流と、緩やかめではあるのだけれど緩急のある展開とちょっぴり初心な大人の恋模様を楽しく追いかけられます。

全体的に癒し度が高く感じたのは、やはり八乙女が完璧すぎなくていまいち決まらないところがある攻めだったからかなあと思います。
気が付けば、教習所懐かしいな…と思いながら、有言実行する八乙女の真っ直ぐさに射抜かれ、千葉の気持ちが徐々に変化していく様を終始微笑ましく見守っている自分がいました。
付き合った後の2人の恋愛面はもちろん、お仕事面ももっと読んでみたくなりますね。続刊が楽しみです。

Lizardhead コミック

りーるー 

個性的な設定が光る1冊

タイトルとカバーイラストに惹き寄せられて手に取ってみれば、ひょんなことからトカゲの国に転移してしまう主人公…と、なかなか見かけない個性的な設定が光るお話なのですが…

お、面白かったな〜…!?
言語不通の人外獣人国へのトリップものとしても楽しめましたし、BLはもちろん、人情ものとしても楽しめる素敵な1冊でした!

パティシエとして社会でなんとかやってはいるものの、どこか疎外感や孤独を感じながら生きていた四十路の慎一。
入浴中だったはずが、吸い込まれるように見渡す限りトカゲ・トカゲ・トカゲだらけのトカゲの国にトリップしてしまいます。
そこには自分と同じ人間の青年がトカゲの国の第五王子として暮らしていて…と続きます。

まず、人間なのにトカゲの国の王子?と疑問が湧きませんか?
ただ、この設定がとても良い方向にお話を持っていってくれる良いスパイスとなっているんです。
第五王子シェムウこと桐弥は少年時代に転移してきた人間で、読めば読むほどなかなかにワケアリな状況の中でこちら側に来てしまった人。
そう。トカゲ獣人と人間の恋のお話になるのかなと思いきや、転移先で人間同士の心の交流が描かれているではないですか。
これが新しくもあり、慎一の言語不通の部分を解消する上手い設定でもあり、もっと大きな部分での救済物語にもつながっていくんですね。
なるほどそうきたか!と、ひねりの効いた話運びで面白かったです。
シェムウの引っ付き具合に大変萌えました。

孤独を知っている者同士が、そっと手を取り合って抱きしめ合うようなお話でした。
異世界にあるトカゲの国ならではの種族の違いによる孤独や差別もあるのですけれど、それよりもあたたかみを感じる、じわーっとくる良いところがたくさんあるんですよ。
ハラハラあり、切なさあり、萌えも親愛も愛情もあります。
想像していたよりも壮大で読み応えのあるお話に夢中になって読みました。
読み進めるに連れて盛り上がりを見せ、読み終える頃には心温まる余韻が広がるストーリー構成が素敵。
慎一の職業設定も添えものにはならず、きちんと要所要所で生きていましたし、何より2人の恋の描き方が良かったなあ。
爬虫類が苦手な方にはおすすめ出来ませんが、一風変わったひねりのあるお話が読みたい方におすすめです。

前作よりも好きです

前作よりも楽しめました!
もうすっかりみさにゃん呼びが定着しつつあるバカップルの日常を微笑ましく眺めながら、ふふっと笑いが漏れてしまいます。
コミカルさも1話読切的なテンポの良さも前作同様で、大きな試練やどでかい壁もないので安心して読める楽しい1冊でした。

鉄馬独特の言い回しと行動は…残念ながら前作同様ちょっと自分の笑いのツボには入らず、笑いも萌えもキャッチ出来なかったのですが、少しずつ甘えたな顔を見せるようになったみさにゃんことみさきがすごくかわいらしかったなあ。
どんどん表情が豊かになっていってかわいいんですよね。
この魅力を引き出しているのは他ならない鉄馬なので、鉄馬と一緒に居るみさきだからこそかわいいさが倍増しているのかも。
そして、鉄馬との相性がぴったりな辺り、みさきもまた少し変わった人なんじゃないかな…とも思います。
良相性な2人に今後とも幸あれ。

そんなバカップルの愉快な日常も良かったのですけれど、みさきの親友・秀ちゃんの愉快な脳内も楽しい。
みさきと秀ちゃんの関係性がなんだかほのぼのとしていて、こちらもまたかわいらしかったですね。
サクサクと軽い読み心地で楽しめるかと思います。