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happy sunny dining
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
優しい顔したスパダリに、お料理ごと食いつくされちゃう若き料理人くんのお話。
本を開くと、いきなり血まみれで包丁持った男が突っ立ってますが、スプラッタなサイコサスペンスではありません。
お話の大筋は、料理人の友晴が、大ホテルの厨房、先輩に誘われて一緒に始めた先輩の店、そして、自分が料理の道を志すきっかけとなった総菜店と、自分の居場所を探していくお話です。
その時々の転機の後押しをしてくれるのが、友晴が勤めていたホテルで開かれた婚活パーティに参加していた南中野です。
友晴の方は色々悩んだり、へこんだりしながらも着々と成長していく姿がかわいい。
そして、南中野。
この、ふんわり眼鏡の姿の下に、なんだかとっても言葉にできないようなものを抱えてるような所がスパイスになっていました。
完全な表紙買いだったのですが、お料理を軸に進んでいくストーリーと心理描写がしっかりしていて、とても楽しむ事ができました。
ーーーーーーー感想とネタバレーーーーーーー
既に付き合っているカップルのお話です。
ストーリーの中で馴れ初めにも触れられていて、ノンケ同士の一目ぼれもので、くっつくまではあっさりでした。
付き合い始めた後のらぶらぶ具合を見れば、お互いに好き合っているのがわかりお似合いのカップルです。
攻めの教一は、ひょうひょうとしていてどこか掴めないというか、何を考えているのかよくわからないところがあります。
ただ彼の行動原理は、友晴であり溺愛していることがひしひしと伝わってきます。スパダリではないんですが、卑屈な友晴を精神的に支えているのは彼であると断言できます。
受けの友晴は、自分の考えを自分自身の中に閉じ込めてしまう傾向があるようで...料理人として働いている職場がうまくいっていないということを、教一に相談することができません。
ストーリーの主軸は、友晴を取り巻く仕事環境の問題。ぐるぐると考えてしまう友晴と、彼の思考をほぼほぼ理解していてほしいところに手を差し伸べる教一。この対比が心地良かったです。
全体的に友晴が教一から愛されているんだな~という感じがひしひしと伝わってきました。
お料理がたくさん出てくるというわけではないですが、個人的にはキュウリを叩き割るシーンがとても好きです。
同時収録の「グランドフィナーレ」は、リーマン同士のすれ違いもの。既に付き合っているカップルが倦怠期?を乗り越えて更なるステップへ進むまでのお話でした。
可愛い表紙とこのタイトルに惹かれて。
美味しそうなお料理がじゃんじゃん出て来る、所謂「飯テロ」系かと思いきや。
大切なこと、大事な場所を見つけていく、心の成長の物語だったりする。
そして、一見草食男子的なルックスの教一が、結構仕事の早い肉食系男子な事にも驚かされる。
元はホテルの厨房で働いていたハルは、先輩が独立したのをキッカケにイタリアンレストランで働いていたのだが。最初、調子良く人気だったそのレストランも、先輩が離婚して、切り盛りしていた奥さんが抜ける事で立ち行かなくなり、先輩は店を畳む事になる。
仕事を失くしたハルは、教一に別れを告げて、自身が料理人になりたいと決意したキッカケとなる懐かしい土地を目指す…。が、会いたかった小さな店の親父さんは既に他界しており、
店は空き家になっていた⁈
と、まぁ、ここまでジェットコースターです。ビックリ⁈
物語は、ハル視点、教一視点と、進んで行くので。
二人の気持ちと、ここに至るまでの経緯がとても丁寧に描かれていきます。
ノンケ同士だったのに、一方的に見初められたハルが、教一に鬼執着されて、堕とされる‼︎
また、敎一が執着攻めとは思えないほど、柔和で優しくて温かい。そして頭もいい。
常にキリキリしているのはハルの方なのだ。
ハルは小さな店と、店の親父さんの家族と交流する事で、料理を作りたいと思った気持ちを思い出し、料理人としての自分と向き合う。大事な人に食べて貰いたいという、大切な気持ち。
そして、ハルの居場所を作ってあげたいと願う教一の気持ち。
お互いがお互いにとって、特別な人で、大切な人。
『あったかくて、やわらかくて甘くて。ひとくちじゃやめられない世界。』
二人の気持ちと恋が成就する頃、お料理じゃなくて、スィーツが登場するのもビックリ⁈
ハルは、料理人だけど、オールラウンドプレイヤーになります。きっと。
同時収録は、名前の無い二人が織り成す「グランドフィナーレ」
いや、ここは本編のグランドフィナーレかと思ってたよ⁈ と、ツッコミたくなる全然別の話。
浮気や別れを覚悟していた7年目の倦怠期。
だけど、それは全くの誤解で。想像より現実は温かかったというショートストーリー。
描き下ろしは、教一が一見可愛いのに、「我慢出来ない」トンデモ野郎なところが⁈
細っそりとしたこの男の、ハルを好きで好きでたまらないというエピソード。
「ふっざけんなよ、テメー‼︎」と、言いながら、いつだって流されちゃうハルも可愛い♡
表題作はエピソードがたくさん詰まっていて、次から次に展開するお話を夢中で読み進めてしまうような作品でした。
料理人の友晴は、料理に対する情熱は人一倍ありながら思うように形にならず、
人付き合いも上手ではないので空回りする日々。
そんな時でに出会った教一の存在によって、これまでの生活がガラリと変わるんですよね。
ホテルを辞めた後も友晴にはなかなかの困難がありますが
そんな時も優しく微笑んで見守る教一がいつも傍にいて…
教一の器の大きさにただただ感心してしまいました。
ちょっと不器用だけどすごく頑張り屋さんな友晴のことをよく理解していて
本当に素敵なカップルだなと思いました。