ayaayac
「Shall we fly?」(『幼馴染みとのアレについて』収録)の前日譚を描いた同人誌。
アキヒト先生の作品は、デビュー作『彼等をめぐるすべて』も、2冊目『幼馴染みとのアレについて』も、受けがホワーンとしたかわいさがあって、ほどよいコミカルさと合わせて、癒されるストーリーです。
でも『彼等をめぐるすべて』に紡がれている言葉は深みがあって、アキヒト先生のシリアスなストーリーも読んでみたいなと思っていた時に、本作の再販を知って購入しました。
コミックスの拓真は、才能ある世界的有名なダンサーなのに、怪我をしてダンスができなくなったから、日本にシレッと帰ってきて、昔のお気に入り・亮一に付きまとう、何考えてるかわかんない掴みどころのない男でした。
でも、そこまで実力が認められるには、拓真だって努力もしただろうし、踊ることが大事じゃないわけがない。
事故で踊れなくなった時、自分を好きなルームメイトの気持ちを利用して、一時の快楽をむさぼる。
(流血してるし、ただ辛さを倍増させるだけのシーンですが…)
拓真は泣き叫んだりはしませんが、静かな中に、深い喪失感があるように見えました。
そんな時、友人(亮一の先輩)から電話がかかってきて、拓真は亮一のことを思い出し、亮一に会うために、自分のできることを見つけて…
本編のつきまといの裏にあった拓真の決心が描かれています。
掴みどころのなかった男の本心を見れて良かったです。
思った通り、アキヒト先生はシリアス調の話もうまい!
次回作もとっても楽しみです。
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