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sabaku no ou to itsuwari no miboujin
『アラブもの』って「何でもあり!」って思っているのは私の勝手な先入観なのでしょうかね?
「あの吉田珠姫さんの初の本格アラブ……ブラック珠姫さまがご降臨なさるのでしょうか?(ご降臨なさってください!)」等と、実は月也くんがいたぶられるのを期待して(あら、はしたない)読み進めたんですが、いらしたのは白珠姫さまでした。
出会った瞬間に恋をして、でも、互いに言い出せないことがある為にすれ違って、国の因習故にピンチに陥るのだけれど寸でのところで助け出し助けられて、互いに想い合う気持ちによって国も良き方向に向かって行く……という超王道のお話でした。
主人公の2人の王道ぶりも良いですよ。
父母を暗殺されたために誰のことも信じられない横柄な王と、明るい双子の弟の陰で生活を支えることだけに一生懸命だった引っ込み思案の日本人(美人)。
あえて言わせていただければ、『アラブもの』自体の様式美はもうある程度固まっていると思うので、王道を歩まれるのであればもう少し大きな爆弾をぶっこんでくださったら嬉しかったのになぁ、ということ。
石田恵美画伯のイラストが非常に美麗でした。この表紙絵、美しいよねぇ。
ゔーん。
陽也に間違えられたまま訂正しない月也に、イライラしたまま物語が進んでしまいました。
だから今ひとつ感情移入出来ませんでした。
理由がアサドに一目惚れしてしまい、陽也だから愛されてるから言えないって…引っ張る理由がちょっと無理矢理でした。
さらに何度も暗殺未遂に遭ってるのに、アサドは月也を連れて2人きりで砂漠に行って襲われそうになってました。
「シーク アサドだ」と名乗っただけで賊が去って行く展開に??ってなりました。
不思議な事に月也を正妃にすると決めた後は、あれだけ恐れていた親族達は何もして来なくなってちょっと拍子抜けしました。
アサドの弟の元婚約者が、月也を認めたから害を成すものは私も許さない発言も、何故この人だけが強いのか謎でした。
アサドが砂漠の王として全然活躍しない中途半端な作品でした。
元々好きな作家さんですが、更に設定がとても魅力的と言う事で、楽しみにしてた作品です。
で、やっぱりストーリーや設定がとても面白いのです。
神秘の国と言われる、砂漠の王国。
その国の王子と、結婚を誓っていた双子の弟。
事故で亡くなった弟の死を伝える為に王国を訪れると、なんと同時期に亡くなっていた王子。
更に、弟と勘違いされる主人公。
なんとこの国には、伴侶を亡くして「栄誉ある死」を選ばない「未亡人」は、王族全員の慰み者となる恐ろしい風習があってー・・・みたいな。
こちら、この設定から、痛くてエロエロ系の作品を想像してたんですよね。
が、いい意味で予想外だったんですけど、意外と甘々だったんですよ。
王子の兄・アサドと主人公である月也は一瞬で惹かれあい、運命的なものを感じあう。
その為、未亡人として月也を慰み者としようとする王族から、アサドがしっかりガード。
また、王として、常に他人に心を許さず生きてきたアサドが、月也と共に過ごす日々に、安らぎを感じるー。
オチまで、とても爽やかなものだったりして。
が、どうにも引っ掛かる部分もあったりする。
これは個人的な感覚のズレになってくると思うんですけど、アサドがですね、何だかすごく感情の起伏が激しいと言うか。
激情型と言うか。
彼は王として、国民の為に常に身を粉にしと、とてもいい男なのです。
ちょっと人に厳しすぎる部分はあれど、それ以上に自分を厳しく律しと、本当に凄くいい男だと思うんですよ。
が、いかんせん感情の起伏が激しくて、どうにも違和感を覚えると言うか・・・。
彼はですね、清楚で清らかな月也に、あっと言う間に心を奪われるんですね。
すると、自分の気持ちに混乱し「あの青年は魔物なのか・・・?」「こうやって男をたぶらかしてるのか・・・?」と混乱する。
そして「お前は魔物だ!」みたいな。
「弟をたぶらかし、更に私までたぶらかした」みたいな。
う~ん・・・。
言ってるセリフが何とも違和感があると言うか。
どこか芝居がかっていて、彼が盛り上がれば盛り上がるほど、こっちは冷めると言うか。
そもそもですね、この二人、惹かれあうのが早すぎな気がするんですよね。
ろくに会話もしないうちから、月也は「少しでもアサドと共に居たい」と言い出し、アサドはアサドで「自分は男色家では無いのに、彼を見た瞬間、雷に打たれたような衝撃を受けた・・・」と苦悩する。
早い・・・!
早いから!!
そんな感じでですね、こっちがちっとも乗り切れないうちに、主役二人でどんどん盛り上がっていっちゃう印象なんですよね。
私は完全に置いてけぼり状態と言うか。
あと、アサドは月也の事を、双子の弟で王子の婚約者である陽也と勘違いしてます。
この勘違いがキモではあるのですが、月也が自分は陽也では無い事を、頑なに黙ってるのが不自然じゃないでしょうかね。
これが、明るく皆に愛される陽也へのコンプレックスがあるから、と言うだけの理由では、なんか弱い気がします。
何故さっさと言わない、と気になって気になって仕方ない・・・!!
もっと説得力のある、別の理由付けがあれば良かったんですけど。
とは言え、ストーリーとしてはとても好みで面白いですし、全然予想外だった甘々っぷりにも萌えるのです。
そんなワケで「萌」評価で。
アラブすきー。王道路線だと思うのですが、王様が可愛く感じるのと石田先生の描かれる長髪アラブ男にノックアウトされたので萌2にしました。本編230P+SS2Pこみのあとがき+石田先生のアラブ男1P♡
双子の弟「陽也」と二人で生きてきた「月也」。ゲイをカミングアウトしゲイバーで働いていた陽気な弟とは異なり、地道に工場事務員として働いていたのですが、ある日仲たがいをした日に弟は交通事故死。生前聞いていた「アラブの王子様にプロポーズされたので嫁入りする~♡」という話通り、イステカーマ王国からプライベートジェットで迎えが来たので、説明するべく向かったのですが、当の王子も死んだと、イケメン国王から聞かされ・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
受け弟(故人)、攻め弟(故人)、攻め弟の元婚約者(♀、カッコ良し)、悪党少々。
攻め弟の元婚約者がちょっと絡んできますが、カッコよく誇り高いアラブ女子で、いい感じでした!
**可愛かった王様について
神官シリーズのらごらごと異なり、この王様はとっても孤独。毒殺、狙撃等、命を狙われまくっている人生らしく、ご飯は外国から取り寄せた携帯用栄養食品(=カ〇リーメイト系)で、心を許した人は弟だけだったという方。叔父などは昼間っから乱痴気パーティやっちゃう人でとても国の事は任せられん!と全部自分で執務しちゃう。
そんな方が弟の愛した人(=未亡人扱い、なんだけど実はその人の双子の兄)に惹かれてしまって、安らぎを覚え、食べる楽しみを思い出し、最後の最後には「私はまだ返事を聞いていない」とふてくされ。この文句を言うシーンが一番可愛かったwww
受けさんは健気一直線、国王に真実をなかなか告げられずに最後の方までかなり切なげです。
ああ王道という印象。(さっさと吐け!と心中で呟きながらイライラする、これもまた王道(笑))
イケメン冷酷そうな王様がメロメロに落ちていく過程にきゅんきゅんだった1冊でした!
作家買い。
吉田さんの新刊はアラブもの。
アラブの王さま×孤児の青年、の恋のお話です。
主人公は月也。
両親は物心ついたときからおらず、双子の弟とともに施設で育った。
双子で、唯一の家族の2人だが、性格は正反対。
明るく、人づきあいが上手で、ゲイである事もカムアウト済み。夜の仕事をしている弟の陽也。
対して月也は人見知りで引っ込み思案。
そんな二人だけれど、ある日突然陽也が交通事故で逝去。
アラブの王子さまにプロポーズされたと言って、指輪を受け取ったばかりだった。
亡き弟の遺志を継ぎ、弟にプロポーズしたというイステカーマ国の王子であるハーマドのもとを訪れた月也だが、ハーマドもまた、急逝したと聞かされる。
そこで月也が出会ったのはハーマドの兄で、圧倒的な存在感を漂わせるイステカーマ国国王のアサド王。
自分は陽也ではない、と伝えそびれてしまった月也だが、イステカーマ国には夫を亡くした妻は、「栄誉ある死」を選び自死するか、「未亡人」となって親族の男たちの慰み者になるかを選ぶという風習があり―。
というお話。
うーんと。
設定は非常に面白いです。
アラブの王さま×薄幸受け、って王道のストーリーですが、受けさんが別人、というのは斬新。
アサド王も、冷酷で残酷、という噂こそあるものの、国を守るために孤軍奮闘するナイスガイな王さまなんです。
なんですが。
月也という青年に、まったく感情移入できなかった、というか…。
自分は陽也ではない。
と伝えないのはこれいかに。
アサド王に一目惚れしちゃったから、少しでも傍にいたい。
という理由なんだよね…?
でも、普通に、陽也の兄です、って言えばよくない?って思っちゃって、どうにもこうにも感情移入できなかった。
ストーリーとしては非常に面白いですし、孤独でいたアサド王が月也という存在を得て幸せになる、という過程に激萌えしました。「未亡人」という設定も、胸糞な設定ではあるのですが、その悪習から月也を守ろうとするアサド王の男気も。
吉田さんらしいエロ度満載の濡れ場に、石田さんの麗しいイラストがより萌え度を上げています。
が、月也が「未亡人」にさせられてアサド王の親族のおっさんたちに襲われることになるのも、ハーマドの元婚約者という女性に憎まれることになるのも、アサド王に不要な隠し事をしなくてはならなくなったのも、すべて自分は陽也ではない、と伝えてないから。
面白かったですし、設定も非常にツボではあったのですが、最も基盤となるそこで躓いてしまったのでどうにもこうにも感情移入できなかったのが残念でした。